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伊方3号機 深刻な問題持つ上蓋の交換(13年実施予定)しないまま再稼働狙う

「伊方原発をとめる会」と「川内原発30キロ圏住民ネットワーク」は、7月19日、愛媛県知事と四国電力社長にあてた申し入れを行っている。
内容は3つの問題点・・・① 深刻な問題のある原子炉容器上ぶたを取替えないままでの再稼働(伊方3号機と玄海3号機以外は対策済み) ②一次冷却水ポンプ水漏れの徹底調査 ③基準地震動の「過小評価」
県が「四電が材質に問題のある原子炉上ぶたを、取替えないまま再稼働しようとしている」ことを知りながら、なんら対応しようとしていないことが明らかになった。
以下、県への申し入れ内容と資料

【上ぶた取替えず再稼働ねらう四電=県は知っていて放置 伊方原発をとめる会】

【申し入れ書】

1. 申し入れ項目

(1) 深刻な問題のある原子炉容器上蓋(うわぶた)の取替をしないまま再稼働を予定している四国電力の姿勢に対し、知事は再稼働同意の撤回を示して、「スケジュールありき」の態度を許さないこと。

(2) 17日に発生した、伊方3号機の一次冷却水ポンプの水漏れは、重大な冷却材喪失にもつながるものであり、知事は全ての冷却水ポンプの徹底調査を求めること。

(3) 原子力規制委員会・前委員長代理が、基準地震動の「過小評価」を指摘しており、四国電力の「過小評価」は以前から指摘されてきた。知事として原子力規制委員会に審査のやり直しを求めること。県の環境安全管理委員会原子力安全専門部会でも批判的見地をもつ委員を充足し検討を行うこと。

2. その理由

① 応力腐食割れを起こしやすいインコネル600製の原子炉容器上蓋は、全国の加圧水型原子炉のうち、伊方3号機と玄海3号機以外は、インコネル690製の改良型に交換または装備されており、交換のないまま現に再稼働に直面しているのは伊方3号機のみとなっている。上蓋は制御棒の挿入にも重大な影響を与えるものである。伊方3号機の改良型上蓋は製造完了しており4カ月で交換できるとされ、四国電力も2013年に交換すると発表していたにもかかわらず、交換されないまま再稼働させようとしているのは「スケジュールありき」の異常な姿勢である。知事及び愛媛県が「スケジュールありきではなく」と語ってきたことにも反するものである。伊方原発と同じウェスティング・ハウス製造の米国のデビスベッセ原発では、インコネル600の原子炉容器上蓋の損傷が激しく、制御棒が入らなくなる可能性もあった。強烈な地震動が繰り返し襲った際に割れが進行し破裂という重大事故の可能性も排除できない。(資料1-1~1-4参照)

② 一次冷却水ポンプのシールのトラブルは、重大な冷却材喪失につながることが四国電力から規制委員会への報告書にも記されている(資料2-2)。原子炉が高温・高圧となり、そこに強烈な地震動が襲った時の危険性ははなはだ大きい。軸と軸受けの隙間対策は、外側で押さえ込む機能が喪失すれば、壊れていなくてもシールから高温・高圧・高濃度に放射能を含んだ一次冷却水が漏れ始める。(資料2-1、2-2、2-3参照)

③ 原子力規制委員会の委員長代理で耐震安全性の審査の中心にいた島崎邦彦氏が熊本地震のデータと比較して、基準地震動の算出において「過小評価」があることを指摘している。これは大阪府立大学名誉教授の長沢啓行氏が基準地震動の「過小評価」を指摘してきたことの一部が証明されたとみるべきである。伊方原発について、多様な過小評価が指摘されてきており、熊本地震など最新の知見をもとに見直しを求めるべきである。(資料3 島崎邦彦氏の書簡参照)


【付属資料】


■四電資料より
・取替理由
伊方3号機の原子炉容器上部ふたを、近年の国内外のプラントにおける原子炉容器上部ふた管台の損傷事例を踏まえ、伊方1,2号機と同じく、予防保全の観点から管台材料等を改良した上部ふたに取り替え、伊方発電所の信頼性向上を図る。

・原子炉容器上部ふたの主要な改良点
①国内で損傷事例がある制御棒駆動装置のシール溶接部(ねじ込み構造)を全廃し、突合せ溶接構造とする。
②管台材料及び溶接部材料について、600系ニッケル基合金から、耐PWSCC性(耐応力腐食割れ性)に優れた690系ニッケル基合金へ変更する。
③管台部の溶接量を少なくして、残留応力を低減する。
④鏡板とフランジを一体鍛造で製作し、溶接部をなくす構造とする。

