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2018年度政府予算案~“貧困と戦争”をもたらす亡国の予算

・12月22日閣議決定。2018年度と17年度補正予算案~小池書記局長の談話、赤旗報道とともに、財務省ホームページで公開されている各省庁の予算案と概要から・・整理したもの。

■全体の特徴は・・
・一般会計当初予算案 97.77兆円。6年連続で過去最大を更新。さらに2.7兆円の17年度補正予算案。
~「経済成長」を演出するために大型の財政出動を継続。補正予算は、緊急時の災害対応などが本来の役割であるが、当初予算に入りきらなかったもの〔主に軍事費〕を、もぐりこませる「抜け穴」となっているモラルハザード加速予算。
さらに経済成長率を高く設定し税収増、国債発行削減という「成果」を演出、国民だましの予算

・大企業優先で暮らしに冷たい「アベノミクス」をさらに進め、貧困と格差を拡大させ、9条改憲策動に合わせて本格的に歯止めなき大軍拡への一歩を踏み出す重大な内容。国民に“貧困と戦争”をもたらす亡国の予算。

以下、主な分野・項目の特徴

【主な項目の特徴】

■医療・介護、子育て、生活保護など

・自然増分を1300億円削減。

・生活保護 生活扶助を最大5%段階的にカット、「母子」加算も減額。0-2歳児の児童養育加算も1.5万円から1万円に減額。後発医薬品の使用を原則とするなど医療扶助も抑制し、166億円削減
~ あらゆる福祉施策の基盤をなす保護基準の引き下げは、保育料や介護保険料などに連動する住民税の非課税基準、就学援助、最低賃金など国民生活全体の引き下げとなる/子どもの貧困対策に逆行する内容。

・診療報酬 全体で1.19%引き下げ、薬価分をのぞくと本体部分0.55%プラス。介護報酬 0.54%のプラス
~この間の削減でもたらされた医療機関や介護施設の困難などを本格的に打開する不十分
・介護保険 自立支援、重度化防止等に向けた取組の推進のための財政的インセンティブの付与 200 億円(新規)
→今回は、地方の反対によって「新たな交付金」での対応となったが、2021年の8期計画にむけて、保険者間の所得水準の差等を調整するための重要な機能を担っている「調整交付金」の傾斜配分を引き続きねらっている。

・18年度 70歳以上の患者負担限度額の引き上げ、75歳以上の後期高齢者医療保険料の低所得者への特例軽減の縮小、介護保険の「現役並み収入」の利用者負担2割うちから、さらに3割負担の段階を計画。

・「待機児ゼロ」へ 20年度までに32万人分の受け皿を整備するとし、18年度は8.5万人分1231億円。
~不足分の見積もりは過少。野村総研は89万人と試算/整備される8.5万人分のうち2万人は企業型保育。

■雇用 「限定正社員」など推進

・社会保障関係予算のうち雇用労災対策費 「働き方改革の推進」で17年度比1・4%増の373億円。
 正社員より労働条件の水準が低い「限定正社員」などを推進。
・「同一労働同一賃金の実現」は803億円。17年度から250億円の増額。非正規雇用労働者の待遇改善のため、正社員への転換や処遇改善などに取り組む企業を支援
・「生産性向上、賃金引き上げのための支援」9億円(17年度比5億円増)賃上げ支援というものの、対象は設備の導入など「生産性向上」。
・長時間労働の是正は19億円(同15億円増)。労働時間縮減等に積極的な中小企業を支援。
・「人材投資の強化」とし非正規労働者を対象とする国家資格取得等の職業訓練コースの拡充 379億円(17年度比292億円増)。 教育訓練給付に159億円(同22億円増)。18年1月に給付率等を拡充する専門実践教育訓練給付を含める。

■文教 「無償化」公約先送り

・17年度比34億円減の4兆488億円、4年連続マイナス。

・安倍首相が「国難」とした幼児教育等の無償化~非課税世帯などに限定した上、消費税増税以降に先送り。

・小学校の英語の授業増~英語の専科教員を1000人増。加配定数を1210人増。
・中学の部活を指導する「部活動指導員」や事務を補佐する「スクール・サポート・スタッフ」を新たに7500人配置。が、少子化による自然減として教職員定数は前年度から2861人減。

