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破綻の核燃サイクル費用~電力利用者の負担「検討」

・政府の核燃サイクルの理由づけ…①高レベル放射性廃棄物の量が減る、②放射能レベルも減る、③有効活用できる。また、その費用負担について、日本共産党・藤野議員の質問の議事録。
 スケッチすると・・
①再処理により、中・低レベル廃棄物が発生。総体積は、40年間で153倍に増える
②「減る」どころか、原発に比べて桁違いの放射性物質の放出が気体、液体という形で認められている。
③800トン再処理すると、94%750トン再処理回収ウランが出てくるが、ガンマ線が高く使われない。すでに7千トン溜まっている。MOX燃料は高くつくとアメリカは2015年凍結
④5/20倉林質問で、再処理すれば、プルサーマル利用してもプルトニウムの増加が明白に

・核燃サイクル、MOX燃料など総費用は不明/ が、現行は、電力料金で回収する仕組み
→ 電力自由化後も、託送料金〔送電網利用料〕に、廃炉、核燃サイクル費用が盛り込まれること否定せず、「検討」と答弁。

■5/10倉林議員の質問  プルトニウムも増加する

 六ケ所村再処理工場(青森県)の稼働により発生するプルトニウム総量が年間8トンに対し、利用計画は年間5・5~6・5トン(MOX燃料を通常の原発で使う=最大数の16~18基稼働した場合)。
残りのプルトニウムについて多田氏は「劣化ウラン等と同様に備蓄をしていく」と述べ、使い道のないことを明らかにしている。

■日本共産党 藤野保史   190-衆-経済産業委員会  2016年04月20日  


・原子力発電における使用済燃料の再処理等のための積立金の積立て及び管理に関する法律の一部を改正する法律案
・政府参考人 内閣府大臣官房審議官中西宏典、総務省大臣官房審議官時澤忠、外務省大臣官房審議官中村吉利、文部科学省大臣官房審議官白間竜一郎、資源エネルギー庁長官日下部聡、資源エネルギー庁電力・ガス事業部長多田明弘、中小企業庁長官豊永厚志、原子力規制庁長官官房審議官山田知穂、原子力規制庁原子力規制部長櫻田道夫

 〔最初の部分は略〕

○藤野委員 計画が示せなかった、電事連自身がやはり具体的計画を示せない、こういう状況であります。ですから、核燃サイクルはもう回っていないということは端的にあらわれているというふうに思います。
 大臣にお聞きするんですが、本法案で再処理を強化する、着実に推進という言葉もありましたが、やってもサイクルは回らない。何でこれは固執されるんでしょうか。もう破綻しているんじゃないでしょうか。

○林国務大臣 午前中も答弁申し上げましたけれども、エネルギー基本計画で閣議決定したとおり、自治体や国際社会の理解を得つつ、使用済み燃料の再処理等を行う核燃料サイクルを推進する方針でございます。
 使用済み燃料を再処理する場合、直接処分する場合に比べまして、まず、高レベル放射性廃棄物の量の減少、それから放射能レベルの低減、回収されるプルトニウム等の資源の有効利用などの効果があるわけでございます。
 具体的には、例えば軽水炉サイクルの場合、高レベル放射性廃棄物の体積を直接処分する場合に比べて四分の一に減らすことができますし、放射能レベルにつきましては十分の一以下にするわけでありますし、また、残存する核燃料物質を有効利用しまして、新たに一割から二割程度の核燃料を製造できるといった効果がございます。
 こうした効果のある核燃料サイクルは、原子力を重要なエネルギーとして使用してきた資源に乏しい我が国にとっては必要なプロセスであるというふうに考えております。

○藤野委員 今大臣、三つの意義を答弁いただきました。高レベル放射性廃棄物の量が減る、そして放射能レベルも減る、そして有効活用できる、こういうことなんですが、この三つの意義というのは本当なのかというのをちょっときょうは見ていきたいと思うんですね。

 配付資料を配らせていただいておりますが、一枚目を見ていただきますと、再処理のプロセスを示したものであります。これに沿って、ちらちら見ながら質問していきたいと思います。

