カストロ氏哀悼 医療・教育・有機農業・環境・防災・平和貢献 もう一つの「国の在り方」示す
民族独立を掲げたたかったホセ・マルティン氏の遺志をひきづき、米国の「裏庭」で、独自の民衆のための国づくりをすすめた。特に、ソ連崩壊後の経済的危機の中で、その思想にもとづく独自の路線はきわだっていた。
ほとんど元都職員の吉田太郎氏の著作からだが・・・紹介もしてきた。
【もう1つの国際貢献 カストロ議長引退 2008/02】
【ハリケーン災害・死者ゼロの国 2005/10】
有機農業で国民の食料を支え、地域分散型の自然エネルギーを普及していった。
高度な医療と教育は、途上国でなかで出色。無料であるとともに、他の中南米諸国から留学生をうけていれ地域全体の貧困撲滅に貢献してきた。
海外に派遣している医師は3万人と、国連全体のそれをしのぐ。エボラ出血熱の封印でも大きな貢献をした。(カトリーナ被害、東日本大震災でも援助の申し出をしているが米国は拒否、日本は無視)
この平和貢献の努力が共感をひろげ、米国の経済封鎖に反対する圧倒的に国際世論をつくり、米国を孤立させ、解除にむすびついた。
防災でも注目を浴びている。ハリケーンの常習地帯なのに、ほとんど犠牲者を出していない。計画的な避難、地域毎にいる医療スタッフが、住人個々の投薬の必要性も把握し対応している。
たしかに、街並みは古いボロボロの建物がおおい。なんども修理した古いアメ車しかない。スポーツとかの才能をいかして商業的な大きな富を得ることができず亡命もある。
でも、庶民にとっての「幸せ」とはなにか。何が世界を平和にさせるのか・・・ 極めて大きなテーマを世界に突きつけた国をつくった、と思う。日本にとって大きな示唆を富む国づくりと思う。
あらためて合掌
【人を大切にする幸せな国 キューバ 地球村 2013/1/1】2012年の『地球村』ツアーでキューバを訪問しました。そこで私たちがみてきたものは、「社会主義国」「独裁者の国」「経済封鎖の国」と報道されてきたイメージとは全く違う「人を大切にする国キューバ」でした。(事務局 渡辺裕文)
●キューバとは
地理など:カリブ海に位置する島国。キューバ島(本島)、青年の島(旧ピノス島)及びに1600余りの島々で構成される。国土面積は約11万k㎡(日本の本州の約半分)。人口は約1,100万人。言語はスペイン語。
住民:16世紀にスペインの植民地化で先住民は絶滅。現在は、主に欧州からの白人系とアフリカから奴隷として連れて来られた黒人系、移民としてきた少数のアジア系市民が住む。人種差別は全くない。
宗教:信教の自由が原則認められており、主にカトリックとアフリカ宗教が中心だが、無信教者が増加している。
気候:台湾やハワイと緯度は同じぐらいで、亜熱帯性海洋気候。ただ今回のツアー中は、北からの季節風の影響で朝晩は肌寒かった。
※歴史については、『地球村通信』12月号の巻頭言をごらんください。
今回のツアーでは、農業、福祉、防災、教育、医療、市民生活について視察をしました。●農業
ソ連崩壊以降、同じ社会主義の同盟国から石油などの資源が輸入できなくなったため、化学肥料などが作れなくなり、有機農業へ移行。一時は首都ハバナは空き地や道路脇などでも食料が栽培されていました。現在は、郊外を中心に野菜や食糧の供給体制が整えられています。今回のツアーでは、都市近郊で自給自足+周辺住宅への野菜供給を行なっている小規模エコビレッジを見学。このエコビレッジでは、10ヘクタールで140人が働き、その家族の自給自足を行なっています。ビレッジで働く人は周辺団地に住んでおり、その団地へ野菜供給を行ったり、一緒に農作業を行ったり、栽培指導・酢漬けなど保存食の指導をするなどビレッジ外へ向けた働きかけが行われているのが特徴的でした。●福祉(特に老人介護問題)
キューバの高齢者人口は約18%(ハバナは22%)であり、少子高齢化が進んでいます。
キューバの高齢者介護施設は、国営のものとキリスト教会が設置したものとがある。
キューバ国内でキリスト教が容認されているのは、教会での布教活動を容認する代わりに、高齢者介護施設の運営を国に協力するというシステムになっているからです。施設利用者も入居したり、デイサービスを利用する費用は無料。国、教会、市民の三者ともにメリットがある関係が成り立っています。
今回のツアーでは、キリスト教会が運営する高齢者介護施設を訪問。数十名が楽しく自由に生活をしている様子を見学し、お金の心配がない生活の豊かさを実感。居住者の方に「しあわせですか」と聞くと即座に「とってもハッピーです」との答えが帰ってきました。●防災
キューバは、ハリケーン(台風)の通り道にもあたり、異常気象による巨大台風の影響を最も受ける国の一つです。アメリカでは、2005年のハリケーン・カトリーナで死者3800人を筆頭に毎年ハリケーンで数十の死者を出しています。しかし、キューバでのハリケーンの被害者は数名。ここには、人を大切にする防災対策があります。
・専門家がわかりやすく、事実を住民に全て公表。
・国営バスを避難援助に使用し、安全に退避。数百万人規模の避難も。
・医師が避難に加わる。ペットも一緒に避難するので獣医を避難所に確保。
・老人、妊婦、子ども、身障者など社会的弱者を優先避難。●教育
キューバ革命後、政府は教育・社会福祉部門に重点的に予算を配分、関連予算額が国家予算の2割近くを占めています。一般的に途上国では、農村部などでの識字率(字が読める)が低いが、キューバでは15歳以上の識字率は97%以上になっています。
※アメリカの識字率は約80%(2007年CNN報道による)●医療
ファミリードクター制度を中心にした地域医療を行なっています。居住地ごとに1000名程度に1人ファミリードクターという医師(小さな診療所)がいて、初期医療(プライマリ・ケア)が行われています。十数か所のファミリードクター毎に地区総合病院(ポリクリニコ)が設置され日常的な全て医療が行われ、心臓手術などより高度な医療は国の研究所などで行われます。こうした医療を受ける保障や医療費は全て無料であることが憲法で規定してます。また、ジャワ島地震や内戦後の東チモールなど海外被災地への医師派遣も積極的に行い、医師不足の約70カ国へ述べ3万人の医師を派遣しています。アメリカのハリケーン・カトリーナや東日本大震災時にも医師派遣を打診してきましたが、アメリカ政府は拒否、日本政府は無視しています。
「人財こそが国の資産」というキューバの姿勢から、私たちが学ぶことは多いと思います。国の方向性にかかわらず、家庭から、職場から人を大切にすることを考えたり、はじめることが大切です。
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