都知事選結果と都政対応・雑感
自民党を飛び出し、「東京大改革」を主張し、「孤軍奮闘」した小池氏が圧勝した。待機児童、介護施設不足、オリンピックの肥大化、政治とカネなど、うっ積した不満がヒロインを誕生させた。
選挙戦については、経過の細部もよくわからないし、都民でもないでの触れない。
今後の都政を、どう一歩でも二歩でも前進させていくか…そこに問題意識がある。住民の期待の大きさと、二元代表制という地方政治の特徴を見た対応は、検討に値すると思っている。
国政は最大会派から首相が出る…よって最大会派と首相の立ち位置に齟齬はない。ところが地方政治は違う。「本心は一緒だろ」との見方の一方、独自に住民に支持を得た…特に今回は最大会派と対決して生まれた知事と言う点について、よくよく考えた対応が必要だろう、という感触がある。
たとえば待機児童の解消…質も維持するのが本来・・とかの答弁を引き出して公約実現を迫る。ダイバーシティを強調しているので、育児休暇を取得しやすいように、代替職員への補助や環境づくり、障害者の雇用や政策決定に当事者を参加させること、LGBTへの施策など、公約と住民の声をもとに、前に進ませることも可能ではないか。ダイバーシティは、教育にとっても重要ではないか。
情報公開も強調している。自民党政治、利権政治の闇の部分をえぐりだすチャンスでもある。オリンピックで言えば、電通のコンサルタント料とか・・・踏み込むのか。築地市場で、市場関係者の声を改めて聞くのか・・・。
クールビズを強調しているので、省エネ・脱原発への努力など・・・前向き論戦はいろいろ可能だと思う。
(政策論で対峙し、隠れた真正面化の批判である)
ただし、教育は、日本会議の支援をえており、警戒を要する、と思っている(ただし、部活を社会教育の一環として教員の仕事から切り離すことは、都の財政があれば可能ではないか、など改革の可能性もある)。
これら都政に対する具体的な姿勢、対応がまずもっとも問われると思う。
政治的立場は違うので、対立するのはある意味、簡単。過去の言動の問題もある。
しかし、まずは、都民の期待を背負っている都政への施政をじっくり見極めたうえで、住民の願いをぶつけながら、その一方で住民が納得する形での適切な批判の仕方というのが大事と思う。
それで、ダメ都政だったら、思い切って批判したらよいし、都民の理解も得やすい。変化が出てくれば、都民の利益になる。
橋本大二郎、尾崎正直という保守の知事のもとで、「鍛え」られた私の感想である (しかし、運動側にその合意をつくるのは極めて大きなエネルギーがいるし、どこで線引するか解答書があるわけでもない。いまだ模索中、渦中にある。ある意味覚悟がいるスタンスと思っている)
それでも20年来の努力は、県政の県民目線の努力の側面や、高知県の中で共産党が確固とした地歩をしめていることで、ある程度成果があったのでは…と思っている。
ただし、人口73万、顔の見える関係の高知県と、大都市・首都・東京では枠組みも、政治風土が違うので、あくまで地方から横目で見た個人的感想である。
それと運動側には、一致点を大事にした議論を期待したい。先輩から、日本文化は、「枝葉末節にこだわる」、「坊主憎けりゃ袈裟まで憎い」「話し合いがはたし会いなる」と言う特徴があると、幾度なく聞かされ、なるほど、と思いながらやってきた。
共通点を大事にし、違いを豊かさへの可能性として捉える・・・先輩が元気だったら、どう語っただろうか、と思う。大事な局面にいる、と実感している。
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