混迷する中東情勢の底流を探る メモ
西海敏夫・中東研究者の論考のメモ「経済2016.9」
混乱の激動の中東情勢…様々な要因の複雑な絡み合い、地域を越えたグローバルな問題との連動により、その基本方向を探ることは容易ではないが、その自主的な理解は、日本の前途にとってもいっそう重要になっていると、基本的視角をとりあげたもの。
安保法制の経過をみても、中東の事態を、政府側が様々な「理由付け」に使ってきた。この問題…「よくわからない」では済まされない、という問題意識で、過去にも何度がとりあげてきたが、今回も同様。
【混迷する中東情勢の底流を探る メモ】
■はじめに
・混乱の激動の中東情勢…その底流と基本的方向を探ることは容易ではない/様々な要因の複雑な絡み合い + 地域を越えたグローバルな問題との連動
・中東情勢の自主的な理解は、日本の前途にとっても一層重要~ 本稿は、基本的と思われる視角をとりあげ、構造的な理解が持てるよう解説をこころみたもの/ただし、紙面の関係でパレスチナ問題に触れられず。緊急性・重要性を軽視するものでなく、別の視点から中東の諸問題を記述したもの
■第一節 現状分析の上での主要な枠組みと歴史的位置付け
・各種のテロ、暴力など異常な事態が日常化している地域というイメージが生み出されている
・2015世界平和指数 紛争による死者 過去25年で最高/テロの数、難民数で戦後最大
~テロ事件/シリア、イラク、ナイジェリ、アフガン、パキスタンの5カ国に集中/ さらに危険なのは社会病理現象しての「イスラムフォビア」キャンペーンの展開
★見落としてはならない視角
〔1〕 外国の武力介入とその後遺症が中東の諸問題の契機となっている
・01年末・NATO軍によるアフガン報復戦争、03年・米英によるイラク戦争、11年・リビアへのNATO軍の軍事介入 ~ 既存の政治勢力を打倒、追放したが、問題は拡散した
・アフガン 14年選挙で、新政権発足。が、タリバンとの和平交渉は進展せず、従来の支配地域を越えてたら棚構成に。パキスタンとの国境地域にISも拠点を構築、カブールにも活動拡大/米軍 14年末撤退方針だったが1万人弱を駐留させる政策転換。
・イラク 国家の統一性を脆弱化させ、ISを生み出す条件作りとなった。ブレア元首相も因果関係を否定せず
・リビア 国家の統一性が失われ、ISの第二の拠点化
〔2〕「アラブの春」など民主化の動きが、新たな深刻な試練に直面
・10年末~ チェニジア、エジプトでの専制主義的支配者の追放/ アラブの歴史で画期的な意味を持つ動き
・エジプト 民主化運動の政権構想の不明瞭さ、ムスリム同胞団の政権運営の未熟さと冒険主義。軍事クーデターと政権の国民和解路線の欠如と強権支配の復活強化、観光業の打撃など経済困難
・イエメン 前大統領の辞任、リビア 外部勢力の介入 ~国家の統一性の危機、内戦の展開
・シリア 11年より内戦状態 域内外の諸勢力の介入で国家が分断、国外難民484万人、国内難民660万人、人口の半分以上が難民という人道的危機に直面/ 地中海など難民の事故死・犠牲者1万人強
・民主化運動の歴史的意義はうしなわれず~アラブ世界の指導者は、旧来の統治システムのままでは、政権を維持できない危機感を共有/が、その対応は多様で、民主化のプロセスは極めて複雑
〔3〕WWⅠの戦後処理として構築された領域的枠組みが挑戦をうけている
・イラク 北部クルド地域の自治が定着、事実上独立の動きを強化
・クルド族~イラク、トルコ、イラン、シリアなど2000万人を超え、国家を持たない最大の民族/ ISとのたたかいを通じ、トルコ、シリアでの存在感を増大
・IS イラク・シリアで領域を支配、シリアでは、アルカイダ系「ヌスラ戦線」が存在
・シリア 内戦、国民国家解体の危機
