災害ごみ処理 計画策定と実行体制
98豪雨で体験したが、災害ごみがどれだけスムーズに処理されるか、は極めて大きな課題である。災害廃棄物処理計画の策定が遅れているとの報道があり、チェック。市は4/11、町村0/23。ただし、県の計画の中に、市町村向きの「行動マニュアル」「アクションカード」が策定されている〔下段に一覧〕。
計画と同時に、高知市の場合、家庭ごみの収集、清掃工場の運営も直営でおこなっている。これは災害常襲地帯として、生命線の1つであるからで、しかも処理費用の低さも職員の工夫、努力で中核市の上位にある。
【災害ごみ処理、初動に遅れ 計画策定、わずか24% 東京7/16】
【あふれる「災害ごみ」 交通妨げ 衛生面も不安 産経7/15】
【災害廃棄物処理計画に取組んでいる自治体 国立環境研究所】
【高知県】
・高知県災害廃棄物処理計画Ver.1 2014年9月
・市町村行動マニュアル 2017年3月
表紙 本編 カード表紙
アクションカード 資料編
・高知市災害廃棄物処理計画[Ver.1] 2015年3月
・南国市災害廃棄物処理計画 2017年3月
・宿毛市災害廃棄物処理計画 2017年3月
・香美市災害廃棄物処理計画 2017年12月改定
【災害ごみ処理、初動に遅れ 計画策定、わずか24% 東京7/16】西日本豪雨の被災地で、災害ごみの処理計画を作っていないため、仮置き場の選定などごみ処理を巡り初動が遅れたケースがあることが16日、分かった。処理計画策定済みの市区町村は昨年3月時点で全体の24%にとどまっていることも環境省の調査で判明。ごみの量は数十万~100万トン近くになるとの見方もあり、近年の豪雨災害では最大規模になる見通しだ。
計画は災害ごみの処理方針を定めた「災害廃棄物処理計画」。仮置き場の候補地を決め、ごみの収集運搬方法などを盛り込む。処理が滞れば生活再建の遅れにつながるため、同省が全国の自治体に早期の策定を要請していた。
(共同)
【あふれる「災害ごみ」 交通妨げ 衛生面も不安 産経7/15】西日本豪雨の被災地で、住宅から運び出されるなどした災害ごみ(災害廃棄物)の処理が課題となっている。大規模な浸水被害にあった岡山県倉敷市真備町地区では処理が追いつかず、町内の仮置き場には山のように積み重なる。ごみが道路や空き地などに及ぶ場所もあり、一部では車両の通行を妨げ、渋滞の原因にもなっている。気温の上昇とともに衛生面を危惧する住民もおり、行政も対応を急いでいる。
うずたかく積まれた畳や布団、冷蔵庫。中には生ごみなども交ざり、気温の上昇とともに周辺に異臭を放つ。災害ごみが捨てられた真備町川辺の一画。周辺道路では、災害ごみを持ち込むトラックが土ぼこりを上げながら頻繁に行き交い、マスク姿の住民も目立つ。
倉敷市の推計によると、真備町地区の災害ごみの総量は最大7万トン。平成27年の豪雨で鬼怒川が決壊し、広範囲が浸水した茨城県常総市の5万2千トンを上回る。倉敷市は、水が引き始めた9日から災害ごみの受け入れを開始。ただ、真備町地区内で受け入れができる処理場は「吉備路クリーンセンター」の1カ所しかない。知人の家を片付けに来た岡山県高梁市の会社員、川原凌さん(21)は「ごみを捨てるため軽トラックで1日4、5回は往復している」と疲れた様子。
倉敷市は複数の仮置き場を設けて対応しているが、いずれもすぐにごみが山積みとなり、受け入れが厳しい状態に。そのため、住宅地近くの道路沿いや空き地などでは、いつの間にか泥まみれのごみが放置されるようになったという。ごみが1キロ近くも並ぶ道路もあり、道幅を狭めて車の通行に支障を来すケースも。市は捨てられたごみを順次回収しているが、処理は追いついていない。
浸水被害のあった広島県東広島市安芸津町三津も状況は同じ。仮置き場に家具を運び込んだ男性(78)は「このままごみが放置されると、健康的な影響が心配」。一方、青果店を営む荒谷賢次さん(70)は、道路脇に積み上げられた土砂や土ぼこりが原因でせきが出始め、商品の果物も傷んで全て廃棄することになったといい、「行政に早く撤去してもらいたいが、いつになるのか分からない」とこぼす。
災害ごみの処理をめぐっては、広島県や岡山県の各自治体は「災害廃棄物処理計画」を策定。この計画に基づき、災害ごみの仮置き場などを指定し、倉敷市では学校のグラウンドや既存の焼却場など仮置き場が11カ所ある。
集められたごみは分別され、中間処理場に持ち込まれ、破砕・焼却などの処理がなされるのだが、作業が追いつかず、同市は県や他の自治体、ボランティアなどに応援を要請し、放置されたごみの回収や運搬を進めている。
東広島市も、ごみが大量すぎて見通しは立たないものの、仮置き場を運用しながら処理施設に運び込むなどしていく方針だ。
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