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社会保障と教育への予算配分を先進ヨーロッパ並みに~要望書提出 生活保護・奨学金問題全国会議など

「いのちのとりで裁判全国アクション」「生活保護問題対策全国会議」「奨学金問題対策全国会議」が7月14日付けで、来年度予算の「概算要求にあたっての要望書」を総理大臣、財務大臣、厚労大臣、文科大臣に対して提出している。社会保障と教育への予算配分を先進ヨーロッパ並みにすることなど4つの柱での要望。

【概算要求にあたっての要望書 7/14】


【概算要求にあたっての要望書 7/14】

■第1 要望の趣旨

1 社会保障と教育への予算配分率を先進ヨーロッパ諸国並みに引き上げてください。
2 生活保護世帯の子どもの大学・専門学校等への進学を認め、低所得世帯の学費減免と給付型奨学金を拡充してください。
3 生活保護の母子加算の削減や級地の見直し等さらなる生活保護基準の引き下げをしないでください。
4 生活扶助基準・住宅扶助基準・冬季加算を元に戻し、夏季加算を創設してください。


■第2 要望の理由

1 社会保障と教育への予算配分率

 日本は先進ヨーロッパ諸国に比べて、社会保障や教育への予算配分の割合が低くなっています。
 社会保障では、高齢(年金)・医療にはそれなりの支出がされていますが、住宅、失業、家族、障害等にほとんど公費を投入していないのが特色です。

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【概算要求にあたっての要望書 7/14】

■第1 要望の趣旨

1 社会保障と教育への予算配分率を先進ヨーロッパ諸国並みに引き上げてください。
2 生活保護世帯の子どもの大学・専門学校等への進学を認め、低所得世帯の学費減免と給付型奨学金を拡充してください。
3 生活保護の母子加算の削減や級地の見直し等さらなる生活保護基準の引き下げをしないでください。
4 生活扶助基準・住宅扶助基準・冬季加算を元に戻し、夏季加算を創設してください。


■第2 要望の理由

1 社会保障と教育への予算配分率

 日本は先進ヨーロッパ諸国に比べて、社会保障や教育への予算配分の割合が低くなっています。
 社会保障では、高齢(年金)・医療にはそれなりの支出がされていますが、住宅、失業、家族、障害等にほとんど公費を投入していないのが特色です。

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 また、教育については、多くの先進国と異なり、就学前及び高等教育において私費負担割合が特に多く、家計に重い負担が生じていると指摘されています(OECDインディケータ2016)。
「財源がないから教育も社会保障も削る」のではなく、教育や社会保障などの「人への投資」に予算を配分するという政策転換が必要です。
 
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2 生活保護世帯の子どもの大学等進学保障・低所得世帯の学費減免と給付型奨学金

 2015年の生活保護世帯の子どもの大学・短大・専門学校等への進学率は33.4%で一般世帯の73.2%の半分以下です。これは、国が、生活保護を受けながら大学等に就学することを認めておらず、生活保護世帯の子どもが大学等に進学すると生活保護から外し(「世帯分離」といいます)、保護費を減らす運用をしているからです。

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 大阪府堺市の調査(平成29年3月)では、世帯分離によって平均4万円の保護費が削られ、その結果、年間約180万円の収入のうち7割の128万円を奨学金、2割の39万円をアルバイトでまかない、一般世帯より奨学金への依存が高いことがわかりました(借入額400万円超が74%)。

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 生活保護世帯から大学等に進学した子どもの「世帯分離」を止め、アルバイト等の収入を学費等に使うことを認める(「収入認定除外」といいます)とともに、高校在学中のアルバイト等の収入も大学等進学後の授業料などに充てられるようにするべきです。
あるいは、生活保護世帯を含む低所得世帯の学費を大幅に減免するか、給付型奨学金を拡充するべきです。


3 生活保護の母子加算の削減等さらなる生活保護基準の引き下げ?

 2018年度には5年に一度の生活保護基準の見直しが予定され、現在、社会保障審議会の生活保護基準部会で検討が重ねられています。基準部会では「有子世帯の扶助・加算の検証」や「級地区分の見直し」などが検討課題にあげられており、「一般世帯の消費支出と比べた不公平感」等を根拠に引き下げを求める財務省(財政制度審議会)の意向を「忖度」した判断がされることが強く懸念されます。
 2で述べた「世帯分離」を見直したとしても、母子加算等を削減したのでは意味がありません。まして、「世帯分離」の見直しもせず、母子加算等の削減だけするようなことがあれば、「子どもの将来がその生まれ育った環境によって左右されることのない社会を実現する」という子どもの貧困対策推進法の理念に真っ向から反します。
 母子加算の削減や級地区分の見直し等による、さらなる生活保護基準の引き下げはしないでください。


4 生活扶助基準・住宅扶助基準・冬季加算の復活と夏季加算の創設

 国は、2013年8月から3回に分けて生活扶助基準を平均6.5%最大10%引き下げました。この前例のない大幅引き下げは、「生活保護基準10%引き下げ」という自民党の選挙公約を達成するため、基準部会が出した数値を勝手に2分の1にし、基準部会で一切検討していない「生活扶助相当CPI」という特異な物価指数をねつ造して実行されたもので、明らかに違憲・違法です。現在、現在29都道府県において900名を超える原告が違憲訴訟(いのちのとりで裁判)を提起して争っています。
 また国は、2015年度からは住宅扶助基準と冬季加算も引下げました。住宅扶助基準は埼玉県(2級地)の2人世帯では16%、冬季加算は寒冷地では約2割の削減でした。
いのちのとりで裁判全国弁護団と山田壮志郎日本福祉大学准教授が、2015年9月から2016年1月にかけて、いのちのとりで裁判の原告ら604人に対し、厚生労働省が2010年に実施した調査と同じ質問をしたところ、この間の保護基準引き下げによって生活保護利用者の日々の生活が非常に苦しくなっていることがわかっています。

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 国は、一連の生活保護基準引き下げを撤回して元に戻すべきです。

また、酷暑が続く中、高齢・障害・傷病等の生活保護利用者の命と健康が危険にさらされています。悲劇が起きる前に夏季加算を創設してください。


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