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日本の「人口減少」問題を考える—安倍内閣の「少子化社会対策」批判(メモ)

 「戦後70年の日本資本主義」中の友寄英隆氏の論考「日本の『人口減少』問題を考える—安倍内閣の『少子化社会対策』批判」のメモ。

 合計特殊出生率が人口維持の指標である「人口置換水準」を下回ったのが1974年。「高度経済成長」が終焉・行き詰まり、減量経営・民営化、そして「構造改革」と、新自由主義政策の進展と軌を一にしている。
人口減少は2011年になって現れたが、その原因は70年代以降の政治経済のあり方にあり、その抜本的な反省を抜きにした「対策」や「減少モメンタム」を口実にした労働法制や国民生活を破壊する「政策」では、悪循環を拡大するだけである。

【日本の「人口減少」問題を考える—安倍内閣の「少子化社会対策」批判】

 友寄英隆  「戦後70年の日本資本主義」より

◆はじめに

・日本の総人口2011年~ 4年連続減。ピーク時から約100万人減。/2014年、合計特殊出生率1.42。9年ぶりに低下 12年 1.41 13年1.43、15年1.45 16年1.44

・安倍政権 「出生率1.8を実現」し「少子高齢化に歯止めをかける」と明言。「少子化社会対策大綱」〔15年3月〕を決定 ~ が、科学的分析にもとづくものではなく、実現不可能

・本項は、日本の「人口減」の原因をどうとらえ、安倍政権の対策に欠けているものを明らかにすること
~ 人口問題は、政治・経済・社会など社会科学的な問題とともに、医学的・生物的な問題、宗教や文化、個々人の価値観・人権にも問題/ 人口問題は、リプロダクティブ・ヘルス/ライツの保障が前提/本項では、政治経済学の視点に限定して考察。

〔1〕戦後70年の人口問題と「少子化対策」の経過――人口統計表と人口ピラミッドによる概観

○基本的な人口指標

・1867年3500万人、1945年7200万人、67年1億人、2010年1億2805万人をピークに毎年減少
 (総人口には、外国人を含む 2014年、165万人、1.3%)
・出生数 敗戦直後の10年間は、毎年200万人前後、49年269.6万人、70年代前半の200万人以上
・出生率 敗戦後「4」前後、05年「1.26」に低下、最近は1台前半

Jinkou

○人口問題の論議の経過 ~ 3つの大きな波

1.敗戦直後から50年代にかけての第一次ベビーブームを背景とした「産児制限むの動き
   1954 人口問題審議官 「家族計画」の推進を提言
2.70年代に入る頃からはじまった「高齢化社会」をめぐる論議/ 財源問題などが政治課題に
3.80年代末からの「少子化」問題/ 89年の「1.57ショック」
  ①03年、少子化社会対策基本法の制定。04年、最初の「少子化社会対策大綱」
  ②11年、総人口が初めて減少/2012年「将来人口推計」 50年後に8674万人に縮小
   → 内閣や財界が、相次ぎ対策を発表。マスコミも大きくとりあげ、国民の関心も高まる

○人口ピラミッドと出生コーホート、3区分構成の推移

・コーホート…同時期に同じ経験した人口集団/これを男女別に横組の棒グラフで示したもの人口ピラミッド
・人口ピラミッド 年少人口(0-14歳)、生産年齢人口(15-64歳)、高齢人口(65歳以上)


(2)生産年齢人口―― 「人口ボーナス」から「人口オーナス」の時代へ

○生産年齢人口、労働力人口、労働力率

・「労働力人口」 15歳以上で、労働する能力を能力と意思を持つ人数  ~ 生産年齢人口のうち主婦、学生は入らず、65歳以上で就労している人数が入る /経済政策、社会政策によって増減する
・「労働力率」 労働力人÷15歳以上の人口/ 90歳、100歳の高齢者も入る

○日本の「高度経済成長」と生産年齢人口、労働力人口の増大

・戦後ベビーブームに出生した「年少人口」が「生産年齢人口」に成長する60年代半ばから70年代にかけて、「生産年齢人口」が急増/ 出生者数の増加、死亡率の急減/45年4182万人、75年7584万人と激増
→林直道 高度成長・恐慌なき発展の原因~生産年齢人口の大膨張による「潤沢な労働力の供給、消費市場の爆発的継続的各隊、財政の社会保障負担の軽減効果」が「究極の秘密ではないか」