 まず、再処理すれば高レベル放射性廃棄物の量が減るということであります。再処理すればそういうものが出てくる、有害なものが出てくる。その中には、午前中、逢坂委員からも御指摘ありましたが、高レベルの放射性廃棄物だけでなくて、低レベルのものも出てくるわけですね。
 配付資料の一でいいますと、下の方に緑で囲んであるのがいわゆる高レベル、左の方で赤とか濃い紫で囲んであるのがそれ以外の中、低レベルの廃棄物であります。ですから、再処理しなければ出てこないものとして、高レベル以外に、低レベルのものがあるわけですね。

 配付資料の二枚目をごらんいただければと思います。これは日本原燃が出した資料をもとにつくったんですけれども、日本原燃自身が、六ケ所再処理工場を一年間動かすとこういうものが出てきますよと御説明しているものであります。ガラス固化体は皆さんよく御存じだと思うんですが、それ以外にも、低レベル濃縮廃液の乾燥処理物、これは体積でいえば三百五十立方メートル、低レベル濃縮廃液の固化体、あるいは廃溶媒の熱分解生成物、廃樹脂と廃スラッジ、さまざまなものが出てくるわけですね。

 再処理する使用済み燃料自身は一年間に八百トンと言われております。これを内閣府にいただいた資料で体積に換算しますと、約三百七十五立方メートルになると御説明いただいております。それ以外に、再処理したことによって固体として出てくる廃棄物が、日本原燃の説明によると、下の方に囲っておりますが、約千九百七十立方メートルに達するということであります。体積比でいえば実に五・三倍になるわけですね。

 実はこの五・三というのも控え目な数字でありまして、東海村の再処理工場、あるいはフランスの再処理工場はもっとたくさん出るわけですが、日本原燃の見立てでも五・三倍の体積の固体廃棄物が出てくる。
 大臣にちょっとお聞きしたいんですが、再処理しなければ生まれないこういうものが再処理によって生まれてくる。これは放射性廃棄物です、高レベルではないにしても。ですから、再処理によって有害なものが減るとは言えないんじゃないですか。むしろふえるんじゃないでしょうか、大臣。

○多田政府参考人 お答え申し上げます。
 配付していただいている資料を拝見いたしますと、確かに、低レベルの廃棄物も合算いたしますと廃棄物がふえる、こういう御指摘かと思います。ただ、私ども、高速炉はこの試算とは別だと思います。
 これは、二〇一二年に原子力発電・核燃料サイクル技術等検討小委員会というところに出された試算によりますと、確かに、今の軽水炉サイクルのところまででありますと、廃棄物の量が合算いたしますとふえるということになりますけれども、いわゆる高速炉の方までいきますと、燃料の高燃焼度化などを通じまして、直接処分を行う場合と比べまして、高レベル放射性廃棄物のみならず、低レベル放射性廃棄物と合算いたしましても減少するという試算も出てきております。したがいまして、核燃料サイクルを行いますと直接処分よりも低レベル放射性廃棄物が多く発生すると一概に言うことはできないのではないかと思っております。
 それから、先ほど御紹介いたしました平成十七年の十項目での四つのシナリオ分析の際にも、こうした環境への負荷といったところもしっかりと勘案の上、判断をした上で、再処理をするというふうな方針を決めたところだと思っております。
 いずれにいたしましても、放射性廃棄物を安全に処分するという観点から、極めて有害度の高い高レベル放射性廃棄物の量を減少させていくこと、有害度の低減を図ること、これが極めて重要だと思っています。
 このお配りいただいておりますものは、高レベルのものも低レベルのものも関係なく全部体積で判断しておりますが、こうしたことで単純に合計して比べることも適切ではないというふうに考えております。

○藤野委員 事実はやはり否定できないんですね。これだけのものが出てくる、再処理によって出てくるんです。これは再処理しなければ出てこないんです。ですから、再処理によって有害なものが減るなんというのは到底成り立たない。
 配付資料の三枚目に行っていただきますと、では四十年やったらどうなるのかという話なんですね。一年でさえ五倍になっちゃう。四十年やりますと、ここにあるんですけれども、実に百五十倍を超えるんです、体積でいえば。
 大臣、この資料は、試算というお話が先ほどありましたけれども、これは総合資源エネルギー調査会の電気事業分科会コスト等検討小委員会に提出された電事連の資料に基づいて原子力資料情報室が試算されたものであります。ある意味試算なんですけれども、もとの使用済み核燃料が一・五万立方メートル、これに対して、四十年間やると二百三十万立方メートルになると。
 ですから、今度は大臣にお聞きしたいんですが、これは四十年分なんです、配付資料の二枚目は一年分なんです。一年で見ようが四十年で見ようが、再処理によって、再処理しなければ出てこない有害な廃棄物がたくさん出てくる。これが事実じゃないですか、大臣。
 大臣です。いや、いいです、同じような答弁になりますから、多田さんはさっき十分しゃべったでしょう。大臣です。

