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性犯罪・性暴力 ワンストップ支援センターで被害者救済を〔メモ〕

斉藤和子・衆議院議員  「議会と自治体2016.11」
「魂の殺人」といわれる性暴力~しかし、救済・支援の仕組みはきわめて遅れている。ようやく行政による総合的な取り組みが開始されてきている。「性犯罪・性暴力 ワンストップ支援センター」の役割、課題などについての論考のメモ

 性暴力救援センター大阪HPより
 「どんな形であってもあなたの同意なしに、性的に接触することは性暴力です。またたとえ接触がなくても、性的な言葉や行動であなたの存在をおびやかすような行為は、性暴力です。
 望まないキス・触ること(触らせること)・マッサージ・つかむこと・性交や、露出、盗撮、ポルノを見せたり、出演させることなどが含まれます。それは暴力行為であり、犯罪です。」 

【性犯罪・性暴力 ワンストップ支援センター 被害者支援へ全国で設置推進を】

1.性暴力の被害者の実態

★内閣府「男女間における暴力に関する調査」2014年〔99年より3年毎に実施〕

・「子どものころも含め無理やり性交された経験」
 1回あった3.7%、2回以上2.8% 計6.5%
~ 05年7.2%、08年7.3%、11年7.7%  13~15人に1人の割合/推計350万人前後

・被害にあった時期
 小学生以下11.1%、中学2.6%、中卒から19歳23.1% と未成年時が約4割

・加害者との関係
 知らない人11.1%
配偶者、元配偶者、親、兄弟、親戚、交際相手、職場・バイト関係者等 74.4%
~加害者の多数が何らかの面識のあった人、その結果

・「被害を誰かに相談したか」 しなかった67.5%

・「相談しなかった理由」〔複数回答〕
 恥ずかしくて誰にもいえなかった 38%
自分さえ我慢すればなんとかこのままやっていけると思った 30.4%
思い出したくなかった 27.8%
自分にも悪いところがあると思った 27.8%
相談しても無駄とおもった 20.3%

・「被害によって生活上の変化があったか」
変化があった 59.8%
 心身に不調をきたした 24.8%
 自分が価値のない存在になったと感じた 18.8%
 異性とあうのが怖くなった 16.2%
 他にも「夜、眠れなくなった」14.5「外出がこわくなった」6.5、引越した6.0

~「魂の殺人」といわれる強姦、強制わいせつの被害者の心の傷は計り知れず、PTSD発症率も極めて高いが、十分な支援がないのが実態

★「年間16万人の女性が強姦されているが、警察に届けられるのは数㌫、検挙・起訴され有罪になる加害者は500人にすぎない。暗数が有罪人数の300倍にもなるのは女性差別の強い遠い異国の話ではない。日本である」〔谷田川知恵「ジェンダーと法 題3巻暴力からの解放」2012〕

レイプ対策、日本は百年古い=米兵性犯罪、豪被害女性語る 時事2016/10/22


2. 性犯罪・性暴力被害者のためのワンストップ支援センター

・性被害を潜在化させる原因~ 被害後、自ら医療機関、警察、相談機関に足を運び、その都度、被害体験を話さなければならず、二次被害、三次被害を受けることになる
~民間で日本初のワンストップ機関 阪南中央病院に「性暴力救援センター大阪SACHICO」開設2010.4

・政府の「ワンストップ支援センター開設・運営の手引き」作成〔2012年〕/第二次犯罪被害者等基本計画〔2011年〕に基づくもの
→ 同センターの規定「性犯罪・性暴力被害者に被害直後からの総合的な支援、産婦人科医療〔緊急避妊薬、性感染症の検査など〕、相談・カウンセリング等の心理的支援、操作関連の支援、法的支援などを可能な限り一ヶ所で提供することにより、被害者の心身の負担を軽減し、その健康の回復を図るとともに、警察への届出の促進・被害の潜在化防止を目的とするもの」
・手引きが「性犯罪・性暴力」と併記していることが1つの重要ポイント/「支援対象範囲として警察への被害届の有無や性犯罪とし扱われるかどうかに関わらないものとし、性犯罪・性暴力被害者を用いることとした」〔参院法務委員会、井上哲士議員への答弁 13.6.4〕
・第4次男女共同参画基本計画〔15.12月閣議決定〕 行政も関与してすすめることを明確に位置づけ、各都道府県に最低1ヶ所設置と、設置推進を掲げている。


