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税金私物化=「加計」逃げは許さない・・「4条件」未達成、建設費水増し

 選挙後の設置認可、外遊優先の国会日程、野党の質問時間の削減・・・逃げ回っているが、逃げ切れるものではない。
 設置許可までの過程は、強弁しつづけているが、4条件未達成はあきらか。教授数は少なく、大学院もなくて最先端の研究・授業ができるわけがない。それに補助金詐欺の話が残っている。自治体の不適切支出を問う住民訴訟もある。 「加計」逃げはゆるさない。

【加計学園認可を答申した設置審委員が「みんな納得していない」「訴訟で脅された」と告発も、安倍首相は国会から逃亡 リテラ11/14】
【加計疑惑 建築費水増し詐欺 不発弾は起爆装置付きで残った 田中龍作 11/15】


【加計学園認可を答申した設置審委員が「みんな納得していない」「訴訟で脅された」と告発も、安倍首相は国会から逃亡 リテラ11/14】

一体どこまでトンズラをつづけるのか。本日14日に加計問題について質疑がおこなわれる予定だった衆院文部科学委員会だが、昨日の理事懇談会で与党側の筆頭理事である自民党の鈴木淳司衆院議員が質問時間の配分を与党・野党で「5対5にしたい」と要求。これに対して野党側の筆頭理事を務める立憲民主党・川内博史衆院議員は応じず、本日の委員会は開催が見送られたのだ。

 川内理事が自民党の要求を突っぱねたのは当然の話だ。自民党の鈴木理事は質問時間を「5対5」とすることの理由を「与党が(法案内容を)事前審査する法案審査ではない」からと主張したというが、疑惑は安倍首相の問題であり、その当人が「丁寧に説明する」と繰り返し訴えてきたのではないか。安倍自民党は「質問時間に野党が折り合わないから」と難癖をつけることで、加計疑惑の質疑時間を削っているとしか考えられない。

 そもそも、実質数日間しかなかった特別国会を12月9日まで延長することで「疑惑から逃げてない」とポーズをとった安倍首相だが、会期中にはトランプ米大統領の来日や外遊日程が詰まっていることを見越してのこと。実際には加計問題の質疑が十分におこなわれることはない。

 しかも、本日は全国の自治体でJアラートの訓練が大々的におこなわれているが、安倍首相は北朝鮮への圧力強化をあれだけ口にしながら、国会開催を逃げ回ってきたことによって北朝鮮の非難決議の採択さえ見送られつづけているのが現実だ。結局、北朝鮮の脅威とやらよりも、実際は加計問題から逃げることが優先されているのである。

 しかし、安倍首相が逃げようとも、加計問題は吹き出すマグマのように、疑惑が次から次へと噴出しつづけている。

 そのひとつが、文科省の大学設置・学校法人審議会(設置審)から飛び出した疑義だ。
 ご存じの通り、設置審は9日に加計学園獣医学部の新設を認める結論の答申をしたが、設置審の委員のひとりが「みんな納得していない。忸怩たる思いだ」とTBSの取材に語っているように、委員たちがマスコミに不満を漏らしているからだ。

■改善されていなかった教育内容、教員の3分の1が65歳以上

 たとえば、委員のひとりは以前から疑義が呈されていた加計学園獣医学部の実習計画について「改善されていないのでは」とし、「(現在全国にある獣医学部)16大学のなかでもっとも教育の内容は低いと思う」と回答。

 さらには、こんな報道まである。NHKは、設置審の議論では委員が「依然として実習体制が十分でない」と指摘したところ、〈取りまとめ役を務めた委員〉がこう述べたと伝えている。
「設置審としてこれ以上認可を先延ばしにすれば、学園側と訴訟を含めたトラブルになる可能性がある」

