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「一点の曇りもなく」加計ありき ~ 流れの整理

 閉会中審査で、ABEは、加計学園が手を挙げてるいのをしったのは、今年の1月20日、と強弁した。
そう言わなくては、細かな具体の話になって、「加計ありき」を主導したことを避けられないので、敢えて、誰も信じないが、それ以上の言い訳がもとめられない「主張」を展開せざるを得なかった。
そこにこそ、本質が表れている。
以下は、経過と論点のスケッチ

〔1〕石破大臣から山本大臣に交代するまでの流れ

●今治市の申請 2015年6月

●それに先立つ4月2日、今治市の企画課長と課長補佐が「獣医師養成系大学の設置に関する協議」のために内閣府などを訪問。その後、急遽「官邸訪問」が決まり、15時から16時30分まで官邸で打ち合わせ〔今治市の出張記録〕

→今治市の資料では、打ち合わせ相手の部分は黒塗り。萩生田官房副長官は、「訪問者の記録が保存されていないため確認できなかった」

・「週刊朝日」の報道。今治市関係者が「面会したのは経産省出身の柳瀬唯夫首相秘書官(当時)」「柳瀬氏は今治市の担当者ら少なくとも3人と会い、『希望に沿えるような方向で進んでいます』という趣旨の話をした」と証言。

・それを受け、閉会中審査で、柳瀬氏は「「私の記憶を辿る限り、今治市の方とお会いしたことはございません」と発言。安倍首相も、萩生田官房副長官の「確認できなかった」を追認

★誰が対応したのか、官邸が、一人ひとり確認すればわかること。

●いわゆる石破4要件を閣議決定(2015年6月30日)
 「現在の提案主体による既存の獣医師養成でない構想が具体化し、ライフサイエンスなどの獣医師が新たに対応すべき分野における具体的な需要が明らかになり、かつ、既存の大学・学部では対応が困難な場合には、近年の獣医師の需要の動向も考慮しつつ、全国的見地から本年度内に検討を行う。」

●2015年12月15日に首相が出席している諮問会議で、広島県と愛媛県今治市を特区認定。
 安倍首相は「ライフサイエンスなどの新たに対応すべき分野における獣医師系の国際教育拠点の整備など、観光、教育、創業などの分野で、国際的な交流人口の流れを呼び込み、地方創生を実現します。」と発言〔首相官邸HP〕。

→朝日新聞(大阪地方版)が加計学園を取材。担当者が「今治市から再び誘致の要請があれば、協力したい」と回答。〔加戸守行・前愛媛県知事「12年間、加計ありきだった」と明言。

★ここで、首相が長年、構造改革特区に申請してきた加計学園が想起しないのは普通ではない


〔2〕担当大臣交代後の急展開

・石破「4要件」があるかぎり実現できないので、2016年8月3日に、大臣を交代し、一気に加速
→ 山本大臣も石破派なので、暗黙の了解のもと「4要件」無視の布陣と考えられる

●前川氏の証言から

①2016年9月頃、和泉洋人首相補佐官から「総理は自分の口から言えないから、私が代わって言う」と言われた。

②同年8月下旬頃、木曽功加計学園理事(元文科省官僚)から、「国家戦略特区制度で、今治に獣医学部を新設する話、早く進めてほしい。文科省は(国家戦略特区)諮問会議が決定したことに従えばいいから」と言われた。

③文科省文書が明らかに
「これは総理のご意向だと聞いている」
「これは官邸の最高レベルが言っていること」


●加計氏が8-9月に大臣に面会、要請

①山本有二農水相 昨年8月23日に面会 、「その折に獣医学部の話は聞いた」と答弁
②山本幸三地方創生担当相 昨年9月7日に面会 「獣医学部の提案をしたいので、よろしくお願いしたいという話があった」と答弁
・松野博一文科相とも、昨年9月6日に面会

