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生活保護についての質問と回答  対策全国会議

 様々なことをきっかけに貧困に陥るリスクは誰にでも存在する。それを社会保障という形で、社会が解決することを、権利と考えずに、何か恩恵として感じてしまうことに大きな問題がある。

 貧困を放置しない社会へ変えていくことが問われている~ それは生きていくために、どんな劣悪な条件では働かざるを得ない状況、をなくし、まともな人間ららしい労働を守っていくための岩盤である。 

 生活保護問題対策全国会議が各党にあてた公開質問状と回答。 
20160627172230

【公開質問状と回答  生活保護問題対策全国会議】


●生活保護制度に関する公開質問について
 生活保護の生活扶助基準及び住宅扶助基準・冬季加算の引き下げが行われたことで、生活保護利用世帯の生活が圧迫されるとともに、低所得者層にもその影響が出ています。また、生活保護基準の引き下げに対しては、これを憲法違反であるとする訴訟が全国27都道府県で提起されています。
 この引き下げ問題を始めとした生活保護制度や貧困問題について、政党に対して、生活保護制度に関する公開質問を送付し、アンケート調査を実施しました。各政党よりご回答いただいた内容について、原文のまま掲載いたします。

調査期間:2016年5月17日~6月27日
アンケート送付政党(10政党):自由民主党、民進党、公明党、日本共産党、大阪維新の会、生活の党と山本太郎となかまたち、社会民主党、日本を元気にする会、日本のこころを大切にする党、新党改革

回答をいただけていない政党の説明内容
①公明党:ご希望に添えないと思います。
②日本を元気にする会:アンケート送付済み。電話で確認試みるも不奏功。
③新党改革:アンケート送付済み。電話で確認試みるも不奏功。
となっております。


◆Q1.貧困の拡大について
 我が国の貧困率は年々悪化して16.1%に達しています。貧困率が改善されるよう、取り組むべきだと思いますか。


【自由民主党】 ①思う
 子どもたちの未来が家庭の経済事情によって左右されてはなりません。特に、経済的にも様々な困難を抱えるひとり親家庭には、きめ細かな支援が必要です。このため、ひとり親家庭に対しては、児童扶養手当の多子加算の倍増、子どもの居場所づくり、親の資格取得支援など、子育て・生活支援、学習支援などの総合的な支援を充実する必要があると思います。

【民進党】 ①思う
 OECD平均の11.3%を目標にして、貧困率の改善に取り組むべきです。

【公明党】

【日本共産党】 ①思う
 国民の約6人に1人が貧困ライン以下であり、子どもの貧困率は16.3%にのぼります。母子家庭など一人親家庭の貧困率は54.6%と突出した高さを示し、経済協力開発機構(OECD)加盟34か国で最悪となっています。
 安部首相は国会において貧困率を突き付けられ、日本が貧困大国かどうかの認識を問われたとき、「日本は裕福な国」と答弁しました(16年1月18日予算委員会:共産党小池晃議員の質問)。”裕福な国”の日本で貧困が広がっていることが大問題なのです。首相が貧困対策に「政府挙げて取り組む」といくら繰り返しても、このような認識ではまともに取り組むつもりがないことを露呈しています。実施されることになった児童扶養手当の増額は、ひとり親世帯の約6割を占める子ども1人世帯には何の恩恵もないなどの例からも、貧困対策が不十分なことは明らかです。社会保障の削減、抑制はやめて、目標をもって貧困率の改善をはかるべきです。

【大阪維新の会】 ①思う

【生活の党と山本太郎となかまたち】 ①思う

【社会民主党】 ①思う
 日本の貧困率は、国際比較で見ても高い。貧困・格差の拡大は、国民の生活を壊すとともに、国民相互の不安、不信感を募らせ、社会の不安定につながります。所得格差、雇用のあり方、社会保障と税の再分配機能が機能不全を起こしている問題など、喫緊の大きな課題だと考えます。

