孤立大国・日本~「8050問題」「刑務所の老人ホーム化」
00年に27・6%だった1人暮らし世帯は、40年には39・3%になるとのこと ・・その実態さえよくわかっていない「大人の引きこもり」〔SNEP〕など「8050」「7040」問題、「刑務所」が高齢者の「第4のセーフティネット」化しつつある状況などが、今後一層深刻化していく。
孤立・貧困とのたたかいは、まったなしである。
【<社会風潮>大丈夫か孤独大国・日本 「孤高」美化の風潮も 毎日/ヤフー2/15】
【刑務所所の老人ホーム化が止まらない!高齢者の検挙者数が20年前より3.8倍も増えた理由は? みんなの介護5/17】
【ひきこもりをめぐる「8050問題」が深刻化 NEWSポストセブン2018/4/7】
【「8050問題」とは?中高年ひきこもり、初調査 40~59歳対象 産経2018/1/1】
なお、「大人のひきこもり」については、13年12月議会質問でにとりあげた。
【<社会風潮>大丈夫か孤独大国・日本 「孤高」美化の風潮も 毎日/ヤフー2/15】孤独が健康などに悪影響を及ぼすとして、メイ英首相は1月、「孤独担当相」を新たに設けると発表した。人口約6500万人の英国では、900万人以上が「常に」あるいは「頻繁に」孤独を感じ、1カ月以上も友人や家族と会話しない高齢者は20万人に上るという。ならば、孤独死が社会問題化している日本に「担当相」は必要ないのか。【庄司哲也】
「日本には『孤独』に関する統計は、ほとんどありませんが、欧米以上に『孤独大国』と思われます。少子高齢化が進む中、早急な対策が必要ではないでしょうか」。そう話すのは、「世界一孤独な日本のオジサン」(角川新書)の著者で、コミュニケーション戦略の専門家、岡本純子さんだ。なぜ、「孤独大国」なのだろうか。
岡本さんが示したのは、英シンクタンク「レガタム研究所」が発表した2017年版の「繁栄指数」だ。九つの指標のうち、日本は「ソーシャル・キャピタル(社会や地域での人の信頼関係や結びつき)」で149カ国・地域のうち101位。14年に内戦が起きたリビア(53位)や90年代に内戦が勃発したルワンダ(84位)より低い順位だ。
「日本では『おひとりさま』や『孤独のグルメ』といった言葉がメディアで取り上げられるように、『孤独』が決して消極的な意味ではとらえられません。特に男性は『群れない男がカッコいい』といった男性像を押し付けられている」。そうした日本社会の風潮が、孤独を後押しするというのだ。
岡本さんによると、英国で孤独対策の本格的な取り組みが始まったのは5~6年前から。孤独は認知症や高血圧に結びつくなど健康を損なうという認識が広まり、五つの慈善団体などを中心に「孤独を終わらせるキャンペーン」が11年に始まった。調査や研究、啓発活動が行われ、メディアも頻繁に取り上げた。孤独なお年寄りが集える場や、相談のホットラインなどが、民間が主体となって設けられたという。
日英を比較できるデータがある。日本の研究者のプロジェクト「JAGES」(日本老年学的評価研究)によると、65歳以上の日本人1万3176人と英国人5551人を約10年間追跡し、友人とのつながり、婚姻状態などの項目別に生存期間を比較した。「友人とのつながりが相対的に多い英国人男性では、日本人男性と比べて45日間の長寿につながった」という。孤独が寿命に影響を与える因子になり得ることが示された。
研究の中心となった東北大大学院歯学研究科准教授の相田潤さん(公衆衛生)は「日本では関心があまり払われていませんが、米国の研究チームによる『孤独であることは酒の飲みすぎやたばこを1日15本吸うのと同じぐらい健康に悪い』という調査結果は欧米に広く浸透しています」。
孤独を抱えるのは中高年だけではない。「リストカットした」「今からこれ(大量の薬)飲みます」。NPO法人「若者メンタルサポート協会」理事長の岡田沙織さんのスマートフォンには無料通信アプリ「LINE(ライン)」を通じて1日に100~200件の相談が届く。
