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東芝: 「ゾンビ企業」を保護する日本に海外メディアが苦言

稼ぎ頭のメモリー事業の売却を検討するまでに追い込まれている崩壊寸前の東芝。だが海外メディアは、本来市場から退出すべき企業だが、政府が助けてしまうだろう、と指摘。そして、「ゾンビ企業」の延命させる政府のやり方が、経済が好転しない理由、経済をダメにすると批判している。
日米首脳会議の安保首相の言動に海外メディアは「「他の国の首脳とは対照的」「へつらい、おべっか」と厳しい評価をしている。
メディア攻撃で共通する日米首脳。が、メディア側の対応は雲泥の差がある。
【国の東芝支援はあり得ない…「ゾンビ企業」を保護する日本に海外メディアが苦言 newsphere 2/18】
【日米会談報道への疑念  JA新聞 コラム 孫崎享2/18】

【国の東芝支援はあり得ない…「ゾンビ企業」を保護する日本に海外メディアが苦言 newsphere 2/18】

 日本を代表する企業の一つ、東芝が危機に陥っている。2015年の不正会計事件から立て直しを図ったものの、米原子力子会社ウエスチングハウス関連で巨額の損失が発生し、株価が急落。いまや稼ぎ頭のメモリー事業の売却を検討するまでに追い込まれている。海外メディアは、マネジメントが機能していない崩壊寸前の企業にもかかわらず生かされるだろうと述べ、これこそが日本経済が好転しない理由だと批判している。

◆ 復活は困難。今後を不安視する声も

 東芝は14日に予定されていた2016年4~12月期の決算発表を、さらなる精査が必要という理由で延期した。BBCは、その後に開かれた記者会見では、東芝側幹部と記者たちの無秩序な怒鳴り合いとなり、記者たちからは「ほかに何を隠している?」という罵声が幹部たちに飛んだと報じている。コンサルティング会社、フロスト&サリバンのマーク・アインシュタイン氏は、予定された決算発表が延期になるなど、時間にうるさい日本では聞いたことがないと述べ、東芝の状況がよほど厳しいのだろうとBBCに話している。
 東芝は暫定決算を発表しているが、2016年4~12月期の最終損益は4999億円の赤字で、2017年3月期業績予想では3900億円の赤字となっている。また、ウエスチングハウス関連の損失が累計7125億円で、昨年12月時点で1900億円を超える実質的な債務超過になっている。
 現在東芝は主力のメモリー事業の売却で危機を凌ごうとしているが、楽天証券経済研究所長兼チーフストラテジストの窪田真之氏は、通常会社立て直しには最も競争力のある事業を残し、不採算事業を切り離すのが普通で、メモリー事業売却では東芝の未来に希望はないと述べている(ロイター)。債権者側からも、メモリー事業売却後、バランスシートは改善するかもしれないが、その後はどうやって稼いでいくのか、と先行きを不安視する声も出ている(同)。

◆ 政府が助け舟?構造改革はどこへ行った

 バロンズ・アジアに寄稿したウィリアム ペセック氏は、粉飾決算、巨額の説明されない損失、不透明な意思決定など、スキャンダルを出し続けているのに、投資家はなぜ東芝株を持ち続けるのかと問う。BBCも東芝は不正会計を行い、まずい投資をし、それらの投資の状況についても嘘をついて来たと指摘。また常に解決策探しに失敗しており、その結果が今の惨状だと述べている。
 BBCは、本来このような企業は市場から退出すべきだが、世界で18万人以上を雇用する東芝を潰すことは日本の政治家にとっては困難で、結局日本政府が助けてしまうだろうと述べる。また、シャープ、タカタ、三菱自動車の例を見ても分かるように、日本では大企業であれば無秩序状態であっても生き残るとし、構造改革であったはずのアベノミクスの第三の矢が機能していないと見ている。
 ペセック氏も、そもそもアベノミクスは90%が日銀の金融緩和で、構造改革はせいぜい10%だとし、21世紀型の企業経営を目指して、イノベーション、効率性、利益によって雇用創出、収入増、デフレ脱却を狙ったはずなのに、すっかり失策と化してしまったと断じる。また、企業の収益力向上と不正監視のためスチュワードシップ・コード、コーポレートガバナンス・コードを導入したが、機能しているというには程遠い状況だと指摘。今こそ企業収益を増加させるためだけでなく企業の責任を高めるため、政府が動くべきだと述べている。

