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会計年度任用制度成立~今後の改善につながる国会答弁

増大した臨時・非常勤職員の受皿として新たに期限付任用である会計年度任用職員制度を新設する法案が成立した。非常勤職員への給料・手当の給付を可能とするものだが、制度化することでいっそう非正規化、格差の拡大をもたらす危険をもつ。
その中でも、今後の非正規職員制度の改善につながる重要な答弁があったことを整理している。
地方財政審も「今後、少子高齢化への対応や社会的に支援が必要な人々へのきめ細かな対応がますます求められる」とマンパワー確保の重要性を指摘している。
【地方公務員法及び地方自治法の一部改正案の成立にあたって(談話) 自治労連5/11】
【今後目指すべき地方財政の姿と平成29年度の地方財政への対応についての意見 地方財政審議会12/14】

【地方公務員法及び地方自治法の一部改正案の成立にあたって(談話) 自治労連5/11】

書記長  中川 悟

 地方公務員法及び地方自治法の一部改正案は2017年5月11日、日本共産党以外の会派の賛成で可決・成立した。

 本法案は、地方自治体における臨時・非常勤職員の任用実態が地方公務員法の規定と乖離しているとして、その任用要件を厳格化し、増大した臨時・非常勤職員の受皿として新たに期限付任用である会計年度任用職員制度を新設し、地方自治法改正において非常勤職員への給料・手当の給付を可能とするものである。

 これに対し自治労連は、①地方公務員法は「任期の定めのない常勤職員を中心とする公務運営」を建前としているにもかかわらず、期限付任用を法定化することによって、自治体職場の非正規化がいっそう促進されかねないこと、②非常勤職員の勤務時間の差によって新たな格差を持ち込み、その格差は手当支給に止まらない恐れがあること、などを指摘してきた。そして、自治体のあり方が問われる問題ととらえ、正規・非正規一体の取り組みとして、立憲野党四党への要請、総務省に向けた要求行動、中央・地方での国会議員要請、参院総務委員会での意見表明など、法案の抜本修正を要求してきた。

 こうした取り組みの結果、法案修正には至らなかったが法案審議において、今後の臨時・非常勤職員制度の改善につながる多くの政府答弁を引き出した。

 第一に、総務省は、臨時・非常勤職員は「地方行政の重要な担い手」であり「改正法案をもって、任用の適正化、処遇の改善に向けてまず第一歩を踏み出したという形にできれば大変有り難い」と法案の趣旨を述べた。そして、「いわゆる雇い止めを行うとか処遇を引き下げるといったようなことは、改正法案の趣旨に沿わないものと考えている」と答弁。自治体に法の趣旨に沿った対応をしてもらうため、夏までにマニュアルを作成して助言していくことを明らかにした。

 第二に、高市総務大臣は任用根拠の見直しにあたって、「常勤職員と同様の業務を行う職が存在するということが明らかになった場合には、臨時、非常勤職員制度ではなく、常勤職員や任期付職員の活用について検討することが必要だ」と、正規職員として任用することも自治体の判断で可能であることを示し、その趣旨についても、マニュアルなどに記載して、各地方公共団体に助言すると答弁した。加えて、総務省は「勤務経験を考慮して、一部試験を免除し又は特別の選考を実施している地方公共団体もある」ことも紹介し、任用根拠の見直し、再度任用は競争試験を要しないことを示した。

 第三に、会計年度任用職員制度について、任期は法律上「会計年度内」とされているが、「これまでの各自治体における取組をそのまま会計年度任用職員にも当てはめていただくことになる」と、再度任用について公募によらないなど自治体での柔軟な運用を認めた。そして、退職手当や社会保険の適用を逃れるための「空白期間」の設定や勤務時間を短くすることは、趣旨に沿わないものであり助言していく考えを示した。また、パート会計年度任用職員への給付について、「フルタイムの会計年度任用職員に係る給与決定の考え方との権衡に留意し、職務の内容や責任、在勤する地域などを踏まえて定めることが適当」と述べ、報酬の水準決定にあたって考慮すべき事項を示した。

 第四に、処遇改善にとって必要な財政措置に関しては、自治体の対応を調査し実態を踏まえて、「必要な行政サービスを提供しながら安定的な財政運営を行っていけるように、地方が自由に使える一般財源総額を確保していく」と述べた。

 第五に、自治体での定着状況や民間の動向、国の非常勤制度・運用の状況などを踏まえ、厳しい地方財政の状況にも留意しつつとしながらも、「今後とも会計年度任用職員に係る適正な任用や勤務条件の確保に取り組んでいく考えであり、支給すべき手当の範囲や制度全般の在り方なども含めて検討を行う」と表明した。また、内閣人事局は、民間の動向、実態調査をふまえた国の非常勤職員の処遇改善を検討中であることを明らかにした。

 加えて、衆参両院の附帯決議では、任期の定めのない常勤職員を中心とする公務運営の原則、不利益の生じることない適正な勤務条件の確保、必要となる財源の確保、休暇制度の整備及び育児休業等に係る条例整備の確実な実施に向けた適切な助言などが決議された。

 法の施行は2020年4月となっているが、賃金労働条件を直ちに改善させるとともに、任用根拠の見直しにあたっては、法律の趣旨に基づく条例制定に向けた労働組合との十分な協議を尽くすことが求められる。また、制度運用や支給する手当の種類・水準などについても、自治体での労使間の真摯な協議が必要となる。

 自治労連は、当面する臨時・非常勤職員の処遇改善の取り組みに全力をあげるとともに、臨時・非常勤職員の拡大・固定化を許さず、住民に安全・安心の公務公共サービスを提供する公務運営のあり方の問題として職場・地域から取り組みを強めるとともに、地方財源の確保に向けた運動を自治体とも共同してすすめる。
 自治労連は、引き続き抜本的な改善にむけて、臨時・非常勤職員の勤務実態・生活実態をもとにした均等待遇原則の確立、恒常的な業務についての正規化、均等待遇に基づく任期の定めのない短時間職員制度の確立を求め取り組む。そして、臨時・非常勤職員をさらに労働組合に迎え入れ、公務労働者全体の労働基本権の全面回復にむけて奮闘するものである。


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