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2017年8月、11月 地方議員会議資料

 9月 日欧EPA、会計年度職員、指定管理者の災害協定、住宅耐震化、国保、介護保険改悪法成立など
11月 国保都道府県単位化、医療・介護報酬改定、少子化対策、農協「改革」など
 アップし忘れていた2回分。 
 

【2017年11月地方議員会議】

はじめに

Ⅰ. 医療・介護報酬改定
(1) 削減ありきの改定
○来年度、診療報酬、介護報酬  6年に1度の同時改定/障害者福祉の報酬改定も

○ 財政制度等審議会(財務相の諮問機関)11月25日、社会保障費の削減方針を打ち出す。
自然増6300億円を5000億円削減することを要求

■診療報酬/薬価部分だけでなく医療行為に支払う本体部分も引下げ、全体で2・5%以上の大幅減を要求
急性期の病床削減するため、診療報酬の算定要件を「厳格化」。調剤報酬の引き下げ

■介護 通所介護や訪問介護、特別養護老人ホームなどの報酬を引き下   
   掃除、調理などの生活援助~1日当たりの報酬に上限を設ける形で利用制限を導入
  ★「骨太方針2017」が掲げる介護報酬2018年改定案

★安倍首相「パラダイムシフトを起こす。介護が要らない状態までの回復をめざす」(2017年5月)
食事・入浴介助等を中心とした「お世話型介護」から「自立支援介護」(科学的介護)へ
⇒ 「自立」後は、健康産業・シルバービジネスへ
・ 2018年度の報酬改定で、要介護度を改善させた事業所の報酬を引き上げ
・ 2018年度以降は、「自立支援」や回復に後ろ向きな事業所の報酬の減額を検討 ・・・(介護報酬上のインセンティブ)

(2)「自立」「自立支援」とは何か

■介護保険法第1条「目的」
「この法律は、加齢に伴って生ずる心身の変化に起因する疾病等により要介護状態となり、入浴、排せつ、食事等の介護、機能訓練並びに看護及び療養上の管理その他の医療を要する者等について、これらの者が尊厳を保持し、その有する能力に応じ自立した日常生活を営むことができるよう、必要な保健医療サービス及び福祉サービスに係る給付を行うため、国民の共同連帯の理念に基づき介護保険制度を設け、その行う保険給付等に関して必要な事項を定め、もって国民の保健医療の向上及び福祉の増進を図ることを目的とする。」

→「尊厳が保持」されない「自立支援」は、介護保険法違反!!

■「自立」とは、介護が必要な状態になっても、介護サービスを利用しながら、自分のもてる力(残存能力)を活用して、自分の意思で主体的に生活できることができることである
増田雅暢『逐条解説・介護保険法』(法研、2016年)
※ 元厚生官僚、「高齢者介護対策本部」(1994年~)事務局補佐

■老人福祉施設協議会「意見」 要介護改善の義務化は「虐待」  2016年12月5日

「本来、疾病・障害等から身体機能が自立となるか否かは、個々の状態に起因するものであり、一端の事例をもって普遍性を見出すことは困難です。
 加えてADL(日常生活動作)とはQOL(生活の質)向上を実現するための手段であり、それ自体を自立と捉えることはできません。
 その意味で自立とは、身体機能のみならず、社会生活、個人の尊厳も含めた状態を指すものであって、そのための支援はより全人的なものでなければなりません。いかなる状況であっても、そのひとらしい百人百様の自己実現に向けた介護を目指していくことが必要です。
 一方で、仮にいわゆる「自立支援介護」が敷かれた場合、特養において利用者の意に反して栄養を投与し、リハビリを重ね、歩行器で歩かせることを強いるような「QOLの向上を伴わないADL回復の目的化」が促進されるリスクが強く危惧されます。要介護度の改善はADL回復のひとつのアウトプットであって、目的はQOLの向上、自己実現に向けた介護を目指すことにあります。
 とりわけ単身、独居の方など、社会に居場所がなく、安心、安全の終の棲家である特養に安住できた方々にとって、事実上要介護度改善の義務化を課すことは、もはや虐待と言っても過言ではありません。」

(3) 関係団体から反対の声 

①「平成 28 年度 収支状況等調査結果 速報   平成 29 年 10 月5日  全国老人福祉施設協議会」
~もはや限界 - プラス改定なければサービス維持も困難に/特養経営さらに落ち込み収支差率2.5%、赤字施設は33.8%にも/ 事業の安定なくして処遇向上見通し拓けるか~
平成29年8月以降集計を行っていた「介護老人福祉施設等平成28年度収支状況等調査」において、サービス活動収益対経常増減差額比率は、2.5%と前年比0.5ポイント低下、この調査を開始した平成14年度以降で最低となった。また、赤字施設(サービス活動収益対経常増減差額比率(補助金を除く)が0.0%未満の施設)は、全体のうち33.8%となっており、平成17年度以降、過去最大水準となった。

○ 加算体制を整え「良質なケア」を行っても、本体報酬の減は補えない
各種加算算定の請求体制を整えている事業所は増えており、少しでも収益増につなげたい事業所の努力が伺える。しかし、上記のとおり、全体平均の収支差率が過年度よりも低迷していることを踏まえれば、本体報酬の削減が甚大な影響を与えている。

○生産性向上、人づくりのためにも、盤石な経営基盤確保を
人件費比率の伸びも顕著であり、全国平均は65.8%で前年度に比して0.6ポイント増となっており、赤字施設では約71.4%に到達している。社会保障費の効率的な給付を行う観点から、増床施策等の適正規模化によって、スケールメリットを働かせていくことも考えられる。
生産性向上に向けたICT等への設備投資、職員の研修機会の提供、資質の向上のためには、その資金拠出ができる盤石な経営基盤がなければ実現できない。これらの原資となる介護報酬の確保は不可欠であり、サービス維持のためにプラス改定が必要である。

② 介護サービス利益率が大幅低下、3.3%に【2017年度介護事業経営実態調査】  医事新報10/27
 厚生労働省は26日、2017年度介護事業経営実態調査の結果を公表した。介護サービスの平均利益率は3.3%で、3年前の前回調査の平均利益率(7.8%)より約4ポイント下がっていた。
調査は2018年度介護報酬改定の基礎資料を得るため、個々のサービスの費用の実態を明らかにすることが目的。今年5月、全国3万1944施設・事業所を対象に2016年度決算を調査した(有効回答率47.2%)。これまでの実態調査は単月の状況を調査していたが、今回初めて通年の状況を調査した。
施設サービスの利益率は、介護老人福祉施設が1.6%(前回から7.1ポイント減)、介護老人保健施設が3.4%(2.2ポイント減)、介護療養型医療施設が3.3%(4.9ポイント減)。
居宅サービスは訪問介護が4.8%(2.6ポイント減)、訪問看護が3.7%(1.3ポイント減)、訪問リハビリテーションが3.5%(1.8ポイント減)、通所介護が4.9%(5.7ポイント減)、通所リハビリテーションが5.1%(2.5ポイント減)と軒並み利益率が低下。居宅介護はマイナス1.4%(0.4ポイント減)で、全サービスで唯一の赤字となった。
利益率が低下した要因について厚労省は「2015年度介護報酬改定がマイナス2.27%だった影響と人件費の増加」と分析。「介護人材の有効求人倍率は3を超えている」と紹介し、人件費を上げざるをえない状況にあると説明した。
(2016年度における介護サービス事業所・施設全体の収支差比率は3.3%で、前年度( 2015年度、3.8%)よりも0.5ポイント低下)

③地方6団体の要求  2017/10/26 国と地方の協議の場
○ 改正介護保険法に盛り込まれた新たな交付金については、介護保険制度の財源構成とは別に財源を確保し、地方団体における高齢者の自立支援や重度化防止の取組が一層評価され、推進が図られるよう、適切な指標を設定したうえで実施すること。
○ 保険者機能の強化に向けた財政的インセンティブの付与について、「骨太の方針2017」において、「あわせて、調整交付金の活用についても検討する」とされているが、本来調整交付金は、保険者の責めによらない要因による第1号保険料の水準格差の調整を行うものであり、その機能を損なうような措置を講じるべきではなく、新たな交付金の財源に調整交付金を活用することは断じて行うべきでないこと。