■ 島崎邦彦氏の書簡


原子力規制委員会委員長 田中俊一様 2016 年7 月14 日 

先日は、震源の大きさが過小評価されているという問題提起に対し、速やかに対応して頂き、誠にありがとうございました。委員会および規制庁のみなさまにお手紙差し上げた通り、感謝の念で一杯です。
昨日の委員長記者会見のYou Tube を拝見したところ、私が規制委員会の議論や結論を納得し、承諾したと、誤解されているように見えますので、お手紙を差し上げて、小生の見解を述べさせて頂きます。

規制庁の計算結果の説明を受ける場は、小生が意見表明をする場として設けられたものではありませんので、結果に対するコメントは致しませんでした。また、試算の結果については強震動の専門家の意見を尊重すべきであると私は思いますので、積極的発言は避けてきました。しかし、このことが逆に誤解を招いているようですので、見解を公表させて頂きます。

今回の規制委員会の議論および結論は納得できません。

理由を次に述べます。大飯の基準振動が過小評価されていることは、今回の試算の結果、明らかだと思います。

規制庁広報室から、規制庁の計算結果の数字が入倉・三宅による基本ケース(破壊開始点3)で、 東西、南北、上下方向の加速度(周期0.02秒)が、それぞれ、356、346、233 ガル。
同じ条件で、武村式を適用すると、東西、南北、上下の加速度(周期0.02秒)が、それぞれ、644、632、405 ガルと伝えられたと聞いております。
武村式の結果を入倉・三宅式の結果で割ると、東西、南北、上下の加速度の比はそれぞれ1.81、1.83、1.74 と求まります。

一方、関西電力による基本ケース(破壊開始点3)では、東西、南北、上下方向の加速度(周期0.02 秒)は、それぞれ、596、428、347 ガルです。これは重要なデータですが、昨日私が受けた説明にはありませんでした。

規制庁の計算と関西電力の結果が一致しないこと、その理由としてパラメターが十分把握できていないためとは昨日伺いました。しかし上記基本ケースについては、資料に含まれておらず、実際の値も提示されておりません。

規制庁の結果と関西電力の結果とは、平均値と中央値の代表波で異なるとのご説明がありますが、細かな数値の違い以上の問題があると思います。本来、両者の結果が同一となるような設定をすべきであり、そのような設定での計算によって、武村式の効果を推定すべきです。しかしながら、それができないという条件下で最良の推定は、上記の加速度比を関西電力の加速度に掛けて得られる値を、近似値として使用することです。その結果、武村式使用の場合の基本ケース(破壊開始点3)では、東西、南北、上下方向の加速度(周期0.02 秒)は、それぞれ、1080、780、600 ガルと推定されます。ここでは精度を考慮して10 ガル単位としました。東西動の値は、基準地震動の856 ガルを越えております。

実際には、これに加えて短周期1.5 倍ケースなどを計算する必要があります。Ss-4 は破壊開始点3 で短周期1.5 倍のケースです。これを例として武村式使用の場合の推定をします。関西電力によると、この場合の東西、南北、上下の加速度(周期0.02 秒)は、それぞれ856、546、518ガルであると、頂いた資料に書かれています。

厳密には上述のように、関西電力の基本ケース(破壊開始点3)と、規制庁の計算結果が同じとなるように設定した上で、武村式を使用し、短周期1.5 倍のケースを計算すべきです。しかしながら、それができないという条件下での最良の推定は、既に求めた加速度比を関西電力の短周期1.5 倍ケース(破壊開始点3)の値に掛けて得られる値を、近似値として使用することです。その結果、武村式使用の場合の短周期1.5 倍ケース(破壊開始点3)では、東西、南北、上下方向の加速度(周期0.02 秒)は、それぞれ、1550、1000、900 ガルと推定されます。ここでは精度を考慮して10 ガル単位としました。

これらの推定は必ずしも高い精度の推定ではありません。しかしながらそのような精度でも、現在の基準地震動が過小評価されているのは間違いないと思います。

この際、関西電力の基本ケースがほぼ再現できるような設定で、上記推定値に替わる計算値が得られるよう、再計算をすべきだと思います。

島崎邦彦拝_


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