○高木委員長 とりあえず、今の御説明のところだけ、簡潔に。
 多田電力・ガス事業部長。

○多田政府参考人 恐縮でございます。
 今の御質問でございますけれども、確かに、再処理をしないと出てこない廃棄物というものが存在するのは御指摘のとおりでございますが、私ども、再処理をすることによって得られる政策的効果は極めて高いと思っておりまして、それを単純に比較することはできないと思っております。

○藤野委員 次は大臣にお答えいただきたいんですが。
 次に、大臣がおっしゃいました、放射能レベルが減るという趣旨のことだと思うんですけれども、今、配付資料の二枚目で見てきたのは固体なんですね。再処理すれば、固体以外にも気体あるいは液体という形で廃棄物が出てくる、これが実態だと思います。
 これは多田さんにも確認したいんですが、再処理で生まれる液体や気体の廃棄物、これはさまざまな処理をすると思います。いろいろなフィルターを通したり、乾燥をさせたり、蒸発させたりすると思いますが、最終的には環境に放出する、これは間違いありませんね。これはもう端的にお願いします。

○多田政府参考人 お答え申し上げます。
 法令の基準を守るのは当然でございますけれども、希釈の上、放出をするという手順をとっております。

○藤野委員 配付資料の四枚目をごらんいただければと思うんですが、これは、六ケ所再処理工場で日本原燃が、一応、管理目標値として出しているさまざまな気体廃棄物、液体廃棄物の目標値であります。これに対して、右の青い方は、原子力発電所で一般的に定められている目標値ということになります。
 これを見ていただきますと、例えば気体、上の方のところでいいますと、原発からは出ないことになっている、斜めになっている、希ガスのクリプトン85とかがこれだけ出る前提になっている。さらには、プルトニウム、これも、もちろんですけれども原発からは出ることになっておりません。しかし、これが二・九掛け十の八乗出てもいいということになっている。
 液体でいえば、トリチウム、今福島第一でも大変問題になっておりますが、このトリチウムでも、原発に比べますと桁が全然違うんですね。原発は三・七掛け十の十二乗ですけれども、六ケ所再処理工場は一・八掛け十の十六乗ということになります。今一Fで問題になっている数値は、一番下の方に参考と書いてありますが、福島第一では八・三掛け十の十四乗ベクレルということで、原発の基準値より相当高いんですけれども、その一Fに比べても、さらに二桁上のトリチウムを出していいことになっているわけです。
 再処理工場には、普通の原子力発電所に比べて桁違いの放射性物質の放出が気体、液体という形で認められている。原発と再処理工場、完全なダブルスタンダードじゃないでしょうか。
 しかも、この管理目標値のあるものは、日本原燃のある意味願望といいますか、再処理工場のための特別の基準でありまして、何かの規制値であるとか何かの基準値があるわけじゃないんですね。日本原燃が定めた願望のような数値で、ですから、これを達成できなくても、原燃の事業許可が取り消されるとか、そういうことじゃないわけです。
 大臣にお聞きしたいんですが、放射能レベルが減るどころか、原発よりも多くの放射能が液体や気体の形で放出されるんじゃないですか。

○林国務大臣 原子力規制委員会の基準というかルール、これに従って対応しているというふうに理解しています。

○藤野委員 事実は否定できないと思うんです。やはり原発はそれなりに五重の壁なんていっていろいろやっているけれども、再処理工場はそんな壁はないんです。遮蔽のあれが全然違う。そのもとで気体や液体がこうやってだだ漏れになっているというのが実態なわけです。