○「人口転換」と「人口ボーナス」「人口オーナス」

・「生産年齢人口」の急増~「人口ボーナス」/多産多死社会から少産少死社会への「人口転換」の前半期に現れる各国共通の人口減少/ いわゆる「若い国」
・「人口オーナス」はその逆。「生産年齢人口」の比率が低下、潜在的な経済成長の能力の量的低下
~ 日本 90年代半ばから突入


(3)高齢人口 ―― 「超高齢化社会」は、日本の宿命ではない

・国連56年報告書 高齢化率7-14%を「高齢化社会」、14-21%「高齢社会」、21-24%「超高齢社会」
・日本 70年「高齢化社会」、95年「高齢社会」、07年「超高齢社会」

・日本で高齢化が急進展した要因~平均寿命が伸びたこと。高齢者の数が増えてきたこと
→ が、高齢化が進むのは、高齢者の数が増えることが最大の原因ではない/誤解がある

例) 政府、財界が「日本はこれからますます超高齢化社会になるので、年金や医療費をおさえて、消費税を引き上げないと財源がもたなくなる」と繰り返し発言
→が、「超高齢社会」は、未来永劫に続くものではない /2015年、65歳にたっして「高齢人口」に入る人は、65年前のベビーブームの時に誕生した人~このころ年に260-270万人の出生者
→2015年、約100万人。65年後に65歳になる人は100万人を超えない/現在の2.5分の1

・「高齢化比率」「総人口に占める高齢者の割合」は、高齢者人口のよりも、新しく生まれてくる「年少人口」「生産年齢人口」の状態によって左右される
→ 長寿化が進んでも、出生率さえ十分高ければ、人口高齢化は一定の水準に収まる/ 人口高齢化を引き起こす主因は出生率の低下、「少子化」
・長寿化のフランスでは、出生率が高いため、比較的安定した年齢構造をもっている。


(4)年少人口 ―――現代日本の「人口減少」と「第二の人口転換」

○「人口置換水準」を大幅に下回る「減少モメンタル」

・1974年以来「人口置換水準」(出生と死亡が同レベルとなり、人口が一定になる出生率/日本は2.07)を大幅に低下する状況が40年以上も継続
→ が、直ちに人口が減らなかったのは、出生率と人口動態に、一定のタイムラグがあるから
→74年以前に、「人口置換水準」を超える出生率が続いていたため、その時代に生まれた女性が新たな出産可能な人口に続々と加わってきたので、/一人平均の出生率は「人口置換水準」を下回っていても、出生児の総数が、死亡者数を上回っていたために、人口増が続いてきた。

・このタイムラグを「人口モメンタム(慣性、惰性)」という/ 「増加モメンタム」「減少モメンタム」があり、日本は、「減少モメンタム」に
→ 今後、出生率が「人口置換水準」を上回っても、「減少モメンタム」を反転させるには数十年必要

○日本の「人口転換」と「第二の人口転換」論

・日本の急激な「超少子化」を「第二の人口転換」ととらえる注目すべき研究傾向
・「人口転換」~人口が前近代化の多産多死の人口停滞から、多産少死の人口急増をへて、少産少死の人口安定・精子状態へいたる一連の人口動態革命を意味する

・「人口転換」は、先進諸国で20世紀半ばに終了。人口動態の増減のない時代に入ると見られていたが、60年代以降、先進諸国の出生率はいっせいに低下、各国とも「人口置換水準」を下回る
→ 未婚、晩婚者の増加し、晩産化、婚外子、離婚の増加 ~この新しい人口減少を「第二の人口転換」ととらえる論が、国際的に議論/ただし「第二の転換」は始まったばかりであり一般性を持ちうるか不明、とのこと
→ 日本の研究でも、急速な少子化、人口減少を「第二の人口転換」と捉える考えが誕生

○日本の「人口減少」と「少子化」のテンポは異常である。

・日本の出生率の長期的低下は、欧州で言われる「第二の人口転換」減少と共通の側面がある/が、日本の場合は、それだけでは説明できない特殊な性格がある
→ 人口増大から減少への急激な転換、出生率低下の長期的な継続が、あまりにも異常な特徴を持つ

・欧州の「第二の人口転換」の議論~結婚、性行動への価値観の変化、家族、ライフスタイルへの意識の変化の指摘。/日本でも、共通する側面はあるが
→日本の場合/日本資本主義の経済的な状態の客観的な変化/高度成長の終焉とゆきづまり(後述)。その矛盾の深まりの表れとしての「人口減少」問題ととらえる必要がある


