アベノミクス 内部留保100兆円増、賃上げ分はその4%
1%の大企業と富裕層のための政治、大企業ファーストを如実にしめした数字。輸出も売り上げも伸びていないのに利益があがっているのは「異次元の金融緩和」による公的資金と日銀の円安・株高政策と減税、正規から非正規の置き換えなど、国民の富が移転しただけのこと。経済の6割をしめる家計の消費が冷え込んでいるので景気は低迷している。おまけに内部留保はたまっても、原発、燃料電池への固執、海外M$Aの失敗で惨憺たる有様である。
日本共産党の長年の主張が、常識になりつつある。
【内部留保急増、賃上げ鈍く=拭えぬ将来不安―検証・安倍政権/17衆院選 時事10/6】
【内部留保急増、賃上げ鈍く=拭えぬ将来不安―検証・安倍政権/17衆院選 時事10/6】安倍晋三首相は、5年近く経済政策「アベノミクス」を推進してきた。この間、企業が利益を蓄えた内部留保が100兆円以上増えたのに対し、賃上げは鈍いままだ。将来不安は払拭(ふっしょく)されず、前回衆院選で自民党が公約に掲げた「経済の好循環」を国民は実感できていない。
◇内部留保増加のわずか4%
アベノミクスの肝は経済の好循環実現だ。大規模な金融緩和などで為替を円安に導き、輸出企業を中心に業績は改善。「企業の収益が増えることで雇用拡大や賃金の上昇が生まれ、そして消費が増えることでさらに景気が良くなる」(2014年衆院選自民党重点政策集)はずだった。
「税金を下げた分で内部留保とはなめちゃいかん」。麻生太郎副総理兼財務相は9月28日、東京都内の会合で、法人税の減税後も賃上げや投資に慎重な企業経営者に怒りをぶちまけた。
財務省の統計によると、内部留保は政権発足後毎年20兆円以上積み上がり、16年度末は406兆円。一方で利益などから人件費に充てた割合は低下傾向にある。麻生氏によれば、賃上げに回ったのは4年間で4兆円程度。増加した内部留保100兆円のわずか4%にすぎない。
大手企業は、内部留保を「合併や買収など将来生き残るために必要な資金」(製薬大手役員)として温存。経営体力のない中小企業はそもそも還元するだけの内部留保に乏しい。◇教育費に消える賃上げ
厚生労働省によると、16年の月額賃金(賞与や残業代除く)は、正社員で前年比0.2%増の32万1700円にとどまる。政権が賃上げを求める「官製春闘」も及ばず、「基本給が毎月数千円増えても、子供の教育費か貯蓄に回すだけ」(30代の大手メーカー男性社員)なのが実情だ。
一方、人手不足や最低賃金引き上げでパート・アルバイトなどの非正規社員は3.3%増の21万1800円に上昇した。正社員との所得格差はやや縮小したが、生活防衛意識が緩む様子はない。
安倍政権の新たな看板政策「人づくり革命」はアベノミクス加速に向けた保育・教育費の負担軽減が柱だが、国の借金は6月末で1068兆円に達する。高齢者に手厚い社会保障制度とそれを支える国家財政が危機に陥れば、「年金暮らしを数十年送る従来型の人生設計は非現実的になる」(財務省幹部)。その懸念がなくならない限り、節約と貯蓄に励む生活防衛は止まらない。
第一生命経済研究所の熊野英生首席エコノミストは「財政健全化と社会保障制度拡充の両立という難しい課題克服に向け、政治のリーダーシップが問われている。現役世代を中心とした将来不安を取り除く必要がある」と話している。
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