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アベコベミクスで、出口の見えないデフレ不況、置き去りにされた日本

 労働総研による「18年春闘」の提言。経済成長率は、世界平均の半分以下、民主党政権より下回る。「日本経済低迷の主因は賃金にある。2012年と4年後の2016年を比較すると、G7+韓国の8カ国の中で、日本だけマイナス1.05%と賃金が低下している。」「デフレから抜け出すためには、賃金を引き上げ、需要を拡大しなければならない。にもかかわらず、法人税を減税し、消費増税を含む大衆課税を強化し、社会保障の切り下げを行っている安倍内閣の政策は、アベコベである。」と指摘する。
 以下は、サマリーに提言本文から加筆したもの。
【“アベノミクス”と対決し、大幅賃上げで経済改革を  2018春闘提言 労働総研1/18】

1出口の見えないデフレ不況、置き去りにされた日本

◆ 政府は「2012年12月に始まった景気回復局面が戦後2番目の長さになった」というが、過去5年間の経済成長率は、名目11.4%、実質7.2%で、年平均2.18%、1.4%と、世界平均の2分の1以下にすぎず、民主党内閣3年間の水準1.66%をも下回っている。

◆ 日本経済低迷の主因は賃金にある。2012年と4年後の2016年を比較すると、G7+韓国の8カ国の中で、日本だけマイナス1.05%と賃金が低下している。

◆ 安倍首相は、正社員の有効求人倍率が1.0倍を超えたことを“アベノミクス”の大きな成果と得意げにいっているが、それは、「接客・給仕」、「介護サービス」、「飲食物調理」等々、離職率が高く、常時求人をしても応募者が少ない職業が有効求人倍率を押し上げているのであり、求職者が多い「一般事務」や「その他の運搬業」は、0.3倍程度である。
〔メモ者 さらに「85年生まれの人は428万人、仕事を得た。定年間近の人は515万人、仕事を失った。辞めた分を若い人で補おうにも90万人足りない。これが人手不足。若い人が就職しやすくなったのはアベノミクスに関係なく誰が首相でも必ずこうなる」 〕

◆ 2012~16年の4年間に、企業の「売上高」は5.9%しか増えていないのに「経常利益」が54.7%も増えた。一方、従業員給与は増えず、また、「税引前当期純利益」が70.7%増えたにもかかわらず、「法人税、住民税及び事業税」の納税額は17.4%しか増えていない。その結果、「内部留保」が25.7%、123.5兆円も増え、国内需要低迷の原因となっている。
 「内部留保」最大の活用先は「投資有価証券」であり、4年間に29.1%、68.6兆円も増えた。「有形固定資産」の増加率は6.4%にすぎない。

◆ デフレから抜け出すためには、賃金を引き上げ、需要を拡大しなければならない。にもかかわらず、法人税を減税し、消費増税を含む大衆課税を強化し、社会保障の切り下げを行っている安倍内閣の政策は、アベコベである。

◆ 第2次安倍内閣の4年間に、労働者の生活は明らかに悪化し、長い間21~22%で推移していたエンゲル係数が、1.8ポイント上昇して24.4%になるという、近年見られない現象が生まれた。エンゲル係数上昇の第1の原因は、収入の減少。「勤め先収入」が、第1分位7.37%、第2分位は5.53%も減っているのに対し、第5分位は逆に1.49%増え、家計所得の格差が一層拡大した。第2の原因は、政府による所得の再配分が不十分で、「勤め先収入」以上に「可処分所得」の格差が広がったことである。その結果、第1分位から第4分位の中所得層まで「預貯金」を減らして生活を維持せざるを得なかったのに対し、第5分位だけは、「預貯金」を増やした

〔2〕賃上げと働くルールの確立は、経済を成長させる/財源はある

◆「月間現金給与総額」は、1977年の37万1670円をピークに下降が続き、2016年は、1997年より15.1%、5万6080円も低くなっている。安倍内閣発足後の4年間では、名目賃金が0.47%微増したものの、消費税3%を含む物価上昇により、実質賃金は3.93%の低下となった。
労働者の生活を第2次安倍内閣発足時に戻すだけで、6.7%、2万1397円の賃上げが必要である。そのために必要な原資は、内部留保の2.26%にすぎない。底上げのために、最低賃金の大幅な引き上げが、とりわけ重要である。
アメリカの最低賃金は時給7.16ドルで、日本の6.65ドルとあまり差がないように見えるが、実は、サンフランシスコ、シアトル、ワシントンDC、ロスアンゼルス、ニューヨークなど大都市州は、すでに時給1000円を超えており、さらに、それらを含む先進14州が、2022年までに、時給15ドル、1816円に引き上げることを決めている。

◆ 「労働時間の上限規制」と「ホワイトカラーエグゼンプション」など安倍内閣の「働き方改革」は、多くの労働者に無制限の長時間労働とサービス残業(不払い労働)を強制する可能性が高い。「働き方改革」をいうなら、まず、「サービス残業の根絶」、「年休の完全収得」、「週休2日制の完全実施」および「非正規雇用の正規化」を行うべきである。

◆労働条件の改善は、経済を成長させる
賃金の引き上げ、労働時間の短縮、非正規雇用の正規化など、労働・雇用条件の改善は企業の労務コストを上昇させるが、やがて家計消費需要の拡大を通じて新たな国内生産が誘発され、企業経営にプラスとなって跳ね返ってくる。また、GDP(国内総生産≒付加価値)や雇用および税収を増加させ、国全体の経済を活性化する。
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◆ 企業は常に他社や海外と競争しているのであり、自ら積極的に賃金の引き上げや労働条件の改善を行うことはない。したがって、労働者の粘り強いたたかいが必要である。近年、日本の労働運動は、すっかり戦闘力を失ったように見える。労働組合がその本来の目的を達成し、社会的責任を果たすために労働運動の再構築が必要である。


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