「日本に飛来しない」と判断したのに、今回だけJアラートを発動
・29日午前2時。韓国軍、北朝鮮の弾道ミサイル発射の兆候を察知し配備につく
〔安倍首相が、8月に首相公邸で泊ったのは2回。ミサイル発射した前日だけ〕
・午前5時58分ごろに同国西岸から北東へ弾道ミサイル1発を発射。
北朝鮮東海岸の領海を外れるあたりで、高度150kmに達する
午前6時5〜7分ごろに北海道の渡島半島、襟裳岬の上空を通過。その際最高高度550kmに達する。
午前6時12分ごろに 岬の東約1,180キロの太平洋上へ落下。2700km飛翔
・午前6時2分 「発射情報」の発表、Jアラート発動 /破壊措置は実施せず
バラバラ出ている情報や各種のレポートからのメモ
■「日本に飛来しない」場合は、発動しないとしてきたJアラートを今回発動
・今年5月14日、中距離弾道ミサイル発射、日本海に落下。Jアラートは発動されず。
菅官房長官は「日本に飛来しないと判断し、Jアラートは使わなかった」と説明
■破壊措置は実行されず
今回、小野寺防衛相 イージス艦や地対空誘導弾PAC3などで破壊措置を実施しなかったことについて、「わが国に向けて飛来する恐れがないと判断したからだ」と説明/ 政府の説明に整合性がない
■Jアラート発動と破壊措置の判断
・ミサイル飛来などの国民保護事態案でのJアラートは内閣官房が判断を下す
→5時58分の発射捕捉から、数分間で弾道計算をする必要がある。
→上昇・加速中の弾道ミサイルの軌道計算? 弾頭だけになり物理の法則に則って落下する段階で初めて可能
・今回、防衛省は、弾道ミサイルについて日本海の上空で3つに分離した可能性があると発表。その後、分析を進めたところ分離していない可能性もあると訂正 →その程度の精度で、どう判断したのか
☆これまでのJアラート発動は、事前予告があった2回だけ/2012年12月12日、2016年2月7日
→今回、事前に動き察知。発射すれば発動と決めていた節/が、正確な弾道予測はできないので広範囲な警告。
■以上の結果から、
〔1〕「破壊措置」は不可能だった
・今回の弾道ミサイル、最高高度550km/SM3の性能 様々情報あるが最高高度600km、秒速3km。
・これまでの政府の立場なら、日本に飛来する可能性〔日本上空通過07分前後〕があるとJアラートの発動した02分に、破壊措置を実行しなくてはまにあわない。/が実行せず
→02分には「飛来する」と判断したが、その直後に「飛来しない」と天才的ヒラメキで判断を修正した?
→そもそも、ミサイルの破壊は「不可能だった」と見るのが合理的/加速中、軌道計算できない状況
☆陸自OB、現外務副大臣の佐藤正久FB【外交防衛視点:北朝鮮ミサイル、グアム目標検討④】(8月11日付)
「日本の迎撃能力。PAC-3もイージス艦も、ミサイルのターミナル段階での迎撃能力は実証済。一方、打ち上げ当初のブースト段階での迎撃は困難。グアム島付近が目標の場合、小笠原諸島周辺ならともかく、日本海に展開のイージス艦による迎撃は困難」
☆ 日本の脅威は、準中距離弾道弾ノドン
・北朝鮮の「対象」は米国、開発しているのは米本土向けのICBM
→ 在日米軍基地、原発立地自治体でミサイル避難訓練なし
・ノドン 射程2千km以下、日本の大半が射程内 移動式/300基 速度M10〔移動式発射台200台〕
・イージス艦のSM3は8発/2発セットで対応するので、迎撃可能数は4発。4隻で16発
→ 同時多発攻撃では、対応しきれない。
〔2〕支持率低下の挽回をねらった安倍政権のパフォーマンス
・事前に入手した情報を隠蔽。破壊措置も出さない事態なのに、Jアラートを使って不必要な国民の不安を煽ると同時に、の「迅速な対応」「毅然とした態度」をメディアで喧伝し、政権浮揚、改憲世論形成に利用
【肝に銘じたい言葉】
◆アドルフ・ヒトラー
「大衆は小さな嘘より、大きな嘘の犠牲になりやすい」
「嘘を大声で、充分に時間を費やして語れば、人はそれを信じるようになる」
「熱狂した大衆だけが、操縦可能である」「政策実現の道具とするため、私は大衆を熱狂させるのだ」
◆ヘルマン・ゲーリング〔ナチス政権下の国家元帥〕 ~ ニュルンベルク裁判での発言
「……もちろん、国民は戦争を望みませんよ。運がよくてもせいぜい無傷で帰って来る位しかない戦争に、貧しい農民が命を賭けようなんて思うはずがありません。一般国民は戦争を望みません。ソ連でも、イギリスでも、アメリカでも、そしてその点ではドイツでも同じ事です。政策を決めるのはその国の指導者です。そして国民は常に指導者の言いなりになるように仕向けられます。
……反対の声があろうがなかろうが、人々を政治指導者の望むようにするのは簡単です。
国民にむかって、われわれは攻撃されかかっているのだと煽り、平和主義者に対しては、愛国心が欠けていると非難すればよいのです。そして国を更なる危険に曝す。このやり方はどんな国でも有効ですよ。」
■北朝鮮の核ミサイル開発は、国連決議違反で許されない。が、軍事的緊張を高める対応は極めて危険であり、「対話による解決」しかない。正確な情報、冷静な判断を重要である。
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