療養病床廃止 患者・家族ら9割が「反対」
東京都慢性期医療協会が10月3日に発表した緊急アンケートの結果。
介護療養病床・医療療養病床(25:1)が、2018年3月末で廃止〔住を重視した新類型2種が検討中だが、詳細はさだまっていない〕される予定であることから、利用者・家族の声を反映させるために実施されたもの。
「療養病床での入院が続けられなくなった場合、現状の病態で自宅療養することは可能ですか。」には88㌫が「不可能」、廃止に「反対」が91%。
【介護療養病床・医療療養病床(25:1)に関するアンケート調査報告書】
■ 総括 平成30 年3 月末で療養病床の一部が廃止されることについては、79%(497人/629人)の患者様が「知らない」と回答し、また実に91%(544人/601人)の方が「廃止に反対」と考えていることが分かった。 現在の病態で退院して「自宅療養が不可能」だとした方の割合は9 割近くに達した。その理由としては、「容態の急変時に対応できない」「自宅療養に必要な整備や用具が整っていない」「独居、または日中に介護出来る家族が不在」といった回答が多かった。 自由記載でもたくさんの方から意見をいただき、国の政策を疑問視する声や、自宅療養になったときの大きな不安等を聞くことができた。当協会としては、こうした患者様やご家族の声を国政に届けるとともに、引き続き介護療養病床のあり方について真剣に議論していく必要があると考える。
■自由記載では、160名以上の方から回答が寄せられている。その1部より●高齢化社会の到来が本格化する現状から鑑みて従来に増して、一般・長期療養にかかわらず病床への需要は必然的に増加傾向にあると思われます。
医療費の抑制を目的にした強引な病床の削減は時代のニーズに逆行する政策ではないでしょうか。
一般病床から退院、転院を余儀なくされている患者や家族にとって、療養病床の存在は“命の綱”であり、“望みの綱”となっております。その社会的役割、機能を十二分に果たしていると確信しております。
患者の病状・症状あるいは家庭の事情により、自宅で看護、介護できないケースも種々あります。老老介護の問題、介護離職の問題等々から、様々な社会問題も発生し、悲劇も起こっております。人間らしく安全に安心して生活が送れるかが重要で、その受け皿、拠所として療養病院はなくてはならない存在と考えております。
療養病床の廃止、削減には絶対反対します。●私と妹も父のお見舞いに行くのですが、少し体を移動させるのも大変で、看護師さんや介護師の皆さんには本当に感謝の気持ちです。
国は寝たきりになっている患者の介護がいかに大変なものなのか全く理解していないと思います。
あまり必要と思われない道路や建物の方に多額の税金を使い、国民が本当に必要としているところに税金が使われていないと感じるのは私だけではないでしょう。●年々入院病床の数が増加していると想定されている現状にも関らず、廃止に持っていくなんて、全くを持って反対です。そういう事をすれば、介護にあたらざるを得なくなり、職を失う人々も沢山出ると思います。国も落ち込むだけでなく、子供がいる家庭等は食べていけなくなったりして、国の経済支援を逆に受け介護費も同様になると思います。
国民全員が介護費をきちんと用意しているとは限らず、その家族全体も国のお世話になってしまうと思うので、決して良い政策と思いません。考え直して欲しいです。
« ノーベル賞・大隅氏 「次世代を育てる環境にない」と警鐘 | Main | 南スーダン:戦争で儲けさせてはならない The Sentry報告書を映像で紹介 »
「医療・介護」カテゴリの記事
- 悪徳業者の手口!「脅し」でマイナ保険証の押し付け /正確な情報で対抗を(2024.05.10)
- 地消地産、医療介護福祉 産業政策で党県議団の提案生きる(2024.05.09)
- 国保料水準の統一にむけた条例改定 「手続き的にも内容的にも県民不在」と反対討論(2023.12.28)
- 高知県・国保料水準の統一 県のレクチャーでわかったこと(2023.08.31)
- 2023年8月地方議員学習交流会・資料(2023.08.15)
« ノーベル賞・大隅氏 「次世代を育てる環境にない」と警鐘 | Main | 南スーダン:戦争で儲けさせてはならない The Sentry報告書を映像で紹介 »
Comments