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森友問題 出発点は財務局~「財務の健全性」への太鼓判

 首相の寄付金など別に法律違反でもないし、検証不可能だし、あまり関心はない。籠池氏の証言も玉石混合だろう。
 自民党の西田議員が「はじめからお金がなかったということが問題の本質」として「追及」しているが、なぜ財務局は、財政計画を審査して国用地売却の前提である財務の健全性を「了」としたのか。なぜ「錯誤」を理由に関空に払い下げていた土地が再国有化され、そして見積もり合わせもせず、8億円もねびきされたのか。生活ゴミは本当にあったのか。そして、大阪府私学課に、「認可を出してもらわないと国有財産地方審議会に諮ることができない」「認可がでれば売却できる」と「親切」な働きかけをしたのか。そして、そんな財務状況の小学校建設に、府側が説得して私学審議会に条件付きの「認可妥当」を出せたのか。
そこが最大の問題で、ゆがみの出発点は政府〔財務局〕が森友の財務状況に太鼓判をおしたことにある。
 以下、審議であきらかになっていることを軸に整理してみた。
 
 以下は参考まで・・・
【森友学園問題で公明党が沈黙する理由 情報屋台 3/14】
【森友問題の謎を解くカギ・・・官邸内のメカニズムを知る必要 江田けんじネット3/25】

 前例主義の官僚組織が、異例つくしの対応を自らするわけがない。その裏には、教育勅語や改憲など戦前的価値観で共鳴する籠池氏、安倍総理と夫人周辺、維新の会などの勢力が共鳴しあって、この特異な小学校建設へむけた大きな力が働いた、としか考えられない。
それは遅くとも2014年後半に、財務局が売却の内諾を与え、私学審が申請を受け付けた時点ではじまっている。
 そして、国有地にかかわって籠池氏が、昭恵氏に、相談をもちかけてから昭恵氏側が財務省などに問い合わせをした後、ものごとが、籠池氏が「神風が吹いた」と表現したように一気に進んでいる。

権力者の顔を見て行政が動く・・・民主国家の危機である。そこが問われている問題である。

●2011年 大阪の大学が約7億円で購入を打診。近畿財務局が価格が低いとしたため買い取りを断念

●2013年4月 一部の表土から鉛・ヒ素を検出。豊中市は約472㎡を特定有害物質の汚染区域に指定

●2013年9月 森友学園、公募に応じ、小学校用地として土地の取得を希望
 →のちに資金不足から賃貸を希望

●2014年4月 昭恵氏、塚本幼稚園訪問。籠池園長から『安倍首相ってどんな人ですか?』と問いかけられた園児らが『日本を守ってくれる人』と答える姿を見て、涙を浮かべ、言葉を詰まらせながらこう話したという。『ありがとう。(安倍首相に)ちゃんと伝えます』〔産経2015/1/8〕

●2014年10月31日 、大阪府私学審議会に新設認可を申請
→籠池側「近畿財務局との間で(貸し付けが)ほぼほぼ内諾に近いような形になったので私学審に申請した」と取材に対し説明
→この時点で、土地の自己所有も借地契約もなし。「認可基準に照らせば認可申請を受け付けないと思う。大阪で過去にそのような事例はあったのか」との質問に府私学課長は「過去に事例はございません」/私学監は「形式的な対応をすると、どちらも門前払いになってしまう。国の方からは、学校用地でないと契約できない、私学審の結果が出れば、国の評価審議会にかけると伺っていたので、私学審に諮らせていただいた」(2017年3月13府議会教育常任委員会)

●2014年12月6日 昭恵氏、塚本幼稚園で「ファーストレディとして思うこと」という講演

●2014年12月18日 大阪府私学審 認可を保留 
→ 汚染土壌を府分手にしか撤去してない問題や財務状況への懸念が出される

●2015年1月27日 大阪府私学審議会 条件付き「認可適当」
「入学者が確保できるのか」「本当に校舎が建つのか」「収支上、ウルトラC以上のすごい実態になる」「こんな絵空事がうまくいくとは私はとても思えない」という懸念や疑問が噴出
→様々な懸念の声に、府行政側は「(本審議会で)条件付きで認可しかるべしとなりますと、国は契約に走ると、そういう手はずになっています」と説明。/私学審議会会長~近畿財務局から「私学審で認可適当の答申が出れば、必ず森友学園に土地が渡るようにする」との確約が事前にあったと発言〔府議会2017/3/23〕