◆ 日本の未来のため、ゾンビ企業は退出を

 BBCはさらに、ゾンビ企業の延命は日本経済をダメにすると述べる。成功を夢見る若い起業家にとって、良い製品を作り、利益を上げ、帳簿をきちんと付けるのがビジネスであるという原則が、政府と大企業によって無視されるのは問題であり、大企業がルールを守らないのであれば、小さな会社が互角に戦える訳はないからだ。
 退出すべき企業に資金と救済という道を開き続けるのであれば、安倍首相の掲げたビジョンを実現することはできないとBBCは断じ、このままではビジネス慣習の中に潜んでいる日本株式会社の腐敗物を取り除くこともできないと述べている。

【日米会談報道への疑念  JA新聞 コラム 孫崎享2/18】

 安倍首相は2月10日トランプ米国大統領と首脳会談を行い、一緒にフロリダ州へ移動し、共にゴルフをする等、安倍首相はトランプ大統領との緊密度をアピールした。日本のマスコミは如何に安倍首相が緊密な関係を築いたかの報道で一色である。

◆日米で論調に落差

 例えば、朝日新聞を見てみよう。「尖閣に安保 共同声明」「経済対話枠組み新設」「日米首脳、同盟強化を確認」、そして佐古政治部長の「親密さを国際協調への礎に」の論評が出ている。二面は全面を使い「安保 満額回答 ギリギリで得る」、そして3面は「「蜜月」優先 手放し称賛」等でほぼ一面、そして4面は「首脳会談市場に安心感」の見出しの記事や「日米共同声明(全文)を掲載した。朝日新聞はさらに、高村自民党副総裁が「極めてうまくいった」と言い、茂木政調会長が「日米首脳会談は最高の成果」と言ったことを報じた。
 だが、今一つの当事国米国でどの様な報道がされているか。
 ワシントン・ポストを見てみたい。ワシントン・ポストは「トランプ大統領との個人的な結びつきを強めようとする安倍首相の強い決意は他の国の首脳とは対照的」と報じた。「他の国の首脳とは対照的」との記述は、安倍首相の言動は世界的に見て極めて異例であると述べていることに等しい。
 さらに米国タイム誌は「日本の首相はトランプ大統領のハートへの道を示した。Flattery(お世辞、へつらい、おだて)」との標題の論評を掲載した。この論評は英国のテレグラフ紙が転載し、ソーシアル・メディアの発達した今日、ウエブ・Tricklarが転載する等世界を駆け巡っている。興味深いのは、安倍首相に近いとみられる日テレが13日「日本側は"大成功だった"と評価している。一方、アメリカ国内では厳しい見方も出ている。アメリカメディアからは"こんなに大統領におべっかを使う首脳はみたことがない"という声が出ている」と報じた。