【日本を元気にする会】

【日本のこころを大切にする党】 ①思う
 貧困が社会から見えづらくなっていること、社会が貧困に関心を持っていないことが現在の問題と考えます。

【新党改革】

◆Q2.生活保護の捕捉率について
 日本の生活保護の「捕捉率」(本来なら生活保護を利用することができる人たちのうち、実際に生活保護利用に至っている人の比率)は2~3割にとどまっており、受給漏れが多いと言われています。生活保護の「捕捉率」を上げるべきだと思いますか。


【自由民主党】 ③その他
 生活保護は、所得のみではなく本人の申請に基づき資産等も考慮して実施されるのもですので、一概に「捕捉率」の高低について議論することは難しいと考えています。
 最後のセーフティネットとして、生活保護を必要とされる方が確実に保護を受給できるようにすることは重要であると考えており、制度や相談窓口の周知や福祉事務所と民生委員等の関係機関との連携強化等に取り組んできたところです。

【民進党】 ①思う
 生活保護受給資格の要件をわかりやすく提示し、要件を満たした場合は適切に受給資格を付与するとともに、受給資格があるにもかかわらず、給付を受けない事態が放置されないように対応すべきです。

【公明党】

【日本共産党】 ①思う
 各国の捕捉率はドイツ6割、イギリス5~6割(求職者)、フランス9割(OECD基準)などであり、日本の捕捉率はあまりにも低い水準にとどまっています。
 2013年5月、国連の社会権規約委員会は、「スティグマ(恥辱)のために生活保護の申請が抑制されている」日本の現状に「懸念」を表明し、「生活保護の申請を簡素化」すること、「申請者が尊厳をもって扱われることを確保するための措置をとる」こと、「生活保護につきまとう恥辱を解消する」手立てをとることを日本政府に勧告しました。これらを真摯に受け止めてとりくむとともに、国として捕捉率を向上させる年次目標を設定し、生活保護法にも違反した行為や無法な指導をやめさせ、必要な人がきちんと保護をうけられるようにすべきです。

【大阪維新の会】 ③その他
 生活保護制度自体を見直して、より就労のインセンティブを与える形とする一方、本当に支援の必要な人には手厚い支給が出きるようにすべき

【生活の党と山本太郎となかまたち】 ①思う

【社会民主党】 ①思う
 日本の生活保護は、非常にスティグマ(烙印を押されたような恥辱感)が強く、申請に抵抗感があったり、手続きが煩雑であるなど問題が非常に多いと考えます。生活保護の受給は、憲法25条(生存権)にもとづいています。必要な人が権利を行使しやすくすべきです。

【日本を元気にする会】

【日本のこころを大切にする党】 ①思う

【新党改革】


◆Q3.生活扶助基準の引き下げについて

 2013年から2015年にかけて実施された史上最大(平均6.5%、最大10%)の「生活扶助基準引き下げ」についてどう思いますか。


【自由民主党】 ①引き下げに賛成
 生活扶助基準については、一般低所得世帯の消費実態や物価動向を踏まえて適切な水準となるように見直されたものと認識しています。
 生活保護制度は一般低所得世帯の消費実態とのバランスを踏まえながら、最低生活が保障される適切な水準を設定していくことが必要と考えています。

【民進党】 ②引き下げに反対
 生活保護基準引き下げについては、生活保護世帯のみならず、多くの低所得者が負担増となることが懸念されるため、その影響や実態把握を行い、勤労世帯がさらなる生活苦に陥らないよう見直しを求めてきました。

【公明党】

【日本共産党】 ②引き下げに反対
 強行された戦後最悪の保護基準引き下げは、物価高騰に苦しむ保護世帯にさらなる困窮を押し付け、とくに、子どもの数が多いほど減額幅も大きくなるやり方によって、「子どもの貧困」にも拍車をかけました。
 国民生活の最低ラインをしめす生活扶助基準の引き下げは、就学援助や住民税の非課税限度額、最低賃金や医療・介護の負担減免基準、保育料の減免基準などに連動しており、その切り下げは、保護を受けていない広範な低所得者にも被害を与えています。
 日本共産党は実施された保護費削減の改悪を全面的に見直し、物価上昇や生活実態にふさわしい水準への引き上げを求めて国会でも論戦してきましたが、今後も奮闘していきます。
 