「こうち県男女共同参画プラン」
 女性に対するあらゆる暴力の根絶〔62頁〕

3. ワンストップ支援センター設置の現状

・2016年3月 全国27ヶ所/病院拠点型7、相談センター拠点型2、相談センターを中心とした連携型17 他1
~病院拠点型は、産婦人科医療できる病院に相談センターをおくもの/相談センター拠点は、病院から近い場所に相談センターをやくもの。令兄方は、相談センターと複数の協力病院の連携による支援を行うもの
→ワンストップ支援センターの柱となる機能は ①支援のコーディネイト・相談、②産婦人科医療〔救急医療、継続的な医療、証拠採取等〕ことから、「手引き」では「病院拠点型」「相談センター拠点型」が望ましい

・現状は「連携型」6割/ 専用の支援センターを設置しないまま連携・協力している例〔岡山、埼玉〕も
→ 埼玉弁護士会「被害直後の医療支援が必要、相談しやすい協力病院が必要、ワンストップであること・二次被害の防止」などの利点をあげ、病院拠点型センターの設置を、党県議団に要望
・連携型等で、相談センターの機能を「犯罪被害者等早期援助団体」が担っている県が14/ 相談件数の推移など効果的な支援ができているか、フォローアップが必要

★2014年度から始まったモデル事業

・「性犯罪被害者等のための総合支援に関する実証的調査研究」を立ちあげ、地方自治体のセンター開設、運営支援を開始/14年度3900万円、15年度1億円、16年度8800万円
・内容 ①支援体制整備などのための協議会設置、運営 ②相談支援機能の拡充と強化〔夜間、休日の対応、相談員の研修、心のケア〕 ③ホットライン等の広報などの計画を内閣府に提出し、国が委託費を支援するもの
~ 県市など独自の支援も/三重870万〔相談員人件費・研修費用、臨床心理士カウンセリング費用、弁護士相談費用等〕、岐阜~国からの500万と県の123万で開設、県からの850万円で人件費・診察等后妃負担費に対応

★17年度予算概算要求~交付金を要求

・内閣府は、3年を目途とした「実証的調査研究」に代わり「性犯罪・性暴力被害者支援体制整備等促進交付金」(2億6100万円)を要求し「地方公共団体における取組みを促進する」ことを掲げたこと重要
→ が、国連ガイドライン ワンストップ支援センターの設置を人口20万人規模に1ヶ所/わが国の実態からすれば、「各都道府県1ヶ所」では到底たりない /センター設置促進は喫緊の課題

★2016年5月 野党4党による「性暴力被害者支援法案」を提出/ 自民内にもPT

【日本共産党 2016参議院議員選挙/各分野の政策 46、性暴力被害者支援】 /文末に全文掲載

4 性暴力被害をなくすために

〔1〕性暴力が表面化しない背景に、日本社会の構造的な問題

①「手引き」作成にかかわったSACHICO加藤治子医師「現場の警察官が『強姦の犯人を捕まえてもなかなか起訴してくれない』とぼやいている」と指摘
→ 背景に ①刑法強姦罪の構成要件が「暴行又は脅迫を用いて」と、暴行・脅迫の存在が必要 ②判例では「著しく反抗を困難ならしめる程度」となり、/暴行により、血まみれになる、骨折するといった目に見える形でないものは、「同意があった」とみなされ、起訴されない、罪に問われない状況がある

②強盗罪の法定刑は5年以上の有期懲役/「魂の殺人」といわる強姦罪は3年以上、と極めて軽い
〔法制審議会は9月に、刑の下限を「5年以上」とする刑法改正案要綱を答申〕