★国有地の売却、賃借ついて
 国有財産地方審議会に諮る際には、財務局として、対象となる事業者について、事業の必要性・緊急性・実現性・妥当性を審査する。審議会に諮られたということは、森友学園側の財務状況に財務局が太鼓判を押したということ。「資金計画の確実性も審査した」と財務局も答弁。〔小池、辰巳質問 3/24〕。 

●2月10日 国有財産近畿地方審議会 国有地の10年間貸し付け決定

●2015年5月 10年間の定期借地契約〔その期間中に買取〕
・定期借地契約の見積もり。不動産鑑定時、当初 11700トン、7000万円
・実際の工事 →。720トン、コンクリート片しか撤去していない。16分の1
→ 本当に、1億3千万円もかかったのか?

●2015年9月4日、生活ゴミが出てきたとして、近畿財務局、大阪航空局、施工業者などと協議
→その前日、3日には安倍首相と迫田理財局長が会談。4日、安倍首相、大阪入り…密会・融資以来の指摘あり

●昭恵氏講演、名誉会長就任 2015年9月5日

●政府職員の籠池氏へのFAX送信 2015年11月17日
 定期借地契約の期間を50年に要請→ 資金繰りの苦しさの証拠
 有益費については、2016年度支払いで調整中の回答

●2016年3月15日 籠池氏・財務省面談~生活ゴミ撤去の取り扱いについて協議

●2016年3月24日 土地の買い受け申出

●2016年3月29日 16年度予算成立

●2016年3月30日 籠池氏、財務局、大阪航空局で「合意書」
→ 大阪航空局の予算措置が完了すること等を条件として、国から森友学園に対する1億3176万円の「有益費」の「返還」を合意

●2016年4月6日 有益費13200万円が国から返還

●2016年6月売買契約 ゴミ撤去費用として8億2千万円値引きし、13400万円で売却
→土地売買契約の手続に重大な瑕疵~「見積り合せ」なし。
随意契約で行う「見積り合せ」は国有財産を予定価格より1円でも高く売却するために行う。売り手は予定価格を相手に知らせずに、買い手自ら土地評価を行い「見積り合せ」を行い、これが売り手の予定価格より上回ればその価格で売買する。
だから豊中市は「見積り合せ」で鑑定評価9億の土地を14億で購入する事になった。
が、森友は「見積り合せ」せずに1億3400万円で売買を成立させている。本来であれば、森友にゴミ処理費用を計算させて仮に森友が土地5億円で買うと提示すれば、その価格で取引しなければならない。 「見積り合せ」をせずに販売するのは前代未聞。政治家の関与なしではありえない優遇〔辰巳コータローFB3/6の概要〕。

→ 8億2千万円の値引き
・そもそも3mまでのゴミ撤去はコンクリート片だけ。廃材、生活ゴミは撤去されず
・が、国は、杭打ち部分9.9m、校舎と校庭の1部も3.8mにゴミが混入していとして算定
  財務局も「9.9mは目視できない」としながら、工事関係者からのヒヤリングと9.9mの掘削中のドリルの先端に生活ゴミがからまっている写真だけで判断。

→ そもそも生ごみがあったのか
①地質の専門家は3m以下は自然の堆積層と評価
【「深さ9.9メートル」根拠なし 森友 埋設ごみ 撤去費8.2億円  辰巳氏質問 3/25】

②この国有地で2010年に大阪航空局が地下構造物状況調査を実施。同調査について、佐藤航空局長は「レーダー探査し、68カ所で試掘を行った」「試掘の深さはおおむね3メートルで地下埋設物がなくなる深度だ」と答弁(3/27参議院 辰巳質問)。/3メートル以下には生活ごみがなかったことを事実上認めた。


