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農地中間管理機構 農地集積伸び鈍化、豪州はコメ輸出を加速

 米の経営安定化対策の交付金の廃止、TPP推進など・・長期的なビジョンもない農政のもと、農業の見通しかせないのに集積が進むはずがない。
 一方、オーストラリア稲作地帯では既に日本向け輸出のための短粒種ジャポニカ米への切り替えが進んでいる。日本の平均作付け面積の100倍もある水田を、衛星利用測位システム(GPS)なども使い、徹底したコスト管理をおこない、日本への進出を急速に加速している。
 「攻めの農業」「輸出拡大」って・・・
【担い手への農地集積 伸び鈍化-農地中間管理機構 29年度実績 JA新聞6/1】
【米輸出拡大?寝ぼけている間に豪産ジャポニカ米が日本市場を席捲 農業情報研究所5/30】

【担い手への農地集積 伸び鈍化-農地中間管理機構 29年度実績 JA新聞6/1】

農林水産省は6月1日、平成29年度の担い手への農地集積面積と農地中間管理機構の事業実績を公表した。担い手への農地集積は55.2%で、前年から1.2%増と伸び率は鈍化した。農林水産省は平成35年に担い手への農地集積を8割とすることを目標としているが、「さらなる加速化が必要」としている。

担い手への農地集積は29年度に4.1万ha増加しシェアは55.2%となった。前年とくらべて1.2%の増加にとどまった。

 農地を借りて担い手に転貸する農地中間管理機構を都道府県に設立して活動を開始したのは26年度。集積率は26年度→27年度で2%、27年度→28年度で1.7%だった。

 4.1万haのうち農地中間管理機構による転貸は1.7万ha(28年度実績=1.9万ha)JAの農地集積円滑化事業などその他の取り組みによる転貸が2.4万ha(同=4.3万haとなっており、いずれの転貸も前年より少ない。
 29年度の全耕地面積は444万4000ha。年間集積目標面積は14万9210haで目標達成率は12%にとどまっている。

 農地集積をさらに加速させるため農林水産省は昨年度に改正された土地改良法で農家負担のない農地整備事業を活用したり、今国会で農業経営基盤強化法の改正で措置された所有者不明農地対策などの活用も進めるとしている。

 ただ、農地集積を進めるには地域全体の営農ビジョンをどう描き、だれが担い手となっていくかが重要でそのための話し合いが大切になる。

 農水省が担い手に対して行ったアンケートによると、担い手以外の農家に農地を貸す中間管理機構の仕組みが認知されているかを聞いたところ、「ほとんど認知されていない」が52%だが、「ある程度認知されているがまだPRが必要」が40%となっており、機構の仕組みは「認知されつつある」としている。

 一方、地域の話し合いの実態は「多くの地域で定期的に行われ農地流動化に結びついている」はわずか9%。話し合いは「どの地域でも定期的に行われていない」が56%と多い。地域農業の将来をどう描き、どんな産地をめざすか、その取り組みを支える関係機関のサポートも重要になる。


【米輸出拡大?寝ぼけている間に豪産ジャポニカ米が日本市場を席捲】

先日、自民党が海外に輸出するジャポニカ米産地の形成を促す支援策を検討しており、多収品種や新技術を駆使してカリフォルニア中粒種と競争できる価格帯―60キロ7000円ほど―の米作りが目標となると書いた(自民党 米輸出産地形成を促す新たな支援策 多収品種で60キロ7000円 農業情報研究所 18.5.25)。
しかし、これは大きく訂正する必要がありそうだ。日本農業新聞の報告によると、 オーストラリア稲作地帯では既に日本向け輸出のための短粒種ジャポニカ米への切り替えが進んでいる。
「1筆30~50ヘクタールの巨大な水田が延々と広がるオーストラリア南部のリベリナ地域。同国の主力稲作地帯・・・のケイロックさんは日本向けの短粒種米に特化して生産する。シーズンを通し、家族と従業員を含めた5人で、日本の平均作付面積の100倍以上に及ぶ水田を管理する。
 作業は機械化や先端技術を駆使して、省力化を追求。400馬力のトラクターに10条以上の播種(はしゅ)機を取り付けて乾田直播(ちょくは)をして、追肥にはセスナ機を使う。圃場(ほじょう)の水位はスマートフォンで管理し、収穫は衛星利用測位システム(GPS)を搭載したコンバインをフル稼働させる。
 こうした作業体系を確立し、低コスト生産を実現した。労働費や物材費などを含めた生産費は10アール当たり200~250豪ドル(1万7000~2万円)と、日本の平均の6分の1に抑える」([狙う日本市場 豪州の戦略 1] 米(上) 低コスト・安定生産 コシ系短粒種 急拡大 日本農業新聞 18.5.29)。

日本のジャポニカ米(短粒種)は、こんなオーストラリア米と海外市場で競争しなければならないわけだ。海外市場だけではない。オーストラリア産短粒種は既に本丸(日本)に攻め込んでいる。
「日本への輸出で注力するのが、「コシヒカリ」「じょうでき」という日本の短粒種同士を掛け合わせた多収性の新品種「うららか」だ。日本人好みの粘りや香りといった食味を追求して10年以上かけて同社が開発。2017年産から日本での販売を開始。同国産米の17年産の日本輸出は3万トンと16年産に比べ4倍に拡大した。その攻勢に、「うららか」の存在も大きかった。
 日本の産地関係者は「日本産米に比べ食味は見劣りする。だが、以前ほどの差はなくなった」(東日本のJA)と警戒する。安さを強みに、既に大手スーパーの店頭に並ぶ。「国内で低価格帯の米が不足する中、消費者が求める味や価格を満たす米として選んだ」(大手スーパー)。店頭には1キロ295円(税別)と、一般的な国産ブレンド米より1割安く並ぶ。3月からの販売で順調に売れている」([狙う日本市場 豪州の戦略 2] 米(下) 低価格・品質向上 専用「うららか」攻勢 日本農業新聞 18.5.30)
「農水省は昨年9月、斎藤健農相の肝いりで「コメ海外市場拡大戦略プロジェクト」を立ち上げ、産地と輸出業者の橋渡しに力を入れている。17年の米輸出(援助米を除く)実績の1万1841トンから一層の拡大を目指す」(日本農業新聞 前掲 5.25)というが、「輸入米を扱うSBSの17年度取引はオーストラリア産米が前年度比の4倍強の3万トンとなり、日本での需要が急増している。TPP11ではSBSによる国家貿易の仕組みを維持した上で、オーストラリア向けに最大8400トンの特別輸入枠を設けた」。
専守防衛ではだめだ、輸出拡大、「攻めの農業」だなどどと寝ぼけている日本、27000トンほどの国産米市場をオーストラリア産米に譲り渡そうとしているわけだ。「攻めの農業」による農業の成長産業化は安倍政権が妄想する空中楼閣にすぎないことの証左である。


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