自身もリストカットなどの経験がある岡田さんが「子供たちの孤独感を受け止める場を作ろう」と、相談の受け付けを始めたのは12年からだ。岡田さんが相談を寄せた子に実際に会ってみると、親が不在がち、家庭内暴力がひどいといった例よりも、一見するとありふれた家庭環境の子が多いという。母親が兄弟ばかりをかわいがる▽両親が不仲▽学歴にこだわり成績のことばかり言われる--。そんな子たちだ。「『うちは普通の家庭だし、学校もちゃんと行っているから大丈夫』。でも、そう言うあなたの子供の体には、自傷行為の痕があるかもしれないのです」
岡田さんは最近、こんなことを考え始めている。「『死にたい』『消えてしまいたい』と、子供が希望を持てないのは、こうあるべきだと縛られて毎日が満たされない親や大人を見ているからでは。相談を寄せる子の周りの大人もまた孤独なのかもしれません」
「英語には『孤独』を意味する言葉に『ロンリネス』と、『ソリチュード』の二つがあります。英国の担当相は『ロンリネス』の対策にあたります。一方、『ソリチュード』は、自ら選択して独りを楽しむというポジティブな意味を含みます。日本ではこの二つが混同されがちです」と話すのは、大手広告代理店「博報堂」の荒川和久さんだ。「ソロ」(一人)でのライフスタイルを研究してマーケティングにつなげる、同社のプロジェクト「ソロもんLABO」のリーダーを務める。
「『ソロで生きる力』とは、決して一人きりで、誰の力も借りないということではありません。むしろ、誰かとつながる力を持つこと。社会から孤立せず、個人が個人と結ばれるネットワークの構築が大切です」国立社会保障・人口問題研究所の最新の推計によると、00年に27・6%だった1人暮らし世帯は、40年には39・3%になる。4割が1人暮らしだ。荒川さんは、「孤独」への危機感が特に希薄なのは、配偶者への依存度が高い既婚男性で、他人と関係が築きにくい人だと指摘する。
「会社に所属する自分しかない人です。肩書に依存し、名刺交換をしないと会話を始められない。定年後に肩書がなくなったらどうするのでしょうか。今のうちに、社名や肩書を名乗らず知らない人と会話できるようにトレーニングを積んだ方がいいと思います」
前出の岡本さんもこの意見に同意する。「会社という場所に存在意義を求める。『個』より『場』に重きを置く。定年退職でその場を失うと途端に元気を失うのです。『部長』など肩書で膨張したプライドは、人とつながることの障害となりやすい」
岡本さんは以前、会社勤めをしていた頃を思い出した。「当時、私の周囲にも定年後に孤独に陥りそうな予備軍の人たちがたくさんいました。やたらと人事や肩書にこだわったり。大切なのは個人のはず。10年間、新聞記者をしていたのですが」
岡本さんのその言葉に一瞬、凍りつきそうになった。当事者の私たちが自覚しないまま、孤独が社会にまん延しているのかもしれない。
【刑務所所の老人ホーム化が止まらない!高齢者の検挙者数が20年前より3.8倍も増えた理由は? みんなの介護5/17】1 警察庁が検挙者の高齢化について指摘
◆高齢の検挙者は20年前とくらべて3.8倍に
出典:警察庁 2018年05月17日更新2016年版の「犯罪白書」によると、2016年における65歳以上の刑法犯検挙者数は4万6,977人で、全検挙者数の20.8%を占めるという結果となっています。1996年時点では検挙者数1万2,423人、65歳以上の割合は4.2%でしたから、ここ20年の間で検挙者数は約3.8倍、割合では約4.9倍も増えているのです。
全世代の検挙者数自体は、2004年に38万9,297人を記録してからその後減少に転じ、近年は雇用状況の改善などもあり急速に減少。2013年からは毎年、戦後最小記録を更新し続けています。2015年における総検挙者数は23万9,355人で、2004年より15万人以上も減っているのです。特に、働ける世代で犯罪に手を染める人の数は急速に減りつつあります。
その一方で、働ける世代ほどの減少がみられないのが高齢者の犯罪件数。高齢受刑者の数も増えており、例えば東京の府中刑務所では、全受刑者における65歳以上の割合がここ10年で約2倍に増加。今や、刑務所は老人福祉施設のような様相を呈(てい)するありさまで、「急速に進む高齢化にどう対応すべきか」という問題は、一般社会だけでなく塀の中においても起こっているわけです。
◆高齢者の犯罪が増え続けている理由は?
