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「冷戦期」の遺産としての南シナ海問題

 聴波弘「マルクスならいまの世界をどう論じるか」より―― 南シナ海問題の平和的解決のためにも、現代の日本とアメリカに大きな責任がある歴史的経過を知っておく必要がある。
 同地域を占領し、敗戦後、帰属を明確にせず平和条約をむすんだ日本。それにあたり中国の主張を一切排除した米国。そこには「冷戦」期のアメリカの世界戦略があった。というもの。あらため整理のためのメモ。

なお、南沙諸島には島と言えるものが12あるとのことだが、中国が内乱状態〔文化大革命〕にあった間に、ベトナム、フィリピンが5島ずつ、マレーシア、台湾が1島ずつを抑え、それぞれ飛行場一ヵ所を造っている。

・各国の領有権の主張は図のとおり。複雑さは尋常ではない。
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【「冷戦期」の遺産としての南シナ海問題】

・南シナ海問題には、現代の日本とアメリカ自身に大きな責任があることを忘れてはならない。

◆領土問題を未解決でのこしたアメリカの戦略

 サンフランシスコ対日条約で~ 北方領土、尖閣、竹島問題など含め、極東・アジア太平洋の領土問題を「未解決の問題」として残した。〔現在も「施政権」しか言及せず、「領土問題」には関与しないスタンス〕
 →この地域に紛争の火種を温存し米軍の駐留の「正当性」の証明にしようとした。

◆南シナ海問題も同様

・戦前 中国、フランス〔インドシナを植民地〕、日本〔台湾を併合〕~3国間の係争問題
・1939年 日本 南沙諸島の領有を宣言。台湾の総督府の管轄下に置き「新南群島」と命名。西沙諸島も支配下に。

・1950年 日本 二次大戦の戦後処理の原則「領土不拡大」にもとづき、サ条約二条f項で、両諸島を放棄

→が、放棄された諸島の帰属先は、決定されなかった。〔C項で千島列島放棄を明記、帰属先を明確にせず〕
/ フランスは、略奪でなく「第一の占有国」であると主張したり、インドシナ三国連合に引き渡すよう求めたが、帰属性を明記しない英米案に同意

・中国 サ条約に不当にも招待されず。周恩来が「英米草案」に対し声明発表

 これに全ての諸島は「これまでもずっと中国領であった。日本帝国主義が侵略戦争を起こした際、一時的に日本により占領されたことがあったが、日本が降伏してからは当時の中国政府により全部接収されたのである。〔サ条約米英草案であれ、その他のいかなる規定であれ中国のこれら諸島の主権は〕なんら影響をうけるものではない」
〔メモ者 戦後、同区域の領有権を最初に主張したのは中華民国。革命後、その主張を引き継いだ〕

・ソ連は、サンフランシスコ会議で、中国の主張を支持。が、アメリカが反対

◆アジア冷戦における中国「封じ込め」

・中国の領土的主張の根拠となるものを、平和条約から徹底して排除
・1951年6月28日付 マーシャル防衛長官から、ダレス国務長官へのメモに、添付されたブラドレー統合参謀本部議長の覚書

「台湾、澎湖島、西沙・南沙諸島及び現在合衆国の統治下にある第三条で言及された他の諸島の主権、及びこれらの地域で中国政府或いは同国民によってかつて所有されていた領事館、建物及びビジネス等の実在の資産の獲得について、中共に法的請求権を与えかねないような根拠が条約に、記載であれ示唆であれ、書かれていないことを確実にしておくべきである」

★中国の主張が正しいかどうかは別にして、この地域の紛争には、旧帝国主義国、アメリカが大きな責任をもっていることを自覚したうえで、対応すべきである。

〔なお、中国は、国内の内乱状態に対応している間に、台湾、ベトナム、フィリピンは、それぞれ島の実効支配を進め、飛行場を建設。/ 中国には、埋め立てる以外に飛行場を建設する以外の選択肢がなくなっていた。下段の【メモ】参照〕

【南シナ海の領有権問題と日本の役割 2015/08】

【整理のためのメモ 2015/11時点】

■軍事的挑発の回避を

・人工島周辺12海里内を、米イージス艦が航行・・・領土問題の平和的解決を脅かす潜在的な危険性
・中国はじめ領有権を主張する6カ国・地域の自制が重要。米国もまた軍事的挑発と受け取る行動をすべきでない。
→ 米行動は、同地域の「微妙な均衡」をくずしかねない懸念
 〔ただし、防衛力主体のイージス艦一隻、しかも、ベトナム、フィリピンの領海内も航行〕

・南シナ海の安全保障は、02年「南シナ海行動宣言」をより具体的・実効性を持つものに高める他はない
→「行動宣言」①平和的解決 ②実効支配拡大の自粛 など

■「宣言違反・・あらたな実効支配の拡大」ではない

・中国の人工島建設  緊張をあおる行動だが、02年時点で実効支配している浅瀬、暗礁に限定
 → 他国・地域が支配している島をうばったり、どこも支配していない暗礁に新たに着手したものでもない /「実効支配の拡大自粛」という行動宣言の枠組み内にぎりぎりでとどまっているとも言える。/米国の軍事行動は、その中国の枠組みから逸脱する口実を与えかねない。

■歴史的経過・・・

①日本軍国主義の敗戦、単独講和により、領有権について空白地域に
その間、「中華民国」が南シナ海全体の領有権を主張→ 中華人民共和国が引きづく

②実効支配に出遅れた中国
・60-70年代、フィリピン、ベトナムが南沙諸島の実行支配をすすめる。中国は、文化大革命の混乱時で、「島」と呼べる陸地は、他国・地域が支配。あとは浅瀬・暗礁しか残っていなかった。

・南沙諸島には島と言えそうなものは12あるが、ベトナム、フィリピンが5島ずつ、マレーシア、台湾が1島ずつを抑え、それぞれ飛行場一ヵ所を造った。

■現在、民間船舶の航行に支障があるわけではない。

 日本は「行動宣言」具体化・実効性づくりの道筋づくりで役割発揮を。

◎米国の主張する「航行の自由」について
・世界最大の貿易国、漁業国、造船国である中国にとって世界的な「航海の自由」の確保は「中核的利益」
・南シナ海は、中国の潜水艦出撃にとって重要 ~ 軍の情報活動は、公海上は自由/よって、人工島を「領土」と主張し、米軍を牽制。/その牽制に対して、今回の米軍が行動

◎中国の「南シナ海の領有権」について
もともと中華民国、蒋介石の主張。・・・いったん主張した「領有権」を引き下げるのは容易ではない・・・、国民のナショナリズム、権力闘争など、統治の安定にとって。

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