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税地獄 国民健康保険、国民年金、介護保険 値上げラッシュ

国民生活基礎調査は、全体の所得分布では、中央値は下がっているが、平均所得額と平均所得以下の率はあがっており貧困と格差の拡大を示した。家計調査では、消費支出は過去最長の15ヶ月連続増。そのもとで医療・介護の負担増・・・ 税や保険料の重い負担。滞納すると生活脅かすような取立て、差し押さえ。滞納による保険証の取り上げや利用料の割増、各種の制度利用の制限と、さらに追い詰める仕組み。
それらの実態について、「貧困に追い討ちをかける異常事態が拡大している」と毎日の記事。

【税地獄 国民健康保険、国民年金、介護保険 値上げラッシュ  毎日6/28】
【消費支出15カ月連続減 最長更新、5月0・1% 共同6/30】

【税地獄 国民健康保険、国民年金、介護保険 値上げラッシュ  毎日6/28】

 富裕層や大企業は、税金逃れのためのさまざまな“抜け道”があるのに、サラリーマンや非正規労働者は税金や保険料を滞納すると、生活費や年金などの差し押さえを容赦なく受ける。中低所得層の家計を痛め、貧困に追い打ちをかける異常事態が拡大している。

 国民健康保険や住民税、介護保険などの保険料決定通知書が役所から各家庭に届き始めるこの時期、負担の重さに、あらためてため息がでる。

 総務省の2016年調査によると、勤労者世帯が払う年金や医療、介護保険料の月平均額は約5万6000円で、10年前より9000円近く増え、実収入に対する割合は9%から11%に上昇し、家計を圧迫する。

◆東京23区 国保料値上げで問い合わせ殺到

「どうしてこんなに値上がりしてるんだ」「高すぎて払えない」

 東京都在住の国保加入者に、6月半ばごろから国民健康保険料(税)※の決定通知書が届き始めた。値上がりを知って区役所の国保課窓口に詰めかける人や、電話が殺到している。杉並区役所では発送から約1週間で1600件を超す問い合わせが寄せられたという。

 東京23区の国保料は特別区長会が統一していて、今年度は1人平均年11万8441円。年々上がっているが、前年度比7252円増は過去10年で最大の上げ幅。40歳以上の夫婦と子ども1人の3人世帯で年所得300万円のモデルケースでみると、年29万8437円。1カ月分の収入がまるまる国保料に消えるわけだ。

 東京都に限らず、全国的に国保料は高騰し続けている。その原因は「国保加入者は低所得なのに保険料は高い」という構造的問題がある。国民健康保険事業が始まった1961年は、加入者の大半が農林水産業や自営業者だったが、現在は、年金生活者などの無職者と非正規雇用者が約8割を占める。

 保険料は上がり続けているのに平均所得は90年代前半をピークに下がり続け、2015年度は130万円台(175ページの表)。にもかかわらず、所得に占める1人当たりの保険料負担率は9・9%と、大企業の組合健保の5・3%の倍近い。

 一方、80年代に50%を超えていた国保の総収入に占める国庫支出金の割合は25%に下げられている。こうした構造的問題から支払いが困難になった滞納世帯(16年)は312・5万世帯と、全世帯の15・9%を占める。全国の市町村が執行した滞納処分は29万8000件、差し押さえ金額は968億円にも上る。

 本誌でもこれまで何度か伝えてきたが、国保料を払えない人の保険証を取り上げたり、差し押さえ件数が増えた自治体に「報奨金」を出す“仕組み”もある。

 たとえば東京都。「100件差し押さえれば1000万円」「300件差し押さえれば2000万円」というように、差し押さえ件数や保険証の取り上げ件数に応じて都から市区町村に特別調整交付金が出され、15年度に交付された額は総額約10億円に上る。この陰で、どれだけ過酷な取り立てが行われているか――。

◆暮らしを顧みない取り立て 命も脅かされる

 都内在住の65歳の女性は15年ほど前、子ども2人を連れて離婚した。その時期に自治体から届いた保険料滞納分の督促状に驚いた。「連絡しないと差し押さえなどの手段も取る」ということが書いてあり、驚いて役所に電話をすると、四十数万円の滞納分を一括で払うか、毎月4万円を払うかどちらかを選ばないと預貯金を差し押さえるか、給与口座を凍結する、と言われた。担当者が変わって対応が厳しくなったのだ。

 窓口に行くと、「預貯金を調べました。100万円ありますね。それで払えますよね」と言われた。

 女性は離婚後、勤めていた会社が立て続けに倒産するなど不運が重なり、国保料が払えない時期が続いたという。それでも払える分は払いたいと役所と相談し、月々5000~6000円、難しい時は2000~3000円ずつ払い続けてきた。

