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TPP影響試算 豚肉 カナダ1国の輸出増、日本の生産減少の2倍

カナダ政府はTPP11による対日豚肉輸出を36.2%、約524億円の増加を見込んでいる。一方、日本政府は豚肉の生産減少額を全体で124億円~248億円と試算。カナダ1国で2倍! どちらも過大、過少の試算で国内向きに説明しているのだろうが・・・ それでも差が大きすぎる。
 「政府は対策を打つから大丈夫」といっているようが、値が盛り続ければ補填も下がりつづけるし、なにより5年後には見直し〔いっそうの「開放」〕の協議がある。
 2019~28年を国連は「家族農業の10年」、地域と国土を支える家族農業こそ重要。

【影響試算やセーフガードに疑問続出-TPPで集会 JA新聞 4/26】
【国連家族農業10年 大きな役割 再評価の時 農業新聞17/12/27】

【影響試算やセーフガードに疑問続出-TPPで集会 JA新聞 4/26】

 「TPPプラスを許さない! 全国共同行動」は4月23日に「TPPプラス交渉をただす院内集会」を参議院議員会館で開いた。政府担当者による説明と質疑を行ったが、参加者からは、輸入品が増えても国内農業生産は維持されるとするなどの日本政府の試算について疑問の声が続出した

◆カナダ一国で畜産壊滅?

 同会によると、カナダ政府はTPP11によって対日輸出が8.6%、17億6700万カナダドル(約1449億円)増えると予想しており、その大半が農林水産物となっているという。これはTPP12よりも3割ほど多い試算で、とくに豚肉と牛肉については「米国の不参加からもっとも多くの利益を得た」と表明している。TPP11では米国が抜けたのに、米国の参加を前提とした関税削減などの約束について凍結や修正をしなかったためだ。

 カナダ政府はTPP11による対日豚肉輸出を36.2%、約524億円の増加を見込んでいる。一方、日本政府は豚肉の生産減少額を全体で124億円~248億円と試算しているが、カナダ一国だけの試算と倍以上の開きがある。
 牛肉もカナダ試算は310億円増と見込んでいるが、日本政府試算は200億円~399億円であり、カナダ一国だけの試算に相当する。そのほかに豪州やNZからの輸入もあることから説明会では「影響試算は過小評価ではないか」との質問が出た。

 これに対して農水省担当者はカナダの試算は「前提が異なる」とだけ答え、経営安定対策や体質強化策など国内対策も実践されることから、それらの効果もふまえて現実に起こり得る影響として試算したと説明。輸入が増えれば国内生産量は維持されるはずがないではないか、との声にも『対策を打つから大丈夫論』に終始した。
 これに対して参加者からはたとえば豚マルキンや牛マルキンの補てん率を9割に引き上げたからといっても、輸入増加で価格が低下し続けるなら「補てんも下がり続けることになるではないか」との批判も出た。

【国連家族農業10年 大きな役割 再評価の時 農業新聞17/12/27】

 国連は2019~28年を「家族農業の10年」と決めた。農業の大規模化など構造改革を加速化する日本だが、こうした世界の潮流を受け止め、家族農業の重要性を改めて農業政策に位置付けるべきだ。農業の方向性を考える機会としたい。

 国連は30年までの期限で、貧困や飢餓の撲滅、地球環境の保全などを掲げた「持続可能な開発目標(SDGs)」を定めている。その達成に向け、農業生産の大半を占める家族農業が重要な役割を果たすと判断した。

 家族農業を巡っては、国連が2014年を「国際家族農業年」に位置付けた経緯がある。飢餓の根絶と天然資源の保全に家族農業が大きな役割を果たしていることを世界に広く知ってもらう狙いがあった。

 国連食糧農業機関(FAO)の報告書を基にまとめた「世界食料農業白書」によると、「家族農家は世界で最も多く見られる形態」だ。金額ベースでは世界の食料の80%以上を生産する。世界の食料安全保障を支えるばかりでなく、環境保全や生物多様性の保護、地域の活性化など幅広い分野で重要な役割を果たしている。

 人、物、金のグローバル化が進行する世界で、家族農業が注目される背景には、市場原理主義や貿易自由化の行き詰まりがある。農業の大規模化を進めたものの、その流れに取り残された層との格差が拡大。開発を進め過ぎて生態系が崩れ、地球環境や社会そのものが不安定になっている。国連のSDGsはその危機感から生まれた。

 農産物や食料の国際価格が乱高下し、気候変動などによる大規模災害にも直面している。日本では、高齢化を背景にした生産者人口の減少、農村部を中心にした過疎化の深刻化、それを裏付けるかのような食料自給率の低迷、生産基盤の弱体化など、持続可能な農業の継続が危うい状況にさえある。常に農業基盤を支え続けてきた家族農業を再評価し、その力を支え、活用すべき時である。

 家族農業が果たす役割や可能性を伝えていこうと立ち上がった人たちがいる。国際家族農業年を支持する有志による「小規模・家族農業ネットワーク・ジャパン(SFFNJ)」だ。設立して半年になる今月中旬、東京都内で家族農業に関する世界の潮流を学び、その価値を考える会合を開いた。家族農業に関する国際会議が各国で開かれ、先進国でも支援体制を取る動きがある現状を知り、日本国内でも家族農業の大切さを広めていくべきだとの考えを共有した。

 環太平洋連携協定(TPP)や日欧経済連携協定(EPA)といったハイレベルの自由貿易を進める日本は今、競争力強化の名の下で農業の規模拡大・効率化路線を強めている。だが、その単線だけで十分か。家族農業を営む生産者にも目を向けるべきだ。次代に持続可能な食と農を引き継ぐため、“懐の深い”農政が求められている。


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