県議選与党大勝 辺野古移設を断念せよ
与党は24から27に。大量立候補で挑んだ自民党をのしぞけた。公明は、辺野古新基地反対にたっため、反対派は31に。知事は「大勝利」とのべた。
主要メディアは、毎日の「大勝利」、朝日、「東京」の「勝利」を除いて「過半数維持」と意義を矮小化する見出し。政府は「新基地建設はかわらず」「地方の事情」と、打ち消しにやっき。
参院選直前に「野党の共同、市民が声をあげれば政治はかえられる」ことを示した意義は大きい。
小池書記局長は「今回の県議選では、基地問題とともに、子どもの貧困対策、全国初の給付制奨学金制度の創設など、県民の願いに寄り添ってきた翁長県政に高い評価が寄せられました」とコメント。
【県議選与党大勝 辺野古移設を断念せよ 民意無視はもう許されない 琉球新法6/6】民意はまたも明確になった。政府がこれ以上、沖縄の民意を無視し、踏みにじるのは許されない。
翁長県政1期目の県議会勢力図がどうなるか、全国的にも注目を集めた第12回県議選は、県政与党が地滑り的な大勝を収めた。安倍政権が強行しようとしている米軍普天間飛行場の名護市辺野古への移設についても、明確に反対する人が大多数を占めた。
一昨年の知事選、衆院選、名護市長選、名護市議選でも辺野古反対派が全て勝利している。民主主義国である以上、辺野古新基地建設を正当化できる根拠はもはや皆無だ。政府は新基地建設を断念し、対米交渉をやり直すべきだ。■説得力なき犯罪対策
今回の県議選は定数48に対し、71人が立候補した。無投票となった定数2の名護市区を除き、12選挙区で激しい選挙戦を展開した。
県政をめぐる課題はさまざまあるが、最も注目された論点はやはり米軍基地問題だった。米軍属女性遺棄事件に強い反発が上がる中、各候補はこぞって日米地位協定の改定を打ち出した。「運用改善」でよしとする意見はごく少数だった。
投開票日の直前、政府は事件を受けた対策を打ち出したが、内容は防犯カメラ増設と警察官増員である。カメラを増やせば米軍関係の犯罪を抑止できると言わんばかりの「方向音痴」の対策は、何の説得力も持たなかった。県議会当選者の96%が地位協定の改定を求めていることの重さを、政府は正面から受け止めるべきだ。
在沖米軍基地全体について、立候補者全員が「基地の大幅な整理縮小」か「全面撤去」、「整理縮小」のいずれかを掲げた。基地の現状維持を求める人はただの一人もいない。在沖米海兵隊も大多数が「全面撤退」か「大幅削減」で、「現状維持」は皆無だ。辺野古新基地についても、明確な反対だけで新議席の7割弱に達する。
政治的な立場は別として、こうした事前のアンケート結果と当落だけを純粋に受け止めれば、今県議選に込めた県民のメッセージは次のように総括できよう。米軍を今の規模で沖縄に押し付け続けるのは許さない。海兵隊の現状維持どころか、新基地まで沖縄に造ろうとする政府は論外だ。
菅義偉官房長官は記者会見で、この県議選の結果が辺野古新基地建設に与える影響はないとの認識を繰り返し示していた。いくら予防線を張りたいのだとしても程がある。沖縄の民意に対してあまりに不誠実だ。
■政策立案に期待
県議には住民の多様な意見や要求をくみ取り、政策に集約する機能が求められる。
沖縄には多くの問題がある。中でも子どもの貧困は喫緊の課題だ。その意識の反映か、前回の選挙と比べて今回は格段に多くの候補者が政策に掲げた。翁長県政与党は県の実態調査や対策推進基金を評価し、野党は内閣府の対策予算計上を評価する。そんな傾向が見られた。
県議会は県と並ぶ「二元代表制」の一方である。行政を評価するのもいいが、自前の政策立案もぜひ実行してほしい。
内閣府の予算は現時点で期間は不透明だ。事業開始後に国の補助が打ち切られた場合、負担に耐えられない、と二の足を踏む市町村もある。貧困対策には時間がかかる。一時のブームに終わらせず、息の長い事業として行政の枠組みに組み込む必要がある。その知恵を新議員には期待したい。
県民所得が全国平均の7割にとどまること、全雇用者の45%が非正規であることなど、経済分野の課題も大きい。単に抽象的な「経済振興」を訴えるだけではない、具体的な政策提案が求められる。
直近の4年間、県議会は2本の議員提案条例を制定した。その前の40年通算で4本だったことを考えると、高く評価できる。今回、新たに県民代表となった48人にも政策立案機能を期待したい。
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