西日本豪雨災害について県への申し入れ
17日、日本共産党高知県議団と高知県委員会は、西日本豪雨災害で被災した県内各地への視察を元に、県知事あての緊急の要望書を提出。県からは、岩城孝章・副知事が対応した。
要望項目は、堤防の改修の推進、がけ崩れ対策、農地の復旧、道路改修、罹災証明の迅速かつ柔軟な発行など、住民の要望が特に強かったものを中心に、県として全力で取り組んでいただくよう要望。
副知事からは、一次産業など生業については「国の査定を待っていたら遅くなる。早急に対応するよう指示を出している」などこの間の県の取り組みが説明され、「いただいた要望も知事へ伝え、具体的要望については対応できるようにしたい。高知県は災害に強いといっても手負いの状況で、次の台風、大雨までにやるべきことをやる必要がある。極力、精一杯の対策をうって、被害を抑えるようしっかりと取り組んでいく」「被災者が困っていることで知らないこともあるので、情報を寄せてください」と対応。
引き続き、災害復旧と次の豪雨にそなえにとりんでいく。
以下、要望内容など・・・
【西日本豪雨災害にあたっての要望書】今回の豪雨災害の救助・復旧に、関係機関、市町村と連携をとりながら、全力で取り組まれていることに心から敬意を表します。
日本共産党高知県委員会も災害対策本部〔本部長 松本顕治常任委員〕を立ち上げ、県下の地方議員・党支部と連携をとりつつ、党県議団とともに、安芸市・芸西村・香南市、大豊町、宿毛市・大月町などの被災地に入り、 住民のみなさんの切実な声に耳を傾けてきました。
そうしたもとで出された要望、実態にもとづき、いっそうの取り組みの強化を以下の通り、切に要望するものです。記
1 堤防の改修の推進について
・安芸川について「川底に砂利がたまり、低い堤防が役に立たない状況」〔栃の木〕、「5年前にも水害があったがそれ以上。堤防の整備をしないと暮らせない」〔川北〕、「あと一日降っていたら、川沿いの道路の崩壊箇所が完全に決壊し、市内に大量の土砂が入り込んでいた」など切実な声がよせられている。
早急な浚渫と改修・補強工事を行うこと。2 がけ崩れ対策について
・2014年度の豪雨災害で発生した崖崩れの復旧・対策が未だ完了しておらず、それらが新たな崖崩れを誘発する事態がおこっている〔高知市鏡地区〕、「擁壁が途切れているところから土砂崩れが始まり、集落が崩壊状態。以前から住民が指摘してきたが工事が進まずにきた」〔宿毛市大島〕
・次の被害を発生させないため対策を急ぐこと
・崖崩れの予防対策として住家防災事業の要望がたかまっているが、予算枠の関係で、数年待ちの事態がうまれている〔高知市〕。予算枠を大幅に増額するとともに、さらなる個人負担軽減のための措置を導入すること。3 中山間地の給水施設補修について
・過疎と高齢化のもとで給水施設の維持・整備が困難となり、災害によって長期間も断水を余儀なくされる事態が発生しており、切実な問題となっている。今回の豪雨でも多数の被害が危惧される。
実態把握につとめるとともに、中山間地域生活支援総合補助金〔生活用水の確保〕の補助率のかさ上げと必要な予算額を確保すること。4 家屋、水路などの土砂撤去について
公的施設・道路の土砂は、公的責任で撤去が進んでいるが、個人宅や個人・集落で管理している水路などは「自己責任」となっている。支援策をとること。5 被災者支援について
・罹災証明の発行 より柔軟で、被災者支援の観点を重視した対応をおこなうこと。
・各種の支援策について、周知徹底すること。
・災害救助法適用市町村での医療・介護の一部負担金免除制度を確実に実施すること。本県では収入が年金だけなど低所得の被災者が少なくない。同制度の対象にならない事態をなくすこと。
・床上浸水〔土砂流入〕などにより自宅で住めなくなっても、避難所ではなく近隣の親戚宅など生活している被災者が少なくない。こうした被災者にも支援物資などがとどくようにすること。6 農地の復旧について
国の復旧事業は、1ヶ所40万円以上のものに限られており、小規模のものは除外されている。2014年8月豪雨では、 全国を対象に激甚災害指定がされた結果、農地等の1カ所の工事費用が13万円以上40万円未満の小規模な災害復旧に対して,小災害復旧事業債の措置が適用された。
今回の豪雨災害にあっても、同等の支援を実施すること。7 道路の改修について
県道の早急な改修工事の実施とともに、市町村道の改修についても、技術支援や予算確保に取り組むこと。8 広域的な支援について
復旧対策を迅速に進めるためには測量、設計などに携わる技術職員の体制強化が不可欠である。他県からの広域的な支援も含めて体制強化に努めること。
以上
副知事から説明のあった同日行われた災害対策本部での知事の指示内容
【第12回高知県災害対策本部会議 知事からの指示事項(案) 平成30年7月17日】○ 今後は、緊急対応と応急復旧を並行してダブルトラックで進めていかなければならない。これまでも指示しているとおり、当面は、次の台風や大雨に備えた対応も必要である。
○ その中でも例えば、次の台風や大雨が来たときに住民に危険が及ぶおそれがある箇所の対策や、早期に復旧しないと今後の生産能力が維持できないような一次産業への対応といった、今まさに対応すべきことは、災害査定の手続といった通常のルールを見直してでも、速やかに着手すること。
○ 特に緊急的に対応すべきこととして、次の3点に留意して、各部局ともしっかり対応してもら・いたい。
1。大雨により大量の流木や土砂が河川にたまっている。
まず、流木については、今後の台風や大雨で周辺に危害を及ぼすおそれのある箇所の対策を至急講じること。
また、河床に溜まった土砂のほか、今回の浸水で明らかとなった洪水の発生しやすい箇所については、対策の検討を進めること。
2。農業や林業など一次産業への被害については、被災農家や関係者に寄り添い、早急に対応することを徹底すること。
3、経済的な被害にも早急に対応できるよう、関係団体などと連携し、支援を進めること。
以上
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