水素水の効能「検証」?に税金投入 須崎市
須崎市が日本トリムからの依頼で、水素水の効能実験に協力する予算を計上している。800万円で市負担分は400万円とのこと。希望者500名に企業が3年間、機器を無料で提供し、継続してデータをとり、高知大学も加わり、健康増進の効果を検証するというもの。
しかし、国立健康栄養研究所は「有効的に信頼できるデータは見当たらない」というものである。企業のデータあつめであり、健康増進とはまったく無関係である。市税をつかうものではない。活性酸素の抑制なら、新鮮な野菜を食べ、ストレス減の生活、禁煙など、健康増進のために税金を使えばよい。
同市は、以前にも地震学会も「不可能」とする地震予知の研究に補助金を出している。
エセ科学の類に、につられるべきではない。
【水素水、水素サプリ、水素ガス吸入について 国立健康栄養研究所 質問板 回答2016.2.25】
【有効性に信頼できる十分なデータが見当たらない」 国立健康・栄養研究所が見解 産経6/17】
【日本医科大の太田成男教授の主張には明らかな誤認がある 公益財団法人食の安全・安心財団理事長・唐木英明(東大名誉教授) 16/5/31】
【水素水、水素サプリ、水素ガス吸入について 国立健康栄養研究所 質問板 回答2016.2.25】・水素ガス吸入や水素水摂取の効果が、動物実験だけでなくヒトの試験において検討されています。従って、水素は体内に取り込まれていると考えられます。
・水素は体内で産生される活性酸素を低下させ、酸化ストレスが関連する疾患に効果があるとの考えで研究が行われています。ただし、まだまだ研究途上と言える段階です。ヒトの試験でも、報告されている内容は治療目的で、病気でない人が水素水を飲んで効果があるという報告は見当たりません。また、どれだけの水素を含む水を飲んだとき、体内にどれだけの量の水素が吸収され、それが最終的に何に影響しているかという、定量的なことがわかっていないようです。食物繊維を摂取すると大腸での発酵によって水素が発生し、それが呼気中に排泄されます。その体内で発生する水素の量が、水素水を飲んだときに取り込まれる量と、どれだけ違うのかなども良くわかりません。
・水素を吸入することと、水素を含む水を飲むことによって生じる効果の違いは、文献を検索する限り、まだ良くわかっていないと考えられます。
水素水に限ったことではありませんが、私たちが摂取した物の影響は、摂取する人、摂取する物(例えば、水素水中の水素濃度、その他の水素水に含まれている成分)、摂取する量と期間の影響を受けます。この点に留意して、情報を見聞きされると、拡大解釈することはないと思います。
【有効性に信頼できる十分なデータが見当たらない」 国立健康・栄養研究所が見解 産経6/17】国立健康・栄養研究所が、サイト内の「健康食品」の素材情報データベースに「水素水」を新たに付け加え、人への有効性について「信頼できるデータがない」と記述していることが分かった。同研究所は、栄養と健康についての調査研究を行う国立研究開発法人。水素水をめぐっては、5月に産経ニュースが記事を配信するなど各メディアで水素水が「効くのか、効かないのか」の論争が繰り広げられている。
これまで水素水には決まった定義がなかったが、データベースでは水素水を「水素分子(水素ガス)の濃度を高めた水」と定義。水素水の調整法として、(1)加圧下で水素ガスを水に充填(2)水の化学反応で水素分子を発生(3)電気分解で陰極側に発生した水素分子が豊富な水を利用-の3つを挙げた。このうち(3)の電気分解によって調整された水について、「還元水素水、アルカリイオン水、電解水素水などと呼称されることがある」と指摘している。
産経ニュースの記事は、健康ブームで話題の水素水には(3)の方法で作られているものが多いとし、「以前は『アルカリイオン水』と呼ばれることが多かったが、今は『水素水』といわれている」ことを報じたものだ。水素水にはまた、活性水素水や電解還元水と呼ばれるものがあることも指摘した。
この産経ニュースの記事に対して、日本医科大学の太田成男教授から「水素水と活性水素水(電解還元水)は、全く別物であるにもかかわらず、混同している」とする反論文が寄せられていた。
また、健康食品として市販される水素水にがん予防やダイエット効果などを期待する人もいるが、データベースの総合評価では、「ヒトに対する有効性については信頼できる十分なデータが見当たらない」とし、現時点での有効性を否定した。
さらに、「水素分子(水素ガス)は腸内細菌によって体内でも産生されており、その産生量は食物繊維などの摂取によって高まるとの報告もある」などの記述もある。
【日本医科大の太田成男教授の主張には明らかな誤認がある 公益財団法人食の安全・安心財団理事長・唐木英明(東大名誉教授) 16/5/31】産経ニュースが報じた記事「美容、ダイエットと何かと話題の『水素水』 実はかつてブームを巻き起こした『あの水』と同じだった」(平沢裕子記者)に関し、日本医科大の太田成男教授が「正しい水素医学と水素産業の理解のために あの産經新聞の記事には、明らかな誤認がある!」と題する反論文を寄せた。この太田氏の反論文に対して、平沢記者の記事中でコメントを紹介した公益財団法人食の安全・安心財団理事長で東京大名誉教授の唐木英明氏が反論文を寄せた。詳細は以下の通り。
●日本医科大の太田成男教授の主張には明らかな誤認がある!