~「人づくり革命」「働き方改革」最初の予算でありながら、公立小学校約6割、中学校8割近い教員が過労死ラインの時間を超えて働いている〔文科省調査〕という教員の命と健康、教育の質に直結する課題への抜本対策には程遠い内容

《予算の概要より》
自然減(前年度比▲3,000人)を起点として、
① 学校統廃合の進展による定数減、少子化等による加配定数の減(▲1,456人)
② 小学校英語への対応等のため、質の高い英語が指導可能な専科教員等の加配定数の増(+1,210人)
③ 29年度法改正に伴う基礎定数化(通級指導、外国人児童生徒対応)による定数増(+385人)
⇒ 教職員定数は68.8万人から68.5万人(▲0.3万人程度)

・幼児教育の無償化に向けて、年収360万円未満の世帯の幼稚園の保護者負担を軽減。第1子は月4000円、第2子は月2000円引き下げ。

・返還不要の給付型奨学金は、支給枠を2万人分増。が、支給対象となる非課税世帯の子どもだけで約6万人いるため、さらなる拡充が必要。国立大、私立大の授業料の減免を拡充。

■原発エネルギー 〝将来まで原発維持〟路線

・エネルギー対策特別会計(経済産業省分) 7798億円(17年度比276億円減)。
・政府「エネルギー基本計画」 30年度に発電電力量の20~22%を原発で賄うことに対応したもの。

・「原子炉の安全技術の強化」35・6億円(0・5億円増)、高レベル放射性廃棄物の地層処分に関する技術開発委託費37・6億円(1・5億円増)。
・原発輸出の推進 海外原子力施設の使用を支援する人材の育成に予算を割り当て。「電源立地地域対策交付金」822億円、「原子力発電施設等立地地域基盤整備支援事業」56億円。
・火力発電の技術開発や海外展開131億円。

・低炭素エネルギーの対策予算 太陽光などの研究開発など1187億円(13億円減)と減額。

■IT・情報 大企業優遇の項目並ぶ

・安倍政権の「生産性革命」3か年計画の初年度、また経済政策「未来投資戦略2017」に対応した予算

・人工知能(AI)などの先端技術を産業や生活に導入する「ソサエティー5・0」を成長政策の目玉として推進。18年度予算は「生産性革命の一環」として先端技術の開発に予算が重点配分。

・大企業中心に進んでいる先端技術の開発を支援かる予算項目が並ぶ。
・経済産業省/ 高速処理を可能とするAIチップやロボット技術などの開発に164・9億円。15年度から新エネルギー・産業技術総合開発機構が実施している「次世代人工知能・ロボット中核技術開発」は三菱電機やパナソニック、日本電気などの民間事業者に交付金を支給し、AI開発を委託。
・小型電動車や小型バス、トラックなどの「高度な自動走行システム」の実用化へ研究開発・実証事業に35億円(17年度比9億円増)。16年度から始まった5年間の事業で、国立研究開発法人「産業技術総合研究所」が幹事機関となり、日立製作所、ヤマハ発動機、豊田通商などの民間企業とともに事業を推進。

・文部科学省/「ソサエティー5・0の実現に向けた重点分野への戦略的配分」179億円(133億円増)。

○大企業優遇税制をさらに深化
・法人実効性率29.74%に引き下げ。
・「賃上げ減税」導入/一定の賃上げや投資を行った企業に対し、法人税額の20%まで税額控除可能に。
・賃上げした企業がさらに、IoT(モノのインターネット)など情報連携利活用設備などに投資した場合にも投資額に応じて、法人税額の20%まで税額控除が可能に
~いずれも利用できるのは膨大な黒字があり、開発にかかわっている大企業に事実上限られる

・大企業優遇税制の代表格である研究開発減税は法人税額の40%まで控除が可能。/研究開発減税と賃上げ減税、IOT減税の最大限活用で、法人税は8割引きとなり、地方税と合わせても税負担は12%程度まで下がる。