2. 国保の現状と県単位化                      

はじめに・・・「国保」は社会保障   国保法、厚生省解説1960

●国保法は「社会保障」「国民保健の向上に寄与する」(1条)と規定し、「国は・・・運営が健全に行われるようつとめなければならない」(4条)と責任の所在を明記している。

●この4条について1960年出版された厚生省保険局国民健康保険課編「詳解 国民健康保険」では
 「(これは)国民健康保険の社会保障体系に占めるすぐれた地位を承認し、福祉国家へ歩むわが国の態度を明らかにしたものといえよう。このような規定は二〇余年前、わが国が一八、一九世紀的な自由主義的市民的法治国家にとどまっていた当時に生まれた旧国民健康保険の中にはうかがうことさえできない。
 旧法では、国民健康保険は市町村の固有事務として把握し、国はその水準の維持をはかるために必要な援助を行うにとどまり・・ 新法は、このような旧法に臨んだ国の態度を脱ぎすて、国民健康保険を国自らの事務とし、市町村に保険者として国民健康保険事業を行わせるが、この場合、市町村の事務いわゆる団体委任事務と解するにいたっている」 と解説している。 

1. 国保財政のスケッチ  〔2015年度当初予算ベース〕 

Kokuho

〔1〕支出・医療給付 
 全体  11兆7600億円 一般被保険者の医療給付 7兆7500億円 
                 後期高齢者支援金    1兆8千億円など

〔2〕収入
①保険料3兆2800億円〔高額医療・国県負担分1735億円、法定外3500億円含む〕
  → 実際の保険料/2兆7565億円

②法定内繰入 6900億円 + 1700億円
・財政安定化支援事業 1000億円
・保険者支援制度 1020億円  〔図に追加/15年末に +1700億円追加〕  計2720億円
・保険基盤安定制度  4880億円

〔2017年度から、さらに1700億円追加〕
・財政調整機能の強化(財政調整交付金の実質的増額)
・自治体の責めによらない要因による医療費増・負担への対応    ・・・700-800億円
(精神疾患、子どもの被保険者数、非自発的失業者等)
・保険者努力支援制度・・・ 700-800億円 →1000億円
 〔2017年度は、都道府県の基金造成に200億円〕

③国庫負担金・調整交付金、都道府県調整交付金 3兆9500億円

④前期高齢者給付金 3兆6600億円  〔被用者保険料からの調整〕


〔3〕公費負担の実態
①84年改訂 国庫負担 医療給付費(自己負担3割のぞく)×50% 
      それ以前  医療費×45%(うち調整交付金5%) 
 → 医療費の35% (国庫支出金 22.4%、調整交付金6.3%、都道府県調整交付金6.3%) 

②「一般被保険者の医療給付の1/2」の実態は・・・
・医療給付7兆7500億円に対し、
  純粋な保険料  2兆7565億円       35.56%
  公費負担額    5兆1635億円〔+1700億円〕 66.6%

★ 84年以降は、国庫支出金の割合は低下している〔32%〕が、各種の調整交付金、支援制度などが導入され、公費負担の割合は高まっている。
→高齢者医療制度の成立により、老人保健への支出金減、前期高齢者納付金の創設で、1.8兆円の収支改善〔〕全国的には黒字に転化したところが多い

〔4〕高知県は、依然 赤字 15年1700億円分〔高知県10億円〕投入も、医療費13億円増
・実質収支 2011年▲6.1億円→▲3.5億円→▲7.2億円→▲8.9億円→2015年▲8.7億円
・法定外繰入2011年3.9億円→ 6.5億円→ 7.8億円→ 7.9億円→2015年13億3千万円
・医療費総額2011年786億円→15年810億円/一人あたり 11年35万6千円→15年40万7千円


2 問題は、加入者の構成の変化~「構造的問題」

 高すぎる保険料…公費負担を拡大したり、高齢者医療への他保険からの支援など、さまざまな手当てを実施
が、「構造的な問題」の解決には、ふさわしい公費投入になっていない・・・・ 保険料(税)負担が増加

・国保3520万人(2036万世帯)、協会けんぽ3490万人 健保組合2950万人 共済920万人 後期1470万人

①非正規・零細企業、無職が約8割へ
1965年 一次産業42.1 自営業 25.4 被用者19.5 無職6.6
   〔被用者~ 5人以下の零細業者、臨時工など、高度成長を支えた層〕
1985年  一次産業13.5 自営業30.1 被用者28.7 無職23.7
2011年  一次産業2.8  自営業14.5 被用者35.8 無職42.6 

②加入世帯の所得の低下
一世帯あたり保険料 1人当たり保険料 /加入世帯の平均所得 保険料/所得
1984年   103,188     39,020   /179.2万円       5.76
1991年   148,616     65.284    276.5万円       5.37
2011年   155,688     89,666    141.6万円       10.99 
2015年   152.352     92,124   

・高齢者が多い~  医療費は、他保険の約2倍、所得は半分以下
平均年齢          国保 51.5 協会けんぽ36.7 組合健保34.4 共済33.2   2015年度
65-74歳の割合       国保 37.8 協会けんぽ 6.0 組合健保 3.0 共済 1.5  2014年
一人あたり医療費(万円) 国保 33.3 協会けんぽ16.7 組合健保14.9 共済15.2   2014年
一人当たり所得(万円)  国保 86 協会けんぽ 142 組合健保207 共済230   2014年

★公費の投入増以外に解決の道はない・・
 知事会「被用者保険なみの負担に軽減するには1兆円必要」/国保新聞 2014/07/10

3. 都道府県単位化と運動

〔1〕都道府県単位化の仕組みと目的
・2018年度より、国保の保険者が都道府県と市町村に
・国保の実務〔賦課、徴収、給付や健診など〕は市町村。都道府県が財政を担う
・被保険者数、医療費水準、所得水準にもとづき、市町村の事業費納付金を決定。県全体でプールしたお金で、医療給付を行う。
→ 現在実施している「財政安定化共同事業一円化」〔市町村の被保険者数と、医療給付費の1/2を反映させて分担金を計算〕とほぼ同様の仕組み 

★国の狙い/ 都道府県を医療費削減の道具にするための仕組みを内包
・医療介護総合確保法〔14年成立〕…都道府県に「地域医療構想」の策定を義務付け/医療供給体制の整備と一体で、国保財源を握ることで「医療費適正化」を進めるもの
→ これまでの都道府県調整交付金に加え、今年度から予算手当てされる1700億円に含まれる「保険者努力支援制度」による「医療費適正化」の成果にあわせた交付金の傾斜配分〔インセンティブ改革〕

■地方6団体の要求  10/26   国と地方の協議の場  / 地方は、抵抗している!

○ 国民健康保険制度改革の実施に当たっては、平成28 年12 月22 日社会保障制度改革推進本部決定により確約した財政支援について、国の責任において確実に行うこと。

○ 国民健康保険制度の普通調整交付金の配分方法等の見直しについては、標準的な医療費水準に基づく普通調整交付金等の配分により、インセンティブ機能を強化する方向性が示されているが、国民健康保険制度の抱える構造的課題を解消するためには、普通調整交付金が担う地方団体間の所得調整機能は大変重要であり、これまでの国と地方との協議により、平成30年度以降においても、その機能は引き続き維持することとなっており、見直しは容認できない。
国民健康保険制度における保険者へのインセンティブ機能を担うものとしては、平成30 年度から新たに設定される「保険者努力支援制度」を有効に活用すること。

〔2〕高知県の「国保運営方針」(案)

★国保の構造問題や策定にあたっての基本姿勢(県民誰もが必要な医療サービスを受けることができる等)については、運営方針の「策定の目的」の項目で記載されている

○納付金額
・保険料~ 「保険料水準の統一」は困難であり、当面は行わない
・各市町村の納付金額   人数、医療費水準をすべて反映、所得水準(国基準)で算定  
・標準保険料率  3方式計算 ~ 比較するためのものであり、実際に保険料率とは違う。
・実際の保険料~算定方式や保険料率等は市町村の権限/  資産割の設定、平等割・均等割の金額等
~ 医療費が低いところ、所得が低いところでは、下がる。

○激変緩和措置 制度の改変による一人当たりの納付金額の上昇を1%以内(当面 ~2022年)