 女性は午前5時半から午後7時ぐらいまで、清掃の仕事二つを掛け持ちしながら働く。
「クタクタですが、時給制で休むと給料が減るので休めません。糖尿病など持病もあり、万が一、倒れて入院した時のためにコツコツ蓄えてきた預貯金なんです。そうした窮状を訴えても『払えないのはあなたの責任』と担当者から突き放されました」(女性)

 結局、女性は預貯金を取り崩し、本来の国保料月約2万円に加え、毎月4万円を払い、滞納分を完済した。6月にはまた1万9000円の保険料支払い通知が届いた。「働いても働いても国保料で消えてしまう……」と女性はため息をつく。

 役所の差し押さえによって命の危機に瀕(ひん)する人もいる。東京都品川区の50代男性。3年ほど前、やっと定職に就くことができ、会社から約15万円の給料が振り込まれたが、その途端、差し押さえを受けた。国保料を滞納していたためだ。

 それ以来、区への不信感が募り、自宅に来た役所からの郵便物は一切開けることがなかった。何度か督促はあったのかもしれないが、保険料を払えなかったために国民健康保険証がなく、体調が悪くても病院には行かなかったという。その間、胃潰瘍が進行して吐血し、極度の貧血で動けなくなった。心配した男性の雇用主が鈴木ひろ子・品川区議に相談。鈴木議員は急いで短期証(有効期間が1~6カ月と短い保険証)を取得し、病院を受診させた。
「ヘモグロビンが正常値の3分の1ぐらいの状態で即入院となり、輸血で一命を取り留めました。糖尿病を長期間放置していたため片目を失明していました。今でも考えると胸が痛む相談事例です」(鈴木議員)

 男性は現在、生活保護を受けて治療を続けているという。
「命を守るはずの国保が、命を奪う制度へと変質しているのです」(同)

◆国保の「都道府県化」で滞納処分も強まる!?

「最近は、少額の滞納に対して『差し押さえ承諾書』を書くよう執拗(しつよう)に迫ったり、生活苦の訴えに対して、役所の担当者が『滞納すると生活保護は受けられない。そんなことも知らないのか』と電話口で怒鳴るなど、厳しい取り立ても行われています」

 そう話すのは、埼玉県社会保障推進協議会の川嶋芳男事務局長だ。埼玉社保協は年に数回、県内各自治体の担当者と面談し、年金や給与を最低生活費まで差し押さえることは違法であることを訴え、滞納者を追い詰めるような窓口対応をただす活動を続けている。

 川嶋さんが恐れているのは、来年からスタートする国保の都道府県化だ。
「今でさえ高すぎる保険料で生活困窮に追い込まれている人たちが、都道府県化によって、さらに保険料が上がれば、今以上に差し押さえや滞納処分が強まる可能性があります」

 18年4月から、国保の財政運営は市区町村から都道府県に移され、都道府県が財政管理を行うことになる。市区町村は国保料を集めて都道府県に納付する責任を負う。この「納付金」は都道府県が決定し、市区町村ごとの「標準保険料率」を提示する。市区町村はこの「標準保険料率」を参考にしながら保険料を決める。
「『納付金』は100%完納が義務づけられており、保険料の収納額が予定を下回った場合も、納付猶予や減額は認められず、その場合は新設される『財政安定化基金』から貸し付けを受けるように指導されます。借りれば当然返済しなければなりませんから、次年度保険料値上げの要因となります。こうしたことから、滞納者への差し押さえや保険証の取り上げなど収納対策の強化に市区町村を駆り立てることが予想されるのです」(川嶋さん)

 昨年秋から今年にかけて、各都道府県は「納付金」「標準保険料率」の試算を行い、いくつかの道府県が試算を発表し、軒並みアップの結果が出ている。

 埼玉県も昨年12月と今年3月に、63市町村ごとの保険料見込み額を出した。統一した算定方法による標準保険料率を適用し、17年度を例に試算したところ、現在の国保料年平均約9万6000円から、同約13万5000円へ4割増になることが明らかになった。

 ただし、このシミュレーションでは、市区町村が行っている一般会計から国保会計への「法定外繰り入れ」は除かれており、すぐ負担に跳ね返るわけではない。
「現実に、一般会計からの繰り入れ(法定外繰り入れ)が縮小・廃止されれば、相当の保険料の値上げとなることは必至です」(川嶋さん)

