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風、波対策に国際カヌー連盟が「効果なし」・・・海の森水上競技場計画の重大な問題点

 小池都知事のオリンピック3施設の見直しについて、森・組織委員会会長は「IOCの理事会、総会でも決まっており、日本側からひっくり返すことは極めて難しい」と語っているが、風、波の影響のある海上で行うのは異例であり、その対策も、国際カヌー連盟から「効果がない」「対策にならない」とダメだしされている。競技者や競技団体がノーという会場にこだわる組織委員会… 真の目的は税金、利権の分配なのだろう。

他に使える施設もあるのである。共産党都議団の提言がすっきりしている。
【海の森水上競技場計画の重大な問題点 ―仮設での彩湖利用の提案― 9/26 】

【海の森水上競技場計画の重大な問題点 ―仮設での彩湖利用の提案― 】

2016年9月26日
日本共産党東京都議会議員団

膨張するオリンピック経費の縮減・適正化をはかるうえで、組織委員会経費の見直しとともに、何よりもまず東京都が責任を負う都立競技施設の見直しは緊急の課題です。
小池知事は、オリンピック・パラリンピック調査チームで、競技施設の場所、規模、予算等の妥当性や変更の可能性を調査するとしていますが、具体的にどう対応するかが問われています。
日本共産党都議団は8月30日「五輪費用の削減と透明化にむけた提言」を知事に提出しましたが、ボート・カヌー関係者や都民からも見直しの声があがっている海の森水上競技場計画について、全面的な検討が急がれています。

そこであらためて、海の森水上競技場計画の重大な問題点を指摘するとともに、なぜ彩湖(埼玉県戸田市)を仮設施設として利用することがふさわしいのか、日本共産党都議団としてのこれまでの調査を踏まえ以下提案します。 問題点1 水上競技場としては最悪の立地 491億円を投入しても公平で安全なレース環境の保証はない競技場は、水位を保ち波浪を抑えるためにコースの東西の軟弱地盤の上に強固な締切提を設置し、かつ水質悪化を防止するために巨大な揚排水ポンプ2基を設置することになりました。(資料4)
整備費が、立候補ファイル時の69億円から491億円へと7倍に膨らんだのは、計画地がボート・カヌー水上競技場としては最悪な場所であるにもかかわらず、「ここでやるしかない」と、都が現計画地に固執した結果です。

○それでも公平で安全なレースの保証はない
こうして491億円も投入しても、公平で安全なレースの保証はありません。
風対策では、コース南側に沿って部分的に防風木を設けるとしていますが、防風効果は、コース全体の4分の1にしか及ばないと、都は都議会答弁で認めています。(資料5)
波対策では、コースの護岸が垂直のコンクリート構造のために波の跳ね返りは避けられません。消波装置を設置するとのことですが、それで解決するものではありません。

○風、波対策について国際カヌー連盟の同意が得られていない
日本共産党都議団は9月23日に国際カヌー連盟トゥルーソン事務局長に電話で問合せをしました。同氏は、風対策について「一部だけ木を植えても効果がない」、風対策について「同意していない」。波対策についても、都の提案する消波装置は「壁への波の対策にはならない」と語りました。(資料6)

また、海底が軟弱地盤で固い支持層が深いにもかかわらず、締め切り提を支える杭は支持層にとどかない設計になっています。堤の上部は道路として競技車輌などを通行させる予定であり、構造の安全性が問われます。

問題点2 高額な維持管理費で大会後も都民負担の危険
――いまだに収支計画を示せず

○ 五輪後の利用では、艇庫をおいて常時練習するボート部の見通しなし
都は五輪後には年間30回の大会が見込めるとしていますが、海の森水上競技場に艇庫をもうけ恒常的な練習場として利用する意向を表明しているボート・カヌークラブはなく、利用の見込みは不透明です。
五輪後の利用計画の見通しが不明確なまま、建設を強行することは許されません。

○水門、ポンプの稼働で電気代、人件費など莫大な維持管理費が
現計画では、水質維持のためのポンプ2機の稼働などの電気代や艇庫や宿泊施設管理、水門管理のための人件費など日常的な維持管理が膨れることは必至です。例えば競技場内の水の2割を入れ替えるには、2機のポンプを22時間稼働させなければなりません。

○いまだに五輪後の維持管理費、収支計画は示せず
都はいまだに、五輪後の施設の維持管理費及び収支計画を示すことができません。維持管理費の負担を押しつけられるのは都民です。都立競技施設は、ふさわしい利用見込みや収支計画を示せない場合には、整備を強行すべきではありません。

問題点3 入札は1グループのみ、落札率が99・999%
――「出来レースの疑い」が濃厚

海の森水上競技場整備工事(設計・施工一括発注)の入札は、今年1月に行われ、大成・東洋・水ing・日立造船異業種特定建設共同企業体が落札しました。入札は1グループのみでした。しかも落札率は99・999%という異常な結果でした。
都は、技術提案と工事価格を総合評価し、評価値の最も高い者を決定したと説明していますが、大成グループは入札額が予定価格よりわずか31万円安いだけでした。しかも技術点は60満点にたいし36点しか評価されませんでした。それでも1社入札であるために大成グループが落札するという結果は、到底公正な決定とはいえません。(資料7)
公正取引委員会も、「不自然な入札結果」として、「1者入札や同業者による長期継続受注、落札率100%案件」をあげており、この基準に照らしても明らかに「不自然な入札」です。識者から「官製談合の疑い」「出来レースの疑惑」との声があがるのも当然であり、このまま契約を執行すべきではありません。
知事として、談合の有無も含め、入札の経過を全面的に調査すべきです。

提案 彩湖の仮設競技場としての利用を早急に調査検討すること

アスリートにより良いレース環境を保障し、かつ整備費を大幅縮減するために、以下の理由から彩湖に仮設競技場を整備しボート、カヌー会場とすることを提案します。知事として早急に現地視察を含め調査、検討することを求めます。

① ボートやカヌークラブ、競技選手からも彩湖は静穏な環境にあり、傾斜護岸で波の跳ね返りもなく、レースに最適だとの声があがっています。都との協議の中でも国内外の競技団体からも「彩湖を見ていただいたがあれがフラットウオーター」(日本カヌー連盟)、「彩湖もすばらしいが、我々は十分な情報をもっていない」(国際ボート連盟)、などの発言があがりました(資料8)。

② 彩湖の湖面を最大限活用してコースをとり、競技施設を仮設とすれば、海の森水上競技場より大幅に整備費を縮減できます。埼玉県ボート協会は、整備費は50億円と試算しています。

③ 彩湖は荒川の調節池ですが、日本共産党都議団が訪問し利用の可能性について質問したのにたいし、国土交通省荒川上流河川事務所の責任者は、利用者などの合意ができれば可能だと回答しています。また、戸田市長は彩湖での競技を要望してきました。政府が開催国として協力するなら、彩湖利用は可能です。

以上

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