○一般財源繰入
・国の整理 ①赤字補填 ②保険料低減 ③ペナルティ分、独自減免分…①②を計画的に解消すべき
・法定内繰り入れ 財政安定化支援事業の基準額繰り入れ

○スケジュール  1月に各市町村の事業費納付金が決定

〔3〕当面のたたかい

「構造的問題」の解決には、公費負担の増以外にありえない…ここが基本 

①市町村独自の法定外繰入の維持、確保
・一般財源の法定外繰入3500億円に対し、新たな財政措置3400億円。繰入中止すれば負担軽減にならない
・厚労省 「これまでどおり、市区町村の裁量でできる」とは明言~ たたかいの課題

・厚労省 「激変をしょうじさせない配慮求める」 
 10月2日付「国保実務」によると、「厚生労働省は激変緩和に関連して30年度に限って保険料率引き上げの上限となる『一定割合』を国が示すことを検討」として調整中であるととのこと。
 「例えば法定外繰入を削減する影響は激変緩和の対象とならないため、都道府県がマクロの視点から一定割合などの激変緩和措置を講じても、市町村が赤字解消のため急激に保険料を引き上げれば混乱が生じる恐れがある。厚労省は『標準保険料率は保険料算定の参考にはなるが、実際に賦課・徴収する保険料率を決めるのは市町村』として、30年度に関しては被保険者一人ひとりが受け入れられる保険料負担という観点から、法定外繰入のほか、財政調整基金の取り崩し額や保険料の算定方式、応能・応益割合、保険料の賦課限度額、個別の保険料減免などについて、財政責任の一端を担う市町村の立場で激変を生じさせない配慮を求める」

★未就学児までの医療費無料化のペナルティ廃止(来年度より)→ 厚労省「少子化対策に活用」を要請

★ペナルティ分の繰入なし 〔2015年度〕
 須崎市、馬路村、大川村、土佐町、大豊町、いの町、仁淀川町、越知町、津野末、梼原町、三原村

★財政安定化支援・繰入不足/8割のみ 〔2015年度〕〕
 南国市、須崎市、土佐清水、宿毛市、東洋町、馬路村、香美市、土佐町、本山町、大豊町、黒潮町

②法定外繰入に対する県の責任分担
 ペナルティ分 県全体で4億円 1/2は重度障害児者、1/4は一人親家庭支援と、県制度である。
 県に応分の負担をさせ、浮いた財源で市町村の軽減措置を拡充させる/または県単の軽減制度創設

③独自の窓口負担の軽減
・低所得者対策/ 入院については制度をつくれば、1/2を特別交付税で手当て
・広島市の減免制度  直近の3ヶ月の収入が、
 生活保護基準の110%未満は、免除/ 130%未満は、減額
国保の被保険者は29万人で、減免金額7300万円を一般財源から繰り入れ

④境界層措置の創設 
 保険料を払えば、保護基準を下回る境界層の措置がない(介護保険にはある)
生活保護基準に該当する世帯の減免措置 2014年4月時点で685市町村が実施(2015/5/19 小池晃質問)

⑤少子化対策に逆行する均等割の減免 /多数世帯ほど、簡単に限度額となる問題 
一宮市  18歳未満の児童の均等割保険料を3割軽減
川西市  法定軽減を受けていない世帯の子ども二人目以降の均等割額を半額。法定2割軽減の世帯にも、均等割額を3割減、あわせて二人目以降の子どもの均等割額を半額に
高知市の場合 子どもの均等割の全額免除  1億4千万円必要 (2015年3月 下本質問)

⑥資格書、短期保険証(留め置き問題、有効期間)、子どもの無保険

⑦生活を脅かすような徴収をやめさせる
・「県国保運営方針」(案) 
「3 収納対策の取組   各市町村は、事業の休廃止や病気など保険料(税)を納めることができない『特別な事情』の有無を確認しながら、短期被保険者証や被保険者資格証明書の発行などの滞納対策を実施しています。」
→ 厳格に「有無を確認」を実施させる

■本来は厳密なルールがある         国税徴収法75~78条に明記
禁止/生活必需品や事業に不可欠な物 /生活保護費、児童手当、児童扶養手当など
制限/給料、年金なと。最低生活費と公租公課の金額  …民事執行法及び政令

~ 給料 差押が可能な範囲 基本給と諸手当(通勤手当を除く)から、所得税、社会保険料などの法定控除額を控除した残額Aの4分の1/Aが44万円以上の場合は、差し押さ禁止の範囲は33万円まで

~ 年金
1. 最低生活費の控除 本人100,000円、扶養親族1人につき45,000円
2、体面維持費の控除(源泉所得税控除後の手取り額-本人10万円-4万5千円×扶養親族数)の20%
年金手取額から1.2の控除額を控除した残額が差押可能金額(国税徴収法)

■野洲市 「滞納は貴重なSOSだ」「行政が手を差しのべるべき人」〔市長〕
  1階フロアーに、市民生活相談課〔職員市職員と4名、生活困窮者支援事業と消費者行政促進事業での嘱託3名、家計相談事業〔社協委託〕、ハローワークと一体的実施を組み合わせ〕で対応。
 各部署を網羅した市民相談総合推進委員会〔多重債務、自殺防止、人権の3つの対策連絡部会〕を設置


3. 少子化対策                     

 本来は人権保障としてのものだが、「少子化対策」という行政のトレンドを利用して前向き変化を築こう

1. 少子化の原因などについて  白書などより

■2017年度版少子化社会対策白書より

・予定子供数が理想子供数を下回る夫婦の理想の子供数を持たない理由 「子育てや教育にお金がかかりすぎるから」(56.3%)が以前トップ(2015年 出生動向基本調査)
・男性の就労形態別有配偶率 「正社員」では25~29歳で31.7%、30~34歳で57.8%であり、「非典型雇用」では25~29歳で13.0%、30~34歳で23.3%であり、「正社員」の半分以下(就業構造基本調査)

■「子育て・教育の経済的負担の具体的内容」

①学校教育費(大学・短大等)55.6% ②学習塾など学校以外の教育費47.0% ③保育所・幼稚園・認定こども園の費用 39.1% ④学校教育費(小中高校)38.0
(内閣府「子ども・子育てビジョンに係る点検・評価のための指標調査報告書」2013年)

■2015年11月17日「一億総活躍国民会議ヒアリング資料」  中京大学・松田茂樹
・子育ての経済的負担は、出生率を低迷させてきた大きな要因である。しかし、これまで子育ての経済的負担を直接軽減する政策はほとんど行ってこなかった。出生率・数回復のためには、子育ての経済的負担を直接軽減する政策が必要である。具体的な政策案は、以下のとおりである。

・ 結婚や住宅取得(子どもがいる世帯についても)を応援する経済的支援
・ 子どもを多く産み・育てる人を手厚く支援するように手当・控除等を充実
・ 教育費負担の軽減(幼児教育無償化、家庭の高等教育費の負担軽減・奨学金の充実、経済的に困窮する家庭の子どもに対する教育費支援など)

2. 具体的取り組み
・18歳まで医療費無料化(本山、安田、馬路、芸西村、大豊)
・入学準備金の3月支給・倍加(四万十市など)、「準要保護」の充実〔クラブ活動費など〕
・保育料第二子無料化(安田、室戸、須崎市、いの町)
・教材費支援(いの町 小学千円、中学2千円、大月千円)
・給付型奨学金(香美市 生活保護の1.5倍、高校1万、大学・専門学校1.3万)
・通学支援(越知 町外に通学する高校生に月2千円)


3.農協つぶしとのたたかい   公正取引委員会の異常な対応

■「忖度の競争政策-公取の尊厳は何処に 鈴木宣弘 東京大学教授  JA新聞10/17
・歴史的に、個々の農家が大きな買い手と個別取引することで農産物は買いたたかれ、個々の農家が大きな売手と個別取引することで資材価格はつり上げられ、苦しんだ。そこから脱却し、農業所得を向上させるため、農協による共販と共同購入が導入され、それは取引交渉力を対等にするためのカウンターベイリング・パワー(拮抗力)として独禁法の適用除外になっているのが世界的な原則である。
・が、わが国では、農家と農協が「不当な利益」を得ているとして、農協に対する独禁法の適用除外をやめるべきとの議論が以前からあり、近年、農協改革という名目の農協解体が国策的に推進される中で一層強化されつつある。