(5)「将来人口推計」とはなにか

 ~さまざまな政策立案の基礎データとなっているが、その意味するものは?
・「推計」…国立社会保障・人口問題研究所が5年毎の国勢調査を基礎データとして5年ごとに推計したもの

○人口減少の推計は、現在の政治・経済・社会の歪みを将来に「拡大投影」したもの

・「人口推計」…国連では「人口投影」と呼ばれている/人口動態事象(出生、死亡、人口移動)の現在までのすう勢を前提として、それが帰結する人口の姿を提示する役割をもつ
→ よって、今後生じる可能性のある経済変動、政治的転換、自然災害など、これまでのすう勢に含まれない事象は反映されない/ 最近の少子化、長寿化の傾向が50年間続くと仮定し、そのまま未来に「投影」したもの。
「将来というスクリーンに拡大投影して詳細に観察するための作業」

○「将来人口推計」は、出生率「1.35」を前提にしている

・「1.35」は、現在までのすう勢をもとに、人口学の理論と統計的推論から割り出された客観的な数値
→ が、若い人の低賃金、不安定雇用、保育条件の悪化、教育費負担高騰など、現在の経済・社会・政治の条件悪化のもとでの「出生率」のすう勢/条件が変われば「1.35」も変わり、人口投影は大きく変動
・なお、平均寿命はさらに伸び、女性90歳越え、男性84歳越え

○現代日本は「人口減少モメンタム」の時代に入っている

・「減少モメンタム」のトンネルを抜けない限り、人口減はとめることができない
・歴代自民党政権と財界支配のもと、40年以上にわたり「人口置換水準」を割って出生率が低下し、「少子化」傾向を放置したため、その「悪しき遺産」として「減少モメンタル」の時代が21世紀のこれからも続く


(6)「少子化」「人口減少」と日本資本主義

・人口減は、2011年からであるが、その原因は、74年からはじまっていた(人口置換水準の割り込み)
~ ではなぜ74年から出生率の低下がはじまったのか?

○「高度成長」の破綻と「出生率低下」のはじまり

・出生率低下には様々な要因が重なっているが、もっと指摘すべきこと~「高度経済成長」の破綻、戦後資本主義の資本蓄積様式がゆきづまり、新しい段階的な変化をはじめたこと
・本来は、行き詰まった輸出主導型蓄積・再生産構造を転換し、国民生活中心の内需を軸とした再生産構造に切り替えること/が、まったく逆行する方向への変化が強められた

・世界第二の経済大国の一方で、長時間過密労働、過労死を生む労働条件、女性の賃金差別、ウサギ小屋といわれたほどの住宅の貧困、土地の高騰、東京一極集中と過密問題〔メモ者 過疎問題、大店法・輸入自由化による商店、農業など地域経済の疲弊〕などへの批判が、ゴミ問題、食品安全・製造物責任、農業・食糧問題、自然・地球環境問題へと拡大
 ~出生率低下の背景に、日本社会のあり方に対する疑問、労働と暮らしの条件への不満

○「新自由主義」路線による資本の強蓄積、労働力再生産の条件の危機

・90年代以降は、1.50を割り込み、1台の前半まで落ち込み
~ 新自由主義路線、「構造改革」路線のもと、労働者と国民を犠牲にし、1握りの巨大企業が利益を独占、巨額の「内部留保」、海外投資・投機マネーにまわす、異常な成長方式が20年以上継続
→ 貧困と格差の拡大、若者・女性のワーキングプア増加し、労働力の再生産の危機が深まった
→ 非正規雇用の増大は、長期的視点では、将来にわたり若者の雇用を不安定にし、労働力再生産の矛盾を深刻化し、未婚率、晩婚率を高め、出生率をさらに押し下げた
→ 急速な「少子化」の背景は、「新自由主義」路線の強行による資本の強蓄積

○マルクスの指摘――資本の搾取度と「人口の減少」

・「資本論」でのマルクスの指摘~資本の搾取欲が際限なく放置されると、「人間の退化」「人口の減少」が乗じうることを指摘 /第一巻8章「労働日」
「自分を取り巻いている労働者世代の苦悩を否認する実に「十分な理由」をもつ資本は、その実際の運動において、人類の将来の退化や結局は食い止めることのできない人口の減少という予想によっては少しも左右されないのであって、それは地球が太陽に墜落するかもしれないということによって少しも左右されないのと同じことである。」「〝大洪水よ、わが亡きあとに来たれ!〟これがすべての資本家およびすべての資本家国民のスローガンである。それゆえ、資本は、社会によって強制されるのでなければ、労働者の健康と寿命にたいし、なんらの顧慮も払わない。」

