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TPP 米国国際貿易委員会(ITC)報告の衝撃

 内田聖子さんの連ツイのまとめ。米国議会への報告は、TTPがほとんど効果がないという衝撃の内容。
主要な産業分野25のうち16文やで貿易収支が悪化。全体でも経済成長の伸びはわずか0.15%。
この数字について、「TPPの成果としての2032年1月1日時点の米国の富は、TPP不成立の場合の2032年2月15日時点の米国の富と同じ程度になる」という、微々たるもの。
前のめりの安倍政権の足元をみて、さらなる譲歩を引き出すための手かもしれない。

また、農業分野では、日本向けの輸出額は、3960億円〔36億ドル〕増えるとITCは試算しているが、日本政府は米国含む全体での1300-2100億円程度としており、大きな開きがあることを、日本農業新聞がとりあげている。
【TPP、米経済へのプラス効果は小さい=国際貿易委 ロイター5/19】
【TPP試算 日米で大きな開き 国内対策 効果に疑問も 日本農業新聞5/21】

【米国国際貿易委員会(ITC)報告の衝撃】

5月18日、米国ITCはTPPによる経済効果に関する報告書をリリースした。これはもともと米国議会での批准手続の一貫として、TPA法のもと協定署名から105日以内にITCがまとめることが規定されていた。予定通り出せるのか、注目されていた。

そもそもここで用いられた試算モデルは、現実的な影響を含まないなどの批判があるものだ。しかし、それをいったん置いておいたとしてもその結果は「バラ色」どころか、TPP推進者にとっては惨憺たる結果となった

特徴的な産業セクター(農業、製造業、サービス産業等)25 分野のうち16分野で貿易収支の悪化が予測されている。ここには自動車、小麦、とうもろこし、自動車部品、チタン製品、化学製品、繊維・アパレル、コメ、さらには金融サービスまでも含まれている。

自動車部品では0.3%の雇用減。またTPPは米国の貿易赤字を2032年までに217億ドル増大させる。さらにサービスの輸入70億ドルが48億ドルの輸出増の見込みを圧倒的に上回るので、サービス部門の貿易収支も2032年までに悪化すると予測する。

パブリック・シチズンのロリ・ワラック氏「報告はTPPの『表向き』の見通しが『微小な経済成長』に過ぎないことを示す。これまで利益を過大評価した結果、重大な被害をもたらし広く批判された非現実的で楽観的な方法論を使っているにもかかわらず、である」

この報告を受け米国のTPP推進者は大いに焦っている。政府の調査機関がお墨付きでTPPの経済効果を微々たるもの(しかも超楽観的なモデルを使って)として出したのだから当然だろう。これで米国でのTPP批准の動きはスローガンを失い絶望的になりつつある。

それならもうTPPは流れてしまうので安心か?答えはまったく違う。まず大統領選後に「再交渉」というカードが切られるかもしれない。あるいはすでに進められているTPPの「場外戦」で進む個別協議や承認手続きで実質的な「約束」を取り付けられることもある。

ITCの中にも実は日米での「密約」めいた中身を匂わせる記述があるわけで、(「TPP 米国産米 数量保証か MA加工用4.8万トン 農水省は否定」http://www.agrinews.co.jp/modules/pico/index.php?content_id=37585 … )すでにTPP協定の姿形は魑魅魍魎化している。

こうした中、批准にこだわる日本政府は奇妙としかいえない。ITC報告は大筋合意後に各業界へヒアリングを行い、署名後約3か月かけて出された800ページ近い膨大な文書だ。一方日本政府は12月に「TPPで14兆円GDPが上がる」と極めて雑駁な試算。

日経記事「連休中に訪米してクリントン氏の側近と会った日本の外交筋は、顔を曇らせる。日本側は「参加国の多いTPPの再交渉は非現実的だ」と反論し、政府関係者は米議会のTPP反対派を訪ね歩き、説得工作を繰り広げる。」。

ITCは、2032年までの米経済成長はわずかな伸び(427億ドル、0.15%)、所得の伸び(573億ドル、0.15%)になると予測している。TPPの成果としての2032年1月1日時点の米国の富は、TPP不成立の場合の2032年2月15日時点の米国の富と同じ程度になるということ。



【TPP、米経済へのプラス効果は小さい=国際貿易委 ロイター5/19】

[ワシントン 18日 ロイター] - 米国際貿易委員会(ITC)は18日、日米など12カ国が参加する環太平洋連携協定(TPP)が米経済全体にもたらすプラス効果は小さいとの見通しを示した。オバマ大統領は来年1月の任期満了前に米議会がTPPを承認することを望んでいる。

ITCは新たな分析の結果、TPP批准によって、2032年の米国内総生産(GDP)は427億ドル、0.15%ポイント押し上げられると予想した。

実質賃金は年間で573億ドル、0.23%ポイント押し上げられると予想。ピーターソン国際経済研究所が今年1月に示した見通しでは、TPP批准により、2030年までに賃金が1310億ドル押し上げられると見込まれていた。

ITCは、TPP批准により、2032年のTPP参加国への米国の輸出は572億ドル増え、参加国からの輸入は475億ドル増えると予想。一方、同年の米国の全輸出額に対する押し上げ効果は272億ドルにとどまり、全輸入額は489億ドル増えるとした。
また、米国の農業やサービス業など多くのセクターがTPP批准で多少の恩恵を受ける見通しだが、政治的影響力の大きい製造業やエネルギー・天然資源分野では2032年の生産量で108億ドルの押し下げ効果が見込まれるという。

米通商代表部(USTR)のフロマン代表はITCの報告について、議員がTPPをめぐる採決にあたって考慮する多くのデータのひとつにすぎないとし、「どの主要な調査でも、TPPは米経済に恩恵をもたらすという結果が出ている」と語った。
一方、下院歳入委員会のブラディ委員長は、オバマ政権がTPPをめぐる議員の懸念を解消しない限り、採決に向けた手続きを進めないと表明した。


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