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訪問介護利用制限に懸念  「独居」「老老」世帯の生活援助に枠

 要介護の生活援助の利用制限、要支援での緩和型サービス〔資格がなくても可、報酬は75%とかが多い〕の導入—介護給付費抑制路線によって、利用者の生活が立ち行かなくなるということと、事業者が立ち行かなくなる、同種のサービスかせ撤退するという両面から破たんの道をすすんでいる。
 「介護離職ゼロ」など大ウソ
【訪問介護利用制限に懸念 「独居」「老老」世帯の生活援助枠 東京3/28】
【大阪市総合事業の影響調査報告 2017 年8 月】
 そんな中、「シルバー・パワーの可能性を考える」大阪市立大学創造都市研究科教員 水野 博達氏の問題提起は、興味深い。高齢者を「受益者・消費者」として管理する介護保険が破綻に向かう中、生きる権利の主体性をとりかえす回路について言及している。
【壊れ始めた介護保険と老後生活  2016/5】

【壊れ始めた介護保険 この先の道は 2016/8】

【訪問介護利用制限に懸念 「独居」「老老」世帯の生活援助枠 東京3/28】

 二〇一八年度の介護報酬改定で、利用制限が懸念されているホームヘルプ・サービス(訪問介護)の生活援助。一人暮らしや「老老介護」の高齢者世帯を支えるサービスとして定着しており、利用者団体などから「生活が立ちゆかなくなる」と、運用の見直しを求める声が強まっている。 (白鳥龍也)

 「独居かつ徘徊(はいかい)、振戦(しんせん)(ふるえ)があり、食べこぼしが多く、毎食後掃除する。食事形状も調整しないと食べないため毎食、調理している」「認知症で食事摂取について心配あり。また、失禁等の心配もあり、家族も遠方で週末日帰りの支援しか見込めない」

 これは、生活援助中心の訪問介護を月に九十回以上、一日に三回以上利用しているケースの実例だ。厚生労働省が市区町村に聞き取りし、昨秋公表した。四十一市区町村から四十八例が報告されたが、このうち市区町村側が「適切でない」、つまり「ムダ」と判断したのは二例のみ。残りは「適切またはやむを得ない」支援だとした。
 最初に生活援助の利用抑制を提起したのは財務省だ。昨年十月、財政制度等審議会の分科会に提出した資料では、一六年時点の生活援助サービス利用者約四十八万五千人の「一人当たり平均回数は月十回程度」と指摘。一方、月三十一回以上が約二万五千人おり、中には百回超の例もあるなど「効率的なサービス提供が行われていない可能性がある」と決め付けた。

 実は、利用者側の立場で介護保険の在り方を論議すべき厚労省社会保障審議会介護保険部会でも一六年には、学識者ら一部の委員から「自立支援につながらない生活援助をやっているのではないかという疑念がある」「だらだらと生活援助が続くのは解消していくべきだろう」といった意見が噴出。厚労省側も目をつぶるわけにはいかなくなり、サービス抑制へと傾いた。

 しかし、保険の運営者である市区町村でさえ必要と認めるサービスを制限しようとしていることに、現場関係者の反発は強まる一方。利用者側を代表して介護報酬改定案を審議する社会保障審議会介護給付費分科会の委員を務めた「認知症の人と家族の会」副代表理事の田部井康夫さんは「財務省の方針を覆すことができなかったのは非常に残念。生活援助は認知症の進行を緩やかにする側面もあり、利用制限はそうした生活の大きな妨げになる。(要介護者を住み慣れた地域で支える)地域包括ケアシステムの考え方にも反する」と、運用撤回を強く要求する。

 市区町村に生活援助の回数などケアプランを届けることになるケアマネジャーの立場から、日本ケアマネジメント学会理事の服部万里子さんは「ケアプランを全国平均の数で管理するのはケアマネジメントの専門性の無視に通じる。市区町村ににらまれたくないと(利用者の立場から外れて)届け出前にサービスを減らす自己規制も出かねない」と危惧する。 

<生活援助の利用抑制> ことし10月から、ケアマネジャーが基準の回数以上の生活援助中心型訪問介護を提供する場合、市区町村へのケアプランの事前届け出を義務付ける。基準について厚労省は、直近1年間の全国平均の利用回数を基に、1カ月当たり要介護1で27回、要介護3で43回などとする方針。4月17日までパブリックコメントを行った後、正式決定する。市区町村にはプランの検証を求め、必要に応じて是正を促すことができるようにする。生活援助はホームヘルパーが高齢者宅を訪れて行う掃除やゴミ出し、調理、買い物など、日常生活を支援する介護保険サービス。

【大阪市総合事業の影響調査報告 2017 年8 月】 (報告から、メモ者が整理したもの)

〔1〕大阪社保協調査 人材確保できず
大阪市は2017 年4 月から要支援1.2 のホームヘルプサービスとデイサービスの利用者を介護予防・日常生活支援総合事業(総合事業)に移行/生活援助型訪問サービス(基準緩和型)の報酬単価「現行相当型」の約75%
・大阪社保協のアンケート調査。千ヵ所をこえる「訪問介護事業所」「居宅介護支援事業所」から回答
・ヘルパー事業所の81.4%が生活援助型訪問サービスの指定を受けている。
・大阪市研修修了者」を「採用した」事業所は2.1%、人数も17名にすぎず、人材の確保ができていない。
・大阪市によれば、17年7月末現在の研修修了者数は「345 人」だが、従事希望登録者数、実際の雇用・従事者数も「未把握」であり、なんら責任ある対応をとろうとしていない。
・実際に「生活援助型サービス」を提供している事業者は30.9%。指定を受けた率(81.4%)を大きく下回る。指定を受けた事業所のうちでも提供事業所は37.9%にすぎない。
→従来のホームヘルパー(訪問介護員資格保持者)でサービス提供せざるをえない。この場合でも25%ダウンの報酬しかもらえないため、経営を圧迫し、さまざまな問題が出ている。
・ケアマネージャーが所属する居宅介護支援事業所の回答で、生活援助型の提供事業所が「すぐみつかった」との回答は34.2%、「みつからなかった」との回答は41.1%。
→訪問介護事業所の回答で、参入してもサービス提供が困難な状況が見られたがこれを反映したもの。要支援認定を受けても「提供事業所が見つからず訪問型サービスを利用できない」という可能性も出てきている。

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