◆高すぎる国保料は減免申請で下げられる

 国保料だけでなく、年金や消費税、地方税などの滞納に対しても、行政による強引な差し押さえが各地で起きている。危機感を募らせた法律家や専門家らが今年4月、「滞納処分対策全国会議」を結成した。

 メンバーの一人で、国税OBの角谷啓一税理士は、滞納処分を行う自治体の姿勢に疑問を呈す。
「鳥取県児童手当差し押さえ裁判で違法性が認められ、13年に高裁で判決が確定した『児童手当』の差し押さえが、いまだに行われたりしています。滞納者を一律に悪質と扱う発想を改め、生活困窮者を減免制度や福祉施策につなげる方向に持っていくべきです」

 納税者が注意する点もある。
「消費者金融会社からの借金は自己破産をすれば返済義務がなくなりますが、税金の滞納分は破産しても納める義務が消えることはありません。本税(元々納付しなければならない金額)よりも、延滞税(納付が遅れたことによる利息に相当するもの)が多くなってしまっていて、100万円を超える滞納額の人も珍しくありません」(角谷さん)

 自治体から納付を督促された時は、(1)すぐに役所の窓口へ行く(2)収入の証明などを提示し、分納の相談をする(3)分納額で合意できたら、毎月必ず期日までに支払いをする(4)約束の分納額が納められない時は必ず連絡を入れて相談する――など「納税者として誠実な態度を示すことが大事」(角谷さん)という。

 高すぎる国保料の負担を軽減するには、「法定軽減」と「減免申請」の制度が使える。

 法定軽減は、前年の所得が減額基準(前年または直近3カ月の所得や売り上げが30%以上減少など)に達した世帯について実施される。「自治体によって6割・4割の軽減措置と、7割・5割・2割の軽減措置を取っています。世帯全員の所得の申告が必要です」(全国商工団体連合会)

 減免申請は、国保法77条などに基づき、各自治体が独自の条例で定めている。具体的な減免基準は各自治体の条例によって異なるが、「年間数万円軽減できるケースもある」(同)。

◆介護保険料で差し押さえ最多1万人超

「これまで介護保険料を滞納していたために、利用料負担が1割でなく3割になり、サービス利用を諦める人がいます」(都内のケアマネジャー)

 今年4月に発表された厚労省の「2015年度介護保険事務調査」によると、介護保険料の支払いを滞納し、預貯金などの財産を市区町村から差し押さえられた65歳以上の高齢者は、1万3371人で過去最多だった。

 右肩上がりの保険料上昇が原因だ。2000年の介護保険制度発足時の介護保険料は月平均2911円だったが、15年度は同5514円まで上がった。25年度には、8165円まで跳ね上がると推計されている。

 介護保険料は原則年金から天引きされるが、年金受給額が年18万円未満の低所得者などは、自分で納付する普通徴収となる。

 普通徴収で請求される保険料の支払い期限は原則2年。これを過ぎると時効となり、滞納分を支払うことができない。未納分がある高齢者が介護保険サービスを受けようとした場合、未納期間に応じて、自己負担割合が1割から3割へと引き上げられるなどの制限を受ける。
「1割の自己負担分でも年金から捻出することが難しく、デイサービスの回数を減らす人がたくさん出てきている状況です。保険料を滞納するほど生活が苦しい人が要介護状態になって、3割の自己負担分が払えるわけがない」(前出・ケアマネジャー)

 日本年金機構は、今年度から国民年金保険料の強制徴収の対象を広げた。現在、強制徴収の対象になっているのは、税金控除後の所得「350万円以上」だが、「300万円以上」に引き下げた。対象とする未納月数は現行の7カ月以上から13カ月以上に変更したが、たび重なる督促に応じない未納者に対し、差し押さえなどの対応を強化する。

 安保法制で「国民の命を守る」と言う前に、税で命と暮らしを脅かすことを即刻やめるべきだ。
(本誌・藤後野里子)



【消費支出15カ月連続減 最長更新、5月0・1% 共同6/30】

 総務省が30日発表した5月の2人以上世帯の家計調査によると、1世帯当たりの消費支出は28万3056円で、物価変動を除いた実質で前年同月比0・1%減だった。マイナスは15カ月連続で、比較可能な2001年以降で最長を更新した。衣料品や食品への支出額が低迷した。
 家計の節約志向が根強く、消費の停滞が長期化していることを裏付けた。これまでの最長はリーマン・ショックを挟んだ08年3月~09年4月の14カ月連続だった。
 自営業などを除いたサラリーマン世帯の消費支出は実質2・3%増の31万5194円で、2カ月ぶりの増加。
(共同)

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