●適用除外のなし崩し化  JA土佐あきの例
独禁法の解釈を実質的に強化して農協を取り締まり、実質的に適用除外をなし崩しにする摘発が始まっている。「農業生産資材及び農産物の販売に関し、公正かつ自由な競争を確保するため、農業分野における独占禁止法の取り締りの強化を図る」(「規制改革に関する第4次答申」2016年5月19日)方針と呼応している。

 2017年3月29日、高知県JA土佐あきに対して公取はナスの販売について、組合員に対して系統以外に出荷することを制限する条件をつけて販売を受託していたという拘束条件付取引に該当するとして排除措置命令を下した。ナスの部会は元々農家の自主的な組織で、共同出荷施設を維持し、共同販売を促進するために、自らで作っていた規約に対して、農協が系統利用を強制したかのような判断がなされた。しかも、系統利用率は50%であるにもかかわらず。
 例えば、集出荷場にナスの自動選果ラインを導入するとき、部会員農家が平等に利用料を負担する自主的取り決めを行い、利用が減った農家からは当初約束した利用料金のキャンセル料の意味合いで、通常の半額の利用料金を負担してもらうなどの約束があった。こうした活動を独禁法違反とすることは、農協共販を独禁法の適用除外としている22条の根幹を揺るがす重大な事態である。

●公取  「農業協同組合の活動に関する独占禁止法上の指針」(2017年6月16日改定)での説明
「独禁法は,協同組合の一定の行為について適用除外規定を設けている(第22条)。農業協同組合法に基づき設立された連合会及び単位農協が,共同購入,共同販売,連合会及び単位農協内での共同計算を行うことについては,独禁法の適用が除外される。しかしながら,[1]不公正な取引方法を用いる場合,又は[2]一定の取引分野における競争を実質的に制限することにより不当に対価を引き上げることとなる場合には,適用除外とはならない。
 この適用除外制度は,以下のような趣旨のものと解されている。単独では大企業に伍して競争することが困難な農業者が,相互扶助を目的とした協同組合を組織して,市場において有効な競争単位として競争することは,独禁法が目的とする公正かつ自由な競争秩序の維持促進に積極的な貢献をするものである。したがって,このような組合が行う行為には,形式的外観的には競争を制限するおそれがあるような場合であっても,特に独禁法の目的に反することが少ないと考えられることから,独禁法の適用を除外する。」
 
●「共販を認めつつフリーライドを推奨して共販を崩す」論理破綻
 共販が有効に機能するには、共販に結集するための誘因となる自主的なルール(ある程度の縛り)は不可欠である。それなのに、それを違反だというなら、共販を「公正かつ自由な競争秩序の維持促進に積極的な貢献をする」と認めながら、「ただ乗り」を助長し、共販を壊すという論理矛盾ではないか。

●現状は「不当な価格引き上げ」とは逆に「不当な買いたたき」の状況下にあり、独禁法の適用除外をなし崩しにする取締まり強化は間違いで、むしろ共販を強化すべきで、かつ、大手小売の「不当廉売」と「優越的地位の濫用」こそ独禁法上の問題にすべきということになる。

【2017年9月議会にむけて ~ 地方議員団会議】                    ◆日欧EPA ①日欧EPA「大枠合意」は、ごまかしの「政治合意」にすぎない 発効阻止、安倍政権打倒に全力を上げる

2017年7月7日  農民運動全国連合会  事務局長吉川利明

一、安倍首相は6日、ブリュッセルで欧州連合(EU)のトゥスク大統領、ユンケル欧州委員長と共同記者会見を行い、経済連携協定(EPA)交渉の「大枠合意」を表明した。
農民連は、多くの国民や農民の反対の声を無視し、また、交渉経過や影響試算を一切明らかにしないまま「大枠合意」に突き進んだ安倍政権に断固、抗議する。

一、政府が発表した「合意」内容によれば、交渉分野は27に及び、国民生活全般に影響をもたらすことが懸念される。特に農産品では、TPPでは手付かずだったソフトチーズに初年度2万トン、16年後に3.1万トンの低関税輸入枠を設定し、関税をゼロにすることや、世界的に競争力のあるワイン、パスタ、木材などの関税を撤廃するなど、TPPを上回る水準となっている。EUが加盟各国に示した試算では、日欧EPAによって「日本への食肉や乳製品など加工食品の輸出が最大1.3兆円増加する」などとされているように、日本の農林業、とりわけや酪農への打撃は計り知れない。
 農民連との交渉で農水省高官が、「日欧EPAの合意はTPPなど他の経済連携協定にも波及する」ことを認めているように、今回の「大枠合意」が今後の11カ国TPPや日米2国間交渉、既に発効している日豪EPAにも波及することは必至である。安倍首相は「今回の交渉の結果は、皆さんにも理解してもらえる結果になった」と農業団体代表に述べたが、とんでもない。

一、今回の「大枠合意」は、対立している重要項目を棚上げした「政治合意」に過ぎず、発効を見通せる状況にはない。
 交渉で最も鋭い対立点になり、今回、棚上げされたISD条項について、安倍政権は導入を要求しているが、EUは強く拒否している。仮に全項目にわたって合意しても、EU加盟28カ国の全ての国が批准・承認しなければならず、「数年単位で時間がかかる」ことが指摘されている。たたかいはこれからである。

一、東京都議選で自民党は、57議席から23議席へと歴史的大惨敗を喫した。首相自身にかかわる森友・加計学園疑惑などの政治の私物化、共謀罪での国会のルールを無視した憲法破壊の横暴、憲法9条の明文改憲という安倍暴走政治への都民の怒りの審判が下された。今回の「大枠合意」は、ボロボロ状態の安倍政権が「成果」を焦った「政治的な合意」にすぎず、たたかいはこれからである。

 農民連は、日欧EPAのねらいを徹底的に明らかにし、国会批准を阻止するために全力でたたかうとともに、TPP11・日米FTA阻止の運動に総力をあげる。また、市民と野党の共闘を発展させて次期総選挙で安倍政権を退場させるために全力を上げるものである。

②6月県議会で、共産党提出の意見書、全会一致で可決

「国民に情報を開示し、拙速な日欧EPA「大枠合意」を行わないよう求める意見書

2013年5月から交渉が始まった日欧EPA(JEFTA)は、TPP以上に政府からの情報公開や説明が少なく、多くの人たちが交渉の内容はおろか、交渉分野の詳細や日本の主張を知ることができずにいる。日欧EPAは、TPPやRCEPなど他のメガ貿易協定と同じく、関税撤廃はもちろん、非関税分野も広範に含まれており、地域経済や暮らしに直結するさまざまなルールが変更される可能性が高く、その影響への懸念が広がっている。
農産品においては、特に豚肉や乳製品をめぐり、EUは市場開放を要求している。国内畜産業が大打撃を受けかねない状況にある。林業においても、TPPと同水準ということで、EU産木材製品にかけている関税を全廃する方向で調整していると報じられており、本県の林業振興、地域経済の活性化の中心としているCLTも、当然その対象である。国内で製造されている国産CLTは、1立方メートル単価10万円すると言われており、それを早期に7~8万円台まで下げることを目標としているが、ヨーロッパでは既に6万円台まで価格が下がっており、関税撤廃の経過措置など、必要な国境措置や適切な国内対策を行わなければならない。
大枠合意の内容が新たな枠組みとして、今後のTPP交渉や日米協議など他の通商交渉に波及することも必至であり、日本側の農畜産分野での妥協は「自由化ドミノ」となりかねない。
日本の食料自給率は39%と先進国最低の実態であり、これ以上の低下は、食料安全保障の点からも看過できない。第1次産業の振興は「地方創生」に不可欠であり、また国土保全、環境などの多面的機能の維持・拡充がますます求められている。
よって、国におかれては、次の事項について実現を求める。
1 交渉経過と内容を広く国民に情報開示し、徹底した国民的議論を抜きにした「大枠合意」を行わないこと。
2 重要品目の国境措置をしっかり確保すること。
3 十分な国内対策を講ずること。」
 3は、自民党県議団の要望。

