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成果主義の強化により減収、重度者排除へ 障害福祉サービス 報酬改定影響調査

障害福祉サービスの報酬は、総額0.47%の引き上げとなっているが、、就労移行支援、就労継続支援B型の事業所7割が減収とにることが、「きょうされ」が実施した緊急調査で判明した。

成果主義が強化され、障害が重く、短時間利用、毎日来られない利用者が多い事業所で基本方針が大きくさがったり、就業定着率で基本報酬で設定されたためである。障害の重い人を排除する体系となっている。また、総額の報酬増といっても加算が多く、事務作業も膨大となり、小さな事業所では対応でくにくいことは、介護、保育などでも同様の傾向にある。人権保障に「市場主義」を持ち込むことが間違い。

【2018年度障害福祉サービス等報酬改定の緊急実態調査
影響実態の把握と大幅な減収に対する経過措置を 4/23 きょぅされん】

なお、就労継続支援A型(雇用型)の問題も浮かびあがっている。
【なぜ福祉事業所の閉鎖が相次ぐのか NHK2017/12】
https://www.nhk.or.jp/ohayou/digest/2017/12/1228.html

【2018年度障害福祉サービス等報酬改定の緊急実態調査 影響実態の把握と大幅な減収に対する経過措置を 4/23 きょぅされん】

2018年度からの障害福祉サービス等の報酬改定の影響について、当会は緊急実態調査を行なった。その速報値を合わせて、3月28日には厚生労働省に以下の2点を要請した。

①.2018年度第一四半期(4月~6月)の運営実態を調査・把握してください。
②.そのうえで、前年度の収入を大きく下回らないよう、4月にさかのぼって、緊急の激変緩和措置を講じてください。

【就労継続支援B型】事業所の7割が減収見込み 回答351

平均工賃月額に応じた基本報酬が持ち込まれたこと、また目標工賃達成加算が廃止されたことにより、それらの見直しによる減収の影響が大きいことがわかった。基本報酬は平均工賃月額に応じて7段階となり、平均工賃が1万円を下回る事業所は、2017年度と比べて基本報酬がマイナスとなっている。
具体的に、100万円以上の減収となる事業所は117カ所、そのうち300万円以上の減収となる事業所が25カ所にのぼった。300万円の減収ということは、職員一人の人件費相当分が消えるということだ。もっとも影響の大きい事業所は、年間で585万円の減収見込みとなった。
これほど大きな減収となれば、事業運営は立ち行かなくなる。短時間利用の利用者や毎日来られない利用者は、敬遠されることになりかねない。一般の雇用から排除され、今度は福祉的就労からも選別、排除されるという事態につながらないか、強く懸念される。

◆現場の声
・精神障害のある人が9割なので、一人当たりの就労時間が少なく、月額の平均工賃による基本報酬により大きな影響が出ます。もう、正直どうしたらよいかわかりません。
・①利用日数が少ない利用者が多い②工賃が低い利用者(重度障害者)が多い③就労以外の活動にも重点を置いている(余暇活動の充実や生活支援など)事業所が特に厳しい影響を受けてしまいます。平均工賃が高い事業所が頑張っているという評価になり、重度の利用者でも工賃の平均額は低いが、「はたらく」という事を一生懸命実践している事業所は頑張っていないという評価が極めて残念です。この内容では重度障害者や短時間しか働けない利用者の利用抑制や、契約拒否などにつながらないか、懸念されるところです。また、事業所の収入が数百万円減収となると①余暇活動や生活支援の縮小②職員の人件費を削減することで対応せざるを得ない事業所が多々増えると思います。とくに、職員の非常勤化・非正社員割合の増加など深刻な問題がますます引き起こると思います。これまでも福祉制度に徐々に成果主義が組み込まれてきましたが、今回の見直しでよりいっそう強調され、多くの利用者・職員がその不利益を被ってしまう内容で、唖然としています。


【就労移行支援】38カ所中19カ所が100万円以上の減収見込み 回答38

就労移行支援事業では、就労定着率による基本報酬が設定され、全体の約7割の事業所が減収見込みとなった。とりわけ定着率を実利用人数ではなく、利用定員で算出することで、多くの事業所が低い定着率となった。300万円をこえる減収見込みとなった事業所が5カ所だった。
このような事態が容認・放置されるのであれば、多くの事業所は経営が立ち行かなくなるばかりか、事業変更や事業廃止を迫られることになる。基本報酬に出来高が持ち込まれ、かつ、それが現状の基本報酬を下回るような形では、真の就労支援は期待できない。

◆現場の声
・毎年定員の半分程度は継続的に就職に繋げていかないと、評価されない構造となっており、就職された後の、新たな利用者確保も大きな課題となり、たいへんジレンマの募る報酬構造です。
・地域に唯一の就労移行支援事業としてやってきましたが、今回のような定着率で基本報酬が決まる構造となればとてもやっていけません。
・就労移行の基本報酬が、定着率によって決まることで、基本報酬がガクッと減り、また新しくはじまる就労定着支援も要件にあてはまらず、どうしたらよいのか。