~ここでのマルクスの想定は「労働者の健康と寿命」が破壊され、早死がおこることで、今日の「出生率の低下」による人口減少ではない/が、「人口減少」の根源を「資本の搾取欲」の野放しとの指摘は極めて示唆的

〔メモ者 マルクスの「労働力価値」から見て
労働力商品の価値は、他の商品と同様、その再生産に必要な労働時間によって決まる。労働力の再生産には、あある量の生活手段を必要とするので、労働力の価値は、労働者の維持に必要な生活手段の価値に等しい。
労働者本人の正常的生活状態の維持費〔日々の再生産〕、家族の扶養費〔世代の再生産〕、および労働者の訓練や育成に必要な育成費、という三つの構成部分からなる。その量は、歴史的・社会的水準が反映する

→「少子化」=労働力の世代的な再生産ができなくなっている/労働力の価値以下の販売が長期に続いている〕


〔7〕「人口減少社会」と「人口静止社会」との違いについて

・現在の「少子化」をめぐる議論~ 政府・財界の「少子化」対策に対し、「少子化対策は必要ない」「人口静止社会のほうがよい」という「批判」が存在/特に財界・大企業が「労働力不足を招き、経済成長にマイナス」という主張の批判のために「ゼロ成長でも、国民の暮らしを豊かにすることはできる」という主張の一環として「人口静止社会」の意義が論じられることがある

・この主張の積極面/「経済成長」より、日本の歪んだ経済社会の構造を変えることが必要を強調している面
→が、日本の人口動態の現実に、必ずしも噛み合った議論ではない

・「人口減少社会」と「人口静止社会」の根本的な違いを見過ごすと、人口政策で意図せず間違いをおかす

①「人口減少社会」とは・・・人口が年々減少する社会
 一国の出生率が「人口置換水準」を下回る状況が続いて「減少モメンタル」に突入すると、人口減少が始まる/「人口置換水準」を下回る期間が長ければ長いほど「減少モメンタル」の時期が長くなる/現在の日本
→「将来人口推計」(2012年1月)/、出生中位(死亡中位)の場合 2060年8674万人、2110年4286万人

②「人口静止社会」とは・・・ 出生数と死亡者数が同数となり、人口の自然増減率がゼロとなる社会
→ 出生率が「人口置換水準」となっても、「人口静止社会」は直ちには実現しない。「減少モメンタム」がなくなってはじめて「静止」する。

・仮に、出生率が2.07の「人口置換水準」を現瞬間で回復しても、数十年「減少モメンタム」が続き、その間は人口減少。数十年後に「静止」状態となる

→「将来人口推計」の指摘~2010年以降、出生率が「人口置換水準」に復帰し、維持したとしても、2070年頃までは人口減少が続き、当初人口の82%(人口1億0494万人)に縮小してようやく安定化することがわかる」

→「人口静止社会」をめざすためにも、現在の「人口減少」「少子化」の進行にストップをかける必要がある/放置するならば、「静止」状態はますます遠ざかり、その人口水準も下がり続ける。


(8)政府・財界の「少子化」対策批判

・政府・財界が「少子化」に危機感を持ち、少子化対策基本法を制定したのが2003年
・人口減少が現実化した2011年以降は、危機感がいっそう強まり、安倍政権の「少子化危機突破緊急対策」(2013年)、全国知事会「少子化非常事態宣言」(2014年)を発表

~ これらの対策に共通している問題点とは…

○なぜ人口が減少しているのか――「少子化」の原因分析の欠如

・政府や財界の「少子化」に関する文書~「少子化は社会全体の問題てある」という趣旨の文言がいやというほど出てくる/ それは「社会全体」の課題と強調することで、「少子化」の社会経済的な原因解明の回避、客観的な分析の欠如と結びついている
→12回の「少子化社会白書」で、原因分析しているのは第一回の04年版だけ。以降は「現状」「対策」の説明

・第一回の「原因」分析も、きわめて現象的なものにとどまっている。
→高度成長以降の「資本」の活動のあり方が「少子化」を促進してきたリアルな認識は、まったく欠落している/というより、その客観的事実から目を背けている