◆高まる大統領批判

 今世界中はトランプ大統領に警戒感を持ってみている。
 1月27日、トランプ大統領は、イスラム圏7カ国国民の一時入国を禁じる大統領令を出した。これに対し、2月1日グテーレス国連事務総長は大統領令を「すぐにでも撤廃すべきだ」と述べた。1月30日ドイツのメルケル首相は「イスラム教のような特定の信仰や出身国を理由に、全員に疑いをかけることは正当化できない」と非難した。世界の首脳の中で最初にトランプと会ったメイ英国首相も1月28日「トランプの入国禁止措置には賛成しない」という声明を発表した。
 EU首脳会議のトゥスク常任議長は2月3日のEU非公式首脳会合を前にトランプの決定を"憂慮すべき決定によって、我々の将来を極めて不確実にしている"と批判する書簡を27加盟国の首脳にあて発出した。もちろんイスラム諸国は反発している。インドネシア外務大臣は「我々は強い懸念を有している」と表明した。
 この中で安倍首相は如何なる対応をとったか。先ず「いま直ちにコメントできない」と述べ、次いで「内政問題に関わるのでコメントは差し控えている」と述べた。イスラム系諸国7カ国の国民全員の入国禁止措置に対して、「内政問題に関わるのでコメントは差し控えている」は何という発言だろう。こんな姿勢なら米国の対外姿勢に何も言えないことになる。
 それでも米国民が圧倒的にトランプ支持なら一つの選択だ。だがGallup世論調査ではトランプ支持42%対不支持53%の状況だ。世界は安倍首相の対米隷属を、嘲笑を込めてみている。

◆政権批判に圧力?

 この論評では、朝日新聞の引用から始めた。読者は朝日新聞が如何に安倍首相よりの記事を発信しているかがお分かりになったと思う。
 多くの人は、朝日新聞の異変に気付いている。安倍首相への隷属、追随が極めて激しいことだ。普段はリベラル的報道を行っているが、重要な局面に立つ時、徹底して安倍首相側の発言の報道に終始する。
 これは偶然でない。
 2、3年前位であったろうか。4、5人の会合で安倍氏の側近が「我々は徹底的に朝日新聞を攻撃していく。それも一回二回でない。長期に行って朝日を変える」と話す場に居合わせた。私は偶然その場にいた。他の人は強い自民党支持者達だったので、安倍氏の側近は本音を述べたのだろう。
 それだけではない。間接情報であるが、この時期、安倍首相本人が親密なマスコミに対して朝日新聞を潰す発言を行い、これが、マスコミ、さらには経済界まで流布したことがあった。
 朝日と安倍政権でどのような攻防があったかは流石、表に出ていない。どの様に脅かされたかはわからない。だが朝日はこの攻防で敗れた。この時期から朝日新聞の安倍政権への迎合が強まってきた。
 その中で、産経新聞は、安倍首相が「朝日新聞に勝った」ということをトランプに話していたとの報道をした。大変なスクープ報道である。本来、マスコミはこれを報道すべきである。だがない。
 朝日新聞には優秀な記者が多い。それは事実である。だから、安倍政権に直接影響しない部分でいい記事が出る。それだけに、政治分野で安倍首相の広報紙にすることは、世論工作上、極めて有効に働く。
 だが我々は朝日新聞が昔の朝日新聞でないことを知るべきだ。安倍首相の圧力に屈し、本質的に、安倍広報紙になったことを知るべきだ。2月11日産経ニュース「安倍晋三首相「私は朝日新聞に勝った」 トランプ大統領「俺も勝った!」 ゴルフ会談で日米同盟はより強固になるか?」は次の内容を持っている。

*   *   *
 大統領選で日本に対し厳しい発言を繰り返してきたトランプが、これほど安倍を厚遇するのはなぜか。実は伏線があった。
 昨年11月の米ニューヨークのトランプタワーでの初会談で、軽くゴルフ談議をした後、安倍はこう切り出した。
 「実はあなたと私には共通点がある」
 怪訝な顔をするトランプを横目に安倍は続けた。
 「あなたはニューヨーク・タイムズに徹底的にたたかれた。私もNYTと提携している朝日新聞に徹底的にたたかれた。だが、私は勝った...」 これを聞いたトランプは右手の親指を突き立ててこう言った。
 「俺も勝った!」
 *   *   * 

 凄い記事である。報道の自由は民主主義の根幹である。リベラル系の朝日新聞に圧力をかけて自慢する首相は最早民主主義国家の指導者ではない。

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