◆「会計年度職員」の新設について

・地方公務員法及び地方自治法の一部改正案が2017年5月11日、日本共産党以外の賛成で可決・成立。

○法案の「目的」~自治体の臨時・非常勤職員ついて、地方公務員法の規定と実態との乖離「解消」のため、増大した臨時・非常勤職員の受皿として新たに期限付任用である会計年度任用職員制度を新設し、常勤職員の勤務時間と「同じ」か「短いか」を基準に、フルタイムとパートタイムとに設定。フルタイムには給料・手当、パートタイムには報酬・費用弁償と期末手当を支給可能とした。/2020年4月実施

○評価
①地方公務員法の「任期の定めのない常勤職員を中心とする公務運営」を行うとの基本が、期限付任用を法定化することによって、自治体職場の非正規化がいっそう促進される恐れがある。
②非常勤職員の勤務時間の差によって新たな格差を持ち込み、その格差は手当支給に止まらない恐れがある

○多くの重要な政府答弁を勝ち取る
①総務省は、臨時・非常勤職員は「地方行政の重要な担い手」であり「改正法案をもって、任用の適正化、処遇の改善に向けてまず第一歩を踏み出したという形にできれば大変有り難い」と法案の趣旨を説明し、「いわゆる雇い止めを行うとか処遇を引き下げるといったようなことは、改正法案の趣旨に沿わないものと考えている」と答弁。/自治体の法の趣旨に沿った対応を支援するため、夏までにマニュアル作成し、助言することを明らかにした。

②総務大臣は任用根拠の見直しにあたって、「常勤職員と同様の業務を行う職が存在するということが明らかになった場合には、臨時、非常勤職員制度ではなく、常勤職員や任期付職員の活用について検討することが必要だ」と、正規職員として任用することも自治体の判断で可能であることを示し、その趣旨についても、マニュアルなどに記載して、各地方公共団体に助言すると答弁。
加えて、総務省は「勤務経験を考慮して、一部試験を免除し又は特別の選考を実施している地方公共団体もある」ことも紹介し、任用根拠の見直し、再度任用は競争試験を要しないことを示した。

③会計年度任用職員制度について
任期は法律上「会計年度内」とされているが「これまでの各自治体における取組をそのまま会計年度任用職員にも当てはめていただくことになる」と、再度任用について公募によらないなど自治体での柔軟な運用を認めた。
退職手当や社会保険の適用を逃れるための「空白期間」の設定や勤務時間を短くすることは、趣旨に沿わないものであり助言していく考えを示した。
パート会計年度任用職員への給付について、「フルタイムの会計年度任用職員に係る給与決定の考え方との権衡に留意し、職務の内容や責任、在勤する地域などを踏まえて定めることが適当」と述べ、報酬の水準決定にあたって考慮すべき事項を示した。
→ 手当ての支給について、裁判では、国の非常勤制度などを参考にして、常勤職員の4分の3程度の勤務時間であれば、常勤職員とみなして支給すべきだと判断されてきた。

④処遇改善にとって必要な財政措置について/自治体の対応を調査し実態を踏まえて、「必要な行政サービスを提供しながら安定的な財政運営を行っていけるように、地方が自由に使える一般財源総額を確保していく」。

⑤継続的に改善/「今後とも会計年度任用職員に係る適正な任用や勤務条件の確保に取り組んでいく考えであり、支給すべき手当の範囲や制度全般の在り方なども含めて検討を行う」と表明した。

⑥衆参両院の附帯決議/任期の定めのない常勤職員を中心とする公務運営の原則、不利益の生じることない適正な勤務条件の確保、必要となる財源の確保、休暇制度の整備及び育児休業等に係る条例整備の確実な実施に向けた適切な助言など

○対応
①「公務の運営」原則を維持し、多様な行政サービスに対応するとともに、人員不足・過重労働の解消に、現に恒常的な業務を担っている臨時・非常勤職員を本人の希望にもとづき、合理的・客観的基準により選考するなど、正規職員化の道を示させる。

②短時間勤務、「空白期間」が設けられ就労している臨時・非常勤職員は、業務上の必要からではなく、「継続した任用とみられないようにするため」「任期の定めのない常勤職員との区別を明確にするため」「退職手当や社会保険料等の財政的負担を避けるため」である場合がほとんど(2016年総務省調査)。
よって、職の個別の検証にあたっては、職務遂行に必要かつ十分な任期、勤務時間を設定することが求められる。(短時間勤務の必要がある場合は、任期の定めのない短時間勤務職員制度の検討を図るべき。)

③そうした改善にあたっては、法律の趣旨に基づく条例制定に向けた労働組合との十分な協議を尽くすこと
制度運用や支給する手当の種類・水準などについても、自治体での労使間の真摯な協議が必要

☆ILOが1994年に採択した第175号条約(パートタイム労働に関する条約)では「均等原則」としてパートであることを理由に賃金を低くすることを禁止し、その他の権利、労働条件、社会保障についても、比較しうるフルタイム労働者と同等にすることを明記している。

◆行政の持つ個人情報を民間活用する条例改定 /反対の論戦

 6月県議会に、行政機関等個人情報保護法等の改正に対応した条例改定案がだされている。グレーゾーンをなくすとか掲げているが、肝は、行政の持つ個人情報を「匿名加工」してビッグデータとして民間に提供できるというものだが、「匿名加工」は民間委託されるだろうから・・どこまで行っても漏洩の危険が付きまとう。
 条例改定は2段階で、今回は、上位法にあわせた改定。その後、県のもつ行政情報の提供について、国や他県の状況をみながら検討していく、というもの。
 以下は「行政機関等個人情報保護法等の改正案」「官民データ活用推進基本法案」についての国会で反対討論 

①2016年4月 吉良よし子参議院議員
 私は、日本共産党を代表して、行政機関等個人情報保護法など個人情報の利活用を進める関係法律の整備法案についての反対の討論を行います。
 本法案は、産業界からの要望に沿って、従来になかった新しい産業、思いもよらなかったイノベーションが起きてくることなどを期待して、行政機関等が保有する個人情報を利活用させようとするものです。行政機関が保有する個人情報は、行政事務の執行のため収集、管理されているものです。だからこそ、厳格な個人情報の保護の下で社会的な要請に応えた利活用が求められているのです。しかし、本法案は、個人情報の保護は不十分なままで、行政機関の側から個人情報の利活用を民間事業者に求めていくものであり、やめるべきです。

 また、本法案は、民間企業等からの提案に沿って行政機関等が個人情報に非識別加工を施し提供します。どんなに高度な加工が施されたとしても、本人が想定していない民間企業等に個人情報が提供、利用されるという問題が残ります。そもそも、識別行為の禁止が本法案で明記されること自体、再識別化のリスクがあることを意味しています。

 そして、もし民間事業者に提供した非識別加工情報や個人情報がリスクにさらされた場合、情報を提供した行政機関等が行使できる権限などについて曖昧な点が残されています。
 さらに、総務省は不適格事業者を提案者から排除できると言いますが、いわゆる名簿屋のような事業者も本法案のスタート時には個人情報の利活用を提案できるという懸念が残ります。

 個人情報の非識別加工についても外部の民間事業者に委託することもできるとされ、不適切な個人情報の漏えいや流出につながりかねないことから、本法案に反対します。また、本法案は、個人情報を多く保有している市町村にも、国がその一体的な利用を促進していくことを明記しており、看過することはできません。

②16/12/6 田村智子 衆院議員
 日本共産党を代表して、官民データ活用推進基本法案について反対の討論を行います。
 本法案は、ビッグデータや人工知能を活用した新しい産業イノベーションを起こすことを期待し、国や地方公共団体が管理する個人情報を含め、官民の電磁記録データの利活用を促進しようとするものです。これは、日本経団連が提言し、アベノミクス第三の矢とされる二〇一六日本再興戦略で求められていた方向そのものです。

 そもそも、国や地方公共団体等が管理する個人情報は第三者への提供を前提としていません。個人の資産や所得、納税、疾病や健康等に関わる情報は、たとえ匿名化されたとしても、民間事業者への提供、マーケティングへの利活用等を促進することに国民的な合意があるとは到底言えません。

 民間事業者が管理するデータも同様です。クレジットカード情報、交通機関のICカード情報などは個人の行動記録とも言えるものです。匿名化されれば、本人同意も必要なく、何に利用されるかも分からないままに利活用が促進される、このことに国民が不安や不快感を抱くことは当然と言わなければなりません。

