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住民の第一の自治体をつくるための行財政分析

 昨日、香美市委員会に呼ばれて、今後の市長選、市議選にむけて、どう対応していくか、ということで、自身の経験から「住民のための、なんちゃって行財政論」という感じで、話をさせてもらった。

 以下は、そのレジュメ。

住民の第一の自治体をつくるための行財政分析          2017.8.16 

1住民の立場にたった自治体をきづく基本的視点

①地方政治をめぐる対決と自治体をめぐる状況

◆現在の地方政治の対決点
1. 地方から、野党と市民の共同で安倍政治ノーの審判を下す
2 国の悪政からの防波堤、住民の命と暮らしを守る
~  野党共闘の要であり、住民の命と暮らしを守る日本共産党の躍進がもとめられる

◆地方自治体をめぐる状況
・憲法第8章   国政と地方自治体をつうじた二重の権力の統制
         住民自治〔二元代表制〕、団体自治〔法律上、国と対等〕
・三位一体改革 04-06年度 国庫支出金4.7兆円、地方交付税5.1兆円減、税源移譲3兆円/差引6.8兆円純
 その後、「総額確保」だが、行政需要が拡大するもとで、職員減と単独投資減で対応
  総務省「地方財政審議会」意見~「そうした対応も限界」、財政と人員体制の強化を求めている
・安倍政権 自治体の下請け機関化  交付税、国保・介護の交付金に成果指標 / 強権性…沖縄基地問題
      市場化と競争主義  アウトソーシング、民間開放、「地方創生交付金」
~ 知事会、市長会、町村長会との矛盾 ~ 財政インセンティブ、地位協定など

②たたかいの基本
◆評価 政治姿勢、行政運営〔誠実・公正、住民の願いへの態度〕/予算案…出ていないものに本質も?

◆議会論戦 行政論を踏まえつつ、あくまで住民の実態が基本にすえて

◆住民とともに、一歩でも二歩でも前進をきずく運動を展開

2 住民要求を拒む、ウソ・ゴマカシを粉砕する
①「●●億円の収支不足だ」・・・いくらでも演出可能

②自治体の財政は「家計」とは、根本が違う
・自治体には、退職、死亡がない。/ 「世代間負担の公平」というルール
・借金が、少なすぎる=必要な事業をしていない  
・財政が 急速な改善=一時期の住民ののみ過度の負担

③実際の財政状況をどうみるか ・・・ 将来負担比率
 借金返済や負担金の今後の支払い、退職金の支払いなどの将来発生する支払い費用から、基金残高と借金の元利償還うち交付税措置される金額を引いた「正味の将来負担」を、財政自治体の財政規模で除したもの。

★高知市 、財政再建5年間で、将来負担比率を約100%引き下げた。その額は663億円、年132億円の改善→この速度を1割緩めるだけで13億円の財源。/中学校給食、子どもの医療費無料化拡充にけ結実
★香美市はどうか 
・財政調整的基金2015 60.11億円  05年23.13億円  約37億円増/ 年間、4億円弱
・将来負担の減少  分子07年60.54億円→ 2015年 -53.89憶円   8年間で、114.43憶円改善
   年間14.3憶円改善 /すでに大幅なマイナスとなっており、異常な「健全」財政

④効率的な財政運営とは・・
A 人的経費とは・・
・人件費〔特別職、退職手当、共済負担金含む〕、職員給〔退職手当、共済負担含まず〕
・物件費〔非常勤職員の賃金、委託費が全国平均で6割〕、一部事務組合の繰出し金

B 類似団体平均と比較して「多い」を疑う。
 類似団体の比較は1つの指標だが、地理的、社会的経済的背景によって違う

C 自治体の目的を果たせない「職員削減」は、「非効率」の典型
★高知市での論戦・・・行過ぎた職員削減で、行政サービスの後退
・13年度 避難タワー3基、避難路整備101件 事業実施できず
・鏡村での土砂災害  現場をよく知る職員がいない
・女児虐待死事件  ケースワーカー不足、
・保育など専門性の継続の危機  
・メンタルでの長期病休   3倍化 など
★県の地域支援企画員65名、地域防災本部28名の配置  

D 専門性の発揮による真の効率化
★高知市の論戦 ゴミ処理費の低さ 市全体で中核市平均より11.5億円低い

⑤「合併特例が終了する」のごまかし
・合併特例とは・・ 10年+5年で、通常の職員数にするための措置/合併前の交付税の算定を維持
・新たに財政措置の実施  7割を手当て
従来の枠組みでは対応できない極端に広い自治体が誕生したことへの措置。
・支所費用と、基準財政需要額の策定での面積と人口密度の低さをより重視し、全国平均で7割を手当て
→ 当初の削減額との差額は、住民サービス向上に使える

★香美市 10.78億円(県市町村振興課、2014年度試算) → 3.3億円に減少
 職員数〔決算カード〕 05年418人→15年 361人 57人減 
1人550万円(給与、手当て、社保負担)として、3億1350万円

⑥ 行政論としてチェックしておきたい項目
住民の暮らしの実態から出発し、法令で禁止されてない限り、住民を利益第一に予算を使うことは、当然!
しかし、現状は、各省庁が認めたり、制度設計している仕組み自体も満足に実施していない実態がある。

A国保
・窓口負担の軽減による調整交付金の減額/一般財源の繰入を厚労省も指摘
・財政安定化支援事業  制度的には、国は8割分を交付税措置、2割は、市町村の留保財源
→ きちん繰入させる/ 過去にさかのぼって繰入不足額を明らかにさせる

・「構造的問題」--「負担が限界」「被用者保険並みには1兆円の公費投入が必要」と知事会も主張
→ 境界層措置、低所得者の窓口負担の軽減、子どもの均等割りの軽減

③上下水道など
・上水道・・・耐震工事への基準にもとづく一般財源の繰入のチェックなど
★高知市では、耐震工事の20億円の繰入不足、須崎市も水道課が財政課へ要求もしていない。

④委託、随意契約
  目的と評価基準/あいみつもり、他都市との比較 ・・・ きちんとされているか

3.市民が主人公、命と暮らしに向き合う市政を
① 市民参加、職員の知恵と力を生かすボトムアップ型の公正な市政へ
~ 市民参加で、まちづくりの姿を議論することがますます重要に

②自治体の特徴にあった施策を
★高知市での例/反貧困、福祉と防災のまちづくり
・低所得、子どもの貧困/生活保護率、全国平均の倍、就学援助率 全国平均16%、小学生3割、中学生4割
→ 中学校給食の遅れ、子どもの医療費無料化の水準が県下最低と、論戦
・高齢者9万人、うち3万人が単身。一方、南海トラフ地震(長期浸水)
→  アテラーノ旭のような地域の拠点づくり (市は補助金廃止した) 
・ 高知市の最大の雇用の場である医療介護福祉分野の充実〔思い切った事業者支援など〕
⇒国の施策 二面性/小規模保育、介護新総合事業など

最後に  市民の暮らし、営業の実態から出発し、市民・職員に、正しい情報を提供し、市民とともに考え行動する自治体へ、どう造り変えるか/ここがたたかいの足場

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