TPP 重要農産物すべてで譲歩~農相認める
政府は重要農産物のうち関税を撤廃は170品目にとどまり、残り424品目は「関税を残したので国益を守った」と強弁していた。が、「関税維持したものは155品目」で、国家貿易の枠外で民間が輸入する際の関税(枠外税率)も含めれば「変更しなかったものはなかった」と、無傷のものはゼロであることを認めた。
政府は、関税品目ごとの詳細はあきらかにしていない。他の分野でも譲歩が多数あるだろうが、それがわからない。こんな国民主権に反する、憲法違反の協定からは撤退以外にはない。
【重要農産物、すべて譲歩=TPP審議で森山農水相 時事4/19】
【TPP、重要農産物すべて譲歩 特別委で農相説明 日経4/19】
【重要農産物、すべて譲歩=TPP審議で森山農水相 時事4/19】森山裕農林水産相は19日、衆院環太平洋連携協定(TPP)特別委員会の質疑で、日本がTPP交渉で「聖域」と位置付けたコメ、牛・豚肉など農産品重要5項目について、すべてで関税引き下げなどの見直しが必要となったとの認識を明らかにした。重要5項目の「除外扱い」を求めた国会決議との整合性が改めて問われそうだ。民進党の玉木雄一郎氏への答弁。
関税には、国が年間輸入数量を定める国家貿易の関税(枠内税率)と、国家貿易の枠外で民間が輸入する際の関税(枠外税率)がある。森山農水相は19日午後の答弁で、重要5項目(関税分類594品目)の中で、関税を維持したのは単純合算で155品目と回答した。その上で、「(国家貿易の枠内だけでなく)枠外税率も変更を加えていないものがあったかなかったと言われれば、なかった」と語った。
この発言は、重要5項目の中に、関税の撤廃・削減の対象から外れた「無傷」のものが存在しないことを認めたものだ。
【TPP、重要農産物すべて譲歩 特別委で農相説明 日経4/19】19日開いた衆院環太平洋経済連携協定(TPP)特別委員会で、森山裕農相は政府が重要農産物としてきたすべての関税品目で、関税撤廃や引き下げなどの対応をしていたことを明らかにした。政府は「緊急輸入制限措置(セーフガード)の創設などで影響を最小限に抑えた」と説明するが、民進党など野党は国会決議違反として追及する構えだ。
衆参農林水産委員会は政府がTPP交渉に入る前に、コメや麦、砂糖、牛肉・豚肉、乳製品の「重要5項目」について「段階的な関税撤廃も認めない」とする決議をした。関税分類でみると594品目に分かれる。
TPPで外国産の安い農産物が大量に入ってきて、農家に打撃を与えるのを防ぐ狙いだった。政府はこのうち関税を撤廃したのは170品目にとどまり、残りの424品目は「関税を残したので国益を守った」と説明してきた。
19日の特別委員会で民進党の玉木雄一郎氏は「関税が残った424品目のうち、無傷の品目はいくつあるか」と質問。農相は「単純に枠内税率も枠外税率も変更を加えていないものはない」と説明した。
政府は関税品目ごとの詳細は明らかにしていないが、関税を下げたり関税の低い特別枠を設けたりしているという。民進党は「無傷の重要農産品がゼロだったことが明らかになった。今後追及していく」(玉木氏)として論戦の焦点に据える構えだ。
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