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被災地 災害公営住宅の家賃増へ 6年目から特例措置が段階的に廃止

 以前アップした「東日本大震災 復興の検証」――「第9章 大震災後に作られた法律は被災者を救済したのか」より住宅問題についてもメモ〔下記に再録〕の中で「災害復興住宅の家賃の特例措置は3年間。また一般施策である低所得の特別低減措置は、6年目から段階的になくなり、11年目で通常家賃に/例 7000円→21000円、など家賃の「値上げ」問題もある」と指摘していたが、、現実に暮らしを直撃しようとしている。

【被災地 災害公営住宅の家賃増へ 生活再建 また厳しく 東京9/11】

【被災地 災害公営住宅の家賃増へ 生活再建 また厳しく 東京9/11】

 東日本大震災の被災者が暮らす災害公営住宅で二〇一八年度以降、家賃の実質値上げが相次ぐ見通しだ。低所得者を対象とした国の家賃補助が段階的に縮小することが要因。岩手、宮城、福島三県の入居世帯の約七割に当たる一万六千世帯超に影響する恐れがあり、三県は国に見直しを求めている。十一日で大震災発生から六年半。
 災害公営住宅を管理する県や市町村が、補助縮小を十分に周知していないケースもあり、今後、各地で家賃を巡り混乱が起きる可能性がある。
 国の家賃補助は「東日本大震災特別家賃低減事業」。補助額は家賃や世帯月収によって異なるが、どの世帯も入居六年目以降は段階的に縮小し、十一年目にゼロになる。災害公営住宅への入居は一三年度から本格化しており、丸五年が経過する一八年度以降、入居六年目を迎える被災者が年々増えていく。
 「東日本大震災復旧・復興支援みやぎ県民センター」(仙台市青葉区)の試算では、国民年金以外に収入がなく、間取り2Kの部屋に住む同市の被災者の場合、入居一~五年目の家賃は月五千六百円で、補助がなくなる十一年目以降は三倍超の一万八千二百円になる。
 補助の対象は原則、家族構成により一定額を控除した世帯月収が、八万円以下の入居者。三県によると七月末時点で補助を受ける世帯数は、岩手が三千三百二十一、宮城が九千二百七十二、福島が四千百一で、計一万六千六百九十四世帯。独自の家賃支援制度を持つ自治体の被災者は、国の補助が減っても負担が増えない場合がある。
 三県は「被災者の厳しい状況に寄り添ってほしい」と、国に補助額の据え置きなどを要望。しかし復興庁は「災害公営住宅は整備費の補助などで手厚く支援している。家賃減免は自治体独自で可能だ」として、否定的な考えを示している。

◆年金受給者「これ以上何を削れば…」

 東日本大震災の被災地に整備された災害公営住宅の入居者には、年金を受給しながら生活するお年寄りも多い。「今でも生活は厳しいのに、これ以上何を削ればいいのか」。仙台市では、家賃の引き上げ中止などを市に求める署名活動が始まっている。
 震災で自宅のアパートが全壊し、仙台市内の災害公営住宅に一人で暮らす無職佐藤俊治(さとうとしじ)さん(67)は今年三月、市から送られてきた文書を見てショックを受けた。入居六年目の二〇一九年四月から家賃が段階的に引き上げられることを初めて知ったためだ。
 震災時はタクシーの運転手だった。発生直後から乗客を乗せて被災地に向かい、何度も惨状を目にする中で、心のバランスを崩し、仕事を辞めざるを得なくなった。
 通院を続けながら、年金に頼る生活を送る。節約のために好きだった酒やたばこもやめて食費も削るが、約一万一千円の家賃や医療費、光熱費を支払うと、手元にはほとんど残らないという。
 災害公営住宅の自治会長らと一緒になり、今年五月から署名活動を開始。七月には約二千人分を提出した。「国や市は、もう少し被災者のために心を砕いてほしい」。佐藤さんの願いは切実だ。

<災害公営住宅> 地震や津波などの災害で自宅を失い、自力で再建できない被災者のため、都道府県や市町村が整備する賃貸物件。高齢者や所得の低い世帯が入居するケースが多い。集合住宅と一戸建てがある。応急仮設住宅が無料なのに対し、入居者の収入や間取りによって家賃が決まり、数千~数万円が一般的。岩手、宮城、福島の被災3県では、約3万戸の建設を予定しており、7月末時点で86.7%が完成した。


【復興災害の構図と住まい・まちづくり/住宅復興】

・東日本大震災 避難者20万人、プレハブ仮設7万人〔2015年8月〕
福島の避難民12.7万、うち県外4.5万〔2014年8月〕
・応急仮設災害住宅 災害救助法による施設/1戸29.7平米〔18畳〕以内、価格239.7万円以内、期間2年以内 ~ すでに5年経過、痛みが激しく、カビなどによる健康被害も発生、補修が迫られている
・応急仮設として、民間賃貸住宅の借り上げが、大量に供給され、あらたな局面を切り開いた

・応急仮設 建設型~最大で53,169戸建設、48,839戸11.3956人入居、現在42,590戸に93,017人入居
/借り上げ型~最高時68,177戸162,056人入居、現在46,221戸110,339人入居

