農林水産物貿易〔1-5月〕 前年比増額分は、輸入が輸出の4.7倍
“農林水産物・食品の輸出が6年連続最高で、前年同期より10%以上増えた”と報じている。農水省も「農林水産物・食品の輸出に関する統計情報」をアップして推進している。が、情報発信が一方的である。この際、輸入も見てみよう。6月分はアップされてないので、1-5月.合計で、今年と昨年を比較してみた。
● 率では、輸出14.6%増、輸入5.6%増、と輸出が好調に映る。
●が、額では、輸出448億円増に対し、輸入2110億円増 と輸入の増加は輸出の4.71倍
輸出も否定しないが、国産消費を高める方がはるかに重要である。記事は、日欧EPAやTPP11により「今後も輸出拡大が期待される」とお気楽に報じているが、「輸入拡大」の方がはるかに大きく拡大することが懸念され、国内一次産業の足場をゆるがすものとなる。
【農産物輸出、6年連続最高に 上半期2桁増、日本食ブーム続く 共同8/4】
見られたくないのかいびつな情報発信だ。輸出は「農林水産物・食品の輸出に関する統計情報」なるページをつくっているのに、「輸入」の方は、同ページの但し書きで、「我が国農林水産物貿易統計のページをご覧下さい」となっている。
そこで案内されたとおり入り、数ある中から「我が国の農林水産物輸出入実績」の「月別、年別実績」をクリック。すくに出でくるかと思いきや「分野別分類/農林水産物の輸出入」のページに飛び、そこの「農林水産物輸出入統計」をクリックしてようやく到達する。
・2017年1-5月累計 輸出3085億円 輸出3兆7444億円
・2018年1-5月累計 輸出3533億円 輸出3兆9554億円
【農産物輸出、6年連続最高に 上半期2桁増、日本食ブーム続く 共同8/4】2018年上半期(1~6月)の農林水産物・食品の輸出が前年同期より10%以上増えて4千億円超となり、6年連続で過去最高を更新する見通しとなったことが4日、分かった。18年通年でもこれまでの記録を塗り替える公算が大きく、政府が目標として掲げる19年の輸出額1兆円達成が現実味を帯びてきた格好だ。農林水産省が今週中にも発表する。
欧州連合(EU)との経済連携協定(EPA)や、米国を除く環太平洋連携協定(TPP)により今後も輸出拡大が期待される。
18年上半期は、世界的な日本食ブームが続いていることから全体的に好調だった。中でも牛肉やイチゴの輸出増が目立った。
(共同)
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