☆異常にふくらんだ有益費と、大幅値引きの売却費用は、ほぼ同じ。タダで広大な国有地を取得


【森友学園問題で公明党が沈黙する理由  3/14】
 森友学園への国有地売却問題には不可解なことがたくさんあります。その一つが「国会でも大阪府議会でも、小学校の建設予定地がある豊中市の議会でも、公明党の議員がまったく質問しないこと」です。公明党の支持母体である創価学会の会員の中には不満が渦巻いているとのことです。
公明党の議員はなぜ、この問題に触れないのか。その理由を探っていくと、一人の人物に辿り着きます。かつて国土交通相をつとめた冬柴鉄三代議士(故人)の次男、冬柴大(ひろし)氏です。1988年から大和銀行(現りそな銀行)に16年勤め、2004年にソニー生命保険に転職、冬柴元国交相が病没した2011年にソニー生保を退職して「冬柴パートナーズ株式会社」(大阪市)を設立しました。その代表取締役です。経営コンサルタントを業務とし、人脈紹介や助成金の申請援助を得意としている会社です。
官僚側のキーパーソンが財務省の前理財局長、迫田(さこた)英典氏(国税庁長官)とするなら、民間側のキーパーソンは、この冬柴大氏と言っていいでしょう。前回のコラムで、「この問題には疑惑の3日間がある。2015年の9月3日から5日までの3日間だ」との志葉玲(しば・れい)氏の記事を引用し、安倍晋三首相が9月4日、安保法制法案の国会審議のさなかに大阪を訪問していたことを紹介しました。安倍首相はこの日、大阪・東梅田駅前の海鮮料理店「かき鉄」で冬柴大氏と会食しています。店のオーナーは冬柴氏です。牡蠣(かき)料理の店で、父親の名前「鉄三」の一文字を冠したのでしょう。
日刊ゲンダイの電子版(3月8日)は、経営が思わしくない森友学園は小学校の建設資金に窮していたが、ある都市銀行が20億円を超す融資に応じた、と報じました。そして、その融資を仲介したのは「大臣経験者の子息A氏ではないか、という憶測が流れている」と伝えています。日刊ゲンダイの取材に対して、A氏は「その日に安倍首相と会食したのは事実です」と認めたものの、融資の仲介については「まったくありませんでした」と否定しました。この「A氏」が冬柴大氏で、融資に応じたのは彼がかつて勤めていた「りそな銀行」と見られています。
多忙を極める首相が国会審議の合間を縫って大阪を訪れてテレビに出演し、その後、経営コンサルタントと彼の店で会食する。「重要な案件があったから」と見るのが自然です。その前日、安倍首相は財務省の迫田理財局長と会い、翌日(9月5日)には昭恵夫人が森友学園経営の幼稚園で講演し、小学校の名誉校長就任を引き受けています。「疑惑の3日間」と言われる所以です。
キーパーソンが冬柴元国交相の息子では、公明党の議員は国会でも大阪府議会でも質問する気にはなれないでしょう。これで「不可解なこと」の一つへの疑問は氷解します。問題の土地の評価を民間の不動産会社ではなく、国土交通省の出先機関、大阪航空局が行ったことも「冬柴人脈」を考慮に入れれば、納得がいきます。
もう一つの疑問、土地の評価をした国土交通省大阪航空局はなぜ「ゴミの撤去」を理由に8億円も値引きしたのか。大阪航空局の鑑定によれば、縄文時代に相当する深い地層にも「たくさんゴミがあるので、撤去に多額の費用がかかる」ということになります。これに関しては、この土地の元地権者たちが怒って、メディアに発言し始めています。元地権者の1人、乗光恭生さん(元豊中市議)は「災害時の一次避難地としての役割も担う公園を建設するというから、みんなで立ち退いて土地を国に売ったのに、いつの間にか森友学園に売られていた。あそこはもともと田んぼや畑。立ち退き時に家を解体してきれいにしたのでゴミなどない」と語っています。なんということでしょうか。
森友学園の籠池泰典理事長が小学校の設置認可の申請を取り下げ、理事長も退任する意向を表明したことで、関係者はこの問題の「幕引き」を図る構えを見せていますが、冗談ではありません。「公園にする」と称して大勢の住民を立ち退かせて土地を国有化した挙げ句、元地権者たちが「ゴミなどない」と言う土地を8億円も値引きして森友学園に譲り渡し、そのうえ「ゴミの撤去」と「土壌汚染対策」の名目で1億3200万円もの公金を支給していたのです。森友学園が払ったのは、実質わずか200万円。ただ同然です。
国の財産も税金も、自分たちの裁量でどうにでもなる、と考えているのです。こんな人たちにこの国の未来を託せるのか。こんな人たちが責任を問われることもなく、のうのうと生きていていいのか。