 もう一つお聞きしたいんですが、資源として有効活用できるとも大臣はおっしゃいました。これも本当なのかということなんですね。
 原子力発電を行った場合、発電前と発電後で、ウラン235、238、プルトニウム、その他もいろいろ出てくると思いますけれども、この中で最も割合の多いものは何かといいますと、ウランであります。ウランが、大体、使用前と使用後で一番多いと思いますけれども、これを確認させてください。

○多田政府参考人 お答え申し上げます。
 ウラン238が該当すると思います。

○藤野委員 ですから、一般的には、大体、使用前、使用後で、プルトニウムは一%ぐらいしかできなくて、ウランが235と238合わせて九四%に達する。ですから、六ケ所再処理工場で一年間で八百トン再処理するとよく言われますが、そうしたら、九四%というと大体七百五十トンぐらいウランが出てくるわけですね。いわゆる再処理ウランというようなものになるわけです。
 これも経産省に確認したいんですが、プルトニウムは活用するとおっしゃるんですが、このウランも資源だというふうに捉えていらっしゃるんでしょうか。

○多田政府参考人 お答え申し上げます。
 ウランにつきましても、使えるものがあるというふうに考えております。

○藤野委員 そうですね。東京電力のホームページでも、プルトニウムと並んでウランを準国産エネルギーというふうに位置づけておりますので、これもやはり活用すべき資源だということになってまいります。

 では、その再処理されたウランというのは使われているのかということであります。
 本法案はMOX燃料加工工場を新たに拠出金の対象にするわけですけれども、このMOX燃料というのはプルトニウムとウランをまぜ合わせてつくるわけであります。プルトニウムは六ケ所村の再処理工場でつくられたものを使うというわけですけれども、ウランの方はどうなのかということなんですね。
 ウランの方は再処理から生まれたものを使うのか。配付資料の一枚目に戻っていただいて恐縮ですけれども、一枚目の一番右上にウラン酸化物粉末というのがわざわざ囲ってあるんですが、これを使うのかということなんです。
 経産省にお聞きしたいんですが、日本原燃は、このウラン酸化物粉末、いわゆる再処理回収ウランを利用する具体的計画を持っているんでしょうか。

○多田政府参考人 お答え申し上げます。
 ちょっと今手元になくて定かではございませんが、日本原燃は、ウラン酸化物粉末につきましては備蓄をしているということかと思っております。

○藤野委員 そのとおりなんですね。備蓄している、ためているだけなんです。これを利用する計画は全然持っていないんですね。
 配付資料の五枚目を見ていただきますと、これも日本原燃の資料であります。これを見ていただくと、見ていただくのは一番左上だけでいいんですけれども、MOX燃料をつくる際に、プルトニウムの方は、上のPuというのはプルトニウムでありますが、確かに、再処理施設から隣に今つくっている燃料加工建屋に持ってくる、こういう矢印がついております。しかし、ウランの方は、再処理施設じゃなくて再転換施設からというふうになっております。
 ですから、結局、再処理工場でプルトニウムとウランを分けて、それぞれ粉末にして、配付資料の一にあるようにウラン酸化物粉末というものにするわけですけれども、このウラン酸化物粉末はいわゆる戦略的備蓄という名のもとにずっとためておかれている。MOX燃料には生まれ変わらないんですね。これが実態じゃないでしょうか。

○多田政府参考人 お答え申し上げます。
 先生配付の資料の五ページの左上をごらんいただきますと、御指摘の赤で囲ってありますウラン粉末、これは確かに再処理工場とは関係なく、外から持ってくるものでございます。
 他方で、この赤い網かけがかかっているところ、プルトニウムの富化度が五〇%となっているMOX粉末がございます。これは、再処理施設からとございますけれども、この再処理工場で生成されたもの、その再処理工場で生成される過程はこの一ページのものでございます。この一ページの黄色いウラン酸化物粉末の下にプルトニウム・ウラン酸化物粉末がございますが、ここでまさに取り出したウランを使っているということでございます。
 したがいまして、再処理工場で取り出しましたウランというものを全く使っていないということではございません。