・イスラエル 極右勢力の台頭 ヨルダン川西岸への入植拡大、ガサ封鎖の継続/パレスチナな新たな抵抗運動の波 ~ 中東の矛盾の深刻さと和平の条件が掘り崩される事態
〔4〕宗教主義が国家レベルでも、社会政治的レベルでも高まっている
・「タクフィール主義」~スンナ派とシーア派の相違、スンナ派内部の相違を根拠に相手を排斥し、時には殺害の対象にまでする運動 ~ ISの論理
・ISのイスラム教の名のもとの行動~ 憎悪を拡大し、多様な宗教の共存を破壊。文化遺産の破壊などは、ギリシャ古典など多様な文明を敬称発展させてきたイスラム文面の包容力ある伝統に逆行
→ が、このような考え方は、圧倒的多数のイスラム教徒から拒否されているもの。
・宗派対立の根本的原因は、政治的権力や経済的利害の対立が根底にあることは強調しすぎることはない
・宗教的シンボルを自己の政権の正統性を支えるイデオロギーとして動員している国~ 宗教の運動を支持することと、政権維持に不可欠
・サウジとイランの対立、イエメン、シリア、リビアの内戦/宗教的言辞の背後にある具体的な利害に注目を
~ サウジ東部州の油田地帯 シーア派住民が多く、サウジはイランの影響力拡大を怖れている。OPECにおいても、石油生産割当をめぐり、サウジとイランの対抗関係が原油価格低迷の中で一層顕著に
〔メモ者 サウジなど王政の専制政治をとる湾岸諸国は、パーレビ王朝を打倒したイランの「イスラム革命」の拡大を一貫して警戒している。〕
・宗教シンボルの動員という側面/同時に、宗派間抗争は、開始されると、独自の対抗論理で自動的に拡大する危険な側面が付きまとう
・また、国際的な「暴力化」の背景~ 貧富の差の拡大、中産階級の生活基盤の不安定化と貧困化、社会的地域は相対的に高くても機会の不平等感〔メモ者、自由、民主主義の欠如〕、伝統的な価値観が周辺社会から拒否されているという疎外感 なども無視できない問題
■第二節 社会経済的背景と石油産業
・「アラブの春」の背景… 若年層の失業率の高さ、経済的困窮、将来展望の描きにくさ /産油国と非産油国の格差は大きいが、若年層の失業などは産油国においても深刻になりつつある。
・湾岸の王政産油国(サウジ、UAE、クウェート、カタール)…石油ガス輸出収入を基礎とする膨大な補助金体制で、国民の生活を丸抱え主義をとってきた(メモ者 リビアのカダフィ政権も同様)
/が、石油価格の暴落の影響もあり、長期的に従来のような福祉政策を維持できない、という認識の強まり
・産油国が緊縮政策に転換すると/当事国にとっても大きな影響をもつ/が、出稼ぎ収入や援助金の縮小など、非産油国にも大きな影響
~石油暴落が、ロシア、湾岸産油国を直撃 /サウジ 15年の石油収入23%低下、財政赤字はGDP比15%に達し、外貨準備高は1000億ドル減少。16年4月に25年ぶりに国際金融市場から100億ドル借入(赤字の要因は経済分野だけでなく、対イエメン戦争の戦費も)
・今回の石油価格暴落の背景~ シェール・オイルなど非伝統的化石エネルギー資源の開発/米国シェール革命、日生産量500万バレルに /危機感をもったサウジは従来の政策を転換~ 「減産して価格維持」から「自国のシェア拡大・保持」に転換し、価格低下を傍観
→ 価格低下により、シェール・オイルの開発を抑制しようという挑戦的目標
・サウジの変化/15年1月、サルマン新国王体制発足。王宮庁長官、国防相、経済発展評議会議長を、副皇太子のMBサルマンが兼任、軍事・石油・経済の実権を集中/イエメン内戦への介入、シリア内戦への対応などで、強力な政治的外交軍事的指導権を行使
・MBサルマンは、新自由主義政策の信奉者/ 公共企業の労働者削減、電気・水・住宅のための各種補助金削減、無料であった教育・保険を含む基礎的サービスの民営化などを提唱~ 従来の丸抱え主義と真っ向から対立する政策を打ち出す/現に、15年末にガソリン価格を3分の2引き上げ、
