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南スーダンで活動する日本人NGOスタッフの警告 ~自衛隊PKO

HARBOR BUSINESS Onlineによる「日本国際ボランティアセンター」(JVC)スーダン事務所現地代表の今井高樹さんへのインタビュー記事2本。
 安倍政権の説明がいかにデタラメかよくわかる。政府と反政府軍とそれを支援する双方の武装組織が入り乱れて戦闘をしており、住民にしっても誰が敵で誰が見方かも区別がつかない。戦車や軍用ヘリが日常的に戦闘行為を行っている状況。と告発している。そして真に日本が貢献できる分野の議論を呼びかけている。
先日紹介したが、紛争を終わらせるために、汚職にまみれ、戦争で儲けている勢力を封じ込める「武力」以外の貢献がもっとも求められている。
【南スーダン現地の支援関係者は、PKOの「駈け付け警護」に誰も期待していない!? 10/9】
【南スーダンに入った日本人NGOスタッフが警告「自衛隊はいつ戦闘に巻き込まれるかわからない」10/6】

【南スーダン現地の支援関係者は、PKOの「駈け付け警護」に誰も期待していない!? 10/9】

 南スーダンにPKO(国連平和維持活動)として派遣されている陸上自衛隊に、今年11月には「駆け付け警護」任務が付与される見通しだ。政府は任務を付与するかどうかの最終結論を10月中に出す見込みだが、なかなか詳しい現地の状況は伝わってこない。

 そこで、9月に南スーダンの首都ジュバに入り、避難民への支援活動を行った国際NGO、「日本国際ボランティアセンター」(JVC)スーダン事務所現地代表の今井高樹さんに話を聞いた。7月の戦闘激化以降、南スーダンに入った日本人は、自衛隊と政府関係者を除けば今井さんくらいだろう。

◆街中での写真撮影禁止、報道関係者専用の収容所まで

「南スーダンは2013年の内戦勃発以降、継続的に戦闘が発生しています。しかし、その状況は国外にほとんど伝えられていません」と今井さんは語る。

「南スーダン政府は海外に国内の状況を知られることを極度に嫌い、報道関係者に対する弾圧を行っています。戦闘行為を伝えようとする報道関係者は、政府により拘束・投獄されることが常態化。報道関係者を収容するための専用の収容所まであるそうです。

 また、外国人が街中で写真を撮ることさえ禁止されています。市民が密告することもあり、外国人が捕まることも日常茶飯事です」

◆自衛隊の存在自体も知られていない

 日本が「駆け付け警護」を行うということは、現地では伝えられているのだろうか。

「自衛隊の存在自体、南スーダンではあまり知られていません。『国連PKOの一部』くらいの認識しかないでしょう。もちろん自衛隊がPKO5原則を持っていることや、憲法上の制約があることなども、現地では全く認識されていません。

 2013年の内戦勃発以降、戦闘を止められてこなかったPKO部隊に対して、国民はほとんど何も期待していません。戦闘発生時の避難場所としては頼りにされていますが。南スーダン政府は『避難民の中に反政府派がまぎれ込んでいる』と考えているため、避難民に対しても敵対的です。

 そもそも、南スーダン政府自体がPKOを快く思っていないようです。外交の公式な場では政府がPKOや国連を批判することは控えていますが、政府の高官はたびたび『PKOは主権の侵害。出ていってほしい』と発言しています」

◆現地の支援関係者たちは、PKOより民間警備会社を信頼

 実際、現地で活動する支援関係者はPKOに「駆け付け警護」をしてもらっているのだろうか。

「現地のNGO関係者の間では『安全確保ではPKOに期待できない』という意見が一般的です。7月の戦闘の際、外国人が多く泊まっている首都ジュバのホテルが政府軍の兵士に襲撃されました。南スーダン人のNGO関係者が殺害され、外国人は長時間拘束されたうえに何人かの女性はレイプされ、国際問題に発展しました。

 その際、宿泊客は駐在しているPKOに対して救助を要請しました。しかし、PKO側は検討をしたうえで、出動を拒否しました。そういったこともあって、現地の支援関係者はPKOには期待せず、民間警備会社と契約をして身を守っています。

 後にこの襲撃は南スーダン政府軍兵士が行ったということを南スーダン政府が認め、国連の要請によって調査を行っています。もちろんPKOは何も手を出せないでしょう」

◆武力行使以外で日本が貢献できる分野の議論も必要

「南スーダンでは、政府軍と反政府軍のそれぞれに同調する民兵が入り乱れている状況。PKO部隊が南スーダン政府の検問所で停められることもよくあります。もし駆け付け警護で出動して、政府側の民兵とことを構えれば、南スーダン軍とPKOが戦闘状態に入ってしまう可能性すらあります。