○藤野委員 利用実績があるのは私も知っております。例えば、九五年でいえば、年間装荷量千トンに対して二十トン使ったことはある、〇・〇二%。
 ただ、ウラン粉末としてわざわざ生成したものは使われていないんですよ、全く。私の質問はそういうことなんです。ですから、九四%出てくるわけですね。八百トン処理したら七百五十トンというオーダーで出てくるものが、全く使われていない。戦略的という言葉のもとに備蓄されているわけです。
 これも経産省にお聞きしたいんですけれども、日本が国内外で保有しているウランは総量で何トンでしょうか。

○多田政府参考人 お答え申し上げます。
 今手元に数字を持ち合わせておりません。

○藤野委員 これは七千トンなんですね。
 プルトニウムは国内外で四十七・八トン、この間三百三十一キログラム返しましたけれども、そういうオーダーです。ウランは全く使われません。再処理しても再処理しても使われないんです。海外で再処理しても使われない。だから、七千トンというオーダーでたまっている。これが実態であります。
 何で使われないかといいますと、先ほどMOX燃料の話もありましたけれども、やはり再処理すると厄介なんですね。ガンマ線も強くなる、遮蔽の費用も物すごいかかる、いろいろな形でもう使わないというのが世界的に共通している。そういう実態であります。
 ですから、大臣、これはちょっとお聞きしたいんですけれども、プルトニウムは四十七・八トン、ウランは七千トン、どっちも利用計画すら立てられない。そのもとで、ただただ積み上がっているわけです。これが再処理の現状じゃないでしょうか。有効活用なんて全くされていないんじゃないでしょうか。いかがでしょうか。

○林国務大臣 先生御案内のとおり、高浜原発三、四号機の二基、これは現在停止中でありますけれども、実際にMOX燃料を使用してプルサーマルを行ったところでございます。このほか、八基がプルサーマル計画を行うということで、原子力規制委員会による審査を受けているところでございます。
 今後、審査が進めば、プルサーマルを実施する原発の再稼働もふえまして、プルトニウムの消費も進んでいくものというふうに見込まれるわけでございます。
 六ケ所再処理工場は、ほぼ二年後の二〇一八年上期の竣工予定でありまして、稼働後も五年をかけてフル稼働に至る予定でございます。このため、直ちに核分裂性プルトニウムが回収されるわけではございません。そういった意味では、ちょっと長いスパンで対応していく形になります。

○藤野委員 私の質問は、ウランというのは全く使われていない、資源の有効活用と大臣はおっしゃいましたけれども有効活用されていないわけです。だから七千トンもたまっているわけです。七千トンです。ですから、再処理によって、有害なものが減るとか、放射能レベルが減るとか、あるいは有効活用できるとか、全くそうなっていないということが言いたいわけです。
 ですから、再処理の意義、再処理の三つの意義と大臣がおっしゃったことが全て破綻していると言わざるを得ないというふうに思うんですね。こういうものはきっぱり撤退すべきだというふうに主張いたします。

 その上で、別の話も聞きたいんですが、先ほど、MOX燃料加工費用が幾らになるのかという指摘もありました。大事な指摘だと思います。
 配付資料の六枚目を見ていただきますと、アメリカもMOX燃料をずっとやってきました。しかし、やってきた結果、初期の見込みよりも七倍以上予算がふえてしまって、二〇一四年の予算書では、負担し切れないかもしれないと。ちょっとここはまだ腰が引けているんですね、かもしれないですから。しかし、二〇一五年度は、もうとうとう、MOX燃料製造施設及び関連施設を凍結状態、コールドスタンドバイというふうにして、他のオプションを検討するようにというふうになっているわけです。
 ですから、ある意味、もう先行例があるわけですね。そういう意味でも、このMOX燃料工場を加えるというのがいかに無謀なことかというふうに思います。

 しかも、大臣、私の衆議院本会議での質問に対して、費用をどう回収するんだということについては、事業者が判断と言いながら、こうおっしゃっております。本法案において制度の対象としたような発電にかかわる費用は電気の利用者から料金の形で回収することが一般的だ、こうおっしゃったわけです。
 大臣、本法案で再処理等の対象を拡大して、核燃料サイクルにかかわる費用が一体幾らになるのか、全く総額も示さない。この法案とは別なんだと言って説明されるわけですけれども、私は別じゃないと思いますよ。
 大臣、試算も示さずに、国民から電気料金で取ることは一般的だと言う、そこだけ認める。こういうことが許されるんでしょうか、大臣。