 実習体制の不備を指摘するという当然の意見に、訴訟の可能性をもち出す……。この発言に対して「訴訟という言葉を聞かされ、何も言えなくなった」と話す委員もいたという。

 設置審は専門的見地から教育内容などを審査する機関であって、訴訟リスクを考慮するような場ではけっしてない。以前から設置審の議論は非公開のため、「文科省が認可へ誘導する可能性はないのか」「委員のなかには官邸や加計学園の息がかかった人物がいるのではないか」と訝る声があがってきたが、その不信感が的中したとしか言いようがないだろう。

 問題点は実習計画だけではない。加計孝太郎理事長は設置審の判断を受けて、こんなコメントを発表した。
〈国際的に通用する人材を養成するために、獣医学科75名、獣医保健看護学科12名という充実した教員組織を備えます〉

 加計理事長はこう胸を張るが、この教員数はとても自慢できるような数字ではない。事実、加計学園獣医学部は定員140人としているが、国内の獣医学部でも最高レベルとされる北海道大学は学生80人に対して教員は100人弱。学生よりも教員数のほうが上回る体制なのだ。北大の稲葉睦教授も「(教員)75人でやろうとしたら寝てられないと思いますよ、先生方」と述べている(10日放送『NEWS23』より)。

 しかも、今年10月の文科省学部等設置認可申請書類から加計学園獣医学部の教員名簿を確認すると、獣医学科の教授はじつに11人が70歳以上。65歳以上が8人もいるのだ。私大教員の定年は一般的に65〜70歳といわれているが、獣医学部の新設後、定年を迎える教員が続出することは間違いない。その上、そうした教員が5〜6年次におこなわれる「卒業論文」の科目を担当としているなど、杜撰さが目立つのだ。

■設置審の委員からも「加計学園の申請内容は4条件を満たしていない」

 そして、最大の問題は、政府が獣医学部新設を認める条件として2015年に閣議決定した「4条件」が、加計学園は満たしていないのではないかという疑問だ。

 この問題については、設置審の委員からも「加計学園の申請内容は4条件を満たしていない」と声があがったというが、文科省担当者は「4条件は特区での検討事項であり、この審議会では審査しない」などと述べたという。
 たしかに4条件を満たしているか否かの議論は設置審がおこなうものではない。前川喜平・前文部科学事務次官が本サイトのインタビューで述べたように、「設置審の審議は、既存の基準に照らして設置するかどうかを判断する」場であり、4条件については、それ以前に国家戦略特区諮問会議でチェックされるべきものだからだ。
 しかし、安倍首相が「すべて公開されている」と言って憚らない国家戦略特区諮問会議の議事録を精査しても、4条件についての議論はまったくなされていない。設置審委員から疑問の声があがるのは当然だろう。

 前川氏は「設置審に加計学園が提出した内容を、あらためて諮問会議で審査すべき」と主張していたが、そのとおりで、本来なら、定員やカリキュラムが出揃ったいま、国家戦略特区諮問会議が閣議決定された4条件に加計学園が合致するのか否かを検討し、その上で文科大臣が認可判断しなければならない。だが、そのような正当なプロセスはやはり踏まれることなく、本日、林芳正文科相は加計学園獣医学部新設を認可する予定だ。

 弁護士や大学教授などで結成されたグループ「加計学園問題追及法律家ネットワーク」も指摘しているように、これは《内閣総理大臣は、閣議にかけて決定した方針に基いて、行政各部を指揮監督する》という内閣法第6条違反にあたる可能性が極めて高い。

 疑惑はまだある。獣医学部が設置される今治キャンパスをめぐっては、建築費水増しによる補助金詐欺疑惑が浮上しているが、校舎の設計を担当するSID創研の取締役は、加計孝太郎理事長の妻である泰代氏であるという。この問題について、「AERA dot.」の取材に応じた「今治市民ネットワーク」共同代表の村上治氏は、「加計孝太郎氏が今治市民の税金をSID創研を通じてマネーロンダリング(資金洗浄)して、妻に流す装置なのではとの批判は残ります」と指摘している。

