在沖オスプレイ 配備24機なのに、9ヶ月で2機墜落
わずか24機の配備なのに、9ヶ月で2機が墜落している。
名護では、空中給油訓練中…ティルローターの大きなプロペラにより、給油ホース接触しやすい構造上の弱点がある。今回は、ドック型輸送揚陸艦USSグリーン・ベイに着陸中に墜落。グリーン・ベイのフライトデッキが損傷して使用不能になるほどの事故である。〔NBCニュース「The USS Green Bay Flight deck was damaged and left inoperable.」〕。
名護市の墜落時には別のオスプレイが普天間飛行場で胴体着陸。今年6月には伊江島と奄美大島で不具合が生じて緊急着陸。
そもそも飛行機より遅く、荷物もつめず、航続距離も短い。ヘリコプターより機動性が大きく落ちる、どっちつかずの機体で、複雑な構造ゆえに事故も多い。米陸軍が不採用にした代物である。
【米司令官「世界中で飛んでいる」 県墜落、飛行抗議で 琉球新報8/8】
【<社説>オスプレイ豪沖墜落 沖縄での飛行許されない 琉球新報8/7】
【米司令官「世界中で飛んでいる」 県墜落、飛行抗議で 琉球新報8/8】米軍普天間飛行場所属の垂直離着陸輸送機MV22オスプレイが、オーストラリア沖で墜落事故を起こしたことを受け、県の富川盛武副知事は8日午前、米軍キャンプ瑞慶覧に在沖米軍トップのローレンス・ニコルソン四軍調整官を訪ね、事故とその後の飛行強行に抗議した。県は原因究明がされるまでの間のオスプレイの飛行停止を求めたが、米軍側は引き続き飛行させる考えを示した。
会談を終えた富川副知事によると、ニコルソン司令官は「(オスプレイは)世界中で飛ばしている。沖縄も同列だ」と述べ、引き続き、同機を飛行させる姿勢を示した。
ニコルソン司令官は、県民の不安や憤りに理解は示したものの、明確な謝罪の言葉はなかった。 米軍が飛行停止に応じる姿勢を見せなかったことについて富川副知事は「軍の論理で、県民は納得できない。遺憾千万だ」と批判した。【琉球新報電子版】
【<社説>オスプレイ豪沖墜落 沖縄での飛行許されない 琉球新報8/7】米軍普天間飛行場所属の垂直離着陸輸送機MV22オスプレイがオーストラリア東部の洋上に墜落した。普天間所属のオスプレイが墜落したのは昨年12月の名護市安部沖に続いて2度目だ。
名護市の墜落時には別のオスプレイが普天間飛行場で胴体着陸し、今年6月には伊江島と奄美大島で不具合が生じて緊急着陸している。これを欠陥機と言わずして何と言おう。危険極まりない機体が沖縄に配備され、沖縄の上空を日常的に飛んでいる。この状態を放置することなどできない。
今回の事故でローレンス・ニコルソン在沖米四軍調整官は県側に「豪州の洋上でオスプレイがクラッシュ(墜落)した」と伝えている。ところが在沖海兵隊は「ミスハップ(事故)」と発表している。名護市の墜落事故の時も海兵隊は「浅瀬に着水した」と発表し、防衛省も広報文で「不時着水」との表現を使った。今回も意図的に「墜落」という言葉を避け、事故を矮小化(わいしょうか)している。
防衛省は事故を受け、米軍に対して日本国内でのオスプレイの飛行自粛を求めた。当然の対応だ。しかし米軍からの回答はないという。事故を起こした当事者にもかかわらず、返答をしないとは極めて不誠実だ。
名護市の墜落事故の時も米軍は「機体の安全性には問題がない」として、事故から6日後に飛行を再開した。ところが米側はこの事故の調査報告書をいまだに日本側に提供していない。
事故調査報告書は日米合同委員会で、日本が米国に「公表可能な報告書の写し」の提供を要請し、6カ月以内に提供されることになっている。名護市の事故でも日本政府は6日後に報告書の写しの提供を要請している。6月19日が期限だったが、米側は日本側に提供せず、提供できない理由などの通知もしていない。
6カ月以内に提供できない場合、米側は調査終了見込み日を日本側に通知することになっている。その日米合意もほごにしたまま、現時点でも提供されていない。そして今回、墜落事故が起きた。米軍のやりたい放題ではないか。
調査報告書の遅れは「機体に問題はない」とするこれまでの見解に、疑問符がついているからではないか。2010年のオスプレイ墜落事故の際に「機体に問題があった」と結論付けた調査報告書に対して、空軍上層部が「人為的ミス」と改ざんするよう圧力を掛けていたことがあるため、そう疑わざるを得ない。
政府関係者は今回の事故の墜落場所について「沖縄でなくて良かった」と安堵(あんど)したという。沖縄で墜落してもおかしくないと思っていたからだろう。
オスプレイが沖縄上空を飛ぶことは許されない。日本政府は飛行自粛ではなく、米軍に普天間駐留の24機全てを撤退させるよう求めるべきだ。
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