東電、国に追加支援~終わりの見えない事故コスト。最終負担者は国民
東電が政府へ追加支援を要請した。理由について「経営環境が激変したため」とのこと。
当初、除染賠償で、5兆円以内とみていたが、8兆円に変更。それも大幅に超えそうである。大島・立命館大教授は、賠償・除染で13兆6千億円と指摘する。
廃炉費用も2兆円〔平時の積み立て計画〕ではなく「10兆、20兆円の規模」〔吉岡斎・九大名誉教授〕
この費用、結局、国民の税金か電気代で回収することになる。
■状況
・賠償額 5兆4千億円〔13年見込み〕が、今年3月で6兆円超え。各地で訴訟中であり、さらに増大するだろう。
・徐染費用も2兆5千億円では足りない。5兆円以上と見込まれている。
・廃炉費用 東電が用意する2兆円では「桁がたりない。10兆、20兆円の規模が必要」
国はこれまで原陪機構を通じ、当初5兆円、14に9兆円に拡大し支援。現在、東電への貸与金額7兆4600億円で、9兆円には「余裕」があるが、9兆円を突破するのは確実と、東電が判断したことによる。
■負担は国民に
政府は、支援のために廃炉の為の基金をつくり、政府が一時的に立て替える案を検討しているとの報道。
では、この借金をどう返済するか。東電の利益〔電気料金〕からの返済となるが、電力小売自由化で、競争力を維持するために、現在、廃炉費用は、送電線の利用料に上乗せすることが検討されている。原発由来の電気代にもすべて負担させる方式である。
また、原発由来の電気を、市場価格より高ければ税金で支援するイギリスのような対策も検討されている。
原発輸出をするために、国内原発の維持が不可欠。大資本の利益のために、国民を犠牲にする構図である。
もはや債務超過で破綻した会社。事故対策、バックエンド費用を入れればビジネスモデルとして破綻している。
ところで、北朝鮮がノドン発射。移動式のために、まったく対策がとれなかった。こうした兆発行為はゆるされないのは当然だが、原発が攻撃されたら「核攻撃」と同じ事態となる。ノドンは日本全土を射程距離とするうえ、2-300発〔同時発射は50発以下〕、着弾誤差は100数十mから50mであり、大気圏に再突入したあと、秒速3000mで落下する。しかも複数発射され、模擬弾頭の活用されれば、迎撃は不可能に近い。
この「脅威」はまったく無視されている。
これで、また高額なミサイル防衛予算を確保でき、軍需産業は
「脅威」もまた、政府の側で選択されて発信されている。
【北朝鮮ミサイル 破壊措置命令出せず 移動式、察知困難 毎日8/3】
【東電 廃炉などの費用ふくらむ 国に支援求める方針 NHK7/29】東京電力は福島第一原子力発電所の廃炉や汚染水対策などで次々と課題が持ちあがり、かかる費用が想定を大きく超えてふくらむとして、今後、国にも支援を求めていく方針を明らかにしました。
福島第一原発の事故で東京電力は、被災者への賠償と除染で7兆7000億円余りの負担が生じると見込んでいるほか、廃炉の費用として10年間で2兆円を自力で確保することにしています。しかし、賠償や除染の費用はこの先さらに増える可能性があります。
また、汚染水対策ではカギとなる凍土壁で、一部の場所で温度が下がらないなど問題が出ているほか、廃炉作業では溶け落ちた核燃料を取り出す技術が確立されていないといった課題があり、政府関係者の間では廃炉全体の費用は最終的に10兆円を大きく超えるのではないかといった見方もあります。
このため東京電力は今後、国に対して「原子力損害賠償・廃炉等支援機構」による賠償や除染費用の支援を追加で求めるほか、廃炉費用についても新たな支援を要請する方針です。
これについて東京電力の數土文夫会長は28日の記者会見で、「未踏領域の廃炉対応などで経営に多大なインパクトを与える。政府と連携して具体策を進めていきたい」と述べました。
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