■加計問題は韓国の朴槿恵前大統領の事件と同じ問題だ

 ここまで挙げてきた問題は当然、国会でしっかり追及されるべきだ。しかし、疑惑が湧き上がっても安倍首相がトンズラしてきたことによって、ついには文科相が新設認可をおこない、疑惑の校舎建築は着々と進むという状況にいたったのである。異例中の異例で国会を冒頭解散し、大義なき総選挙まで仕掛けて、疑惑から遁走すると同時に加計学園獣医学部の2018年4月開学という「総理のご意向」を貫徹させたのだ。ここまで国民を馬鹿にした話が、かつてあっただろうか。

 藤井裕久元財務相は先日、「加計問題は韓国の朴槿恵と同じ問題」「朴さんは近親者に便宜を図り弾劾を受けている。安倍さんも弾劾を受けるべき」(TBS『時事放談』5日放送)と語った。だが、朴大統領の弾劾の背景には国民世論の高まりがあった一方、この国はメディアの忖度によって「怒り」がコントロールされてしまっている。だからこそ、加計問題は政治の私物化という弾劾に値する重大疑惑なのだということをいま一度確認し、政治の私物化にきちんと怒りを露わにしなければならないのだ。

【加計疑惑 建築費水増し詐欺 不発弾は起爆装置付きで残った 田中龍作 11/15】

林文科相記者会見。官僚が逐一メモを入れ、大臣は棒読みした。説得力の かけら もなかった。加計獣医学部の設置認可は無理筋だったのである。

 加計学園による補助金水増し請求の動かぬ証拠である今治獣医学部棟の設計図。大概の1級建築士が水増しは2倍とも3倍とも見ている。水増し金額は最大で80億円にもなる。
 工事関係者からの設計図流出がもし国会会期中で、民進党がもしグダグダでなかったら安倍首相は発狂していた。
 加計疑惑の追及を恐れた与党が通常国会の幕を降ろしたのが6月18日。設計図の流出は7月23日だった。翌24日、民進党追及チームに渡る。
 加計疑惑などをめぐる国会の閉会中審査は7月24日(衆院予算委)と25日(参院予算委)だった。設計図が野党第一党に渡ったのは閉会中審査の初日だ。遅かった。

 「水増し請求詐欺」を確実に立証するには設計図に加えて「積算見積もり書」が必要だ。同書は6月12日に加計学園から今治市に送られてきた。今治市民が情報公開請求したが拒否された。
 「積算見積もり書」がなくても水増し請求詐欺を立証する方法はある。国交省に建設資材や単価を網羅した「データ一覧」があり、設計業者はその「データ一覧」をもとに建設費を積算する。

流出した獣医学部棟の設計図。設計主体のSID創建には加計孝太郎夫人ほか、加計学園の役員たちが名前を連ねる。ファミリー企業同士でカネを回し合うシステムになっている。
 
 内閣府から「出すな」と圧力をかけられている今治市が、加計学園から送られてきた「積算見積もり書」を出すはずがない。
 だが国交省のデータを用いて、専門家チームが資材の規模や数量を割り出しながら積算していけば、実物の加計獣医学部棟の建設費に限りなく近い数字が弾き出される。

 しかし民進党はそうした努力はしなかった。100億円を超す資産があったのだから、外部の専門家から成る調査チームを組めばよかったのだ。
 民進党は安倍内閣を倒すのと真逆のベクトルを働かせた。お家騒動だ。設計図が民進党に渡った3日後の7月27日には蓮舫代表(当時)が辞任。その後の破局的大混乱はあらためて述べるまでもない。
 だが皮肉にも民進党の分裂により、不発弾は永田町の一角に残された。今度は起爆装置付きで。
 今治市民が加計孝太郎理事長を詐欺で訴えた裁判で水増し請求が立証されれば、世論は補助金交付を許さないだろう。

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