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オプジーボ国内価格 英の5倍、米の2.5倍 高薬価の是正を 保団連

 1人当たり年間数千万円にも上る「高額薬剤」。医療保険財政への過度の負担になっている。
保団連が11年に実施した「薬価の国際比較調査」では、日本の薬価は英仏の2倍、独の1.3倍。最近の調査では、「オプジーボ」の薬価は英国に比べて日本は約5倍に上っており、日本の医薬品産業は、他の製造業に比べて異常に高い収益率を享受する要因ともなっている。
薬価は、厚労省の薬価算定組織が原案を検討するのだが、審議は非公開で、議事録も作成されない。
「医療費増大」を喧伝するなら、ここにこそメスをいれるべきである。
【高すぎる日本の薬、薬価の決め方 透明化を―三浦清春 保団連副会長・政策部長に聞く―保険医新聞9/5】

【オプジーボ国内価格 英の5倍、米の2.5倍 ―保団連 高薬価是正を求め記者会見―保険医新聞9/15】

【高すぎる日本の薬、薬価の決め方 透明化を―三浦清春 保団連副会長・政策部長に聞く―保険医新聞9/5】

 いま、1人当たり年間数千万円にも上る「高額薬剤」をめぐって厚労省、中医協などで議論が進んでいる。日本の総医療費の3割を占める薬剤費のあり方が問われる。日本の薬価問題をどう見るか、全国保険医団体連合会の三浦清春副会長・政策部長に聞いた。

◆オプジーボ緊急引き下げを

―いま抗がん剤やC型肝炎治療薬など、桁違いに高い薬価が問題になっています。保団連としてどう考えますか。

 極端に高すぎる薬価は、高額療養費制度を用いても患者の負担は過大となり、医療保険財政にも影響を及ぼします。
 抗がん剤「オプジーボ」は、14年に悪性黒色腫を適応として薬価収載された当初は、対象患者470人と見込まれていました。その後、15年12月に非小細胞肺がんに適応が拡大され、対象者は5万人に拡大しました。年間の1人当たり薬剤費は約3500万円、総額で1兆7500億円に上るともいわれています。今後も適応が拡大されれば、対象者の増加がさらに見込まれるのに、当初薬価が固定されたままというのはどう見ても不合理です。「オプジーボ」の薬価は緊急に引き下げる対応が必要です。

◆英仏の2倍、独の1.3倍

―保団連は以前から日本の高薬価、高薬剤費構造を指摘してきました。

 保団連が11年に実施した「薬価の国際比較調査」では、日本の薬価は英仏の2倍、独の1.3倍に上るという結果でした。最近の保団連の調べでは、「オプジーボ」の薬価は英国に比べて日本は約5倍に上ることがわかっています。わが国の医薬品産業は、他の製造業に比べて異常に高い収益率を享受していることが高薬価の原因になっています。
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 わが国の医療費総額に占める薬剤費の割合(薬剤費比率)は3割に及び、国際的に見ても突出しています。医療費は年々増加していますが、その主要な原因は薬剤費です。高薬価、高薬剤費構造を見直すことは、緊急の重要課題です。
 保団連は11年の調査に基づき、高薬価構造の是正、製薬企業の高収益性の適正化を図ることで、国民皆保険制度拡充のための財源にすべきと提言しています。

◆薬価算定過程の透明化を―審議は非公開 議事録もなし

―高い薬価を生み出す構造を改めるには何が必要でしょう。

 薬価算定の経過を透明化することがまず必要です。わが国の薬価は、厚労省に設置された薬価算定組織が原案を検討し、算定案を策定した上で、中医協総会で了承を得る流れになっています。しかし、薬価算定組織の審議は非公開で、議事録も作成されていません。事後的に薬価算定の妥当性を検証することもできなくなっています。
 また薬価算定に当たり、有用性、画期性、革新性などの言葉を冠した各種の加算がありますが、その「価値評価」の根拠はあいまいです。厚労省の裁量的な判断が介在する余地が極めて大きく、薬価算定が不透明であることの一因といえます。
 今回の高額薬価の問題は、こうした薬価算定制度の矛盾が極端な形で現れていると考えています。

◆国民皆保険を守るために

―政府はこの間、「医療費の高騰を抑えるため」と患者負担の引き上げを進め、今後2025年に向けてさらなる患者負担増と給付削減を計画しています。

 保団連は、政府の進める医療費抑制政策に対して、国民皆保険制度を維持すること、経済力にかかわらず患者・国民に良質な医療を平等に保障することを訴えています。また、社会保障予算が年々削減される中、医院経営もますます厳しくなっています。医療現場では、後発品割合を増やし、多剤投薬を減らすなど、懸命な経営努力を行っています。
 薬価算定過程が不透明で、国際的に見ても高すぎる日本の薬価が、医療保険財政を圧迫し、患者・国民と医療機関の経営にしわ寄せが及んでいます。
 私たちは、国民・患者さんの声を集め、政府、国会に届ける取り組みを進めていくことにしています。

●薬価の国際比較調査に基づく保団連の医療保険財源提案【骨子】
・斬高薬価維持制度である「新薬創出・適応外薬解消等促進加算」(新薬加算)の即時撤廃
・後発品のない先発品薬価の大幅引き下げ
・公正で透明な薬価制度改革の実施