【大阪維新の会】 ③その他
 引き下げの前に議員の身を切る改革と公務員人件費の削減が必要

【生活の党と山本太郎となかまたち】②引き下げに反対

【社会民主党】 ②引き下げに反対
 そもそも、この基準の引き下げは、「物価下落」を理由に実施されていますが、物価が下がっているのはパソコン、家具、大型の電気製品で、食費や光熱費などは下がっておらず作為的な引き下げです。生活扶助基準は、最低賃金、非課税世帯のラインなど、他の分野にも影響が及ぼすため、基に戻すべきです。

【日本を元気にする会】

【日本のこころを大切にする党】 ③その他
 デフレからの脱却を進め、基準の維持を最大限努力すべき。

【新党改革】


◆Q4.老齢加算の廃止について
 2004年から2006年にかけて減額、廃止された老齢加算について、復活されるべきと思いますか。


【自由民主党】 ②思わない
 老齢加算については、70歳以上の消費支出が70歳未満の消費支出よりも少ないことを踏まえて見直されたものと認識しています。
 生活保護制度は一般低所得世帯の消費実態とのバランスを踏まえながら、最低生活が保障される適切な水準を設定していくことが必要と考えています。

【民進党】 ③その他
 生活保護を受給する高齢者世帯の生活実態を踏まえて検討すべき課題であると考えます。

【公明党】

【日本共産党】 ①思う
 老齢加算は、「加算」といっても、不必要な「上乗せ」ではなく、かむ力が弱まるので消化吸収のよい食品、寒さや湿気に対応できる寝具、葬儀や墓参など社会的な付き合いなど特別な出費の必要性を保証するためのものです。老齢加算があったからこそ、高齢者が憲法25条が要請する「健康で文化的な最低限度の生活」を満たす上でも老齢加算は不可欠の給付だったと思います。
 保護費の2割をしめていた老齢加算の廃止によって、「香典を包めず葬儀にいけない」「故郷にいる兄弟の見舞いにもいけない」「お風呂を我慢している」「エアコンを使わず熱中症で病院に運ばれた」などの事態を引き起こし、高齢者の人間らしいくらしと健康をむしばんでいます。
 母子加算が復活されたように、老齢加算の復活が当然おこなわれるべきです。

【大阪維新の会】 ②思わない

【生活の党と山本太郎となかまたち】①思う

【社会民主党】 ①思う
 老齢加算の復活に賛成です。生活保護基準以下の生活を強いられている高齢者が存在する事実を政府はきちんと認識すべきです。老齢加算の廃止は高齢保護受給者の生存権を侵害しています。

【日本を元気にする会】

【日本のこころを大切にする党】 ②思わない
 高齢者の貧困については、抜本的な対策が必要。捕捉率の低い生活保護の制度ではいき届かない。

【新党改革】


◆Q5.社会保障全体の引き下げについて

 この間、生活保護基準の引き下げだけでなく、社会保障の負担増や給付の引き下げが続いていますが、これについてどう思いますか。


【自由民主党】 ③その他
 世界に冠たる社会保障制度をしっかりと次世代に引き渡していくべく、制度の充実・安定化を図りつつ、同時に、重点化・効率化も進めていくことが必要であると考えています。

【民進党】 ③その他
 世代間公平に配慮しつつ、重点化を効率化によって、子どもから高齢者にわたる、持続可能な社会保障制度を構築すべきです。以前の時効政権のように一律に社会保障費をカットすべきではありません。