○多田政府参考人 お答え申し上げます。
 まず、前提として、今回、拠出金制度をつくらせていただきますが、現在も積立金制度は存在しております。その中で、積立金として対象としている費用、これは今回追加するMOX燃料費用を除いたものでございますけれども、こちらについて、先ほども御答弁しましたけれども、事業者からの報告によれば十二・六兆円、こういったものは出てきているわけでございます。
 その上で、大臣からの御答弁の内容は、原子力発電に伴って発生する使用済み燃料を処理するための費用というものは電気事業を行っていくために必要な費用でございますので、これにつきましては、電気の利用者の方から御負担いただくのが一般的ではないか、このような趣旨を御答弁した内容だというふうに理解をしております。

○藤野委員 何の内容もない答弁だったと思うんです、私が引用したことを大体おっしゃったような話で。
 大臣にちょっとお聞きしたいのは、政府は再処理にかかわる費用を現行と同じく託送料金という形で回収しようとしているんじゃないかという報道があるんですね。託送料金というのはいわば送電線の利用料のようなもので、高速道路の利用料のようなものですよね、電気を通していくわけです。この託送料金で再処理にかかわる費用を現行と同じく求めていくという報道があるんですが、こういう検討をされていることは事実かどうか、まずお答えください。

○林国務大臣 再処理等に要する費用は原子力事業者が負担することが大前提でございまして、託送料金による費用回収に係る新たな措置は講じておりません。

○藤野委員 新たな措置を講じているかを聞いたんじゃなくて、検討しているのかということです。これについてはいかがでしょうか。

○林国務大臣 現時点で検討してございません。

○藤野委員 今後は検討されるんでしょうか。

○林国務大臣 現時点では検討してございませんし、今後のこともまだ検討してございません。

○藤野委員 なぜかといいますと、これは電力自由化あるいは発送電分離と密接にかかわる問題だからお聞きをしているわけです。発電と送電を分けるわけですから、送電線の利用料に発電部門のコストが乗っていくということになると、電力自由化あるいは発送電分離をしたにもかかわらず、やはり原発優遇じゃないか、こういう話になってくるわけで、ですからお聞きをしているわけであります。

 配付資料の七枚目を見ていただきますと、これは、電気料金の請求書には表示はされていないけれども現在これだけのものが電気料金に上乗せされているということを示した、経済産業省の提出資料をもとにつくりました。
 例えば、東京電力エリアでは、一番下のところにありますけれども、標準家庭で合計で月額二百三十九円、こういう原発関連の費用が入っている。九州電力でいえば、月額二百六十三円であります。知らないまま、表示もされないまま負担させられている。

 皆さんも御存じだと思うんですけれども、再エネの賦課金については電気料金のところに書いているんです。結構高いので、あれを見ると、再エネというのは高いよねと思うんですが、原発については、これだけ乗っているにもかかわらず、あの請求書に載っていない。これが実態であります。
 配付資料の八枚目は託送料金の資料であります。小さい字で恐縮です。
 経済産業省にお聞きしたいんですけれども、確認ですが、再処理の費用というのは原子力発電でしか生まれない固有のコストですよね。地熱とか水力発電では生まれないコストですよね。

○多田政府参考人 お答え申し上げます。
 御指摘の再処理に係る費用、これは原子力発電に伴う費用で固有のものとお考えいただいて結構です。

○藤野委員 ですから、これは発電の中でも原発だけで発生する費用であります。もしこれが託送料金ということで送電部門の料金に含まれるということになれば、大変おかしなことになる。
 例えば、普通に、電力自由化になりました、よし、私は原発のエネルギーはちょっと嫌だから、再生エネルギー一〇〇%の会社の電力を買おう、そう思ってそういう再生エネルギー一〇〇%の会社の電力を買ったとしても、その再生エネルギー一〇〇%の会社だって送電線は使わないといけない、その会社だって託送料金を払わないといけない。
 その託送料金の中に原発でしか生まれない固有のコストが入っていたら、結局、それを選んだ人の思いが実現しない、こういうことになると思うんですが、大臣、いかがですか。