 データ利活用について、その利用目的をどう規制するのか、国民への説明や知られない権利の保障としてオプトアウトをどうするかなど慎重に検討されるべきですが、法案では、こうした問題を今後の実施法や官民データ活用推進戦略会議などに託すだけで、何も明確にされていません。

 この間、日本年金機構、大企業でも個人情報の漏えいが繰り返されました。内閣府の世論調査でも、国民の七割が個人情報の保護に不安を抱いています。個人情報保護委員会は、二〇〇九年度から毎年度、事業所が公表した個人情報漏えい事案を集計していますが、特に五万件以上の大規模な漏えい事案数について、減少傾向はないと指摘しています。

 また、法案では、個人識別番号、いわゆるマイナンバーカードの普及及び活用の促進も求めていますが、本年九月時点で百六十万通の通知カードが自治体に返送されており、保管するか破棄するか等、混乱が生じる事態です。国民的な議論も納得もないままにマイナンバー制度が開始されたことに大きな要因があると言わなければなりません。個人情報をめぐるこうした深刻な問題の解決にこそ官民共に全力を挙げて取り組むべきです。

 また、本法案は、国と地方公共団体の行政手続はオンライン手続を原則とするとしていますが、高齢者など情報弱者が置き去りにされる、インフラ整備が困難な中小業者が公的取引から排除されることも危惧されます。
 以上、問題点を指摘し、反対討論を終わります。


◆住宅の耐震化  19年度以降、50万円の負担増の懸念~  継続・拡充を   県の政策提言より

・個人住宅の耐震対策への金銭的支援は、公金による私有財産形成に当たるとの意見もありますが、住宅の耐震対策は、津波対策などの様々な地震対策の前提条件となる上に、ガレキの処理、仮設住宅や災害公営住宅の建設などに係る公費支出の削減等に寄与する、いわば“入り口”に位置づけられるもので、命に直結する“公共事業”です。
・このため、南海トラフ地震のような広域かつ大規模な災害からの復旧・復興に係る公費支出と、事前の対策による当該支出の削減効果を定量的に評価した上で、より一層手厚い財政措置、簡易で安価な工法の開発と普及など、住宅の耐震対策の抜本的な強化をお願いします。

【政策提言の理由】
・住宅の耐震化を推進するためには住宅所有者の経済的負担の軽減が必要です。
・本県では防災・安全交付金の効果促進事業を活用して住宅の耐震改修に92.5万円の定額補助を行っています。その結果、昨年4月の熊本地震を契機とした県民意識の向上もあり、平成28年度の耐震改修の件数は前年度の約1.5倍となるなど増加傾向にあります。しかしながら、平成31年度以降は住宅の耐震改修に効果促進事業を適用することができなくなります。
・一方、平成31年度以降も住宅の耐震改修に活用可能な防災・安全交付金の基幹事業である住宅・建築物安全ストック形成事業は、補助対象事業費が耐震改修工事費の23%(上限額41.1万円)に抑制されており、このままでは、住宅の耐震改修を加速させるための手厚い対策が困難となります。
平成28年度補正予算の制度拡充では、緊急的に耐震化を促進すべき区域においては30万円を加算できることとなるなど、ご尽力もいただきましたが、平成29年度までの時限措置となっています。
・公金による私有財産形成に寄与させないという従来からの考え方がある一方、事前に住宅の耐震対策を行うことは仮設住宅の設置やがれきの処理に関する費用などの抑制に繋がり、トータルとして公費支出を大幅に削減することが可能と考えられます。
・加えて、低コストで負担の小さな補強工法の開発や普及によって工事費の削減を図ることは、住宅の耐震改修の加速化に繋がります。
・ついては、広域かつ大規模な地震災害からの復旧・復興に係る公費支出と事前の対策による当該支出の削減効果を国として定量的に評価し、これらの効果がしっかりと発揮されるよう、住宅の耐震対策の抜本的な強化を求めます。

★県の試算 
 被害総額360億円 → 4500棟の耐震化完了 252億円〔含む、耐震化補助金〕
 建物倒壊による死者数 4,600 人、→ 510 人
→ 耐震改修の効果促進事業の延長・恒久化、30万円の加算措置の延長・恒久化を


◆震災時の避難所運営を想定した指定管理者との役割分担の明確化を

・熊本地震を教訓に、震災時の避難所運営を想定した指定管理者制度の運用について、4月に総務省から通知。・「市町村と施設管理者、指定管理者の間で避難所運営を想定した役割分担等が共有されていなかったため、避難所運営を想定していなかった指定管理者に多大な負担が生じる場合もあった」ことが指摘され、実施すべき取組として、「避難所となる施設の中には、市町村が指定管理者を指定している場合もあるが、災害時の市町村との役割分担について予め協定等で決めておくとともに、発災後も必要に応じて話合いを行うことが必要である。」として、熊本地震のヒアリング結果の参考資料も掲載されている。

 6月高知市議会で、党市議団の質問に、市としてマニュアルの基本となる「指定管理者災害対応の手引き」を関係部署と連携し、本年度末を目途に作成したい、と答弁している。
【大規模地震に係る災害発生時における避難所運営を想定した指定管理者制度の運用について(通知)総務省自治行政局長  2017/4/25】
http://www.soumu.go.jp/main_content/000484314.pdf
【大規模地震に係る災害発生時における避難所運営を想定した指定管理者制度の運用における参考資料について
2017/4/25 総務省自治行政局行政経営支援室】
http://www.soumu.go.jp/main_content/000484315.pdf

◆国保 県単位化、差押さえ奨励金

・基本は、重い負担の現実。その背景に「構造的」問題~ ここが出発点。
  その上で、境界層措置、低所得の窓口負担軽減〔例、広島市〕、子どもの均等割り、など改善要求を
・県の状況は、以下のとおり。統一保険料や基準外繰り入れ廃止の方向ではない

【高知県県・市町村国民健康保険事業運営検討協議会 資料より】
○県の提案 第二回行議会16年8月
・保険料~ 保険料水準を統一するには、前述のような課題があることから、「保険料水準の統一」は困難であり、当面は行わないこととする。/各市町村の納付金額に医療費指数をどの程度反映させるかについて、県と市町村で検討・協議する。その際には、現在行っている保険財政共同安定化事業(※)の財政調整の考え方等を踏まえ、県と市町村で検討・協議を行う。
・各市町村の保険料~ 「市町村は、県が定めた標準的な保険料算定方式等を参考に、実際の算定方式や保険料率等を定め、保険料を賦課、徴収」となっており、例示には、2方式から世帯割、資産割をふくめた3方式、4方式が示されている。各自治体が判断 
・ペナルティ分の繰り入れは、「解消すべき繰り入れ」とは分類されていない。

★国保の構造問題や策定にあたっての基本姿勢については、運営方針の「策定の目的」の項目でしっかりと記載する〔2016年6月議会答弁〕

○標準保険料の試算  未公表について県の説明
・医療費水準と所得水準の反映の程度で違う。協議中 / 現在は、被保険者数、医療給付費〔1/2〕
・国の計算式   給付費増を見込みながら、連動して国から交付される調整交付金は2015年度のまま
18年度から拡充される公費の1,700億円が反映されていない
基準外繰り入れが反映されない

○スケジュール
・8月末 方針案の作成と事業費納付金における医療費水準等の反映程度などの基本的な算定方法の取りまとめ
・9月 運営方針案については全市町村に意見照会、パブリックコメントの実施
・10月中旬 国から示された試算のための仮係数を用いた仮試算/11月頃に、市町村に提示
・10月下旬  「県市町村国保事業運営検討協議会」で運営方針の決定。
・12月 「国保運営協議会」での答申を経て、12月県議会に事業費納付金等に関する条例議案を提出
・来年1月 国から示される確定係〔12月〕にもとづき、事業費納付金の確定額を市町村に提示