 日本政府は駆け付け警護に際して『相手国の同意を得る』と言っていますが、それはどう考えても不可能です。自衛隊が自国民を守るためにPKOの指揮を離れて独自に救助活動することが現実的とも思えません。駆け付け警護はそもそも前提がおかしいのです。

 現地の状況を知りもしないで行われている、架空の議論に疑問を感じます。私のように現地生活が長くなると、いったい現地の人々にとってはどうなのだろう……と考えてしまいます。こうしている間にも、現地では毎日数え切れないほどの弾薬が使われ、多くの命が失われています。

 日本では、自衛隊がどうするかということばかり議論されています。『武力の行使』以外の分野では、どのような形で内戦・紛争解決に貢献できるのかといったことも議論するべきでしょう」

【南スーダンに入った日本人NGOスタッフが警告「自衛隊はいつ戦闘に巻き込まれるかわからない」10/6】

◆避難民支援のため、丸腰で南スーダンに入った日本人NGOスタッフ

 昨年の安保法制で成立した「駆け付け警護」の任務が11月、PKO(国連平和維持部隊)として南スーダン派遣中の自衛隊に付与される見込みだ。日本では憲法との兼ね合いから賛成派と反対派が激しくぶつかっているが、南スーダンの現状そのものは日本に伝わってきていない。

 そこで、南スーダン現地で避難民への支援活動を行っている「日本国際ボランティアセンター」(JVC)スーダン事務所代表の今井さんは9月、南スーダンに入り、避難民の支援を実施したばかり。7月の戦闘激化以降、南スーダンに入った日本人は、自衛隊と政府関係者を除けば今井さんくらいだろう。

◆村人を次々に撃ち殺し、遺体を家に投げ込み、火を放ち……

 今井さんは現地の状況をこう語る。

「南スーダンは2011年に誕生した世界で一番新しい国です。2013年12月に内戦が勃発。昨年の8月に和平合意に達し、統一政府ができました。しかし今年7月には首都ジュバを中心に再度内戦状態に突入。現在では戦場は南部に移りつつありますが、250万人もの人々が国内外で避難民になる事態となっています。

 私が支援を行った首都のジュバはだいぶ平穏を取り戻しつつありますが、首都を一歩出ればひどい状況です。日常的に戦闘行為が行われています」

 今井さんは、ジュバ郊外の教会に避難している母親たちからこんな話を聞いたという。

「ある日突然、武器を持った連中が村に攻めてきました。村人を次々に撃ち殺し、遺体を切り刻んで家に投げ込み、火を放ちました。私は子どもたちと倉庫に隠れ、隙をみて必死に逃げてきました。誰が攻撃してきたのかも、何の目的かすらもわかりません」

「私たちは生きているだけまだ幸運です。村では、子どもたちがまるで“食用の鶏”のように次々と殺されています」

◆自衛隊活動予定地では銃撃や暴行、国連関係車両への妨害等が頻発

「現在南スーダンで行われている戦闘は、単なる政府軍VS反政府軍というものではないんです。政府軍以外の兵士は軍服を着ていません。そして政府側・反政府側のどちらにも、武装勢力の民兵が戦闘に参加しています。
 一般の人々は誰と誰が戦っていて、自分たちが何のために攻撃を受けているのかもわからない状況です」

 そんな苛烈な状況の南スーダンに派遣されている自衛隊は、大丈夫なのだろうか!?

「日本政府は南スーダンで『紛争は発生していない』と話しています。起きているのは、あくまで『発砲事案』であると。日本の自衛隊派遣にはPKO5原則というものがあり、戦闘当事者の間で停戦合意が行われていることが条件となっているので、そのような言い方をしているのでしょう。

 しかし、戦車や軍用ヘリが日常的に戦闘行為を行っている状況が、どうして『紛争』ではないのでしょうか。また、自衛隊は憲法9条のからみから他国軍とは交戦できないことになっています。しかし、戦闘しているのが誰かもわからないところで、どうやって『軍』と『軍以外』を分けるのでしょうか。

 自衛隊の活動現場になるであろうジュバのPKO司令部は、避難民保護施設に隣接しています。その周辺では銃撃、兵士による住民・避難民への暴行、国連関係車両への妨害行為が頻発しています。いつ戦闘が発生し、それに巻き込まれてもおかしくないでしょう」

◆自衛隊PKOだけでなく、南スーダンの現状にも目を

 南スーダンではJVCを含め、多数の団体が支援を実施しようとしているが、避難民は一向に減る気配がない。

「あまりにも避難民の数が多いため、対応しきれていないんです。加えて国連の食料倉庫が襲撃されたり、支援物資を運んでいるトラックが攻撃されたりといった状況です。南スーダン政府も国連やPKOを敵視している節があり、『外国人だから』といっしょくたにしてNGOのトラックでも検問を通さないことがあります。

 日本では自衛隊PKOの問題だけで、南スーダンのことが語られていますが、そこでは多くの人が殺され傷ついている。そのことにも目を向けてほしいです」


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