【森友問題の謎を解くカギ・・・官邸内のメカニズムを知る必要 江田けんじネット3/25】

森友問題。私は当初から一貫して、安倍総理夫人の道義的・政治的責任は重い、しっかり説明責任を果たすべきだ、と申し上げてきました。先の証人喚問で、やはりこの国有地がタダ同然で売却された問題については、総理夫人主導ではないか、官邸主導ではないかという疑念が深まったと思います。
もともと安倍昭恵夫人が名誉校長を引き受け、寄付金・児童集めのパンフレットに顔写真入りでメッセージも寄せていたこと。3度も幼稚園を訪れて、講演もされ、そこで小学校について「私にお役に立てることがあれば」と明言もされ、そしてそこには公務員たる夫人付が随行していたこと。これに加え、証人喚問では、夫人付の「財務本省とのやり取り」のファックスまでが明らかになり、昭惠夫人が、まだ更地だった校地予定地まで視察をされ、100万円の寄付も、その真偽はともかく、具体的な受け渡しの描写も含め、証言されたこと。
この問題を巡っては、他の閣僚や大物政治家等々の口利き、介入があるのではないかといった話もありますが、やはり中心的役割を果たしたのは、この安倍総理夫人ではないかという疑惑がさらに深まったと思うのです。
皆さんに申し上げたいのは、やはり官邸内、政府内のメカニズムというものを知らないと、なかなかこの森友問題の謎は解けないのではないか。その意味で、真相究明のために、私の官邸での経験、総理秘書官だけではなくて、当時の通産省から出向して内閣参事官室、今の総務官室にも勤務を2年間させていただいておりましたので、そういう経験から、この森友問題の謎を解くカギというか、知見を提供させていただきたいと思います。

①森友学園問題。まず、何から何まで「異例づくめ」「初物づくし」。本来、縦割りで連絡も悪い役所(近畿財務局、大阪航空局、大阪府)同士が、しかも「前例踏襲」でリスクを冒さない役所が、まるで示し合わせたかのように、籠池氏の要望にこたえて、開校時期にあわせて、とんとん拍子で手続きを進めている。ありえないことで、そこには大きな政治的な力が働いていたとみるのが普通でしょう。

②外から見れば「総理夫人」は、どうしても総理の「分身」あるいは「代理」とみられます。少なくともその背後に総理の影を見る。そんな総理夫人が通常、一私企業、一私学に加担することはありえません。「総理夫人」の肩書、その信用力は抜群ですから、その結果、当該一私企業、一私学に大きな利益、利得を与えかねないからです。その意味で、いずれにせよ、本件における安倍昭惠夫人の道義的政治的責任は極めて重いと思います。
私が橋本龍太郎政権で「夫人担当」の政務秘書官をしていた時も、久美子夫人がどんな行事に出て、どこに祝電を打つか等々は常に相談を受けていました。「公」ではない「私」のために、夫人が「動く」ことは厳に慎んでいたものです。首相夫人が「公人」か「私人」か? は(私は当然「公人」と思いますが)、本質的な問題ではありません。

③この問題では、その一私学に、昭惠夫人は3回も講演等に行かれ、児童募集のパンフレットに写真付きでメッセージを寄せ、名誉校長にも就いていた。更地の校地予定地の視察もしていた。そして、それを見事に寄付金集め等に利用されている。脇が甘かったという程度の話ではないのです。
加えて、幼稚園で感涙する昭惠夫人のビデオが流れましたが、そこに政府職員が同行していたことも判明した。そこで「瑞穂の国小学院で何かお役に立てることがあれば」と言った昭惠夫人の思いを、その職員が関係方面に伝えたことも考えられます。
また、この事案に「総理案件」という印がつけられ、最近、局長以上の人事を官邸に握られ戦々恐々としている財務省等の幹部が、忖度に忖度を重ねたことも考えられる。ただ、夫人付のファックスが明らかになった以上、そこには「忖度」を超えた、安倍夫人、あるいは政務秘書官ら総理秘書官の直接的な指示、命令があったことも推察されます。