~2016年6月県議会・中根質問/2017年6月県議会・塚地質問参照〔党県議団ホームページ〕

【全国知事会 公費1兆円投入求める  国保新聞(2014/07/10)】

 自民党の社会保障制度に関する特命委員会は4日、「医療に関するプロジェクトチーム」を開き、来年の医療保険制度改革の中心となる国保の都道府県化に関し、地方関係団体のヒアリングを実施した。
このなかで全国知事会の福田富一社会保障常任委員会委員長(栃木県知事)は、国民の保険料負担の公平性と将来にわたる国保財政の基盤強化の観点から「協会けんぽ並みの保険料負担率まで引き下げるには約1兆円が必要との試算がある」と述べたうえで具体的な公費の活用策も提示し、被用者保険や都道府県間の保険料格差是正につながる財政基盤の必要性を訴えた。知事会が具体的な公費投入額の規模と負担率の水準に踏み込んだのは初めて。福田知事は、消費増税財 源による2200億円の公費投入や後期高齢者医療支援金からの財源では構造問題の抜本的な解決にはつながらないとの認識を示した。

【国民健康保険制度の財政基盤強化について 知事会 2014/6/2】

 国は、全国知事会に国保基盤強化協議会への参加を要請するに当たり、「国民健康保険に対する財政支援の拡充をしっかりと行い、財政上の構造的な問題の解決に責任をもって取り組む」旨を表明した。
 国民皆保険制度の最後の支え手である国保を将来にわたって持続可能なものとするためには、「あるべき保険料水準」について十分議論した上で、極めて大きい被用者保険との保険料負担の格差をできる限り縮小するような、抜本的な財政基盤の強化が必要である。それにもかかわらず、国は、被用者保険との保険料負担の格差に係る議論を十分に行わず、未だ問題解決への道筋を明確に提示していない。
 国には、国保の被保険者の負担が限界に近づいていることを改めて認識し、後期高齢者支援金への全面総報酬割を導入することにより生じる財源を国保の支援に優先的に活用することはもとより、追加国費の規模も含めた抜本的な財政基盤強化の具体策を一刻も早く提示するよう、強く要請する。
 我々都道府県としては、国保の構造問題が解決し、持続可能な制度が構築されるならば、市町村とともに積極的に責任を担う覚悟である。今後、国が構造問題解決への道筋を明確に示さずに、都道府県と市町村の役割分担についての議論のみを進めようとする場合には、協議から離脱する。

 平成2 6年6 月2 日  全国知事会 会長   /全国知事会 社会保障常任委員会委員長 


【社会保障制度改革について  2017年 6月議会質問】

●つかじ 国保の「都道府県単位化」、「地域医療構想」策定と、都道府県に社会保障抑制の役割を担わすための仕組みづくりが進んでいます。
4月12日の経済財政諮問会議では、医療・介護の抑制で都道府県のガバナンス強化と調整交付金を活用したインセンティブ改革を進めることが議論されています。
 それに対し14日の知事会では、山田会長が「財政の引き締めを都道府県に主体的にかませようとする動きが随分でてきている」「住民サービスを提供する責務を負っているものとして、一番いいところは何かという観点から物事を考えるべきであり、今後非常に厳しい折衝が予定されている」と警戒感を示しています。
5月17日には、知事会、市長会、町村会が連名で「社会保障制度改革に関する緊急要請」を政府におこなっています。そこでも「今般、政府の経済財政諮問会議や財政制度等審議会において、都道府県の保健ガバナンスの抜本強化や、保険者機能の発揮に向けたインセンティブ改革等の重要な議論が、当事者である都道府県や市町村が不在の場で行われている」と指摘しています。そして具体的には、国民健康保険の普通調整交付金の配分方法等の見直しについて「標準的な医療費水準に基づく普通調整交付金等の配分により、インセンティブ機能を強化する方向性が示されているが、国民健康保険制度の抱える構造的課題を解消するためには、普通調整交付金が担う自治体間の所得調整機能は大変重要であり、これまでの国と地方との協議により、平成30年度以降においても、その機能は引き続き維持することとなっており、見直しは容認できない。 国民健康保険制度改革まで1年を切ったこの段階で、既往の普通調整交付金の役割や配分方法を大きく見直すことは、新制度への移行準備を停滞させることにもつながり、極めて遺憾である。」と強い抗議の意思をしめしています。
 高知県は、中山間地が多く訪問介護や訪問診療に物理的な困難をともなうこと、また家庭の介護力が低いといった地域の特性があり施設サービスの比率がたかくなっていることは、県の「地域医療構想」の中でも明らかにされています。地理的や社会経済的な条件を無視し、全国平均や先進地を基準にして、財政インセンティブ、逆からみればペナルティを課すやり方で、医療や介護のサービスを抑制する方法は、安心して住み続けられる地域づくりをめざしている県の取り組みの重大な障害となると思うが、お聞きします。

■知事 
 現在国においては、すべての団塊の世代が後期高齢者となる2025年度を見据え、国民の生活の質の向上及び国民皆保険制度等の維持に向け、医療費適正化などの取り組みが進められています。
また、国ではこの取り組みの実現を図るため、医療保険においては、国保における保険者努力支援制度や、被用者保険における後期高齢者支援金の加算減算制度など、保険者機能に応じたインセンティブを設け、特定健診の受診率の向上や糖尿病の重症化予防などの被保険者の健康づくりに向けて、積極的な事業展開を促しています。
 本県においても、被保険者の健康づくりやその結果として国保財政の安定化を図るためには、インセンティブ事業そのものは一定の効果があると考えており、国のインセンティブ事業を積極的に活用できるよう、県として健康パスポート事業や血管病の重症化予防など事業内容や支援策を具体的に示しながら、市町村に対して健康づくり事業などの取組の強化をお願いしているところです。
 しかしながら、医療費や介護サービス費については、議員のお話にもありましたように、高齢化だけでなく、家庭環境や地域の医療資源の状況などの様々な要因に左右されますが、そうした実情を踏まえない全国一律の成果指標に対して、達成に向けた取組を求めることは適切ではないと考えております。
特に、国保の普通調整交付金が担う所得調整機能は大変重要であり、去る5月に全国知事会、全国市長会、全国町村会で出された「社会保障制度改革に関する緊急要請」にありますように、その見直しは容認できません。
・・・地域の実態に応じた医療サービスや介護サービスを受けることができ、安心して住み続けられる県づくりに向けて、国に対しては丁寧に説明を行っていくとともに、全国知事会を通じて地域の実態を踏まえたインセンティブ事業の在り方について提言を行ってまいります。


【滞納と県調整交付金2号交付金 2017年6月県議会】 
・県国保2号調整交付金の中にある「収納確保対策」
「滞納処分の内差押処分を積極的に取り組んでいる市町村」に交付/新規差押件数が、年間平均被保険者数3千人未満は新規差押え件数10件、3千人以上1万5千人未満は50件、1万5千人以上は100件以上が要件。
新規差押え1件につき1万5千円交付するもの、

○平成23年度から平成27年度の差し押さえ
・28市町村で1450件/29市町村で1900件/30市町村で2777件/28市町村で3161件/29市町村で2816件

○2号調整交付金のうち、平成24年度から平成28年度に保険料の収納確保対策として交付した金額、
・11000千円(10市町村)/15000千円(13市町村)/20600千円(14市町村)/46470千円(21市町村)
/40905千円(21市町村)

●全国で県として「差押さえ奨励金」のような算定を行っているものはわずか数都県。見直しを、と質問

・健康政策部長答弁「今後も、きちんと納付していただいている被保険者との公平性を確保しながら、滞納している被保険者の実情に応じた適切な運用を行うよう助言してまいりますが、財政支援の在り方については、都道府県化に合わせて調整交付金の配分方法を見直す必要がありますので、他県の状況も調査したうえで、市町村とも協議をしてみたいと考えています。」

◆介護保険「改悪」法案が可決・成立    全日本民医連資料  別紙
【見解:「地域包括ケアシステム強化法案」の問題点と障害福祉への影響(概要版)きょぅされん 3/21】

1.国民・当事者不在のまま、突然提案された「地域包括ケアシステム強化法案」

・「地域包括ケア強化法案」は、介護保険法見直し案の他に、30の法律の見直しが一括提案されたもの。介護保険にとどまらず、国民の生活と福祉全般に深く関わる法案である。
・「社会的孤立」や「制度の狭間」の背景には、縦割りの法律や制度も要因にあるが、社会保障全体に対する財政抑制などがあり、こうした問題には触れていない。
・子ども、高齢者、生活困窮者など多くの人に影響する法律を、一括で提案し、短期間に国会を通過させようというのは、あまりに乱暴。
・障害者自立支援法違憲訴訟団と国(厚労省)が結んだ「基本合意」では、障害者自立支援法を実態調査や障害者の意見を十分に踏まえることなく拙速に施行したことを、国(厚労省)は反省を表明している。
・にもかかわらず、国民や当事者に一切の説明のないまま法案を提出した政府・厚労省に対して、深い疑問と疑念を抱かざるを得ない。