警察庁の資料によれば、増え続けていた高齢者の検挙者数自体は、2008年次にピーク(4万8,786人)を迎えてからは緩やかに減少。2008~2016年にかけて2,000人近く減っています。しかし、先に述べた通り、未だ4万人以上もいることには変わりはなく、全世代の検挙者数は高齢者の検挙者数よりも急速に減少。結果として全体に占める高齢者の割合は年々増え続けているのが現状なのです。
全検挙者数に占める高齢者の割合が増えている理由としてよく言われるのは、「日本では高齢化が急速に進展しているので、それに比例しているから」ということ。確かに日本の高齢化率は年々上昇しており、1996年時点では15.1%でしたが2016年には27.3%となっています。
ところが、日本と同じく高齢化が進行しつつあるアメリカ、スウェーデン、ドイツ、韓国といった国々では、一部に上昇は確認できるものの、日本ほど顕著に高齢者の犯罪率が上がっているという現象はみられません。つまり現代の日本社会が持っている何らかの構造的な特徴が、高齢者を犯罪に走らせる要因になっているとも考えられるのです。
2.高齢者の犯罪事情
◆高齢者の犯罪はダントツで窃盗(万引き)が多い
警察庁のデータによれば、主な犯罪の種類・手口において高齢者の割合が高いのは窃盗・万引きです。
2016年度において、窃盗犯の全検挙者数(11万5,462人)のうち65歳以上が占める割合は29.4%(3万3,979人)。万引きについては、全検挙者数(6万9,879人)のうち38.5%(2万6,936人)を占めています。つまり、万引き犯の4割近くが、高齢者であるわけです。高齢者に窃盗・万引き犯が多いというのは以前から言われていたことでしたが、近年は割合自体が上昇。2007年時点における窃盗の検挙者数に占める高齢者の割合は17.5%、万引きでは25.2%でしたから、9年ほどのうちに窃盗で11.9ポイント、万引きで13.3ポイントも上がっているのです。
高齢者による窃盗・万引きが増えている主な要因としては、健康で外出できる高齢者が増えていることや、かつての魚屋や八百屋のような対面型ではなく、スーパーのような非対面型の店舗が増えていること、そして生活面(年金額の少なさ)・精神面(社会的孤立、認知症など)で不安定な状況にある高齢者が増えていることが有識者によって指摘されています。
◆高齢の受刑者のうち14%が認知症傾向
犯罪検挙者数に占める高齢者の割合が増える中、刑務所の受刑者における高齢者の割合も急激に増えつつあります。「矯正統計年報」によれば、1989年当時の受刑者は20代、30代が全体の過半数を占め、65歳以上の割合は1.2%に過ぎませんでした。ところが、その後高齢者の割合は急増していき、2016年には受刑者全体の12%を占め、受刑者数も2,498人と1989年当時の約8倍となってしまったのです。
こうして全受刑者に占める高齢者の割合が増えている中、課題となりつつあるのが、認知症を発症する受刑者が増えているという問題。法務省の推計(2015年)によると、全国各地の刑務所に服役している60歳以上の受刑者のうち、認知症傾向があるのは1,300人、割合にして14%に上っています。日本における認知症の有症者数は既に500万人を突破し、今後さらに増加していくことが見込まれていますが、こうした傾向は刑務所内においても同様に起こっているわけです。
このような状況を受けて法務省は、今年度から受刑者の多い全国8か所(札幌・宮城・府中・名古屋・大阪・広島・高松・福岡)の刑務所に入所する60歳以上の受刑者に対して認知症検査を開始。認知症の症状が認められる受刑者に対しては、刑務作業の軽減化を図る一方で、認知機能の低下を防ぐための計算トレーニングや体操を実施するなど、処遇面で配慮するとしています。
3.高齢者の再犯率が高いのはなぜ?
