共謀罪 「恣意的運用」強い懸念 国連報告者、首相に書簡
国連の人権理事会がプライバシー権に関する特別報告者に任命しているケナタッチ氏がプライバシーや表現の自由を制約する恐れがあると強い懸念を示す書簡を安倍晋三首相あてに送付したとの報道。
追い詰められ強行採決した安倍政権と維新の「森友」仲間。
本来、連休明けの採決を狙っていたが法案に「テロ」の文字が入っていないなど追及により大幅にずれ込んできた。法案成立には会期の18日を延長する必要がでてきたが、そうなれば23日は都議選告示に重なる。加計、森友問題で国政私物化の新たな証拠が出てきており、野党は集中審議を要求、徹底追及となる。これらを隠蔽し、国連からもダメだしされた共謀罪強行で「都議選」に突入するのか。公明党はそうとう嫌がっているとのこと。
【「恣意的運用」国際視点から警告 国連報告者、首相に書簡 「共謀罪」採決強行 東京5/20】
【「恣意的運用」国際視点から警告 国連報告者、首相に書簡 「共謀罪」採決強行 東京5/20】プライバシーの権利に関する国連特別報告者ケナタッチ氏が、「共謀罪」法案に対し、プライバシーや表現の自由を制約する恐れがあると強い懸念を示す書簡を安倍晋三首相あてに送付した。法案の「計画」や「準備行為」の文言が抽象的で恣意(しい)的に適用されかねないなどと警告しており、国際的な視点から問題点を明示された形だ。
書簡は十八日付で、法案で対象となる犯罪が幅広くテロリズムや組織犯罪と無関係のものを含んでいると指摘。どんな行為が処罰対象となるか不明確で、刑罰法規の明確性の原則に照らして問題があるとした。
さらに書簡は、プライバシー保護の適切な仕組みが欠けているとして、懸念事項を列挙。「国家安全保障のために行われる監視活動を事前に許可するための独立機関の設置が想定されていない」と問題視した。
政府は、犯罪の計画だけで強制捜査はできないが、令状がいらない任意捜査は必要性などがあれば認められる、としている。これに対し、書簡は「法案では令状主義の強化が予定されていない」と批判する。その半面、「警察がGPS(衛星利用測位システム)や電子機器を使った捜査で裁判所に令状請求する際、司法の監督の質が憂慮される」とも記述。政府側が歯止めとして強調する裁判所のチェック機能にも疑問を呈した。
ケナタッチ氏は、情報技術(IT)に関する法律の専門家で、マルタ共和国出身。国連の人権理事会が二〇一五年七月、プライバシー権に関する特別報告者に任命した。 (辻渕智之)
以下は「ヒューマンライツ・ナウ 」より
【書簡の全文】書簡では、法案の「計画」や「準備行為」の文言が抽象的であり恣意的な適用のおそれがあること、対象となる犯罪が幅広く、テロリズムや組織犯罪と無関係のものを含んでいることを指摘し、いかなる行為が処罰の対象となるかが不明確であり刑罰法規の明確性の原則に照らして問題があるとしています。
さらに、プライバシーを守るための仕組みが欠けているとして、次の5つの懸念事項を挙げています。
1 創設される共謀罪を立証するためには監視を強めることが必要となるが、プライバシーを守るための適切な仕組みを設けることは想定されていない。
2 監視活動に対する令状主義の強化も予定されていないようである。
3 ナショナル・セキュリティのために行われる監視活動を事前に許可するための独立した機関を設置することが想定されていない。
4 法執行機関や諜報機関の活動がプライバシーを不当に制約しないことの監督について懸念がある。例えば、警察がGPS捜査や電子機器の使用のモニタリングをするために裁判所の許可を求める際の司法の監督の質について懸念がある。
5 特に日本では、裁判所が令状発付請求を認める件数が圧倒的に多いとのことであり、新しい法案が、警察が情報収集のために令状を得る機会を広げることにより、プライバシーに与える影響を懸念する。
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