2.「3割の応益負担」導入は介護サービスを本当に充実できるのか

・いま日本では2週間に1度“介護殺人”が発生。(NHK調べ)
・2015年8月の2割負担導入、要支援1・2の生活支援の介護保険給付からの除外は、高齢者や家族、自治体に大きな影響をもたらした。
・しかし、介護保険法の見直し案は「3割負担」を提案し、課税世帯の利用者負担上限を月44,400円にすることを盛り込んでいる。
・ケアプランの「1割負担」の導入、要介護1・2の人の介護保険給付からの除外、福祉用具の全額自己負担などは、「見送り」であり、いずれ提案される(社会保障審議会・介護保険部会の最終のまとめ)。
・見直し案には、778カ所もの「政・省令で定める」が規定されているため、介護サービスの水準・内容は、法案だけで判断できない。

3.新たに盛り込まれた「共生型サービス」とは

・「共生型サービス」は、介護保険法・障害者総合支援法・児童福祉法のそれぞれに条文が盛り込まれ、1カ所の事業所で3つの法律にまたがった複数のサービスを提供できる。その対象は、以下の通り。
・障害者総合支援法は、すべての介護給付・訓練等給付の15事業。
・児童福祉法は、すべての障害児通所給付の5事業
・介護保険法は、介護給付の居宅サービス(12事業)、地域密着型サービス(9事業)、予防給付の介護予防サービス(10事業)、地域密着型介護予防サービス(3事業)で、合計34事業。つまり、介護保険の施設サービスの特別養護老人ホームや介護老人保健施設などを除いた居宅、通所、ショートステイ、グループホームなど。

・ところが「共生型サービス」の具体的なあり方は、厚労省令にもとづく自治体条例で定めるため、法案では評価・判断できない。
・利用者負担と負担上限額は、すでに明確である。
・障害者福祉は、課税世帯の負担上限は月37,200円となっている。
・介護保険は、課税世帯を月44,400円にすることが提案されている。

4.「共生型サービス」の問題点

・「共生型サービス」は、「サービスを効果的・効率的に提供するための生産性の向上」が出発点であり、安上がりな人員体制で複合的なニーズに対応する、という厚生労働省の問題意識が読み取れる。
・「共生型サービス」の制度化は、遅々として整備のすすまない地域包括ケアシステム確立を促進するためという問題意識も強く出ている。
・利用者負担問題においても、介護・福祉・児童と別々の法制度で利用する人たちが同一の事業所で一緒に活動していながら、制度間によって、また収入や世帯の状況に応じて負担額が異なるという不公平感が生じる。

5.私たちの求める福祉・介護の改革の方向性

・「地域包括ケア強化法案」のめざす社会像は、「地域共生社会」ではなく、公的な社会保障の薄い社会である。
・現時点では各分野について質量の両面から基盤を拡充するべきであり、それを抜きにした「我が事・丸ごと」は支援内容に混乱をもたらす。

①介護保険法は、「介護の社会化」や「公的介護保障の充実」を謳った原点に戻るための改革をすすめるべき。
②「共生型サ-ビス」は、「効率化」や「生産性の向上」から考えるべきではない。
③福祉・介護の人材の確保については、低賃金かつ劣悪な労働条件を解決するなど、問題の根本要因を解決するべき。
④「基本合意」で確認した「応益負担の廃止」を、介護保険にもひろげていく視点が大切。介護保険制度そのものの全面的な総括をするべき。
⑤財政抑制を出発点とした消極的な視点ではなく、「同年代の他の者との平等」の生活水準を指標に、法律・制度、支援のあり方を検討すべき。


◆介護「卒業」を強制する財政インセンティブ

 医療・介護給付費の「適正化」の名のもとにその成果によって国からの交付金を増減させる動きが強まっている。国保の「保険者努力支援制度」、介護保険でも、五%の調整交付金を使って傾斜配分をする仕組みへと改悪が強行された。交付税にもそうした成果主義がはびこってきている。「ふるさと納税制度」も、市町村間の財源獲得競争という意味で同じ。国は新たな金を使わず自治体を誘導できる。

 介護分野の先行自治体の三重県・桑名市では、介護保険から「卒業」して六か月間介護保険サービスを利用されていない方に、元気アップ交付金で、本人に2千円、事業者に1万8千円、ケアマネジャーに3千円を交付し、地域包括支援センターの委託費についても卒業件数等によってその委託費を決定している。
その結果、無理な「卒業」が強要されている。

●村瀬博・三重短期大学非常勤講師〔参考人 参 - 厚生労働委員会  20175月23日〕 の発言よりメモ
1 制度の目的
・介護保険法に規定された目的・理念  状態を軽減あるいは悪化を防止すること/介護度の改善だけが成果でとする捉え方は現場の混乱をもたらす。維持を評価することが基本、多くの人に当てはまる状態。
・桑名市 「介護保険を『卒業』して地域活動に『デビュー』する」〔「介護予防に資するケアマネジメント〕

2.卒業後の状況調査の結果
・自費のサービス事業所に参加 約1割、/保険料を払いながら自費で10割負担へ追いやっている
・介護保険サービスの受給。卒業したものの重度化して介護保険の方へ戻ってきた方が2割
・死亡 10.6%~昨年の社会保障審議会の63回介護部会資料/2年前要支援1、2の方が2年後の状態調査。多くても6~7%が死亡。/桑名市は元気な方を「卒業」させたて10%を超える死亡者は多い。

3.「自宅で元気に生活、4割以上」の実態
 卒業後、住民主体のサービスにつながらない理由/地域包括支援センターによる調査結果
・「行く手段がない」半分近く、「サービス回数が少ない」4分の1、サービスが合わないも多数
→違和感/「卒業して元気でいわゆるデビューとなる方」が、行く手段がない、サービスの回数が少ない/実は一定の支援、介護サービスを一定必要としていることを意味している。元気に生活している状況ではない。
例〕ボランティアによる「シルバーサロン」利用~「月1、2回だけ。送迎がないし使えない」

4.評価
・卒業した方が、お金のある方は十割を払ってでも自費サービスを利用することがかなり広がってきている
・デビュー待機卒業者ではなく、実態はほとんどサービス待機卒業者。そして待機している間に死亡あるいは重度化する方がかなり見える。

●日本ケアマネジメント学会の服部万里子副理事〔 〃 〕
 「介護の目的は、介護が必要になったとしても能力に応じて福祉、医療サービスを利用し、自立して日常生活が営めるようにすること」だと指摘。市町村に介護度の改善目標、結果公表を義務付け“成果”が上がった市町村に財政的インセンティブ(優遇)を行えば、市町村が介護認定を厳しくする恐れがあると指摘。「事業者も改善する可能性で利用者を選別することにつながる」と批判。


◆子どもの医療費無料化  入院の食事代が対象になっているか? チェックを!
◆県「地域医療構想」の全体像について   議会と自治体2017年6月号 岡田論稿参照

◆.6月・市町村議会 アラカルト 
・いの町  第二子保育料の無料化 町長が実施を表明
・佐川町 来年度、放課後児童クラブ利用料を引き下げの意向
・土佐町 中小企業の融資利子補給 1000万円まで、1㌫分を10年補償
・梼原町 ジビエカー導入2170万円。移動式の解体処理施設
・土佐市社協 介護撤退、職員5名解雇へ。13年度より赤字。職員給与が市職員に準ずるため
・四万十町 高校生公設塾 登録60名、スタッフ7名。日平均利用8人強。来年度から英語コース
・宿毛 自衛隊誘致。4/21 防衛省に知事とともに要請。具体的内容はまったく白紙
・大月 小学校にエアコン設置。説明会終え保育園3園統合へ
・意見書 核兵器禁止条約の交渉参加/佐川、四万十町、東洋、大豊、日高、須崎
ビキニ支援 / 本山、大月、東洋、南国、須崎

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