「3歳児神話」は『神話』 読売
『家族』を強調する自民党改憲草案・・・それを後押しする読売が、この記事を配信していることに意味がある。要は「愛情のある人間関係」の中で育つかどうか。人類は、弱さゆえに共同を大切にし、生存してきた。血のつながりではない。現代社会で、その共同を具現しているのが「保育」だと思う。
「3歳児神話」は、「1人ぼっちの子育て」においこむもの。百害あって一利なし。
【保育園に預けるか、育児に専念するか…「3歳児神話」に悩む 読売3/4】
【保育園に預けるか、育児に専念するか…「3歳児神話」に悩む 読売3/4】健やかな子どもの成長のために「3歳までは母親が子育てに時間を注ぐべきだ」という「神話」を知っていますか。共稼ぎが当たり前になった今でも、年配層から聞かされることがあるのではないでしょうか。この神話、無視していいのでしょうか、それとも…。お医者さんキャラのヨミドックに、インコさんが聞きました。
Q 友達が、赤ちゃんを保育園に預けるか、育児に専念するかで迷ってるみたい。
ヨミドック 3歳までは母親が子育てに専念すべきだ、という「3歳児神話」を気にしているのかもしれませんね。確かに3歳頃までは、心身の発達にとって大切な時期です。周りの特定の大人から注がれた愛情によって、子どもは大切にされているという実感を持ちます。約束を守る、人を信じる、思いやるといった考え方や気持ちを形作る土台となります。
Q 保育園は一般的だけど、子どもの発達を考えるとやめたほうがいいのかな。
ヨ いいえ。保育園育ちと心身の発達は関係ありません。米国立小児保健・人間発達研究所が、20年近く、約1300人の赤ちゃんの様子を見る研究で確認しています。生後3年間を主に母親のみの養育を受けた子と、保育園に通った子の間で、発達に差はほとんど見られませんでした。
Q そもそも、3歳児神話はなぜ生まれたの。
ヨ 英国の精神医学者が1950年代に、第1次世界大戦後の乳児院などで心身の発達が遅れたのは「母性的な養育が足りないため」とする論文を発表しました。それが専業主婦が増えた高度成長期の日本で、母親が乳幼児を育てるべきだ、という説として広まり、その考え方が残っているようです。
◆愛情あふれる環境が大切
Q 「母性的な養育」は母親じゃなくてもいいわけだね。ヨ そうです。父親もそのような養育ができるでしょうし、保育園も愛情を持って接してくれるなら、子どもが育つ環境として安心できます。行政は、保育士向けの研修などを行い、保育の質を上げるための努力が欠かせません。
Q 家庭で心がけることはあるかな。
ヨ 親が子どもの訴えかけをないがしろにせず、向きあうことです。それには、祖父母も含めた家族内の協力や、ゆとりのある働き方が必要になってきます。親子が食事や風呂などの時間を共に過ごせるよう、職場は長時間労働を減らしてほしいです。子どもは、社会全体で育てるという意識改革が進むといいですね。
(米山粛彦/取材協力=大日向雅美・恵泉女学園大学学長、榊原洋一・お茶の水女子大学名誉教授)
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