【公明党】

【日本共産党】 ②引き下げるべきではない
 社会保障の給付を引下げ、負担増を拡大させいくことには、いっそうの貧困と格差を増大させていくことにつながるため、給付の引き下げをおこなうべきではありません。格差をなくし貧困をなくしていくことは、すべての国民に健康で文化的な最低限度の生活を営む権利」を保障した25条の要請であり、家計をあたためて経済の好循環を生み出すカギとなります。
 社会保障の財源は富裕層と大企業に応分の負担を求める税制改革をおこない、消費税増税にたよらない「別の道」を歩むべきです。社会保障、若者、子育てに優先して税金を使うべきです。

【大阪維新の会】 ③その他
 引き下げの前に、議員の身を切る改革と公務員の人件費の削減が必要

【生活の党と山本太郎となかまたち】②引き下げるべきではない

【社会民主党】 ②引き下げるべきではない
 防衛費の縮減(普天間基地の辺野古移設を止める、オスプレイ配備を止める等)や不要不急の大規模公共事業の中止(リニヤ中央新幹線等)など歳出の見直し、予算を組み替えて社会保障の負担増や給付の引き下げを止めるべきです。

【日本を元気にする会】

【日本のこころを大切にする党】 ③その他
 経済成長する日本を取戻し、年率5%の成長を実現すれば、税収と社会保険収入が上がり、低所得者に回す給付を増やすことができる。

【新党改革】

◆Q6.憲法25条(生存権規程)の改正について

 日本の憲法25条は「すべて国民は、健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有する」と定めています。この間、憲法改正について議論されていますが、この生存権規定を今後も維持させるべきであるとお思いですか、あるいは家族の役割をもっと重視する など何らかの改正が必要であるとお考えですか。


【自由民主党】 ①維持すべき

【民進党】 ①維持すべき

【公明党】

【日本共産党】 ①維持すべき
 生存権を定めた25条は、世界の中の憲法でも先駆的で豊かな人権条項のうちの一つです。
 25条を力に生活保護費の引き上げがたたかわれた「朝日訴訟」では、東京地裁の第一審において「健康で文化的な生活水準』は単なる生存の水準ではなく、...年々の国家の予算額や政治的努力の如何によって左右されるべきものではない」という判決が出されました。国の責任で「人間に値する生存」を保障しなければならず、「健康で文化的な最低限度の生活水準」には、一定の客観的な基準があり、基準は予算の有無ではなく、むしろ予算を指導支配すべきものであることが鮮明になりました。この1960年10月19日の判決は、日本共産党の議会活動においても、多くの社会保障関連の運動においても、いまなお大きなよりどころとなっています。
 自民党の改憲案では、前文や家族の規定である24条において 自助・共助を強調し、さらに92条1項や93条3項などで地方自治体に責任をおしつけて「自立」を迫ることで、国の社会保障に対する第一義的な責任を免れようとしています。今後も生存権規定を維持すべきであり、改憲によって生存権・社会保障を自己責任化して家族や国民どおしの助け合いにゆだねられるべきではありません。
 また、自民党の改憲案では、25条に新たに「環境保全の責務」を加えて、いわゆる”環境権”を新しい人権の一つとして規定しようとしています。しかし、「国民と協力して」の挿入で、国の責任が弱められるおそれがあり、現状よりも後退しかねません。
 現在の憲法が「時代に合わない」のではなく、憲法の先駆的な原則を踏みにじり続けてきた自民党政治こそ、「時代おくれ」になっています。

【大阪維新の会】 ①維持すべき

【生活の党と山本太郎となかまたち】 ①維持すべき

【社会民主党】 ①維持すべき
 家族の尊重義務を設け、福祉や社会保障を家族の責任に転嫁し、その費用の削減も狙う憲法改悪には反対です。家族や生き方が多様化するなかで、個人の尊重を軸とし、すべての国民に生存権を規定する現憲法はさらにいかすべきです。

【日本を元気にする会】

【日本のこころを大切にする党】②個人や家族の役割を強化すべき

【新党改革】

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