◆働けるところがなく刑務所の方が住みやすいから
高齢の受刑者が増えている要因の一つに、再犯を犯して刑務所に再入所する人が多いことが挙げられます。2016年版の「犯罪白書」によれば、高齢者の再入者の割合は平均70.2%で、入所者全体平均59.5%を大幅に上回っているのです。
出典:警察庁 2018年05月17日更新刑務所の出所・再入所を繰り返している高齢者も多く、2016年時点における高齢者の入所者2,498人のうち、1度目の入所者数は745人だけで、2~5度目の入所者が831人、6度以上の入所者が922人にも上っています。出所してから「2年以内」という短期間のうちに再び刑務所に戻った入所者の割合は、全体平均が18.0%なのに対し高齢者の場合は23.2%。出所してすぐに犯罪を起こし、刑務所に再び戻るということを繰り返す高齢者が非常に多いわけです。
再入所を繰り返す高齢者が多い背景には、出所しても家がない、身寄りがいないなど、行き場を無くしてしまうケースが多いということがあります。高齢になると就職先も見つかりにくいため、出所後も生活を安定させることができにくく、その結果食事と部屋・寝床のある刑務所に戻るために、再度犯罪に手を染めてしまう高齢者も多いのです。
◆再犯しないように社会復帰しやすい環境を作ることが課題
こうした状況に対して、国としてもさまざまな取り組みを進めています。法務省は厚労省と連携し、出所後に帰住先の無い高齢者に対しても介護、医療などの福祉サービスを受けられるようにするための「特別調整」を実施。各自治体に民間の協力を得て「地域生活定着支援センター」を設置し、出所後に行き場のない高齢者に受け入れ先となる福祉施設を紹介したり、生活保護の申請手続きの支援を行ったりしています。
しかしこの施策が始まったのは2009年度なので今年度で10年目になりますが、高齢者の再犯率が高い現状を考えると、未だ十分に機能しているとは言えない部分もあるでしょう。こうした支援があることを高齢者の受刑者に周知を図り、より利用しやすくするためのさらなる体制作りも必要なのかもしれません。
今回は、刑務所において高齢者の受刑者が増えているという問題について考えてきました。犯罪・再犯に手を染める高齢者が多い要因としては、罪の意識が希薄であることもさることながら、身寄りがなくて社会的に孤立する、生活困難により行き場を無くす、といったことも大きく影響しているとも考えられます。日本社会の高齢化が急速に進む中、高齢者による犯罪をいかにして減らすかは、社会全体で取り組むべき大きな課題と言えるでしょう。
【
ひきこもりをめぐる「8050問題」が深刻化 NEWSポストセブン2018/4/7】「電気は煌々とついているのに、新聞は何日分も溜まったまま。不審に思ったガス業者に中を確認するよう言われて、同じアパートの住民が部屋に入った。居間に母娘の姿はなく、奥の寝室の布団から片足が出ていた。触れるともう冷たくなっていて…。慌てて救急車を呼んだそうです」(近隣住民)
1月6日、北海道札幌市の築40年の2階建てアパートで、82才の母親と52才の娘が遺体で見つかった。司法解剖の結果、死因はいずれも飢えと寒さによる低栄養・低体温症。母親は昨年12月中旬に死亡し、その数週間後に娘も亡くなったとみられる。
捜査関係者によると、2人は1つの布団の中で、娘が母親を抱きかかえるようにして亡くなっていたという。母娘がこのアパートに入居してきたのは1990年頃。
「母親の旦那さんは早くに死別したと聞いています。入居当時から、娘さんを見かけることはほとんどなく、お母さんが『娘は体が弱くて、家でずっと寝ている』と話していたのを聞いたことがあります。娘さんは、高校卒業後就職したものの、人間関係に悩んで退職したのだとか。それから20年以上“ひきこもり”の生活だったみたいです」(親子の知人)
母親は毎晩決まった時間になると、食事の買い出しへ。8畳の居間と6畳の寝室のアパートで、母親は娘の食事の準備や着替えなど、つきっきりで世話をしていたという。遺体が発見される10日程前には、憔悴しきった娘の姿が目撃されている。
