政党交付金、際立つ不透明感 神戸新聞・調査
地方議会の政務活動費の追及には力を入れるマスコミも政党交付金はスルー(新聞広告、CMで政党交付金から還流があるからだろう)。その中で、めずらしく問題点を追及した記事。
5万円以下は領収書不要、人件費・推光熱費。しかも、本部と違って地方組織に領収書の公開規定もない。
神戸新聞が県内の政党の状況を調査、5年間で23億円税金がつかわれているが半分は詳細不明とレポート。
政党交付金は、地方議会の政務活動費とちがって、「使途を制限しない」ことをわざわざ法律でうたっており、宴会だろうが、ゴルフコンペだろうが、政治活動と言い張れば支出は「違法」ではない。しかも、320億円は群を抜いて世界一のボリューム。国民には財政危機といって、増税、負担増を押し付けながらである・・・
【政党交付金、際立つ不透明感 5万円未満は領収書不要 神戸12/9】
【政党交付金、半分が詳細不明 5年間で23億円支出 神戸12/9】
【ムダ排除なら政党助成金 断トツの世界一 2010/12】
【政党交付金、際立つ不透明感 5万円未満は領収書不要 神戸12/9】政党交付金の使途等報告書。1件5万円以上の支出は写真上のように詳細な使途が記載されるが、5万円未満は「その他の支出」としてまとめられ、総額が分かるだけだ
県組織など兵庫県内の政党支部へ5年間で総額約23億円が支出されていた政党交付金。領収書不要の項目が多い上、公開規定もないため、支出総額の半分近くが適正に使用されていたか把握できない状態だ。税金を原資とする点で共通し、「1円以上」の支出に領収書を求める流れが定着した地方議会の政務活動費(政活費)と比べ、使途の不透明さが際立っている。
政党交付金制度では、1件5万円以上の支出には使い道や支払先などを「使途等報告書」に示し、党本部や支部で領収書を保管(人件費、光熱水費、1件5万円未満の支出は領収書不要)するよう規定されている。
党本部の支出領収書は総務省に提出するため市民が閲覧できる。しかし、政党支部の支出分は各支部に取り扱いが委ねられており、公開規定もない。
情報公開請求で入手した県内各政党支部の使途等報告書を見ると、「事務所費」「選挙関係費」「組織活動費」など10項目の支出欄に分かれているが、その詳細な使途を示す細目欄では「事務用品代」「印刷費」「業務委託費」など抽象的な記載にとどまり、具体的に何に使われたか分からないものが目立つ。
領収書不要の「人件費」「光熱水費」にいたっては、2011年からの5年間で支出された計7億8100万円の総額が記入されているだけだ。
さらに、「組織活動費」の項目に含まれる旅費・交通費では、11~15年、県内各支部で計9300万円が使われたが、9割近くが1件5万円未満の「その他の支出」として処理され、報告書からは行き先や利用した交通機関なども分からなかった。
総務省政党助成室の担当者は「細かい支出が多く、報告に必要な事務負担が大きくなるのを避けるため」と説明している。
一方、兵庫県など地方議会の政活費制度では、人件費、光熱水費も含め全ての支出で領収書の提出を義務付ける規定が一般的になっている。全国に問題が波及した14年の野々村竜太郎元兵庫県議による政活費の不正支出では、収支報告書に行き先が書かれていたため、不自然な日帰り出張が発覚している。
【政党交付金、半分が詳細不明 5年間で23億円支出 神戸12/9】政党助成法に基づき、国庫から政党に支給される政党交付金について、組織など兵庫県内の各政党支部が2011~15年、計23億円を支出していたことが神戸新聞社の調査で分かった。制度上、人件費や光熱水費、1件5万円未満の支出については、「領収書不要」とされているため、総額の半分に当たる計11億3800万円分の詳細な内訳は分からない状態だ。
一方、5万円以上は報告や領収書の添付が求められているが、各政党の県組織に領収書の公開規定はなく、公金の使い道は市民が容易に確認できない状況となっている。
政党交付金をめぐっては、政務活動費(政活費)問題に揺れた富山県で、民進党県連の不正が発覚。白紙領収書を使って広告費や印刷費などを架空請求したり、水増ししたりし、15年までの6年間で不正が疑われる支出は今年10月時点で約4500万円に上った。専門家は「政活費に比べても使途の透明化が進まず、議論もほとんどされていない」と指摘する。
兵庫県選挙管理委員会に提出された11~15年の政党交付金の使途等報告書によると、解散した政党も含め計11政党の県組織や選挙区支部などが政党本部から分配を受けて支出していた。最多が民主党(現・民進党)の10億6100万円で、次いで自民党の8億6200万円だった。共産は党本部が受け取っておらず、公明本部は支部に分配していなかった。
報告書の支出欄は、「人件費」「光熱水費」「備品・消耗品費」「事務所費」「組織活動費」「選挙関係費」-など10項目に分かれており、詳細な使途の内訳が記載されていたのは計11億6200万円。領収書が不要な人件費や光熱水費、1件5万円未満の支出を合わせた計11億3800万円については、内訳の記載がなく、どのように使われたのか具体的に分からなかった。
政党本部は領収書の写しを総務省に提出するが、県組織など政党支部は会計帳簿と領収書を5年間保管し、公開の可否はそれぞれの判断に委ねられている。企業・団体献金などとともに政治資金として支出した一部は、支部の領収書の写しも公開されるが、現状の仕組みでは、政党交付金のみの支出領収書を区別するのは難しい。
神戸新聞が、政党交付金を支出していた自民党、民進党(旧民主、旧維新)、日本維新の会、社民党の県組織に支部保管分の領収書について尋ねたところ、自民は「党本部のチェックを受けており、公開請求を想定していない」。民進と日本維新の会は、請求があれば公開を検討し、社民は「公開できない」とした。(紺野大樹、小川 晶)
◇支出正当性に説明責任 東京経済大現代法学部の加藤一彦教授(憲法学)の話◇ 政党交付金制度の根幹にある政治活動の自由は保障されるべきだが、支出の正当性についての説明責任はある。現在の制度では適切にお金が使われているのかどうか分からず、ブラックボックス状態。透明性の確保に向けて議論し、全ての領収書を公開するぐらいのことは実行するべきだ。【政党交付金】 直近の国勢調査の人口に250円を乗じた金額を基準に、国会議員数と国政選挙の得票率に応じ、年4回に分けて支給される。2015年の総額は約320億円。「国民の信頼にもとることのないように、適切に使用する」という規定のみで、使途の制限はない。
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