○多田政府参考人 お答え申し上げます。
 今、消費者の方々の選択において、託送料金の中に原子力という固有の発電の費用が乗せてあるとよろしくないのではないか、こういう御指摘かと思います。
 先生の配付資料にもあったかと思いますが、一つ事実だけ申し上げますと、現在の再処理積立金がございますが、この積立法ができました二〇〇五年よりも前に発生しておりましたものについても、積立金につきましては、現在、過去分といたしまして全ての需要家の方からいただくことが必要だろうということで、託送料金の中に乗っているというものがございます。
 したがいまして、費用負担のあり方につきましては、先ほど大臣からも御答弁ありましたように、現時点で検討しておりませんし、今後のことも検討しておらないということで、そのとおりでございますけれども、事実関係として、そういった関係があるということだけ補足させていただきます。

○藤野委員 いや、ですから、今乗せているから聞いているんです。今託送料金に乗せているから、これを電力自由化後もやるんですか、検討しているんですかということで、大臣は検討していないとおっしゃいました。これは大変重要な答弁だと思うんですね。これはぜひ取り消さないで、託送には乗せないということを貫かないといけないというふうに思うんですね。
 やはり、再処理の費用というのは原発でしか生まれないし、しかも長期間にわたります、しかも巨額のコストです。これをどう負担させていくのか。発電会社が、原発を使いたい、原発でやるんだといって、それを胸を張って消費者にこれは原発の電力ですとやってやるんなら、そうやっていただければいいと思いますけれども、再生エネルギーをやっている会社にまでこの託送料金という形で負担させるようなことがあっては絶対にならない。
 大臣は検討していないとおっしゃいましたから、これはぜひそのとおりにしていただきたいと思います。

○林国務大臣 先ほど検討していないと申し上げたのは、本法案に関するもので答弁したものでございます。

○藤野委員 では、本法案以外では検討されるんですか。

○林国務大臣 原子力全般というか、その費用の負担のあり方につきましては、今後、個別の内容を踏まえて検討すべきものではあるのではないかというふうに考えております。

○藤野委員 これまた重大答弁でありまして、ですから、結局検討されるんですね。これを託送に乗せる、こういうことですか、大臣。

○多田政府参考人 お答え申し上げます。
 原子力発電にかかわるものという趣旨でまいりますと、例えばでございますが、廃炉を円滑にするための会計制度というものをつくらせていただきました。そうした廃炉に伴って発生する費用などにつきまして、場合によっては、その費用の負担、投資回収についてのさらなる対応のあり方というのは考えなければいけない課題として存在することは事実でございまして、これをどうするかということについてはまだ結論が出ているものではございません。

○藤野委員 先ほど大臣が答弁を修正されたのは極めて重大で、本法案では検討していないけれども、ほかの場面で検討すると。
 これは、発電にかかわるコストを託送料金という送電にかかわるコストに乗せていく、しかも、原発でしか生まれない再処理にかかわる費用を乗せていくということになります。これは、重ねての指摘になりますけれども、本当に絶対許されないと思うんです。発送電分離とか電力自由化といいながら、結局原発は優遇していく、結局原発温存のための仕組みをつくっていく、こういうことになるわけであります。
 大臣、この問題は非常に重要な問題だというふうに思うんですね。絶対に許されない、引き続き追及したいと思います。
 三・一一の原発事故以後、国民は、率直に言って、電気料金とか電気のあり方ということについて認識を一変させているというふうに思います。
 私もよく覚えているんですが、二〇一三年の六月四日、当委員会で、電気事業法の参考人質疑、議事録を読ませていただきました。そこで、消費生活アドバイザー協会の辰巳さんがこういう発言をされているんですね。いろいろおっしゃった後、
 ああそうか、働かない原子力発電のお金まで料金で負担させられていたんだというふうなこともわかってきたということで、とてもよかったと思います。
  これがもし自由化になって、そういう話が全て隠れてしまって、例えばトヨタさんのお話も出ましたけれども、料金がどういう積算のもとに出ているかというのがわからなくなることは、やはり私たちとしては、知ってしまった以上、もう少し知りたいというふうに思います
こうおっしゃっている。
 大臣、ですから、消費者、国民は、三・一一以降、電気や電気料金について認識を一変している。
 こういう認識、大臣、ありますか。