○企業(資本)の無責任な対応、それを放置・促進する政府の対策

・日本経団連2015年4月「人口減少への対応まったなし 総人口一億人の維持にむけて」/少子化対策の提言
第二章「人口問題に関する諸分析」の「1.なぜ日本で人口が減少しているか」で「分析」

→人口減少の最大の要因は「未婚率の上昇」と強調。その背景として
「非正規雇用の未婚率は、男性で高い傾向」「経済的基盤を安定させることが重要」
「長時間労働により、男性の家事・育児への参画が少ないこと」
「第三子以降を持てない最大の理由」「様々な面での経済的負担」
「結婚、妊娠、出産、子育ての各段階で・・・望む働き方ができるという希望がかなう環境を整備」

⇔この諸論点は、それなりにあたっているが/こうした劣悪な労働・生活条件を一体だれが作ってきたのか、「未婚率上昇」の悪条件を労働者、国民に押し付けてきた責任への「自覚」と「反省」がまったくない
→ それどころか、現実には、残業代ゼロ法など逆行する政策

○出産、子育てへの支援策、家族政策の不十分さ

・安倍内閣の「少子化社会対策大綱」の冒頭で「日本が『子どもを生み、育てにくい社会』になっている現実を、我々は直視すべき時にきている」と記述
→ が、現実を直視できていないのは政府・財界

例) 「待機児童解消」は、認可保育所の増加、保育士賃金の抜本的な改善ではなく、規制緩和・安上がりの対策
 待機児童 14年21371人から、15年23167人へ増加。しかし「待機児」定義の改悪した過少な数字 /厚労省も、育休中を含めれば8万人を超えると発表
(メモ者 「子ども手当て」前は、所得再配分後に、子育て世帯の貧困率が上昇する状況が長期に続いていた)

○根強い「女性差別社会」の放置

・安倍政権の「成長戦略」/労働力再生産の危機に直面し、にわかに「人材こそ日本が世界に誇る最大の資源」と言い出し、女性、高齢者、若者の力を引き出すことを強調

・「女性が活躍しやすい環境を整える」ためになにより必要なことは、日本の女性の置かれている差別と格差の解決~(メモ者 そのための男性の長時間過密労働の解消、権利としての保育・介護の公的サービスの拡充)
→ 安倍内閣の「女性活躍推進法」なるものは、女性差別の抜本的是正、均等待遇などの視点を欠いた「労働力としての女性の活用」であり、/労働力再生産の危機における悪循環を拡大するもの

○外国人材問題と移民政策

・財界の提言「2020年代から2030年代の20年間にかけて、毎年10万人ずつ外国人の受入れ、定住を実行」「2040年時点での外国人人材の倍増(200万→400万人)
→ グローバル化した世界では、外国人が増加していくことは必然的な動き/が、財界の提言は、労働力不足対策としての、安上がりの移民の流入、定住を図ろうというもの
→ 現在でも、日本の外国人労働者の問題は、人権無視、劣悪な労働環境に、国際社会から厳しい批判をうけている(メモ者 米国務省「人権レポート」など)/それを放置したままの移民拡大は、決して許すべきではない


◆むすびにかえて――いま日本で真に必要なことはなにか

1)戦後日本資本主義のあり方への根本的な反省

 今日の「少子化」現状の根源は、目先の利益さえ極大化すればよいという短絡的な経営戦略の行き着いた先、個別企業の「合理性」の極限的な追求のもたらした「合成の誤謬」の必然的な帰結(メモ者 それを容認・推進してきた政治の責任)

2)現在の政府の「少子化社会対策大綱」の抜本的な見直しと実行

 現在の「少子化」は、小手先の対策では止められない。国民経済全体にかかわる計画的な裏づけが必要

3)当面続く「減少モメンタル」時代への社会進歩の立場からの備え

 人口減少の中でも、労働の生産性が増加すれば、社会的な生産や富は大きく発展していく
→ 危険なのは「人口減少」を口実に、後退と逆行の道をすすむこと/ 超高齢社会や、将来との負担の公平などを口実に、年金の削減、消費税増税など「逆マルサス主義」の誤り

4)若者の未来に希望ある21世紀の日本の展望

 人口の動態は、経済や社会政策だけで決まるものではなく、若者の生き方、社会意識や精神活動のあり方が深くかかわっている問題 ~時代の展望を描くという課題

5)政治の民主的な展開によってこそ、社会的危機を打開することができる

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