■公共事業 住民無視の大型開発

・公共事業関係費 5兆9789億円で、6年連続の増加。
・「効率的な物流ネットワークの強化」/道路網の整備、17年度比4・6%増の2283億円~東京外かく環状道路など三大都市圏環状道路や、空港・港湾へつながる道路の整備を含む。14年ぶりに財投融資1・5兆円も投入。

・国際コンテナ戦略港湾等の機能強化 0・5%増の766億円です。

・首都圏空港等の機能強化 同2・3%増の150億円。2020年のオリンピック・パラリンピック東京大会などに向けて羽田空港では、発着便本数を増やすために都心上空を飛行するルート変更が計画。騒音や落下物などの危険があり、批判が広がっている。

・整備新幹線 17年度と同じ755億円を計上。北海道、北陸、九州新幹線の延伸部を含む。

・九州北部豪雨など水害・土砂災害が起きた地域の再度災害防止対策 492億円(17年度比24%増)

・道路・河川管理施設等の老朽化対策 道路3683億円(同6・5%増)、河川管理施設等1986億円(同1・8%増)。防災・安全交付金 同0・5%増の1兆1117億円。

■中小企業 「稼ぐ企業」に支援偏る

・中小企業対策費 17年度比39億円減の1771億円。一般会計予算額に占める割合0・18%、過去最低。減額の要因はとして信用保証制度を運営する日本政策金融公庫への出資金の減少。

・「地域中核企業・中小企業等連携支援事業」161・5億円(6・5億円増)。同事業は「地域経済における稼ぐ力の好循環の実現」を目的とする地域未来投資促進法に基づくもの。「稼ぐ力」のある一部の企業に偏った支援するもの。
・補正予算案 革新的な商品やサービスの開発のための設備投資支援1000億円、IT導入支援500億円。
・経営者の高齢化などによる後継者対策として事業引き継ぎ支援事業に68・8億円(7・7億円増)。

■農業 転作・大区画化を推進

・農林水産関係予算 17年度比50億円減の2兆3021億円。
・政府による米の生産調整(減反)の廃止伴い、生産調整に協力する農家へ支払っていた米の直接支払交付金(17年度当初は713・8億円)を廃止。
・米からの転作を進める水田活用の直接支払交付金 17年度比154億円増の3210・5億円
・農地の大区画化や水利施設の改修を進める農業農村整備関連事業 328億円増の4348億円
・来秋から加入申請が始まる収入保険制度に向け、その保険料や積立金の国庫負担分として、新規に260億円
~3費目の増額分の合計742億円。米の直接支払交付金の廃止分を充てた格好。

・周辺海域で増える外国漁船の違法操業対策 148億円。

・農業水路等長寿命化・防災減災事業 新設200 億円 必要な調査・計画策定、省力化技術の導入やハザードマップ作成などの取組を支援。

・林業成長産業化総合対策  新設235億円 森林の管理経営を集積・集約化する地域に対し、路網整備・機械導入を集中的に実施するとともに、加工施設の整備、非住宅分野等におけるCLTやJAS無垢材等の利用拡大など川上から川下の需要創出や木材製品の輸出拡大まで見据えた取組を総合的に支援

■地方財政 一般財源総額、前年並み

・「一般財源総額」 、62・1兆円で17年度並み(0・1%増)。
~地方税収4千億円増を見込んだことで、地方交付税17年度比3千億円減の16兆円。
・徴税強化や給付抑制、プライバシー侵害の危険があるマイナンバー制度予算は40億円の270億円。

・リーマン・ショック(08年)後の景気対策として、17年度2千億円計上されていた「歳出特別枠」は、公共施設等の老朽化対策・維持補修のための経費や社会保障関係の地方単独事業費の増に対応した歳出を0.2兆円確保したうえで廃止。