④総理夫人担当は、官邸内では「政務秘書官」です。なぜ「政務秘書官」が夫人担当なのかというと、総理家(安倍家)と私的に一番近い存在が政務秘書官だからです。役所出向の総理秘書官は政策面でのサポート役にすぎず、官邸や内閣府の職員に至っては、通常、総理や夫人と会うことすらありませんから、夫人にくる各種行事やイベントへの出席依頼、祝辞や祝電依頼等を捌いていけるのは政務秘書官しかいないのです。どうしてもそれまでの総理家との関係、経緯等を踏まえての判断も必要になりますから。

⑤ちなみに、この同行職員(注)は経産省からの出向ですが、それは「夫人担当」の政務秘書官が経産省出身だからでしょう。そうでなくとも行革で人繰りが厳しい役所が、純増で二人も職員を内閣に出向させたのは、政務秘書官が母屋の経産省にお願いしたと考えるのが自然だからです。ということは昭惠夫人の訪問とその内容も、この政務秘書官に報告されていたのではないか。その出張報告は関係部署も閲覧していたのではないか、との疑念を生みます。
(注)内閣官房によると、現在、夫人担当の職員は全部で5人。そのうち3人は外務省職員で非常勤。この3人の職務は昭惠夫人がファーストレディーとして総理外遊に随行する時の様々な「お世話」担当。どの政権でも、こうした外務省職員は存在。ただし、経産省出向の職員二人(常勤)は安倍政権特有のポスト。夫人の国内担当と思われる。

⑥その夫人付の谷氏。一応、形式上は内閣総務官室在席ということになっていますが、その実質上の上司は、外務省の非常勤の職員は外務省出身の総理大臣秘書官、経産省出身の常勤の2名の職員については、実際の上司は、政務担当総理秘書官あるいは経産省から出向している総理秘書官いうことになります。ここは非常にキーになると思います。
その谷さんですか、2種の国家公務員、大変優秀な方であると聞いていますが、いかに優秀であっても、ああいうファックスのやりとり、財務省本省との連絡調整を彼女の独断でやることは絶対にあり得ません。この点、先にふれたように、内閣総務官であるとか、国会で答弁をしている内閣審議官という方々は、実際上は上司ではないので(総理室内の内実を知らないので)、何を答弁されても私は信用しません。

⑦先の証人喚問。最も重大な証言は、その安倍夫人の秘書から届いたファックスの内容。そこには、すくなくとも当該秘書が、財務省本省等と本件について連絡調整した結果が記載されていました。
こういう国有地の売買をめぐる案件で、経済産業省出向の一職員が、彼女の単独の判断で、意思で、本来、財務省所管の案件で連絡調整することはあり得ません。その権限も力も、彼女自身にはない。安倍夫人を含む官邸内の誰かの指示とみるのが普通でしょう。特に財務省という役所は、自分の専管事項について、官邸の職員といえども他省庁の役人が容喙(「ようかい」横から口出しする)をしてくることについては極力嫌う役所ですから、そこには、昭惠夫人、あるいは政務担当総理秘書官、あるいは経産省出身の総理秘書官(彼らから財務省出向の秘書官に依頼したことも考えられる)の指示に基づいて動いた、だからこそ、ああいうファックスのやりとりもできたと解するのが自然なわけです。
先日の証言をうけて、真相解明には、安倍夫人の証人喚問は必須です。籠池証人が、嘘をついたら偽証罪に問われる場で、ここまで明確に、かつ、具体的な受け渡しシーンも含めて、具体的に「100万円授受」を証言した以上、一方の当事者が「嘘をついてもいい」参考人招致や記者会見で何を発言しても、その信ぴょう性は比較しようがないからです。
また、安倍官邸が「籠池氏が偽証している」というなら、即刻、偽証罪で告発すべきでしょう。