・プレハブ仮設の問題点
①寒冷地仕様でなく、急ごしらえで建設~施工不良、暑さ・寒さ、騒音など/二重窓、水道管の凍結防止、断熱材の施工、風呂の追炊き機能の追加など、何度もの追加工事を要した
②狭さの問題~ 3世代同居など大きな住宅に住んでいた世帯も多く、世帯をわけ別居する事態に
③立地の問題~当初は希望が殺到し、抽選による入居者選考となったため、従前居住地から離れた不便な団地に入居。買い物、通院への難渋する事態が出現
④建設費 当初一戸あたり520~550万円の見積もり。が、13年1月時点で、617~730万円

●木造仮設住宅 建設仮設の1/4を占め、大量供給されたことは大きな前進

・岩手県住田町 費用270万円、断熱・遮音にすぐれ、仮設としての使用後、3万円で払い下げ
・福島、岩手 県産材使用を重視し、仮設建設を公募~ 大半が木造に

●みなし仮設住宅

・もともと恒久建設で、プレハブ仮設より居住性に優れ、居住地を選択できる/希望が殺到

・制度上の問題も多い
①物件が都市部に集中。被災地離れを促進
②被災者の所在をオープンにできないため、ボランティアなどの支援活動が届かない
→個人情報保護条例の壁 /契約時に、被災者本人に情報の一定程度の公開の了承を得る手立て必要
③ 府県によっては、公営住宅の空き室活用を優先する例も
みなし仮設は、家主と県、被災者の3者契約。県が借り上げ事務をしなければ供与できない
→ 仮設住宅は、現物供与で行う、という災害救助法の「運用」原則が背景/ 救助法4条2項は、知事が認めた場合には現金支給できる、となっており改善が必要
④フリーライド問題  略 
⑤打ち切り問題 ~ 入居者の64%が期限切れ後も住み続けたい。が、自己負担で住み続けられるは9.8%
    → 被災住民と一般住民との「不公平」の解消の面からも、一般施策としての家賃補助制度が必要

●復興公営住宅

・計画 3県で、2.9573戸。2015年7月で完成は、1万1千戸と遅れている
→原因/ 用地取得の難航〔メモ者 相続などで地権者の確定の困難〕、人材確保の困難、資材・人件費の高騰と入札不調

・空き室問題・・・ 希望者が募集定員をしたまわる。入居決定後の辞退
   仙台市 14年度から入居開始の661戸。応募は1297件あったが72戸が空き室/81件が辞退/ 3県の19自治体で330戸の空き室〔NHK 14.9.11〕

・「空き室」の原因
①建設の遅れ。②その遅れにより、被災の意向の変化~ 子どもの成長・入学、高齢者の身体条件の変化など避難先で築いた生活基盤、社会的関係など家族を取り巻く環境の変化したため

→ 大きな問題は、入居後の「空き室」~ 被災者の多くは高齢者、いずれ入居者数が減少。管理する自治体として大きな負担となる
〔メモ者 災害復興住宅の家賃の特例措置は3年間。また一般施策である低所得の特別低減措置は、6年目から段階的になくなり、11年目で通常家賃に/例 7000円→21000円、など家賃の「値上げ」問題もある〕

2.災害公営住宅の利点と欠点

・公営住宅法1条「住宅に困窮する低所得者に対し低廉な家賃で賃貸する」もので、被災者が頼りにするのは当然だが、必ずしも最善の選択肢とは限らない

①住み手の生活事情に合致するとは限らない/間取り、場所など
②行政にとっても、戸数が増えれば管理業務の負担が大きくなる
③今後の大きな課題は入居後の生活支援/介護、見守り、コミュニティ形成などの支援 
~ 建設を急ぐあまり、住民の意向を踏まえた計画・設計に時間をかれることなく標準プランの大量建設の方向に流れる。阪神・淡路大震災での「孤独死」の教訓にたつならば、被災者の生活をよく考えた計画が必要

3 自力再建

 東日本大震災の被災者は多くは持ち家であり、自宅の再建を望む人が多い、と思われる

・自力再建は、行政コスト上も大きなメリット
 仮設住宅の建設から災害公営住宅の建設・提供までのコスト 1戸あたり2439万円/仮設住宅の建設から被災者生活再建支援金を得て、住宅を新設・購入する場合 1戸あたり743万円。1698万円低い
〔仮設住宅の建設・撤去費6,340千円、支援金3,000千円 固定資産税収入(35年間)1,909千円/関西学院大学災害復興制度研究所 試算〕

*被災者生活再建支援法 
・基礎支援金〔被害の程度〕全壊100万円、大規模半壊50万、加算支援金〔再建方法〕 建設・購入200万円、補修100万円、賃貸50万円~ 最高でも300万円〔単身世帯は3/4〕と、住宅再建には不十分
・また、半壊以下は対象とならず。原発災害で家を失った被災者には適用されない〔自然災害が対象〕

・岩手県 県の上乗せ支援100万円、宅地被害〔津波〕の復旧費補助200万円、ローン利子補給135万円、住宅補助100万円、義捐金152万円 /支援制度300万円を加えると、最高1017万円

→ 支援制度の拡充が求められる /対象、金額など

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