★この1ヶ月間で大きく動いた

●そして戦略特区諮問会議が動き出す

①2016年9月9日の諮問会議
・民間議員を代表して八田達夫氏「獣医学部の新設は、人畜共通の病気が問題になっていることから見て極めて重要ですが、岩盤が立ちはだかっています。」

・これを受けて、安倍首相は、会議のまとめで
「本日提案いただいた「残された岩盤規制」や、特区での成果の「全国展開」についても、実現に向けた検討を、これまで以上に加速的・集中的にお願いしたい。」

②9月16日、獣医学部新設の問題を本格的に議論するために開催されたWGの冒頭で、藤原豊次長(内閣府地方創生推進事務局審議官)が、
 「先週金曜日に国家戦略特区の諮問会議が行われまして、まさに八田議員から民間議員ペーパーを御説明いただきましたが、その中で重点的に議論していく項目の1つとしてこの課題が挙がり、総理からもそういった提案課題について検討を深めようというお話もいただいております」

★獣医学部新設が、安倍首相のリーダーシップで進められたことが議事要旨に「一点のくもりもなく」書かれている。


〔3〕加計ありきの仕掛け

●流れ

①11月9日の諮問会議で「広域的に獣医学部の存在しない地域に限り」という条件が付され新設決定

②11月18日の共同告示のパブリックコメントの際に「平成30年度開設」という条件が付される
→パブコメには「準備期間が非常に短期間。特定の案件に絞り込んだ恣意的な期間設定」など、「およそ1000件近くの意見が寄せられ、そのうち76%くらいが獣医学部新設に慎重な意見だった」(山本大臣7/24答弁)

③1月4日に共同告示が制定された際に、「一校に限り」という条件が入る。

→ここで最も肝心なのは「平成30年度開設」

●京都産業大は門前払い  7月の記者会見から
 (2016年3月24日 京都府が獣医学部の設置提案)

①「告示からスタート」を前提に「平成30年4月設置」に間に合わせるために、3ヶ月後の29年3月までに新学部設置申請しなくてはならない。京都産業大は「実際には不可能」だと明確に説明

②文科省の告示で獣医学部の認可申請は受け付けられないことになっていたので、国家戦略特区で特例を認める告示が出る以前には文科省には事前相談もできなかった。と説明
→2015年12月 京都産業大から特区による設置の意向を伝えられる
 文科省は「特区のハードルを越えないと設置の協議は前に進めない」として、具体的な助言せず

★事前に、決定されるという確証がなければ「18年4月開校」は不可能

●加計にたいしては「平成30年度開設」を前提にすりあわせ

①特区諮問会議が獣医学部の新設を決定する前日の昨年11月8日
文科省から学園に連絡/内部文書「加計学園への伝達事項」
 →同文書が省内で回覧されたロールには「大臣及び局長より、加計学園に対して、文科省としては現時点の構想では不十分だと考えている旨早急に厳しく伝えるべき、というご指示がありました」

②文科相「(諮問会議が)決定しても、獣医学部新設には別途(大学設置審議会による)設置認可が必要。そのために、さまざまな課題をクリアしなければならないと伝える必要があった。」と答弁(7/25)

★まさに加計ありき


〔4〕今治と京都の提案の検討について

●事実関係

①昨年9月19日のWGまとめで、藤原審議官の発言
「今治市だけではなく、この要望は今、京都のほうからも出ていまして、かなり共通のテーマで大きな話になっておりますので、WGでの議論もそうですが、その区域会議、分科会のほうでまた主だった議論をしていくということになろうと思います。」/議論の途上であることを明言

②9月21日、今治の提案の聞き取り/ペーパー2枚の抽象的提案

③10月17日 WG:京都府・京都産業大構想のヒヤリング ~ここで初めて具体的かつ充実した資料に基づき「ライフサイエンス等の新たな獣医師の分野」についての具体的な提案がされる。

