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辺野古・岩礁破砕許可不申請  安倍政権による法秩序破壊

  政権による国政の私物化・・・森友でも明らかになっているが、沖縄での無法は甚だしい。
辺野古の岩礁破壊許可は3月までで切れるが、政府は漁業権に関すことまでの法解釈・運用を、辺野古に関しては変更して、許可申請は必要ない、として工事を強行する姿勢をしめしている。
  憲法解釈を、閣議決定で変更して集団的自衛権を認めさせたり、法治国家でなくなっている。

【社説 岩礁破砕許可不申請 法秩序を乱していいのか 琉球新報3/17】
【主張 辺野古のたたかい 全国の連帯で新基地阻止必ず 赤旗3/31】
 辺野古に変わる代替案を示した「新外交イニシアティブ」のシンポを東京がとりあげているが、このシンポの内容は、米軍の準機関紙「星条旗」(ネット版)で大きくとりあげられていとのこと。
【社説 週のはじめに考える 辺野古に代わる選択肢 東京3/19】

【社説 岩礁破砕許可不申請 法秩序を乱していいのか 琉球新報3/17】

 辺野古新基地建設のためなら関係省庁が手を組んで法律をねじ曲げる。断じて認められない。沖縄防衛局は、3月末に期限切れとなる岩礁破砕許可の更新を申請しないと県に通知した。
 名護漁業協同組合が漁業権を放棄し、岩礁破砕許可の前提となる漁業権が消滅したため、再申請は必要ないというのである。水産庁に照会して得た見解を「不要」の根拠の一つとした。
 県は(1)漁協が放棄を決めた漁業権はキャンプ・シュワブ周辺の一部で、法的には漁業権の「一部放棄による漁場の縮小」という「変更」として扱われ、変更には知事の免許が必要(2)必要な手続きをしていないため、漁業権は存続している-としている。
 県の主張に正当性があるのは明らかだ。その証拠に、新基地と同じく漁業補償を受けて漁協が漁業権放棄を決定した那覇空港の第2滑走路建設工事で、沖縄総合事務局は岩礁破砕許可の更新を申請している。
 漁協が漁業権を放棄しても、公共財である漁業権は消滅することなく存在し、岩礁破砕許可は必要であると国が認識していることの何よりの証しである。
 同じ国の機関でありながら対応が異なることは、法律に反しても新基地建設を優先する安倍政権の反「法治主義」の表れである。
 防衛省関係者は「県漁業調整規則の運用自体が法定受託事務だ。法律の解釈権は国にある」としている。国が解釈権を乱用して恣意(しい)的解釈をしなければ、新基地と那覇空港滑走路の手続きで、このような矛盾が生じるはずはない。
 1985年の政府答弁書は「漁業権を変更しようとするときは漁業法上、都道府県知事の免許を受けなければならない」「漁協の総会で『共同漁業権の一部放棄』が議決されたとしても、そのことにより漁業権が当然に変更されるものではない」とした。
 「一部放棄」は漁業権の「消滅」とはならず、その議決によって「変更」されることもなく、手続きが必要ということだ。
 そもそも「二重基準」で法律を解釈・運用すれば、法的安定性は失われる。法律の恣意的解釈・運用がまかり通れば、法秩序に



【主張 辺野古のたたかい 全国の連帯で新基地阻止必ず 赤旗3/31】

 沖縄県名護市辺野古の米軍新基地問題が、新たな局面を迎えています。安倍晋三政権は2月に海上工事に着手し、今月末に期限が切れる岩礁破砕許可を得ないまま、今後、埋め立てに必要な護岸工事などを強行するかまえです。翁長雄志知事は25日、就任後初めて、辺野古での新基地建設反対の集会に参加し、埋め立て承認の「撤回」を宣言しました。県民のたたかいへの揺るぎない信頼と、安倍政権の強権には絶対に屈しないという知事の固い決意を示すものです。

◆知事が承認「撤回」明言
 知事は辺野古の集会で、新基地阻止のたたかいは「新しいステージ(段階)」を迎えると述べ、「(埋め立て承認の)『撤回』を力強く、必ずやります」と明言しました。
 知事は2015年10月、新基地ノーの県民の総意に基づく公約の実践として、仲井真弘多前知事による辺野古沿岸部の埋め立て承認の「取り消し」を行いました。しかし、安倍政権は沖縄の民意をまったく無視し、知事の「取り消し」処分を無効にし、覆すため、違法・不当な手段で臨んできました。
 国民の権利救済が目的の法律(行政不服審査法)を悪用し、知事の「取り消し」処分を執行停止したのはその典型です。知事の権限を強制的に取り上げ、国が代わって「取り消し」処分を無効にする「代執行」訴訟も起こしました。
 「代執行」訴訟では昨年3月に和解が成立し、国と県による「円満解決に向けた協議」で合意し、工事は中断しました。ところが、安倍政権は県と協議もせず、知事に「取り消し」処分の取り下げを迫る「是正」指示を出し、7月には知事が応じないとして「違法確認」訴訟を起こしました。12月には最高裁が県敗訴の不当判決を出し、知事は「取り消し」処分の取り下げを余儀なくされました。
 安倍政権は新基地建設の工事再開を強行し、今年2月には埋め立て工事に向けた「汚濁防止膜」設置などに着手しました。しかも、前知事から得た岩礁破砕許可が今月末で期限が切れるのに、更新は不要とし、「汚濁防止膜」設置が終われば埋め立てに必要な護岸工事などを強行しようとしています。
 更新が不要という口実は、名護漁協が岩礁破砕許可の前提になる漁業権を放棄したためとしています。しかし、漁協が放棄したのは、漁業権区域全体のうち工事区域の部分だけです。法的には漁業権の「変更」とみなされ、知事の免許が不可欠です(漁業法)。変更の免許がなければ漁業権は消滅せず、岩礁破砕許可のない護岸工事などは重大な法令違反となります。
 安倍政権がなりふり構わぬ無法な手段に出るのは、新基地への県民の理解がまったく得られず深刻な矛盾に陥っているためです。