・「公共施設等適正管理推進事業費」を増額(4,800億円(+1,300億円))
 「まち・ひと・しごと創生事業費」は昨年度と同額の1.0兆円を計上

・トップランナー方式の拡大 先行自治体で偽造請負で労基署から是正勧告がなされている窓口業務も対象に

■科学技術 「もんじゅ」廃炉に25億円

・科学技術振興費 1兆3159億円 17年度比114億円増。
・「光・量子飛躍フラッグシッププログラム」22億円、「ソサエティー5・0実現化拠点支援事業」7億円、「官民研究開発投資拡大プログラム」100億円などが新規事業。いずれも、研究機関と大学の研究成果を大企業のために使う「イノベーション政策」推進が目的。

・ノーベル賞受賞者を含む著名な研究者が基礎研究充実のための施策を求める中、資金面で支援する「科学研究費助成事業(科研費)」は2286億円で17年度比2億円増 ほとんど伸びなし。

・廃炉が決まった高速増殖炉「もんじゅ」 17年度と同じ179億円。うち廃炉経費25億円。

■軍事費 歯止めなく軍拡

・6年連続増、4年連続過去最高の5兆1911億円。+17年度補正2345億円。際限のない軍拡予算。
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~地上配備型迎撃システム「イージス・アショア」導入関連経費、墜落事故を起こしたオスプレイ、ステルス戦闘機F35、新型空中給油機、無人偵察機グローバルホークなどの兵器が増強

→ 04年度に導入した「ミサイル防衛」(BMD)の整備経費は当初「8千億~1兆円」と説明していたが、新年度予算をふくめた累計で2兆588億円と2倍以上に。一基約1千億円といわれる「イージス・アショア」2基導入を閣議決定しており、際限のない浪費がつづくことに。

・長距離巡航ミサイル導入のための関連経費を計上。「敵基地攻撃能力」を保有する布石となるもので重大。

・米軍への「思いやり予算」、辺野古新基地建設などの米軍再編経費も大幅に増額。SACO経費を含めた米軍関係3経費は過去最高の4180億円。

*運用計画も不明な高額兵器の購入、割高で性能がおちる国内ライセンス生産・国内軍需産業の利益確保によって整備費、訓練費などを圧迫し、自衛隊を「弱体化」させている。

■軍学共同 2年連続の100億円超

・防衛省が大学や企業などに研究資金を提供する「安全保障技術研究推進制度」 101億円。2年連続で100億円の大台を超え。安倍政権が15年度に創設。17年度に予算は前年度比18倍化、110億円に激増。
~同制度は、防衛省が1件当たり最大20億円(期間5年)を提供し、将来軍事に役立つ可能性がある科学技術の研究を委託するもの。ステルス技術や無人機技術につながる研究内容を含む。防衛省が進展をチェック。

→「研究者版・経済的徴兵制」との批判の高まりや、日本学術会議が「政府による研究への介入が著しく、問題が多い」とする声明を発表。大学からの応募は連続で減少。巨額の予算維持で、軍学共同の障壁を崩す狙い。

■ODA 「インド太平洋戦略」で増

・一般会計の政府開発援助(ODA)予算 17年度比11億円増の5538億円。3年連続増。
・外務省分のODA予算 4344億円(17年度比1億円増)と8年連続増。
~インド洋と太平洋がつなぐアジア・アフリカ地域の安定と成長を目指す戦略に、外務省予算案で333億円(17年度比116億円増)

■歳入
・税収見積もり 17年度を1兆3670億円上回る59兆790億円。
・新規国債 17年度比6776億円減の33兆6922億円を発行。
→税収増の前提は、17年度の経済成長率を名目2・5%と高めに設定したこと。多くの民間予想は1%台後半。当初予算の段階で、国債発行を「削減」していると演出するため。/事実、16年度の税収は予測ら2兆円規模で低くなり、補正予算で赤字国債の発行。

■「税制改正」大綱 
・法人税 〔上記で説明〕

・多様な働き方を応援するとして、給与所得控除の縮小と基礎控除の拡大。850万円超の給与収入を得ている人を増税し、フリーランスや個人事業主を減税。
・「異次元の金融緩和」による異常な株高のもとて資産を拡大した富裕層の所得の多くを占める株式譲渡益や分離課税の配当所得には聖域化。「貧困と格差」の是正に程遠い内容

・地方消費税の配分方法  「都市部に偏重」として見直し検討

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