【送迎加算】事業所の7割が減収見込み  回答255

送迎加算の単位は、2017年度までの水準から約3/4に引き下げられた。車両維持費の軽減が引き下げの根拠とされるが、現場の実感とはまったく異なる。
送迎は、自らの力で通所することが困難な障害者にとって日中活動を保障するための合理的配慮である。安易な引き下げは、送迎利用対象者の抑制や費用の一部を自己負担化するなどの対応につながりかねない。
事業別に詳しく見ると、就労継続支援と生活介護で大きな格差がみられた。表にあるように、就労継続支援の送迎は、すべての事業所が減収となっており、減収率が20%を超えるところが約99%に及んだ。それに対して、生活介護では、基本の加算単位が下がるため減収するところもあるが、重度加算によって増額に転じたところもみられた。多機能型等では、全体の7割が減収になったが、増収になったところもあった。それらは生活介護の定員比率が多いところに多くみられた。

【グループホーム】事業所の7割が減収見込み 回答144件

今回の報酬改定においては、減収の幅こそ就労系に比べて小さいが、現行のグループホームの報酬基準であっても、休日や夜間の体制が不足している中で、少額とは言え引き下げることは受け入れがたい。そもそもの報酬基準が、宿直や夜勤の実情をまったく反映していないことにも問題がある。


【 総 括 】

① 成果主義の一層の強化により、障害の重い人の排除につながりかねない

就労継続支援B型は、平均工賃月額により基本報酬が7段階に区分けされた。月額ということは、毎日20日利用したとしても、週1日だけ利用したとしても、計算上は月額である。精神障害があり安定して利用することが難しい人、長年家からなかなか出てこられず、少しずつ利用を始めた人。こうした人を平均工賃月額で算定しようとすると、低い報酬水準にしかならない。すでに事業所からは「週1日だけの利用の人は遠慮してもらうしかない」という声が出ている。就労継続支援A型は労働時間、就労移行支援は定着率と、いずれも成果主義の強化であり、障害の重い人を念頭に置いた制度設計とは思えない。
また、財政制度等審議会などでは、「適切なインセンティブが働く報酬体系とすべき」と出ているが、今般の報酬改定を受けた事業所の反応は「1円でも工賃を上げようと努力してきたが、今回の7段階の区分を見ると努力する気力がなくなった」「利用者には申し訳ないが、A型では維持できないから、工賃の高いB型に変更することにした」といったものである。もはやインセンティブを失なう方向になっており、障害のある当事者にとって改悪としか思えない。

② 加算ではなく、基本報酬の引き上げによる安定した支援体制が必要

今般の報酬改定は、総額で0.47%の引き上げとされているが、今回の調査では軒並み減収となった。加算を見込んでの予算となっているのだろうが、加算は取得できるかどうかもわからず、また取得できるとしてもその作業が煩雑なために申請しないなど、安定した報酬にはなりえない。よって、加算を見込んで支援体制を構築することはできず、支援の質の向上にはつながらない。
かねてより当事者団体が主張しているように基本報酬の引き上げこそが、安定した支援を行なううえでの必須条件である。
合わせて、総額0.47%の引き上げ、就労継続支援B型マイナス0.2%という数字の根拠について、厚生労働省に問いただしたい。


■参考:【放課後デイ】実態を反映しない区分認定の影響が問題に  回答16

放 課後等デイサービスは回答件数が少なかったため、統計的な解析は困難だが、減収になっている事業所は多いと思われる。
その背景には、児童発達支援管理責任者専任加算が廃止され、また、2018年度より、食事・排泄・入浴・移動および「行動障害関連項目」によって、利用する子どもの障害程度を区分1と2に分け、報酬の格差をつけることが導入された。この区分認定は、障害のある子どもの発達にふさわしい支援が行われていない事業者が増大してしまったため、それらを淘汰することが目的だったはずである。
ところがこの区分認定の進め方が自治体によってバラバラであり、また客観的な評価基準も示されていないため、「行政職員の見た目」での評価になってしまったところは少なくない。さらに「不服申し立てできる」ことの周知が示されていないため、区分認定の通知を受け取った障害のある子どもの家族は、そのまま鵜呑みにせざるを得ない事態に直面している。これについては、政府・厚労省の責任にもとづいて早急な改善・見直しが求められる。


【言葉の説明 WAMネットより】

★就労移行支援  一般就労にむけてサポート
就労を希望する65歳未満の障害のある方に対して、生産活動や職場体験などの機会の提供を通じた就労に必要な知識や能力の向上のために必要な訓練、就労に関する相談や支援を行います。
このサービスでは、一般就労に必要な知識・能力を養い、本人の適性に見合った職場への就労と定着を目指します。

★就労継続支援A型(雇用型) 「労働者」として働きながら、一般企業への就職をめざすサービス
企業等に就労することが困難な障害のある方に対して、雇用契約に基づく生産活動の機会の提供、知識および能力の向上のために必要な訓練などを行います。
このサービスを通じて一般就労に必要な知識や能力が高まった方は、最終的には一般就労への移行をめざします

★就労継続支援B型(非雇用型) 就労機会と生産活動を通じて、次のステップを目指すサービス
通常の事業所に雇用されることが困難な就労経験のある障害のある方に対し、生産活動などの機会の提供、知識および能力の向上のために必要な訓練などを行うサービスです。
このサービスを通じて生産活動や就労に必要な知識や能力が高まった方は、就労継続支援(A型)や一般就労への移行を目指します。


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