公益財団法人食の安全・安心財団理事長、東京大学名誉教授 唐木英明産経ニュースが『健康神話を検証する・美容、ダイエットと何かと話題の「水素水」実はかつてブームを巻き起こした「あの水」と同じだった…』という記事を掲載し、健康食品として販売されている水素水をニセ科学と批判した。人気の水素水商品に警鐘を鳴らす記事であり、私はその内容に賛同し、コメントも寄せた。
ところが、水素水の研究者である太田成男氏が「水素水は正当な科学」と主張し、「あの産經新聞の記事には、明らかな誤認がある!」と批判する意見を掲載した。しかし、この太田氏の批判は筋違いである。それは「水素水は科学か、ニセ科学か」という問いは成り立たず、「使い方でどちらにもなる」という国の規制をご存じないからである。
最初に、水素水による治療研究については、まだ研究途上ではあるが、いくつかの病気の治療に有効である可能性が認められている。消化管内の水素水から水素がどのように血中に入り、標的細胞に達するのか、水素の作用は活性酸素消去と関係があるのかなど明らかにすべき課題は多いが、研究自体はまじめな科学であり、私自身、水素水による治療研究をニセ科学と考えたことはない。
他方、産経ニュースが取り上げたのは、「健康食品としての水素水」である。健康食品を使うのは病人ではなく健康な成人であり、その目的は病気の治療ではなく、健康の維持・増進である。だから、健康食品の機能を表示するためには「健康な成人での臨床試験」が必要である。間違ってはいけないのは、病人を使った治療の研究を健康食品の健康維持機能の根拠にすることが認められていない点である。もし科学的根拠が得られれば、その製品は特定保健用食品(トクホ)あるいは機能性表示食品として、その健康維持機能を合法的に表示することができる。これが国による「食薬区分」の規制である。
それでは、水素水が健康食品としての効能を示すことを示した「健康な成人での臨床試験」はあるのだろうか? 現在のところ、予備的な研究はあるものの、健康食品としての効能を示すような確実な研究結果はない。だから、トクホあるいは機能性表示食品としての水素水は存在しない。科学的根拠なしに効能があるような宣伝を行えばこれは明らかなニセ科学であるだけでなく、処罰の対象になる。これが水素水ビジネスの実態であることを伝えたのが、産経ニュースである。
太田氏は「健康食品としての水素水」の議論に「病人の治療に有効」という主張を持ち込むという誤りを犯した。治療効果を標榜すればその健康食品は直ちに法律違反になる。これは水素水も活性水素水(電解還元水)も同じであり、医薬品と健康食品に対する規制を知っていれば、このような誤りは起こり得ない。「知らないのに知ったかぶりして、間違った情報を発信するのは科学的でない」。これらは私が太田氏から頂いた批判だが、そのまま太田氏にお返しする。
最後に、「治療のための研究は科学」と述べたが、これはまだ発展途上にある。にもかかわらず、市販の水素水商品を素人判断で飲んでも治療効果があるといった誤解を広げる一部の水素水ビジネスは、病人が正当な治療を受ける機会を失わせる可能性もある危険な行為である。太田氏は水素産業の育成に力を注ぎたいと述べているが、このような無効有害ともいうべき水素水ビジネスの排除にも力を注ぐことを願っている。
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