◆国の無法から県民守る
 埋め立て承認の「取り消し」処分は承認手続きなどに瑕疵(かし)があった際に行うのに対し、知事が今回明言した「撤回」は承認後に起きた重大な違反などを根拠にするものです。安倍政権の強権発動から県民の権利と利益を守る正当な行為です。菅義偉官房長官が言及した知事への「損害賠償請求」などという脅しはもってのほかです。
 東京では新基地に反対する集会が4月19日、29日と相次いで開かれます。新基地反対署名も全国で取り組まれています。沖縄に連帯したたたかいの発展が重要です。

【社説 週のはじめに考える 辺野古に代わる選択肢 東京3/19】

 政府は沖縄県名護市辺野古への新基地建設を再開しました。政府と沖縄が鋭く対立する新基地問題をめぐり、民間から新たな選択肢が提唱されています。
 日本のシンクタンク「新外交イニシアティブ(ND)」が先月、那覇市で開いたシンポジウム「今こそ辺野古に代わる選択を」は満員の盛況ぶり。三年間の検討を経て安全保障の専門家らがまとめた辺野古新基地の代替案が発表されました。
 代替案をみる前に辺野古新基地とは何か、振り返りましょう。

◆海兵実戦部隊を国外へ

 一九九五年の米兵による少女暴行事件をきっかけに、日米両政府は沖縄県にある米軍基地の整理・統合・縮小で合意。海兵隊が使う普天間飛行場の移設先は「沖縄本島の東海岸沖」、つまり辺野古とされ、撤去可能な海上施設に決まりました。
 工法は埋め立てに変わり、さらに二〇〇六年の米軍再編でキャンプ・シュワブの一部埋め立てに再変更され、現在に至っています。
 普天間飛行場で一本だった滑走路は二本となり、強襲揚陸艦が着ける岸壁や航空機への弾薬搭載エリアが新設されます。格段に機能強化されるので移設ではなく、新たな基地の提供ではないかと強い反対の声が上がっているのです。
 シンポジウムで元沖縄タイムス論説委員の屋良朝博氏は「基地問題は施設を中心に考えてきた。視点を変えて海兵隊の運用に目を向けることで解決できるのではないか」と解説しました。
 要約すると、米軍再編の終了後、残る実戦部隊は第31海兵遠征隊(31MEU)の二千人のみ。彼らは長崎県配備の揚陸艦に乗ってアジア太平洋を巡回していて沖縄には半年程度しかいない。揚陸艦に乗り込むのはハワイでもオーストラリアでもよいので、31MEUの拠点を沖縄以外に移転する。

◆不要となる新基地

 平時において海兵隊は自衛隊と同様に救援活動をしている点に着目し、人道支援・災害救援に特化した日米協同の新部隊をつくり、その活動を支えるために日本政府は高速輸送船を提供するなどの関連経費を負担してはどうか-というのです。
 確かに31MEUが国外移転すれば、彼らを運ぶ垂直離着陸機「オスプレイ」が発着する辺野古新基地は不要となります。建設費の一部を米軍のために使い、貧困と格差をなくす活動として米軍が取り組む人道支援・災害救援に自衛隊がより積極的に参加することになれば、日本、沖縄、米国の三者にとって共通の利益になるというのです。米軍に縮小を求める一方、日本政府や沖縄県も協力するのが特徴です。
 「海兵隊撤退は中国に誤ったメッセージを与える」との説があります。とはいえ、大半の実戦部隊を撤退させる案は米政府が提案し、日本政府が同意しました。日米が中国を意識しないはずがありません。抑止力は低下しないと判断したか、日本政府が繰り返す抑止力という言葉は当初、実戦部隊を残そうとした米政府に合わせただけの理屈なのかもしれません。
 防衛省は一年後には自衛隊版海兵隊といわれる離島防衛を専門とする「水陸機動団」を長崎県で新規編成します。31MEUを上回る三千人規模となり、「日本は自衛隊が守る」という当たり前の姿となって、31MEU撤退の環境が整います。
 シンポジウム終了後、辺野古移転に反対する稲嶺進名護市長はNDメンバーらに握手を求めました。ただ、辺野古新基地をめぐる政府と沖縄の対立は激しさを増し、「安倍晋三首相、翁長雄志沖縄県知事とも感情的になっている」と話す元沖縄県議もいました。代替案を受け入れる余地は小さいようにもみえます。
 NDは沖縄、名古屋などの国内に続き、米国の首都ワシントンでもシンポジウムを開き、正式に代替案を発表します。日米両政府を動かすにはまず米政府から、というわけです。
 すでにNDの説明を受けた米国の研究者や議員から「現行案と異なる提案は初めてだ」と評価する声が上がり、米軍の準機関紙「星条旗」(ネット版)はND提案を大きく取り上げました。いまは「兆し」でも現実を動かすエネルギーになるかもしれないのです。

◆膨らむ変化の兆し

 沖縄県庁で近く新たな人事が発令されます。元金武町長の吉田勝広氏が基地問題を扱う新設の政策調整監に就くのです。
 金武町のキャンプ・ハンセンで行われてきた県道越え実弾砲撃訓練は危険極まりない訓練でしたが、その訓練をすべて本土へ移転させたのが吉田氏でした。
 革新系の吉田氏が保守系の翁長知事を支える。変化の兆しは膨らんでいます。

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