新堀川にフタして4車線化~すでに計画時の渋滞解消は達成
2010年に4車線化の工事がストップ。この6月、県において整備方向を定める「まちづくり協議会」(まちづくりの専門家は不在)が始まった。
この工事は、95年に都市計画決定されたもので「鉄道によって分断されていた南北市街地の均等な発展」「交通の集中を緩和」をめざしたものである。
2000年のイオン出店、北環状線の整備で高知市北部の状況は一変している。交通渋滞も4車線化を前に大きく緩和している。
県全体の車の台数は02年に56万台となって以降、横ばいを続けている(その間に「軽」は7万台以上増加)。
高知市も2010年をピークに人口減に転じている。
25億円かけて、新堀川にフタをして、残り区間の4車線化が必要なのか。右肩あがりの時代の発想はきっぱり転換する必要がある。
1.交通の集中の緩和とどうなっているか
●交通量調査(道路交通センサス)/1日交通量
左から平成11年、平成17年、平成22年と、
・はりまや町土佐橋 3万6535台 3万4046台 2万8662台
・高知橋南詰 2万6956台 2万4092台 2万1513台
計画時の4車線後の予測の数字は、土佐橋3万5718台、南詰2万3890台となっている。この数字は、平成2年当時に20年後の平成22年の時点を予想したもので、この間の社会的・経済的な情勢の大きな変化が反映されたものではないことを、06年9月市議会で市もみとめている。
北側部分の4車線開通は2011年3月であり、その前に、予測数を下回っていることがわかる。
これは土佐道路や高速道路の延伸などの影響である。
●「一般国道56号線 土佐道路」(平成17年9月29日 国土交通省 四国地方整備局)で、土佐道路の4車線化の効果を調べた報告書。
・「全線供用による交通環境の改善
「土佐道路と並行する国道33号の自動車交通量は、はりまや交差点,旭駅前通電停前交差点とも交通量が減少、特にはりまや交差点では概ね10%の減少が見られる」
・「土佐道路全線供用(H14.9)の効果」
全線供用前と供用後の実態調査結果を比較すると、土佐道路と並行し、高知市中心部で南北交通と東西交通が集中している交差点である“はりまや交差点”で渋滞が解消している。
となっている。
2.本格的な人口減時代をむかえて自動車保有台数はどうなるか
●人口推計
県全体は1990年に人口減に転じているが、郡部から中心市への人口移動もあり、高知市集中の比率が高くなっていたが、2010年の34万33933人をピークに減少に転じ、2017年7月33万5,537となっている。
国立社会保障・人口問題研究所の推計では、2040年には26万9千人となっている。2040年に合計特殊出生率が「人口置換水神」を回復するという夢のような目標達成でも、28万9千人であり、2割以上減少する。
●・高知県の特性~自動車保有台数
・【高知県地球温暖化対策実行計画 (区域施策編)(案)】
~高知県全域における地球温暖化対策~ 高 知 県 平成29年○月より
「2014(平成26)年度の自動車の保有台数は、1990(平成2)年度と比べて約11 万台(25.5%)増加しています。
特に、乗用車(普通乗用車・小型乗用車・軽乗用車)は17 万台以上(79.4%)と大幅に増加しており、中でも、普通乗用車が1990(平成2)年度比で10 倍、軽乗用車が5.8 倍に伸びています。
その一方、乗用車以外は、約6 万台(25.8%)減少しています。」
→・1990年44.7万台が、2002年に56万台になってからは、04年56.4万台をピークに56万前後で横ばい。横ばいのもとで、軽自動車が増加している。
・一宮はりまや線を都市計画決定した95年は、90-96年7.6万台〔17%増〕という増加がトレンドの中の計画。だだし、県全体では横ばいでも、人口で見られる高知市集中という傾向があるものと考えられる。
●野村総研分析 15年後(2030年) 高知県の乗用車保有台数17%減
野村総合研究所が2015年06月05日付けで
「乗用車(除く軽)保有は世帯減少を上回り、15年後には9%減少 ~2030年の保有台数を都道府県別に推計~ 」
を発表している。 全国的には9%減で、同じ期間における全国世帯数の減少率(2.8%)の約3倍となっている。
3.市民の憩える水辺として整備を、の検討を
すでに計画時の通行量予測を下回っており、今後も車自体が大きく減少していくことが予測される中、25億円をかけて、どうしても実施すべきものなのか。
はりまや橋から東400mにある新堀川は、アカメの幼魚がコアマモの中で泳ぎ、トビハゼにシオマネキも生息します。周辺には、半平太道場跡や中江兆民生誕地など自然と歴史あふれる場所。
和歌山市は、和歌山市駅とまちなかの商店街をつなぐ「市堀川」をまちづくりの資源として注目し、水辺を使った「まちなか河岸」、マーケット&カヌー体験などにとりくんでいる。
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