【オプジーボ国内価格 英の5倍、米の2.5倍 ―保団連 高薬価是正を求め記者会見―保険医新聞9/15】

 全国保険医団体連合会は9月6日、厚生労働省内で、抗がん剤オプジーボに関する緊急の薬価引き下げを中心とした薬価制度改善を求める要望について記者会見を行った。当日は全国紙、地方紙やNHK、医療専門誌の20社から21人が参加。記者会見に先立って、塩崎恭久厚生労働大臣宛ての要望書を送付した。
厚労省 10月中にも対応判断
 現在、中央社会保険医療協議会(中医協)において、抗がん剤オプジーボ(一般名:ニボルマブ)などの「高額薬剤」を対象とした薬価引き下げ等に関する緊急対応策が検討されている。
 保団連政策部で、英国で医薬品の技術評価を行うNICE(国立医療技術評価機構)の資料等について分析した結果、オプジーボについて日本の薬価が英国の5倍、米国の2.5倍など国際的にみても非常な高値で算定されていることなどが分かった。
 政策部前事務局小委員の小薮幹夫氏は「途方もなく高い薬価を一刻も早く正常化する必要がある。中医協での議論の基準として参考にしてほしい」と訴えた。
 要望では、国民皆保険制度を維持しつつ、経済力に関わらず患者・国民に良質な医療を平等に保障するためにも、▽オプジーボについては期中改定を行い、英米独仏の実勢価格を踏まえた水準に引き下げること▽現行の新薬を中心とした高薬価制度の是正―が急務としている。
 厚労省は、オプジーボの薬価引き下げも含めた緊急対応の実施の有無について10月中にも判断するとしている。今回のオプジーボを含め新薬の薬価設定の在り方・手続きをめぐり、中医協では、診療側・支払側の委員双方から、抜本的な是正・改革を求める声が相次いでいる。引き続き、保団連では働き掛けを強める。
医療者、患者の共通の思い―住江会長
 住江憲勇会長は、冒頭「緊急にオプジーボの薬価を引き下げるとともに、薬価算定過程を今こそ透明化することを求めたい」と会見の趣旨を説明した。
 保団連は2011年に薬価国際比較調査を発表して以来、日本の高薬価、高薬剤費構造を指摘し、薬価算定方法そのものにメスを入れるべきだと訴えてきた。とりわけ近年のオプジーボを始めとする「高額薬剤」については、薬剤を必要とする患者の重い負担となり、医療保険財政を圧迫する原因になっている。住江会長は「薬価を引き下げることは、医療者、国民・患者共通の思いだ」と強調した。

◆日本と英国で5倍の開き―小薮前事務局小委員

 小薮幹夫・大阪府保険医協会事務局(保団連前政策部事務局小委員)は、オプジーボについて「妥当な薬価が算定されたのか」と提起。英国の高額医薬品の費用対効果評価を行うNICE(国立医療技術評価機構)の資料等の分析から、オプジーボ薬価(100mg/10ml)は日本で約73万円なのに対し、米国約29・8万円、英国約15万円となっていることを指摘した。日本の価格は米国の2.5倍、英国の約5倍。英国での実際の小売価格はさらに引き下がることが想定され、そうなれば10倍の開きに及ぶことも指摘された。
 小薮氏は、「途方もなく高い薬価を一刻も早く正常化する必要がある。中医協での議論の基準として参考にしてほしい」と要望した。

◆背景には薬価制度、算定ルールの矛盾

 小薮氏は桁違いに高い薬価を生み出す背景として、日本の薬価制度、薬価算定ルールの問題点を指摘。「高い薬価で薬価収載されるとその価格が長期にわたり固定化される」として、高薬価構造を下支えする流通の仕組みや、薬価算定ルールの問題点を指摘し、改善を求めた。
 自由価格制度で値付け水準が高い米国でも、市場価格は需給バランスで決まり、当初価格が大幅に引き下がる。ところが、日本では、製薬企業が卸に対して「仕切価格」を設定し、次の薬価改定まで原則として値下げをさせないことで、製薬企業が医療機関納入価を実質的に決定することが可能になる。また、革新的新薬について、後発品が上市されるまでは薬価改定の対象から除外される「新薬創出等加算」により、平均して12年間、新薬の市場実勢価が大幅に下がることはない。

◆薬価算定過程の公開を

 さらに、薬価算定方法そのものについて、小薮氏は「厚労省の担当者の裁量が大きい上、算定の根拠・基準が明らかにされていない。事後的な検証が不可能になっている」と指摘。新薬の薬価は、厚労省の薬価算定組織が原案を検討し、算定案を策定した上で、中医協総会の了承を得ることになるが、薬価算定の根幹部分を議論している薬価算定組織の議事録は非公開となっている。小薮氏は、「議事録が公開されていないことは、その意思決定を検証するための基礎資料がないということ」「現在では閣議決定でさえ議事録が公開されているのに、薬価算定はブラックボックス」と述べ、新薬の薬価算定プロセスの公開を強く要望した。

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