~ 従来の経済政策の継続は難しいという認識が強く出てきたことは注目すべき点
■第三節 いわゆる「イスラム国」の問題
・現時点(7/15) ISは、シリアの半分弱、イラクの1/3を領域的に支配。建国宣言から約2年経過
・地域的国際的圧力のもとでも領域的支配を継続、排他的暴力的支配、戦闘員を世界中からリクルート/支配下にある原油の販売、一部の富裕なシンパからの基金、収奪などによる財源に支えられ、フセイン時代の軍人・官僚層が、軍事・行財政面で協力(排除された不満が主たる動機だが、ともにスンナ派ではある)
・最近では、支配領域の1部を失いつつあるが、早急に崩壊する兆候はなく/別の地域への飛び火的展開を図っている
~ リビアは第二の活動拠点として数千の戦闘員が集結/ エジプトのシナイ半島、イエメン南部、アフガン東部、西アフリカでもISに忠誠を誓うテログループが活動の場を見出している/ 欧州の中心都市で、ISに関連する大規模なテロが発生
・「テロ組織」であるが、領域支配を行っている以上、組織メンバーでない多数の一般住民が住んでおり行政機構的なものが存在、重要な財源である石油販売をめぐって買い手、流通経路を支える利権集団が生まれている
・政治的に極めて複雑かつ微妙な問題… 外部勢力の間で「何がテロ組織か」の合意が存在しない
~宗派対立を重視する勢力(メモ者 サウジ) シーア派勢力に打撃を与えるためにアルカイダ、ISを一時的に利用しないとはいえない。その逆もありうる
(メモ者 また、トルコは、シリア内の反政府勢力であるクルド組織をテロ組織とみなし攻撃しているが、欧米は反アサドとして支援している)
→ 宗派主義にもとづく対立が、「テロ組織」の活動できる余地を拡大しており、テロとの戦いは政治的目的を持つ宗派主義の支配の課題と重なっている
(メモ者 トルコのが伝統的な世俗主義から、イスラム色〔スンナ派〕を強めていることは不安定要素の1つ)
■第4節 「破綻国家」の現状
ISが、活動の場としている「破綻国家」について検討する
〔1〕 リビア
・ISの第二の拠点に。第二のシリアになることが懸念されている。/シリア、イラク、リビアは統治機構が分裂指定流転で「破綻国家」だが、欧米が急速に危機意識を募らせているのがリビア~中東アラブ国だが、北アフリカに位置し、欧州、西アフリカの情勢に与える影響も大きい
・2011年 反政府運動が展開され、米・NATO軍の空爆介入の中でカダフィー政権が崩壊
〔メモ者 堤未果「政府が必ずうそをつく」では、反政府運動自体が外国の傭兵や欧米の情報捜査によるものであり、その背景に、リビアが石油代金の決済についてドル圏からの離脱を構想していたことが指摘されている〕
・中央政府の崩壊後、3地域を基盤とする諸勢力が、相互に抗争する混乱状態/ 600万人の国民は、内戦と貧困、飢餓に直面している。
~ 首都トリポリと東北部のトブルクの間で、選挙結果をめぐり、過去2年間、相互に抗争/この混乱に乗じて2014年以降、過激派が流入。16年には、シリア、西アフリカから「IS」戦闘員の流入が急増。中部スルトを中核に、290㌔の海岸線を拠点とし、数千人の戦闘員が集中
・チュニジアへの越境テロにより、同国は国境線の半分150マイルに土塀を構築/リビアからエジプトへ大規模な武器の流入/ 欧米も介入の準備をすすめており、米軍の無人機攻撃も実施されている
・リビア /シリアと違い、豊富な石油、天然ガス資源があり、英仏伊の関心が強い理由の1つに
・15年12月 国連の仲介で国民合意政権が結成/ 東部ではエジプト、UAEに支援されたハフタル将軍支配下の軍は、国民合意政権を認めていない/が、合意政権が国家的統一にむかう契機となるかどうか、注目されている状況
〔2〕 イエメン内戦と外部の介入