「アパートからすぐ近くの自動販売機の前で、しゃがみ込んでいました。何度も立ち止まってつらそうにしているので、私の旦那が駆け寄って『大丈夫? 病院に行こう』と声をかけました。でも、『ただの立ち眩みなので大丈夫です』と言ってヨロヨロと立ち去って行きました。あの時、家の中ではお母さんが亡くなっていたんですね…」(別の近隣住民)
母と娘の楽しみは、月に2度、近くの銭湯に通うことだった。銭湯の店主が話す。
「娘さんはお風呂好きで、来るといつも長風呂でした。ただ、人と接するのは苦手のようで、ここ数年で私が交わした娘さんとの会話は『石けんください』の一言だけ。その分、お母さんに頼り切っている様子でした。お母さんは、『娘の面倒は私が見てる』と言って、『娘には重くて持てないから』と、娘さんのお風呂セットを取りにくることもありました」
一方の母親は、話好きで社交的な人だったという。前出の知人が語る。
「小柄でかわいらしいかたでした。『元気?』と聞くと、いつも明るく『元気だよ』と返事が返ってくる。意志が強くて、わが道を行くようなところもある人で、『生活保護は受けないの?』と一度聞いた時、すぐに『受けていない』ときっぱりと答えました。人の世話にはならない、という気持ちが強かったのかもしれません」◆ひきこもりの原因は受験の失敗、職場の人間関係など様々
捜査関係者によると、遺体発見時、冷蔵庫の中は空だったというが、ストーブには灯油もあり、現金も9万円残っていた。なぜ娘は母の死後、生きることを選択しなかったのか。
昨今、こうしたひきこもりの長期化で親子共々高齢化し、80代の親と50代の子供が暮らす世帯が社会から孤立し、生活に困窮する「8050問題」が深刻化している。
内閣府は、「趣味の用事の時だけ外出する」「近所のコンビニなどには出かける」「自室からほとんど出ない」といった状態が6か月以上続く人をひきこもりと定義している。
KHJ全国ひきこもり家族会連合会の調査によると、自治体窓口にひきこもりに関する相談を寄せた年代は40代がもっとも多かった。ひきこもりの原因は、受験の失敗、職場の人間関係がうまくいかない、親子間の価値観の違いなど、人によりさまざまだ。
その背景について、『大人のひきこもり 本当は「外に出る理由」を探している人たち』(講談社現代新書)の著者で、ジャーナリストの池上正樹さんが指摘する。
「1980年代後半のバブルの崩壊と、2008年のリーマン・ショックは大きく関係していると思います。終身雇用制度は崩壊し、“派遣切り”も横行。企業側に余裕がなくなって、職場にいると自分が壊されるという防衛反応から、ひきこもらざるを得なくなる人が増えました。
8050問題の背景にある“ひきこもり”長期高齢化を生んだのは、親世代に根づく“恥の文化”が大きい。“モーレツ社員”などと呼ばれて、高度経済成長期を支えた世代の人にとっては、ひきこもる子供の心が理解できず、周囲には知られたくないばかりに、世間から子供を隠してしまうのです。
とりわけ、ひきこもる女性の場合、“家事手伝い”という名目にすり替えられ、ひきこもっている人数にカウントされずに埋もれていく。今回のケースはその典型です」※女性セブン2018年4月19日号
【「8050問題」とは?中高年ひきこもり、初調査 40~59歳対象 産経2018/1/1】ひきこもりの長期化、高年齢化が深刻となる中、内閣府は平成30年度に、40~59歳を対象にした初の実態調査を行うことを決めた。これまでは若者特有の問題として調査対象を39歳までに限っていたが、中高年層にひきこもり状態の人がどの程度いるかや生活状況、抱えている課題を把握し、支援に役立てる狙い。30年度予算案に調査費2千万円を計上した。
ひきこもりが長期化すると親も高齢となり、収入が途絶えたり、病気や介護がのしかかったりして、一家が孤立、困窮するケースが顕在化し始めている。こうした例は「80代の親と50代の子」を意味する「8050(はちまるごーまる)問題」と呼ばれ、家族や支援団体から早急に実態を把握するよう求める声が出ていた。
内閣府は30年度、新たに40~59歳の人がいる全国の5千世帯を抽出し、調査員が自宅を訪ねる案を検討している。本人や家族に就労や生活状況、外出の頻度、ひきこもりとなったきっかけと期間、現在抱えている問題などを記入してもらい、全国の推計人数も算出する。
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