○林国務大臣 まさにそのとおりだと思います。

○藤野委員 ですから、もう知ってしまったんです、国民は。知ってしまった以上、もう少し知りたい、こうおっしゃっているわけですね。
 しかし、それにもかかわらず、託送料金という形で知らないうちに乗せられるわけですね。再生エネルギー一〇〇%と思って電気を買うようになったらば、そこに再処理の費用も乗っていた。これを、大臣、認めることになるわけですね。これは絶対許されないというふうに思います。
 しかも、託送料金というのはもう一つ問題がありまして、電気料金については、経過措置ではありますけれども、公聴会という形で国民がチェックできる仕組みがあると思います。経産省、間違いありませんか。

○多田政府参考人 お答え申し上げます。
 これまでの認可料金、それから今の経過措置料金についてもし値上げをするという申請が出てくれば、公聴会の対象となります。他方、託送料金については、公聴会の規定はございません。
 それから、先ほど来、私どもが託送料金で回収することを何か結論を得ているというふうなことで、前提として御指摘があるようでございますが、先ほど大臣の方から申し上げておりますように、私どもとして現時点で何か具体的な結論を得ているわけでは決してございませんので、誤解ないようにお願いしたいと思います。

○藤野委員 いや、私は答弁を変えられたから問題にしているんですね。それは後でまたやりますけれども。
 今確認しましたが、電気料金につきましては、公聴会があって、値上げするときとかは市民とかが関与できる仕組みがあるんですね。そこで何が入っているのかという資料も出るし、議論もされるし、そういう意味では大変重要な仕組みがあるわけですが、託送料金は、今答弁あったように、公聴会がない、チェックできないという仕組みになっております。
 ですから、先ほどの辰巳さんの発言、知った以上はもっと知りたいという国民の意識にもかかわらず、託送料金という形でこっそり入ってきて、しかもそれをチェックする仕組みもなくなってしまったということであります。
 大臣、これで本当に国民の思いに応えることはできると思われますか。

○多田政府参考人 お答え申し上げます。
 託送料金について公聴会の規定がないことは先ほど申し上げたとおりでございますけれども、かわりの措置ではございませんけれども、御案内のとおり、電力取引監視等委員会、今は電力・ガス取引監視等委員会になっておりますが、その監視委員会の方で、専門家の知見をかりまして、そこで厳正な審査をしていくという点、それから、そのプロセスに消費者の方々にも参加していただく、こうした形になっておりますので、御承知おきいただければと思います。

○藤野委員 大臣、いかがですか。今のと同じ質問です。

○林国務大臣 今の政府委員の答弁のとおりでございます。

○藤野委員 やはりこの法案は本当に問題が物すごくあるんですね。
 先ほど言ったように、本法案の意義と言われる三つの問題、有害なものが減るとか、有害度が低減するとか、資源が有効活用できるとか、こういうのも全く成り立たない。しかも、MOX燃料加工工場の費用を新たに加えるにもかかわらず、それも試算していない。
 そのもとで、再処理にかかわる費用、これを託送料金に乗せるということを否定しなかった。具体的に決めるとは私も言っておりません。要するに、検討をする、検討が必要だと大臣はおっしゃったわけですね。本当にもう二重三重にこれは許されないというふうに思います。
 こういう形の核燃料サイクルというのはもう破綻しているし、これを国の関与を強めて推進するというのは許されないというふうに私は思いますが、大臣、いかがですか。

○林国務大臣 先ほどから答弁しているように、現時点で何らか具体的な決定をしたということはございませんで、現時点ではそういう意味では検討していませんが、今後、原子力に関する費用の負担、投資回収について、さらなる対応のあり方については引き続き検討をしなければというふうに考えているところでございます。

○藤野委員 もう最後になりますけれども、その回収のあり方なんです。ですから、回収するのなら、自分のところの発電は原子力ですよ、そういう会社ですよと言ってやるべきで、託送に乗せるということは、発送電分離とか電力自由化とか言いながら、結局は、原発温存、原発優遇のための資金をそうやって回収しよう、それは嫌だと言っている人からも回収しよう、そういう仕組みになるということで、これは絶対に許されないということを指摘して、質問を終わります。


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