③日本は「売春防止法」に象徴されるように、売る女性が悪い、更生させる必要があるという思想が根底にある
/買う行為を罰する法律は、18歳未満を対象した場合のみ
→ 被害者の落ち度が強調され、自業自得とされがちで、被害者でありながらどこにも相談できない状況がつくりだされてきた

〔2〕求められる施策

①ワンストップセンターの全国での早急な設置とともに、中・長期的な回復を支援できる施設も必要
②年代の区別なく女性の困難に寄り添い、カウンセリングや自立支援など「駆け込み寺」のような施設と根拠法が必要

・現在、女性の支援を明記している法律は「売春防止法」であり、支援施設は、売春した女性を「保護更生」する目的で作られた「婦人保護施設」のみ。/現在は、DVやストーカー、人身取引の被害者の支援施設としての役割も担っているが、様々な問題や矛盾が生まれている
~ 厚労省「先駆的ケア策定・検証調査事業」として「婦人保護施設調査研究ワーキングチーム」が「婦人保護施設の役割と機能に関する調査報告書」を発表〔2016.3〕

→ 「売春防止法に基づく『保護更生』から、『女性の人権』を尊重する社会福祉事業として婦人保護施設を転換すること、これが婦人保護施設に希求される今後の方向性といえよう」、「将来的に、婦人保護施設を売防法の『保護更生』から解放し、あらたな法制度を創設することを検討する必要がある」

【日本共産党 2016参議院議員選挙/各分野の政策 46、性暴力被害者支援】

★性暴力被害者の支援を拡充し、刑法改正(性的自由)をすすめます。

 20歳以上の男女を対象とする内閣府「男女間における暴力に関する調査」(2014年)によると、「男性から無理やり性交された」経験のある女性は6.5%、人口比にして約350万人にのぼっており、菅義偉内閣官房長官も「多くの被害者の方が今おられることを深刻に受け止めております」(16年3月、池内さおり衆議院議員質問)と答弁せざるを得ない深刻な現状にあります。
 しかも、同調査では、4割近い女性が未成年時に被害に遭っていること、また「その被害を誰にも相談しなかった人」が7割近くにのぼることも明らかになっています。
 こうした被害が性犯罪として訴追されているのはごく一部であり、多くの性暴力被害者は救済されていません。「魂の殺人」といわれる強姦を始めとして、性暴力は人間の尊厳を根底から破壊し、PTSD発症など心身に長期に重大な被害を与える許しがたい行為でありながら、被害者が自らを責め、恥じて潜在化するなどで、適切な医療の受診や加害者訴追ができない事例、警察に被害を訴えても被害者が激しく抵抗しなかった等として被害届が受理されない、起訴されないなどの事例も多々あります。
 若年女性や子どもをめぐっては、いわゆる「JKビジネス」、犯罪的アダルトビデオ撮影(AV被害)などの性的搾取も広がっていますが、実態はほとんど把握されておらず、被害者の受ける深刻な打撃は計り知れません。
 こうした実態に対処するためには、政府の取組を抜本的に強化することが必要です。
 日本共産党は、個人の性的自己決定権を尊重し、性暴力被害者の支援の拡充と、性暴力、性的搾取の根絶に向け、これらの課題にとりくむすべての皆さんとともに力を尽くします。

1.性暴力被害に対応するワンストップ支援センターの根拠法制定と設置促進

 被害の潜在化を食い止め、被害者が医療受診と心身のケア、加害者を訴追するための証拠保全、警察への被害届などを早期に一括して行えるよう、ワンストップ支援センターの設置が求められています。国連は「人口20万人に1カ所」の水準を示しています。
 内閣府は、各都道府県に最低1カ所を目標にしていますが、設置や運営に一番必要とされる予算措置はないため、全国26都道府県27カ所にとどまっています。地域格差が大きく、とりわけ相談、医療、被害者ケア、警察へのアクセスが1カ所でできる「病院拠点型」は病院の負担が重いために、開設がすすんでいません。
 「病院拠点型」の全国的先進例である性暴力救援センター大阪(SACHICO)は立ち上げに数千万円を要し、24時間365日のホットラインと相談体制の維持に年間約3000万円の運営費を要しています。
 これらの財政措置を実現し、全国各地での設置を促進するため、日本共産党は民進党など野党共同で「性暴力被害者支援法案」を提出しました。野党各党と力を合わせて、早期に法整備を行い、国連のもとめる水準に近づけるようにします。

