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地域医療構想  「本県の実情反映していない」「削減の目標ではない」と県当局

 政府が都道府県に策定を義務づけている「地域医療構想」は、社会保障切捨ての一環として、ベッドの大幅削減により医療費抑制を目的にしたもの、としてその危険性を繰り返し取り上げてきた。
 6月議会では、高知県の特徴である「高齢化が進んだ中山間地域を抱え、独居高齢者が多く、家庭の介護力が脆弱であることから、長期療養の入院ニーズが高い」という実情に見合った構想となるよう求め、県の姿勢として「患者さんや利用者にふさわしいサービスが提供できる受け皿を確保する」「行き場のない入院患者を出さない」ことを前提として、「住み慣れた地域で療養が可能な体制を構築するよう、今後の地域医療構想の策定に反映し
ていきたい」と答弁を引き出してきた。
 
 作成された「構想」案について、9月県議会で質問では「本県の実情反映していない」「削減の目標ではない」との答弁があった。以下はそのスケッチ。

 
 出来上がった「構想」では、必要病床数の計算方法が厚生省令にもとづいた全国共通、全国平均をもとにした数字であることを明らかにし、知事が提案説明でも「算式に基づく必要病床数は、現状からの削減目標とするものではない」と述べていることも踏まえ、「高知県の特徴を反映していない数字である」と、認識をただした。

健康政策部長も「本県の実情を反映しにくいもの」と問題点を認め、「削減目標ではない」こと、構想では、最も移行がすすんだ場合の病床数とし、「必要病床数」に「以上」をつけて対応していると説明。

 しかし、国は高度救急病床の半減をはじめ40万床の削減を「見通し」としてもっており、今後、補助金や報酬改定による誘導で、削減を進めることが予想され、国の社会保障切捨て政策と正面から対決していくことが重要となっている。

★17年度末の療養病床廃止  知事「十分な移行期間、低所得者対策が必要」

 18年度末の療養病床の廃止の期限が迫る中、それにかわる新類型といわれる施設の具体的内容、また負担増になる懸念もあり、医療・介護難民をつくらないために、県としてどう対応するのか、と認識をただした。

 知事は、まず地域医療構想については、「患者さんや利用者のQOLの向上にふさわしい長期療養の受け皿を確保し、住み慣れた地域で安心して療養ができるようにしていくことが何より重要」との基本的立場を述べるとともに、新類型の制度設計が定まっておらず、具体的な検討ができない状況となっており、「各医療機関が円滑に転換を進めていくためには、 十分な移行期間の中で現在の施設・設備を活用しながら転換整備ができるよう、一定の経過措置が必要」と、課題意識を提示し、さらに「新たなサービス提供類型においても低所得者対策が必要」であると答弁。
 また、県としても、基金を活用し、しっかり支援していくこと、国に対して財源確保など提言していく、と答弁。

★国が療養病床の転換に経過措置、生活支援の全額自己負担の見送り ~ 県議会の論戦で貢献

 行き場のない人を多数生み出しかねない「療養病床の廃止」、サービス利用を制限し、重症化をもたらす生活援助、手すり設置などの住宅改修と車椅子などのレンタルを全自己負担化――政府が狙っていた改悪案は利用者、医療・介護や自治体関係者からの強い批判、懸念の声によって、療養病床廃止は、親類型への転換に18年度から3年間の経過措置をとりこと、生活援助などの全額自己負担は見送りとなった。

 党県議団も、繰り返し問題を指摘し、国に対して声をあげよ、と論戦を展開し、改悪ストップに貢献できたのではないかと思う。

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