伊方再稼働 最大地震動が連続する場合のデータなし 5/12勉強会
5月12日、高知県と四国電力で、継続して実施されている勉強会(公開)の内容を、高知民報記者から教えてもらった。
感想は、1つは、この間の論戦が生きているということ。次に、段階的脱原発の方向にすすめるために、政府・四電の主張に「配慮」しながら主張している県の「善意」も無視した四電の無責任ぶりである。3つめに、そのことで、矛盾、破たんがいっそう明確になったということ。
◆震度7が連続した熊本地震を踏まえての対策
東日本大震災も、トランポリン効果など新たな知見が発見された。今回も、震度7が連続しておきるという「想定外」の事態がおきた(あらたな活断層も発見された)。
○県は、基準地震動650ガルの振動が、続けておこった場合の対応が聞いた・
・四電は、「データがなく、わからない」と率直にみとめた。
が、他の四電メンバーは、中央構造線でM7の地震が発生するのは1000年に一回、前回からまだ数百年しかたっていない、など「おそらく、大丈夫」と、問題にしなかった。
→ 四電は「想定外」を無視するという態度 / 実は、災害対応で「想定外」を「想定」する、というのは知事の基本スタンス。そのことは、緊急事態条項について、「参院の緊急集会で十分なのか。広範囲の被害で、参院議員もなかなか集まれないような事態を、想定しなくてよいのか」という論立てにもつながっているのだが(論戦では、緊急事態条項の危険面と、現場を担当する市町村の活動をどう保障するかが大事という角度で質問した)・・・
災害に真摯に学ばず、特段の対応もとらない四電の姿勢は決定的な齟齬がうまれている。
◆「老朽火力の事故による停電の危険」を四電が否定
県は、随時調整契約、電源開発の電力や自家発電の活用など、県議会質問でとりあげた内容を、四電に質問している。そういう状況なのに、四電が、他地域に売電することに関しても質問している。
四電は、電力システム改革を前提に、不足分は市場から購入することを検討していると述べ、昨年、気温上昇で急きょ不足する事態には、「電力広域的運営推進機関」(15年度より運営。不足時に、たき増しなど指示する権限をもつ)を通じ、中国電力から購入。こうしたことで対応できることを事実上みとめ、原発維持は、エネルギーのベストミックスのため説明した。説明がまったく変わっている。
ようするに、我々が指摘したように、偽りの説明で、県をだましてきた(県もだまされたふりしてきた)、ということである。
知事は、地域の実態から考えながらも、できるだけ政府とも齟齬を来さないよう「配慮」した言動をおこなっている、と私は見ているのだが・・・
今回の四電の対応。ちっちゃな県の知事の言動など、歯牙にもかけてない、という電力会社の姿勢がますます鮮明になった、と思う。
今回の四電の対応・・・ 川内も再稼働したし、それに続く再稼働もそんなに困難ではない、ということで、緊張感も欠如し、本音があからさまに出ている。
その点で、この勉強会は、きわめて重要な場を提供している。
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