2.若年女性に対する性的搾取の法規制と、支援体制の拡充

 国連の児童売買、児童買春及び児童ポルノ特別報告者による日本に関する報告書は、今年3月、10代の女子が従事するJKビジネスなど性的搾取を促進する商業活動の禁止を勧告しました。また近時、犯罪的なアダルトビデオ撮影被害者の訴えにより、性的搾取の一端が関係者・弁護団の尽力で明らかになってきました。被害者は、脅迫や欺罔による意に反する撮影(多くは犯罪行為の撮影)とその映像の半永久的拡散に甚大な打撃を被っています。こうした当事者の意に反した性を売り物に莫大な利益を上げる構造にメスをいれなければなりません。
 アダルトビデオ製作販売に係る刑法犯、職業安定法・労働者派遣法違反業者に厳正に対処させるとともに、規制立法を策定します。JKビジネスの商業活動禁止を求めます。
 こうした様々な形態の性的搾取について、政府は実態を把握していません。事態に的確に対処するために実態把握を早期に行い、被害者支援を総合的に行う必要があります。支援を要する被害者の多くは若年女性であり、現行制度の狭間となっている現状を改め、行政や民間の多様な相談窓口にアクセスしやすい工夫をします。
 厚生労働省「婦人保護事業等の見直しに関する検討会 論点整理」(2013年3月)を全面的に生かした、総合的な「女性支援法」制定、婦人相談所、婦人保護施設等の改組発展、民間団体との協力と支援の拡充、アウトリーチ型支援の推進、受入施設の拡充を行います。

3.被害者の立場での刑法改正(性的自由)の前進を

 性暴力をめぐる刑事司法の現場では長い間、「そんな時間にそんなところを歩いていたから」等々と被害者を非難し、加害者の行動に理解を示す捜査や取調べが行われてきました。こうした「強姦神話」を刑事司法から一掃するため、関係機関の教育研修の徹底など取組強化と法改正を同時にすすめる必要があります。
 法制審議会刑事法部会が1907年制定後初めての性的自由に関する規定見直しに向け、刑法改正の要綱案をまとめました。強姦罪・強姦致死傷罪の法定刑の下限引き上げ、強姦罪・強制わいせつ罪を非親告罪とする、18歳未満の子どもを監護権のある者が影響力を利用してわいせつな行為や性交などをした場合は強姦罪・強制わいせつ罪と同様に処罰できる規定の新設等を内容としています。現在のあまりに軽すぎる性犯罪の量刑などについて適正化をはかるものです。
 日本共産党は、こうした改正の方向を支持し早期の改正をもとめるとともに、今後も引き続き、諸外国の先進事例や国連各機関からの勧告にもとづく、国際水準に見合った刑法改正が不可欠と考えます。
 配偶者間強姦規定、暴行脅迫要件の緩和・撤廃、いわゆる性交同意年齢の引き上げ、被害者が年少者である場合の公訴時効廃止・停止についても早期の見直しが必要です。
 地位・関係性を利用した性的行為に関する規定も、教師と生徒、雇用関係、障害者施設職員と入所者、医師と患者、スポーツコーチ、協会役員と選手など加重規定を設けるべきです。性的自己決定権を保障する刑法改正と特別法の議論を推進します。 
 性暴力の根底には性差別があります。根絶に向けては、何よりも一人ひとりが自己に内面化された性差別意識(ジェンダー不平等)を自覚し、乗り越えていく努力が必要です。
 そのために若年層への教育はもとより、あらゆる年齢層の人々への啓発も重要です。加害者教育の取組にも力を注ぎます。

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