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京都大学 軍事研究行わない基本方針発表 「人類の幸福脅かす」

 「本学における研究活動は、社会の安寧と人類の幸福、平和へ貢献することを目的とするものであり、それらを脅かすことに繋がる軍事研究は、これを行わない」--京都大学が軍事研究に関すする基本方針を発表
 
 安倍政権のもとで創設された安全保障技術研究推進制度」。17年度には前年度比18倍の110億円と激増、18年度も101億円と2年連続100億円台となっている。国立大学の運営交付金の削減をつづけながらの大盤振る舞いは、まさしく「研究者版・経済的徴兵制」。

 日本学術会議が「問題が多い」とする声明を発表、大学からの応募は連続で減少する中、巨額の予算維持で、軍学共同の障壁を崩そうとしているが、京大の基本方針は、大きなカウンターパンチである。
 
【京大「軍事研究せず」 方針発表、他大学へ影響も 東京3/29】
【京都大学における軍事研究に関する基本方針  2018/3/28】

【京大「軍事研究せず」 方針発表、他大学へ影響も 東京3/29】

 京都大(山極寿一学長)は二十八日、軍事研究に関する基本方針をホームページで発表し、人類の幸福などを脅かすことにつながる軍事研究は行わないとした。日本を代表する大学が軍事研究に否定的な考えを打ち出したことで、他大学にも影響を与える可能性がある。

 全国の大学では、琉球大がこれまでに軍事利用を直接目的とする研究をしない基本方針をまとめた。関西大や法政大も既に、軍事応用も可能な基礎研究に助成する防衛省の公募制度に応募を禁止する方針を明らかにしている。
 京大の方針では、京大の研究者は、研究活動とその成果が社会に与える影響を自覚しながら、社会からの信頼と負託に応えていくことが求められると指摘。その上で、京大の研究活動は社会の安寧と人類の幸福、平和への貢献を目的とするもので、それらを脅かすことにつながる軍事研究は行わないとした。個別の事案に関して判断が必要な場合、学長が設置する委員会で審議するとした。

 日本の科学者を代表する組織、日本学術会議は昨年、防衛省の公募制度について「政府による介入が著しく、問題が多い」と指摘した声明をまとめた。
 山極学長は同会議会長で、この声明を受けて昨年十二月、全国の大学や研究機関を対象に、軍事研究と学術の在り方についての倫理規定やガイドラインの実態を調査する方針を表明した。


【京都大学における軍事研究に関する基本方針  2018/3/28】

 本学は、創立以来築いてきた自由の学風を継承し、地球社会の調和ある共存に貢献するため、研究の自由と自主を基礎に高い倫理性を備えた研究活動により、世界に卓越した知の創造を行うことを基本理念に掲げています。

 本学において研究に従事する全ての者は、この基本理念のもと、主体的判断により行う研究活動とその成果が将来に亘り地球社会に与え得る影響を自覚しながら、高次の専門的能力と総合的視野をもって社会からの信頼と負託に応えてゆくことが求められます。

 このことから、本学における研究活動は、社会の安寧と人類の幸福、平和へ貢献することを目的とするものであり、それらを脅かすことに繋がる軍事研究は、これを行わないこととします。

 なお、個別の事案について判断が必要な場合は、総長が設置する常置の委員会において審議することとします。

国立大学法人京都大学

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