米軍 性被害を調査・公表 ~自衛隊の自浄作用は?
性的加害はゆるせない・・・それを根絶できない軍への批判も当然。特に2014年のAPの報道…類を見ない従属的な地位協定のもとで、日本での事件の対応は屈辱的である。
しかし、その恥部を組織として調査し公表していることも、また重要である。
我が国はどうか。自衛隊内でのパワハラ、セクハラを調査し公表しているか。隠ぺいはないのか・・・自衛隊の是非ではなく、そこで頑張っている1人ひとりの隊員が大事にされているか。その土台があってこそ・・真に頑張れる組織となると思う
【米軍の性的暴行被害、嘉手納110件 在日基地で最多 過去4年 琉球新報11/20】
【米軍の性的暴行被害、嘉手納110件 在日基地で最多 過去4年 琉球新報11/20】【ワシントン=座波幸代本紙特派員】米国防総省が17日に公表した報告書で、2013米会計年度(12年10月~13年9月)から16年度までの4年間で、米軍施設内で性的暴行が2万5千件以上起きていたことが明らかになった。陸軍8294件、海軍4788件、海兵隊3400件、空軍8876件が報告されている。
施設別の報告件数をみると、在沖米軍基地では、空軍の嘉手納基地が最多の110件(13年度28件、14年度26件、15年度19件、16年度37件)だった。次いで海兵隊のキャンプ・シュワブ96件(31件、21件、24件、20件)、キャンプ・コートニー76件(22件、19件、18件、17件)、キャンプ・バトラー60件(13件、10件、22件、15件)、普天間飛行場54件(23件、15件、11件、15件)と続いた。
同省の性的暴行予防・対策室(SAPRO)が報告書をまとめた。件数は、被害者が性的暴行を報告した場所であり、必ずしも暴行が起きた場所ではない。被害の報告は軍人をはじめ、軍人から被害を受けた民間人、軍人の家族(18歳以上)を含んでいる。
一方、沖縄以外の在日米軍施設では、空軍の三沢基地(青森)が47件(15件、12件、11件、9件)、横田基地(東京)が37件(6件、9件、10件、12件)、海軍の厚木基地(神奈川)が37件(4件、11件、9件、13件)、陸軍のキャンプ座間(同)が36件(3件、10件、15件、8件)だった。
【在日米軍だけ処分が甘い? 性犯罪の3分の2が不起訴とAP報道 newsphere 2014/2/10】防衛省の内部文書によると、2005~2013年前半に在日米軍基地で性犯罪を起こした244人の軍人の3分の2が不起訴。罰金、降格、外出禁止、軍除外の処分だったことがわかった。約30例では戒告状のみだったという。
同文書は、AP通信が情報公開法を使い入手した。YURI KAGEYAMA記者と、RICHARD LARDNER記者が報じた。この調査報道を、USAトゥデイ、英ガーディアン紙、ロシア・トゥデイなど各国の大手メディアが続々と転載している。
【日本で起きた強姦事件、矛盾する2つの判決】
文書には、第1海兵隊航空団の矛盾する2つの事例が示されていたという。両事例とも、原告(米兵)が夜、大量に飲酒した後、強姦されたと証言しており、DNA鑑定という動かぬ証拠もあった。だが、1例は懲役6年の判決、もう1例は降格と30日間の外出禁止処分で収監されなかったのだという。
【アメリカでは軍法会議の件数が着実に増加。ただし日本は別】
なおアメリカ国防総省のデータによると、軍法会議にかけられた性犯罪の件数は、2009年は42%、2012年は68%と増えており、2012年に判決を受けた238人の軍人のうち74%が服役しているという。
ただ、この傾向は日本の場合には反映されていないとAP通信は指摘。海軍と海兵隊による478件の性犯罪のうち、軍法会議にかけられたのは116件(約24%)。2012年に海軍による性犯罪が軍法会議にかけられたのは1件で、13件は不起訴だったという。
被害者が調査に協力しないケースが増加していることも報告されている。アメリカ海軍犯罪調査局によると、2006年に13件、2012年に28件あった。
AP通信は、こうした状況を「無秩序」と厳しく評している。
【海外の反応】
APのサイトの元記事は、1000回以上シェアされており、海外での反響の大きさが伺える。
また各記事には読者から多くのコメントが寄せられている。ガーディアン紙には、
・(記事中の被害者が日本人ではないことに対し)米軍にとっては、外国人がレイプされてるのは重大じゃないって思える・・・
・これが米軍関係者が日本人にレイプされたって記事なら全然話が違うだろうな
・教会内部の性的暴行事件に近い構造といえる
など、多様な厳しい意見が挙がっている。
【日本の犯罪について、過去から指摘も】
これまで、日本人が被害者となった事件、背景にある日米地位協定については、日本のメディアが度々報じてきた。
例えば東京新聞は、沖縄に次いで米兵らの犯罪が多い神奈川県で、2008年から5年間で、「一般刑法犯として起訴された米軍人・軍属とその家族は送検されたうち一割に満たない」と報じていた。
また琉球新報は、「在沖海兵隊基地では2010年10月以降の1年間の性的暴行事件が67件に上り、発生率が米国内の基地の2倍の高さである」ことを、米海軍省と海兵隊本部の報告書をもとに報じていた。
今回のAPの調査報道を、日本のメディアはどうとらえ、報じるのか。今後が注目される。
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