④その後、WGでの4要件についての議論、検討がされず、いきなり11月9日の諮問会議で「広域的に獣医学部の存在しない地域に限り」との条件つきで新設決定

●検討の内容  山本大臣の説明  2017年7月4日記者会見

①「認定は1校に限る」ことを決めた後の昨年12月下旬から年始にかけ、両者の提案内容を、早期実現を図るうえで(1)専任教員の確保の状況、(2)地元への就職を勧誘する奨学金など地方自治体との連携、(3)(鳥インフルエンザなどの人獣共通感染症の)水際対策の実現―の3点を挙げている。そのうえで「京都府(の提案)よりも、07年から長きにわたり検討を重ねてきた今治市の提案の方が熟度が高いと判断した」と説明

②比較検討過程の議論について「記録は取っていない」。「両地区(今治市と京都府)の提案書がすでにあるわけで、それをもとに議論した」と説明

→ 比較検討したという提案とは
①今治市 15年6月に開かれたWGによるヒヤリングに提出したのは、2枚の資料/国際レベルの獣医師養成」と「危機管理発生時の学術支援拠点」の2つを柱に掲げるが、具体的な内容はなし。
翌年の「今治市分科会」(16年9月)に配布された2枚つづりの資料も同様
(加計学園が獣医学部構想を初めて提出してきたのは今治市の公募が終わる今年1月12日)

②京産大 16年10月のヒヤリングに示した構想 21ページにおよび、鳥インフルエンザ研究センターを設置しこれまで日本での鳥インフルエンザウイルス蔓延を阻止した功実績ももつ同校の提案は、既存の大学では対応困難な実験動物学の単位を増やすことや、地元の京都大学が開発したiPS細胞との連携や創薬などのライフサイエンス関係で獣医師が新たに対応すべき分野を示すなど、獣医学部を新設する際に必要性について具体的。
 
★年末から年始にかけて、今治市の構想は抽象的で事業実施主体も不明で、比較検討のしようもない。実際、諮問会議でもWGでも議論されていない。
→ なのに今治〔加計〕?! 

〔参考〕
“加計”現役の客員教授、新設に“異議”日テレ7/21

 加計学園が運営する千葉科学大学客員教授で獣医師の加藤元氏。
 加藤氏は加計学園が獣医学部新設を目指していた数年前、学園の幹部に対し、国際基準に沿った獣医学教育が必要で、学園の計画ではそれは難しいと異議を唱えたという。
 加藤氏「加計孝太郎理事長のお父さん(が理事長)の時代から(獣医学部を)持ちたかったわけです。つくる以上はAVMAスタンダード(獣医学教育の国際基準)をクリアしなければ意味がないと(幹部に言った)」

─Q:反応は?
 加藤氏「(幹部は)先生の言うことを聞いていたら不可能だと。(幹部が)実現の道筋が見えないと言った」
 加藤氏は、日本では獣医師志望の学生に対し教員の数が圧倒的に足りておらず、現状のまま獣医学部を新設すれば獣医学教育の質が低下する、必要なのはむしろ大学の数を減らして臨床教育を充実させることだと述べた。


〔5〕 法令順守と説明責任 〔この点は、郷原信郎氏の解明が詳しい〕

「関係法令に基づき適切に実施」というが
①国家戦略特区の諮問会議とWGの民間議員のメンバーに中立性はない。安倍首相の意志のもと、規制緩和を推進するために集められたメンバー。
②その委員が、戦略特区という、従来の行政の規制を緩和することを目的にした仕組みの中で判断

→そもそも「規制突破」する仕組みであり、手続き的に問題がないのは当然。しかし、その判断が国民に対して説明責任が果たせる内容になっているかは別の話

→ 一地域、一事業所に限って規制緩和するだけに、特定のものに対する利益供与と紙一重であり、一般的な規制緩和以上に、説明責任が問われる。

★説明責任を果たさなくても、国会の議決がなくても、勝手に規制緩和できる国家戦略特区の仕組み自体に問題がある。

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