⑧最後に、仮に100万円の寄付があったとすれば、そのお金の出元は一体どこなのかということにも関心があります。また、仮に寄付がなくても、総理夫人同行の職員の旅費等は昭恵夫人が支払ったということを内閣官房は認めているわけですから、昭恵夫人が極めてアクティブに地方出張等々行かれている中、それをポケットマネーで支弁しているとすれば、大変過大な負担を強いているのではないかと思います。

私はもともと、当然、総理夫人は公人だという立場に立つものでありますし、昭恵夫人が総理の代理であるとか分身でそういう活動をされているのであれば、ある意味公的な立場に立つ公人として、そういう出張等々の経費も政府で負担しても、国民感情からいっても許されると思っています。
それを、「私人だ」「私人だ」と言うから、公費からはそういう経費が支弁できない。だったら、安倍夫人が個人的なポケットマネーで出しているのか。そうすると、かなり過大な負担になっている状況というのを官邸はどう考えるのか、それとも、別になんらかの形で官邸が負担しているのか、その事実関係をはっきりさせたうえで、そうした総理夫人の位置づけ、その活動に対する経費負担のあり方等々についてもしっかり正していかなければならない思っています。
いずれにせよ、こうした官邸内のいろいろなメカニズムを知っていただいた上で考えていかないと、この森友問題の謎は一向に解明されないと思います。以上のことも踏まえて、ぜひメディアの皆さんをはじめ、真相究明に当たってご尽力いただければ幸いだなと思います。


【「深さ9.9メートル」根拠なし 森友 埋設ごみ 撤去費8.2億円  辰巳氏質問 3/25】

 日本共産党の辰巳孝太郎議員は24日の参院予算委員会で、「森友学園」への国有地売却の交渉時に財務省の近畿財務局長だった武内良樹同省国際局長に対し、8億2000万円の「埋設ゴミ」撤去費を決裁し破格の値引きをした問題をただしました。

 辰巳氏は、2015年5月に定期借地契約を結んだ際の不動産鑑定書ではゴミ処理費用見積もりは7000万円だったと指摘。翌16年6月の売買契約で、国土交通省大阪航空局がゴミ撤去費用として10倍以上の8億円と見積もったことは「高いと思わなかったのか」とただしました。武内氏は「航空局は経験と知見を持っているので、適正に算定されている」と繰り返しました。
 売却時に破格の値引きの根拠となった埋設ゴミについて、辰巳氏は「本当に地中深くに埋設物・ゴミがあったのか。ここに国民の疑惑の目が注がれている」と指摘。「深さ3・8メートル、くいの部分で深さ9・9メートルまでゴミが存在するという根拠は何か」とただしました。国交省の佐藤善信航空局長は「深さ9・9メートルのくい掘削工事の過程で廃材が発見されたとの報告を受け、工事関係者のヒアリングで、廃材などを含む土が広範に積み上がっていることを確認した」と答弁。根拠を示せませんでした。
 辰巳氏は、森友学園による地盤調査報告書をもとに国立研究開発法人「産業技術総合研究所」に地質分析を依頼した結果、「深さ3メートルまでは人工的に埋め立てた埋設土からなり、それより深い部分が天然の堆積物と思われる」と判定されたと説明。「専門家によると9・9メートルあたりの深さでゴミが出ないのは『常識的な話』だと答えている。9・9メートルまでゴミが存在するという国の計算には客観的根拠がないことが明らかになった」と強調しました。

 辰巳氏は、国有地の管理・処分について審査する国有財産地方審議会に諮る際には、財務局として購入や賃貸を希望する事業者について、事業の必要性・緊急性・実現性・妥当性を審査することになっているとして、「審議会に諮られたということは、森友学園側の財務状況に財務局が太鼓判を押したということだ」と指摘しました。
 同学園との定期借地契約については、15年2月10日の国有財産近畿地方審議会で「学校経営は本当に大丈夫か」などの疑問が出されていました。当時の財務局管財部次長が「定例的に、経営状況をチェックする」などと繰り返し、同学園への定期借地が決定。その後売買契約へと進みました。
 辰巳氏は「どうやって(同学園の)財務の安定性、確実性を確認したのか」と質問。学園側がたびたび値引きなどを求めていた実態を示し「まったく(経営状況の)確認はされていないではないか」と厳しく批判しました。

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