・「アラブの春」の影響で、長期政権が12年に退陣。が、後継政権づくりがうまく行かず国内分裂が深まり、内戦が勃発/それを、スンナ派を支持するサウジと、シーア派を支持するイランの宗派対立をともなった「代理戦争」の様相、国際化することとなった。
・14年9月 「フーシ」と称する武装部族勢力が、首都を制圧、大統領がサウジに亡命
・15年3月、前大統領に忠誠を誓う反政府武装勢力と組んだフーシ派が、大統領派の拠点アデンを脅かすと、国境を接するサウジが、フーシ派の背後には、イランがあるとの危機感を強め、/ スンナ系を中核に30カ国の支持を得ているとイエメンに対する大規模な空爆を実施、一部地上部隊も投入。英米軍は情報提供でサウジを支援
・16年1月 サウジが、アルカイダ系同調者43人と同時にシーア派の宗教指導者がテロを煽動したとして処刑
/イランでは、これに反発したデモ隊がサウジ大使館を衝撃 /サウジは、イラン外交断行の強硬措置。バーレーン、スーダン、コモロがイラン断行に追随
・サウジの過剰と思われる対イラン強硬策の背景には、宗派か異なるからという単純なものではなく、/イランの影響力が国境問題も抱える隣国のイエメンに及ぶことが、自国の体制への大きな脅威となるという認識がある
~ 他方、イランは、対抗上フーシに支持を与え始めているが、サウジの「革命の輸出」論は否定
・サウジのイエメン空爆、クラスター爆弾も使用され、国連を含めた国際社会からも強い批判が出てきている/数千から1万人が死亡し、食料不足で深刻な人道的問題となっている。
・15年夏 サウジ側は、地上戦でアデンからフーシ派を追放/ 大統領派の支配は極めて不安定で、ISに常に脅かされている。ISイエメン支部をなまるグループが首都で爆破事件を起こす /南部では、「アラビア半島のアルカイダ」が、州都を制圧
・一連の動きで注目される点/サウジと密接な政治的経済的関係にあるエジプト、パキスタンが、空爆に呼応する形での地上戦力の派遣要請を拒否し、自主的な判断で安易な武力介入に応じなかったこと。
■第五節 シリア問題の現段階
・和平のための国際的協力が特に求められている懸案
アサド政権の行方/IS、ヌスラ戦線などの今後/アサド政権打倒を最優先させるサウジなど湾岸アラブ諸国/トルコ/欧米諸国/アサド政権支持のイラン、ロシアとの対抗関係/クルド民族の自治、独立問題/パレスチナ問題/さらに、難民問題、米ロ関係全体にかかわる問題も集中した地域問題
・シリアの和平、安定は極めて重要な課題、その中核はシリア国民の利益を最重点においた解決
・2014に形成された対IS有志連合のシリア空爆にかかわらず、情勢は硬直状態がつついてきた。が
・15年9月 ロシアが開始したシリア空爆が、情勢流動化のきっかけに/ アサド政権の苦境を救い、戦局を有利に展開する契機に。IS、ヌスラ戦線への一定の打撃/ そのもとで和平交渉再開にむけた米ロの協調的模索が復活/ 10月、米ロ、サウジ、トルコのイニシアで関係国外相会議開催。イランも参加
・2月 米ロ協調下、政府・反政府勢力の間で停戦合意が発効/当面の大きな成果~遵守への不安定さが付きまとっているが、不可欠のステップ
・5月 欧米、アラブ諸国、イランが参加するシリア和平会議が開始
・現勢力の構造~ アサド政権、「テログループ」、欧米が支持する反政府「穏健派」、クルド勢力
→問題点/「穏健派」…世俗主義勢力、穏健なイスラム勢力とされるが、極めて弱体/ テログループのヌスラ戦線と事実上共同していること
・欧米のジレンマ アサド政権打倒をめざしながら、代わるべき政権構想で「テログループ」の影響力増大を阻止できるか、明らかでない点
→ そのジレンマをついたのが、ロシアの空爆と対米揺さぶり /米国務長官、7月モスクワ入り
★トルコを取り巻く緊張
①6月に入り、対立を深めていた近隣諸国との関係改善を求める動き
・12日、ロシア大統領に書簡を送り、改善の糸口求める
・27日、イスラエルと10年に起きたイスラエル軍のトルコ支援船衝撃事件で悪化した関係正常化で合意
・7月13日、トルコ首相が、アサド政権との関係正常化の可能性を示唆/シリア反政府勢力をもっとも勢力的に支援してきた国の1つであるトルコが折れる形で改善を求めていること
②7.15クーデター未遂事件
大統領側の反撃の巣ざましさ 軍・警察・法曹関係者7千人の逮捕、公務員・教員の大量解雇
~ 民主主義が問われる国民的試練となっている
〔酒井 イスラム色を支持する庶民にすり寄る現政権と世俗主義の堅持を求めるエリート層との乖離〕
・トルコは、欧州への難民への通過点てあり、この制御をめぐりEUと協定締結/トルコ情勢は難民問題に直結/NATO内で、最大の陸軍を要する国であり、影響力の大きさから注目せざるを得ない
■第6節 イラン核合意が与えた衝撃と米国の中東政策
・中東の政治構造の大きな変化の要因となったのが、対立してきたイランと米欧の関係改善
・2015.7.14 国連安保理常任理事国+ドイツの6カ国とイランの間と「最終合意」/その後、IAEAの確認を得て、16年1月イラン制裁を解除
~ 凍結資産と石油禁輸措置の解除/海外資産107億ドルあり、制裁解除ですぐに290億ドルが収入に
・核開発問題での妥結…米国の対イラン外交の転換/ 国交回復にむけた窓口が事実上できた意義は大きい
・強硬な反イラン戦力で、米国の事実上の同盟国であるイスラエル、サウジでは、強い失望と反発
~イスラエル政府の認識 イランの脅威の方がISよりはるかに大きい、と米国政策を批判
~サウジと米国の関係 米国が安全保障を確保、サウジは信頼すべき石油供給国、地域同盟者とし役割発揮/オバマ大統領のサウジ訪問に、国王でなく州知事が出迎え。不満を表明
→ 米国の中東政策がイラク戦争を通じ、イランを背景とするシーア派勢力の強化になったという強い不満・不振に付け加え、イランとの核合意が成立したことが米国への不信感を強めた。
・湾岸諸国にとって、ロシアはアサド政権を支援し、政治的経済的利益がしばしば鋭く対立/が、ここ2年、サウジ、UAE、カタールなど湾岸諸国首脳とロシアとの接触が活発に/米国以外の外交的選択肢の拡大
★オバマ政権が、対イラン姿勢を修正し「核合意」にふみきった理由
・ISの跋扈など状況を抑え切れなたもとで、イラク、シリア、レバノン政府や「ヒズボラ」などシーア派への影響力、イラン革命防衛隊がイラク政府軍支援に参加している現実を考慮に入れざるを得ない
・サウジがイスラム世界で果たしている役割への不信感。厳格なワッハーブ主義が、アルカイダ、ISのイデオロギーと類似性があるという不信感。敵対的政権に打撃を与えるために、過激主義の活動を黙認しているという不振〔メモ者 極めて抑えた表現。富裕層からの武器・資金などの援助の黙認などが指摘されている〕
・シェールオイル革命などにより、伝統的な原油輸出禁止政策の見直しなど、同地域の原油の不可欠性に対する認識の後退
★が、米国の中東政策の基本的枠組みは変化していない
・イスラエルへの軍事支援 米国の対外軍事援助の半分以上。オバマ政権の2400億ドルは歴代最大
・サウジ・湾岸諸国への武器売却 2015年5月の会談で330億ドルの売却を約束/ オバマ政権は6年間でサウジに500億ドル以上売却
→ 中東の武力衝突の拡大は、米国を先頭とする軍需産業に巨大な市場を提供
/中東の戦争は各種兵器の実験場でもあり、「見本市」でもある。
〔メモ者 ルーズベルトの退任演説 産軍複合体の巨大化への警告。それが現実に〕
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